『会話と作文に役立つ ドイツ語定型表現365』はドイツ語中級者におすすめの熟語集!
ドイツ語の実力が初級から中級になると、ひとつの大きな問題に直面します。
それは、
中級者向けの語彙集がない!
ということ。
以前、
ドイツ語をゼロからはじめる初心者におすすめの参考書・本を紹介します!
で紹介した通り、総単語数0~2000の初心者向けの単語集ならクオリティーの高いものが3種類もあるんですが、覚えた単語数が2000を超えて中級レベルになると、使えそうな語彙集が全くないんです。
そんな状況の中で、今年やっとかなり良さげな中級者向け語彙集が出ました!
それが『会話と作文に役立つドイツ語定型表現365』です。
内容
この本は、熟語集です。
von A bis Z
はじめから終わりまで、例外なくすべて
のようなドイツ語の熟語が、本のタイトルの通り365個収録されています。
そしてその365個それぞれに、4つの例文が付いているんです。
4回例文に触れることで、熟語がびっくりするくらい頭に定着します。
4つというと「多すぎない?」と思う人がいるかもしれません。しかし、使ってみるとわかるんですが、この4つという数がちょうどいいんです。
語彙というのは、ゴリゴリと機械的に暗記していくのも時には大事ですが、やはり最も効果があるのは具体的な文脈の中で実際にその語彙に触れていくということなんです。
この本は語彙集であるにもかかわらず、複数の種類の文脈の中でその語彙をトレーニングするということが可能なんです。
レベル
中級向けと書きましたが、具体的には独検3級レベルをマスターし、独検2級~準1級程度の人に最適なレベルになっています。
これは、総語彙数2000~5000程度のレベルです。
これだけをマスターしただけでは独検の準1級に高得点で合格することはできないかもしれませんが、合格のための土台作りにはベストだと思います。
さきほどリンクを貼った記事で紹介した3種類の単語集では、だいたい1600~2000の単語が載っています。
これをすべてマスターし、初級文法を身に付けると独検の3級に合格できます。
この本は、その段階に達した人にとって最も効果を発揮するレベルといえるでしょう。
関連語彙が豊富!
「え、熟語集なの?単語集が欲しいんだけど・・・」
という人がいるかもしれません。
しかし、そういう人もぜひこの本を使うことをおすすめします!
というのも、この本では例文を通して独検3級以上レベルの単語も身につけられるようになっているんです。
例文を音読しながら特訓していてわかったんですが、この本の例文には、著者が意識的に中級レベルの単語を散りばめているんです。
しかもそれらの語彙にはしっかりと訳注がついているので、わからない単語に出会う度に辞書を引く必要もありません!
なので、体裁は熟語集ですが、単なる熟語集を使うのよりも何倍もの効果が得られるのです。
ちなみに、注には文法事項の解説もあるので、まだ文法が不安だという人でもサクサクと進められることができます。
何回も音読しよう!
この本には、各熟語と例文すべての音声を収録したCDがついています。
これを活用しない手はないです。
CDを聞いて発音のチェックとリスニング力アップをはかりながら、例文を何回も音読しましょう!
さきほども書きましたが、この本に収録されている例文は、単語、文法面でもドイツ語中級者にとってとんでもない効果をもたらします。
ドイツ語初級を終えた人は、この本を使うのが最も効率が良く、学習効果も高い選択肢だと思います。
おすすめなのでぜひ使ってみてください。
(関連記事)
通訳スクールに半年通ってみてわかった4つのメリット!
民間の通訳スクールで半年間の講座に参加していたのですが、それがやっと終わりました。
通訳訓練を受けるのは今回が初めてでしたが、半年間通訳学校に通ってみて、これ以上ないくらい普通の感想だとは思いますが、
行って本当によかったな
と感じています。
今回は実際に通訳学校に通った経験を元に、ぼくが感じた通訳学校に通うことのメリットを4つ紹介していきたいと思います。
①通訳力・英語力が上がる
まずひとつ目のメリットですが、通訳スクールに通うことで、通訳をする能力(以下通訳力)が上がります。
ぼくはスクールに通い出す前は、小松達也氏の『通訳の技術』などを読みながら、ほぼ自己流で訓練をしていました。
このような質の良い本を使って学習すれば、通訳力は上がることは上がると思うのですが、学習効率などを考えると、やはりスクールで訓練を受けながら勉強を進めていく方が圧倒的に効果が高いです。
通訳学校の先生は、現役で普段通訳として稼働している人がほとんど。
そのような人に通訳について教えてもらい、しかも自分のパフォーマンスを見てもらえる。そしてそこから得られたフィードバックを元に改善を繰り返す。
このようなサイクルで勉強を進められるのは、通訳力を上げることにおいて理想だなと思いました。
また、通訳力が上がると同時に、土台となる英語力も当然向上します。
よく、
「英語力と通訳力は別。スクールは通訳の力を鍛える場所であるべきで、その前提となる英語力はスクールに通う前に完成させておくべきだ。」
という意見を聞きますが、これは現実的ではないと思います。
よほどの実力者でもない限り、このレベルには達してはおらず、通訳学校に通っている人でもほとんどの人は英語力自体の向上も大きな課題となっています。
スクールに通って勉強していくことで、この"英語力を上げる"ということに関しても効率よく進めていくことができます。
これはやはり授業の密度が理由で、スクールの授業では、先生も周りの生徒も自分の通訳を聞いているという状況なので、自宅でひとりで勉強しているときとは段違いの集中レベルで学習できるんです。
②意識の高い仲間
ぼくが勉強していたのは、そのスクールの中でもそこまで高いクラスではなかったのですが、それでもクラスにいた他の人は猛者ばかりでした。
ほとんど全員が普段英語をガッツリ使って仕事をしている人で、現役の通訳者として稼働しているという人も数人いましたね。
すでに英語力がある程度高く、英語を使った責任のある仕事を普段こなしているにも関わらず、さらなる実力アップのために休日を返上してスクールに通う。
そんなとてつもなく意識の高い人達と机を並べて勉強できるのが通訳スクールです。
その意識の高さ、勉強することに対するモチベーション、クラスでのパフォーマンスなど、ぼく自身見ていてとても見ていてためになりましたし、大きな刺激を受けました。
③自分の実力がわかる
これは簡単に言うと、
身の程がわかる
ということですね。
通訳スクールに数ヶ月も通えば、実際の現場で求められるだいたいの実力とか、プロの意識の高さがわかります。
それによって、通訳市場と照らし合わせて考えた自分の実力もわかってくるんです。
そうすると、
「このままやっていけばちょっといけそうじゃん?」
「まだまだ伸びしろはありそうだな!」」
「自分には無理だ。やめた。」
「無理そうだけど頑張ってみる価値はあるんじゃないのか。」
などなど、それまで漠然と通訳という職業にあこがれていただけの状態から一歩進んで現実が見えてきます。
もっと頑張ろうと思ったり、無理そうだからやーめた!と思ったり、人によってそれはさまざまだと思いますが、いずれにせよ、前に進めるのは確かです。
そういう意味で、英語力が不安だという人でも、通訳にちょっとでも興味があったらとりあえずスクールに行ってみるというのもアリだと思います。
④仕事がある(かも)
スクールばれするので詳しくは書けませんが、仕事の紹介は結構あるみたいでした。
専門の通訳者もそうですし、外資系企業勤務などもあるようでした。
以前、通訳スクールの体験レッスンに行ってこてんぱんにされたとき、ブログ記事にも書きましたが、通訳業界って通訳学校が仕事を独占しているといってもいいくらい大きな影響を持っているんです。
(参考記事)
通訳学校の体験レッスンを受けたら完膚無きまでに打ちのめされて英語もうやりたくない
実際に通ってみて、仕事の紹介先がやはり多いなと感じました。
実力さえあれば、もう一度言いますが実力さえあれば、これらの紹介ですぐにでも実際に働くことができるでしょう。
まとめ
というわけで今回は通訳スクールに実際に通ってみてわかった4つのメリットについて書いてみました。
ぼく自身の話でいうと、そこそこの成績を取ることができ、上のクラスに行ってくれとのことでした。後期は通いませんが、また来年あたり気が向けば行くと思います。
この記事を読んでいる人は、通訳学校に通うかどうか迷っているという人が多いかと思いますが、
とりあえず入っちゃえばいいのでは?
というのがぼくの意見です。そうすれば色々見えていなかったものが見えてくると思います。
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『TOEICテスト 新形式問題やり込みドリル』は受験者必携!"ストーリー理解"の力が鍛えられる一冊!
新形式TOEICの問題集で良さげなのが出ていたので紹介します!
『TOEICテスト 新形式問題やり込みドリル』という問題集です。
著者はヒロ前田氏。有名な『究極の模試』の人ですね。
今回のこの『やり込みドリル』は、新形式の問題のみを集めた問題集になっています。
具体的な内容としては、
Part3
意図問題 12題
3人の会話 8題
図の問題 10題
Part7
文の位置選択 5題
チャット 9題
トリプルパッセージ 9題
Part4・・・10題
Part6・・・10題
となっており、総設問数で言うと249問です。
本番と同じ難易度
解いてみた感想ですが、まず、難易度は本番と同じです。
リスニングのスピードや文の長さも同じくらい。
あえて難易度を高くしている問題集も最近は多く、そういうのをぼくも普段解いているので、この『やり込みドリル』はサクサク解き進められました。
ただ、結構ポロポロとミスが出るんです。
ある程度できていたつもりだったのに抜けが発覚して落とす感じ。
これって、まさにTOEICの本番ですよね。
この問題集はそれだけ問題の質が高いということなのでしょう。他の問題集よりも、1問あたりの学習効果が高いと思いますね。
以前、『非公式問題集』のレビューでも書きましたが、ヒロ前田氏の問題集は毎回本当にクオリティが高いです。
新形式は"ストーリーの理解"がカギ!
ある雑誌のライターから受けた質問です。2016年2月のことでした。新形式による実際のテストが始まる前でしたが、ボクはこう答えました。「単語からストーリーへ」と。2016年4月以前の出題形式に比べると、5月以降は「ストーリーの理解」が成功の鍵を握るという意味です。
(3ページより)
新形式の問題では発言の意図と問う問題や、文の挿入位置を問う問題など、個別の知識というよりは文脈の理解が大事だということですね。
ETSによる公式問題集の発売から3日後に書いた、
新形式TOEICの公式問題集を解いたので傾向と対策を含めいろいろまとめてみるよ
では、ぼくは"ディテールからまとまりへ"と表現しましたが(悪くないでしょ笑)、とにかく新形式では、単語暗記などの学習のみではどうにもならないようなテストへと変わったわけです。
そんな中で、やはり新形式の問題に対して苦手意識を持っている人は多いようです。
しかし、このような新形式の問題のみを集めた問題集をこなすことで、単純に正答率が上がるのはもちろんのこと、新形式問題に対する不安感も減るので、より落ち着いて試験に臨むことができるようになるでしょう。
また、新形式の問題を集中的にやることは、新形式で新しく出題されるようになった種類の問題"以外"にも良い影響を与えると思うんです。
それは、たとえ解答の決め手が単語の知識になるような問題であっても、そこに至るまでのプロセスにおいて、文脈理解の力は絶対に役に立つからです。
なので、このような問題集は、形の上では新しい問題にフォーカスしていますが、実際の効果としては全体の正解率アップが期待できるでしょう。
3文トレーニング
本番と同じ形式以外に、この本には、"3文トレーニング"というのがついています。
これは、実際よりは短い文を使ったクイズで、新形式問題にさらにフォーカスした特訓が可能になっています。
具体的には、解答の根拠となる部分のみ(Part3だったらセリフ2つ)を集めた問題になっています。
これによって、たとえばPart3の意図を問う問題だったらまさにそれだけをピンポイントで、しかも効率良く学習できるわけです。
基本的には文を読んでやるとのことですが、アルクのダウンロードセンターというところから音声のダウンロードができるようです(要会員登録)。
解説も詳しい!
本番同様の難易度なので、全レベルの受験者が使える問題集だと思います。
解説が詳しいので、初心者も安心して使えますよ。この読者を置いてきぼりにしないところがヒロ前田氏の本の良いところ。
それぞれのセクションのはじめには新形式問題の攻略法が信じられないほど具体的に書かれています。これがまたおすすめです。ぼくも新形式の問題集を結構解いてきましたが、「へぇ~」と思った情報がいくつも載っていました。
詳しくは本書をチェック!
ではまた!
(TOEIC関連記事)
『新形式だけ でる200問』がおすすめなのでレビューしてみた
日本人にとってフランス語の発音は難しいのか?発音記号をすべて書き出して検証してみた!
フランス語を勉強しようと思った時に、いちばん最初にやらなければいけないのは発音の練習です。
完璧にする必要はないのですが、少なくとも発音のポイントをいくつか押さえていなければ、音読などができないので、学習を進めていくことができません。
しかし、フランス語の発音は難しいことで有名ですね。
ぼくはフランス語の知識がゼロの状態で聴いたときは、
「なんだこの音?」
と思いました。
しかし、本当にフランス語の発音は難しいのでしょうか?
実は、ただ難しく聴こえるだけで、世間の評判も全くフランス語を知らない人が想像で言ってるだけだとしたら・・・?
今回は、そんな期待を持ってフランス語の発音を発音記号まで分解して検証し、最後には発音の勉強法も書いてみました。
※以下、発音記号を挙げていきますが、発音の分類については諸説あります。この記事では、学習に役立てるという観点から発音について考えたものです。
子音
フランス語の子音を発音記号で挙げてみます。
[ f ] [ v ] [ ɲ ] [ ʁ ] [ p ] [ b ] [ t ] [ d ] [ k ] [ g ] [ m ] [ n ] [ s ] [ z ] [ ʃ ] [ ʒ ] [ l ]
この17個がフランス語で使われる子音です。
こんなの急にバッと挙げられてもわからん、と思うかもしれませんがとりあえず大丈夫です。
さて、日本語の子音はいくつかというと、16個。
数だけを考えると、ほとんど変わらないということがわかりますね。
では、この17個のフランス語の子音のうち、いくつが日本語と同じノリでイケるのかを考えてみようと思います。
「同じノリでイケる」というのは、たとえばフランス語の [ m ] は、日本語の「まみむめも」で使われるエムと考えてもとりあえずは大丈夫というような意味です。
このように「特別な訓練が必要なくてもとりあえずは大丈夫そうなもの」を赤字で示してみます。
[ f ] [ v ] [ ɲ ] [ ʁ ] [ p ] [ b ] [ t ] [ d ] [ k ] [ g ] [ m ] [ n ] [ s ] [ z ] [ ʃ ] [ ʒ ] [ l ]
17個中、10個は日本語と同じようなノリでOKなんです。
さらに、「練習が必要だけれどもそこまで苦労はしないですぐにできるようになるもの」を青字で表してみます。
[ f ] [ v ] [ ɲ ] [ ʁ ] [ p ] [ b ] [ t ] [ d ] [ k ] [ g ] [ m ] [ n ] [ s ] [ z ] [ ʃ ] [ ʒ ] [ l ]
このような感じになりました。
残った発音のうち、[ ʁ ] の発音、つまりフランス語のアール(r)の発音は学習者の中でも難しいと言われている音です。
ただ、このアールの音さえ徹底的に練習すれば、残る発音はそこまで難しくないです。
とりあえず子音のみを考えてみましたが、日本語の音でとりあえずは代用してOKなものが17個中10個あり、残る7個の中でも難しいのは1つ、と、かなり楽なのではないかと思ってきました。
母音
続いて母音です。子音の時と同じように、フランス語の母音を発音記号で挙げてみます。
[ i ] [ y ] [ u ] [ e ] [ ɛ ] [ o ] [ ɔ ] [ ø ] [ ə ] [ œ ] [ a ] [ ɑ ] [ ɛ̃ ] [ œ̃ ] [ ɑ̃ ] [ ɔ̃ ]
この16個がフランス語で使われる母音です。
では、日本語の母音はいくつかというと、みなさんご存知の通り、「あいうえお」の5個です。
ん?5個・・・・・?
5個!?
もう一度数えてみましょう。あ、い、う、え、お・・・・。確かに5個ですね。
なんだかアヤシクなってきました。
では、さきほどと同じように、「日本語と同じノリで発音して大丈夫なフランス語の母音」を赤字で示してみます。
[ i ] [ y ] [ u ] [ e ] [ ɛ ] [ o ] [ ɔ ] [ ø ] [ ə ] [ œ ] [ a ] [ ɑ ] [ ɛ̃ ] [ œ̃ ] [ ɑ̃ ] [ ɔ̃ ]
え!?赤字がひとつもない!
そうなんです。フランス語は、17個も母音がある上に、そのすべてが、日本語の「あいうえお」とは違うんです!
なので、ひとつひとつ発音できるように練習していくしかないというわけです。
さらにさらに、子音の時とは違い、フランス語の母音は、音が出せるようになるまでに結構な練習を要します。
上ににょろっとしたのがついた [ ɛ̃ ] のような音は鼻母音と呼ばれる音で、鼻から抜ける母音ですが、これが特に難しいです。
子音のときはちょっと期待が持てましたが、母音を考えるとかなり難しそうです。
リエゾン・アンシェヌマン・エリズィヨン
フランス語には、リエゾンやアンシェヌマン、エリズィヨンと呼ばれる発音上のルールがあります。
これらは、簡単に言えば単語同士の連結部分をどう発音するのか、ということに関するきまりです。
たとえばリエゾンは、発音されない語尾の子音を、次の音と一緒に発音するものです。
なんのことかわからないと思うのでちょっと日本語で考えてみようと思います。
「反応」という言葉。これは「はんのう」と読みますが、漢字一文字ずつで見ると、「はん・おう」ですね。
これは、「はん・おう」が、発音しやすいように「はんのう」と変化したと見ることができます。
このような"音の連結のルール"がフランス語にもあり、これらがリエゾンであり、アンシェヌマンであり、エリズィヨンなのです。
と説明しましたが、要するにこれらが難しいんですよ。
フランス語の発音は、正しい子音と母音の音を習得するだけではないということです。
その他にもごちゃごちゃとしたルールがあるんですね。
結局どうなの?
というわけでフランス語の発音について検証してきましたが、結局この記事のタイトルの質問「フランス語の発音は難しいのか?」については、
めちゃくちゃ難しい
という答えが得られましたw
世間の評判は正しかったようです。疑ってすみませんでした。
フランス語の発音勉強法
そんな難しい発音ですが、難しくてもやはり発音は大事なのでしっかりと練習しないといけません。
これについては、ひとつひとつの発音の出し方を練習できる本を使うしかないです。
いちばんおすすめなのは『やさしいフランス語の発音』です。
ぼくも購入し、今回の記事作成の参考にしました。
この本では子音、母音すべてがひとつひとつトレーニングでき、さらにリエゾンやアンシェヌマン、エリズィヨンの練習、アクセント、イントネーション、リズム、具体的なフレーズの発音練習までができるようになっています。
これだけの内容ですが分厚い本というわけではなく、サクッとできる本なので、フランス語初心者の人は学習の初期段階にこの本に取り組むことをおすすめします。
さいごに
というわけで今回はフランス語の発音は難しいのか?ということを検証するべく、発音記号を書き出して考察してみました。
結果、大方の予想通り、日本人にとってフランス語の発音はめちゃくちゃ難しいことがわかりました。
フランス語の入門書には、最初の方のページに発音のルールがちょろっと載っていますが、これだけではちょっと習得は厳しいなと思います。
変な癖をつけないという意味でも、やはり発音は専用の参考書を使って、学習の初期段階である程度時間をとって練習することをおすすめします。
(こちらの記事もおすすめ)
『外国語を学ぶための 言語学の考え方』(黒田龍之助著)は外国語を学ぶすべての人に読んでもらいたい一冊!
言語を学んだり調べたりすることは喜びに満ち溢れている。ところが喜びについてはどの言語学でも認められていない。どうして喜びを隠さなければならないのか。
(176ページ)
多言語学習をしていると言うと、
「じゃあ言語学とかも詳しいの?」
「大学では言語学やってたの?」
などと言われることがよくあるんですが、言語学のことは本当に基本的な用語の意味をいくつか知っているくらいで、全く知らないといってもいいくらいです。
多言語学習をしていれば言語学に興味を持ってもいいんじゃないかと思うかもしれません。
確かに興味があることはあるんですが、"言語学"というと、実際の外国語学習とはかけ離れた、難解な理論をこねくり回しているようなイメージがあって、ずっと深入りしないようにしていたんです。
なので、言語関係の本でも読むのはもっぱら外国語学習大好き人間が書いた奮闘記とかTipsみたいなのが多くて、"言語学"とか"音韻論"とか、専門用語がタイトルに入っている本は避けてきたんです。
ところが先日、好きでよく読んでいる黒田龍之助氏の新刊ではじめて"言語学"とタイトルに入っている本を読んだんです。
それがこちら
本題は『言語学の考え方』ですが、副題を見てみると、『外国語を学ぶための』とあります。
言語学は外国語学習の"スパイス"
言語学を目指す学生は、どうやらわたしの目論見に反して、言語学そのものにしか興味を持たないようなのだ。外国語を学んだら、そこから文学や歴史に興味が広がるのが当然だと考えていたわたしにとって、これはショックだった。文化的背景を無視して、言語の構造だけを追いかけて、それがいったい何になるのか。わたしは外国語学習のスパイスとしての言語学を紹介してきたつもりであり、乳鉢の中で薬品を捏ねるような言語研究は求めていない。そういう言語研究には常々疑問を感じているのに、わたし自身がそんな人間を増殖させているとすれな、悲劇としかいいようがない。
そこで「外国語学習のための言語学」を考え直してみることにした。
(3~4ページ)
この本は、言語学を解説している入門書ではなく、あくまで外国語学習について、言語学の考え方をヒントに考えている本というわけです。
言語学が不案内なぼくのような人間にとってはは、これが当たり前の姿勢なのではないかと思ってしまうんですが、実はそうではないようです。
最先端の言語学にとって、外国語学習なんて全く眼中になく、とにかく言語そのものについて論文を発表し合っては議論し合っているという状況なのです。
そんな状況で、この本のように言語学を実際の外国語学習と結び付けて考えている本は、実は珍しい存在なんですね。
間違って使われる言語学用語
本の最初の部分では、用語について書かれています。
言語学は学問なので、当然厳密に用語が定められています。
ところが、実際に巷で使われている使われ方は、しっかりと言語学の定義通りではないんです。
たとえば、アルファベット。言語学ではこれを、原則として一つの文字が一つの音に対応する体系としている。
(略)
すると、多くの人が、a、b、cをアルファベットなのだと勘違いする。
そうではない。a、b、cは文字の種類の名称としてはラテン文字あるいはローマ字という。確かにラテン文字はアルファベットだが、アルファベットはラテン文字だけではない。
わかるーーーーーーーーw
これ、勘違いしてる人めちゃくちゃ多いんですよ。
ロシア語を勉強しているというと、
「ロシア語って、アルファベットじゃないんでしょ?」
って言ってくる人がいるわけですよ。
この人が聞きたいのは、
「ロシア語って、使われる文字がラテン文字じゃないんでしょ?」
ってことだというのはわかるので、「違うよ」と答えて終わりなんですが、本当は
「ロシア語もアルファベットだよ」
みたいに意地悪したい気持ちもあるんですよねw
ロシア語で使われているのはキリル文字と呼ばれている文字で、「ロシア語のアルファベットはキリル文字」が正しい使い方というわけです。
この本の第一章では、このような用語について書かれています。いろいろな間違い(というか筆者が気になる用語の使い方)が紹介されていて単純に読みものとして面白いです。
ちなみにこのブログのタイトルは『4ヶ国語を勉強するブログ』ですが、実は『4言語を勉強するブログ』の方が好ましいんです。理由はわかりますね。わからない方は本をチェックw
言語学の基礎用語がわかる
全体としてこの本は硬くない文章で書かれていますが、タイトルに"言語学"と付いているだけあって、言語学用語も要所要所で出てきます。
線状性、二重文節性・・・など、言語学を学んでいる人にとっては基本用語なんだと思いますが、聞いたこともない用語ばかりです。
ただこの本では、これらについて、これでもかというくらいわかりやすく解説されているのです。
そしてこれら言語学で使われる用語を引き合いに出すことで、外国語学習のヒントを得ようと試みるわけです。
たとえば、「恣意性」という言葉を言語学で使う時、それは単語と音の結びつきには必然性がないことを表すそうです。日本語では犬はinuと発音しますが、英語ではdog。音と単語の間には共通する法則のようなものはないというわけです。
黒田先生は、これを留学に結び付けて解釈します。
つまり、留学しても単語を覚える労力は変わらないはずである。
世間は留学さえすれば外国語が自然に身につくと信じて疑わない。そういう甘いことばを鵜呑みにして、高いお金を払って外国語が話される環境に身を置いたところで、音と意味の関係が恣意的なかぎり、自然に覚えられるはずがない。言語の恣意性を知っていれば、怪しい謳い文句に騙されずに済む。
この本では、このように言語学用語を実際の外国語学習に結び付けて考えるので、単純にためになるし、新しい視点からヒントを得ることができるんです。
「気付き」から得られる興奮
本の後半以降では、品詞や時制や格、とにかくさまざまな視点から外国語学習のヒントとなるようなことが書かれています。
この後半以降がとんでもない密度なんです。
学者として執筆活動をしながらも、語学教師として教壇に長く立ってきた筆者だからこそ語れる話が盛りだくさん。
言語間の違いに注目したり、難しいポイントに着目したり、話題は本当に多岐にわたります。
また、この章の最後から4ページのところに書かれていた言葉に果てしなく共感してしまいました。
これを「発見」したときには一人で興奮していた。こういう指摘は言語学入門書ではお目にかかったことがない。
(略)
具体的な外国語の学習を通して気づくことは深く滲み渡る気がする。知っている人にとっては当然かもしれないが、学習者には発見との出会いが大切なのである。
これは、筆者が韓国語の集中講座を受けた際に、文法についてのある洞察を得られたというエピソードに続く部分なんですが、これには共感しかしなかったですね。
外国語学習をしていて、楽しいポイントというか、興奮する瞬間っていくつかあるんですけど、大きいのが「発見したとき」なんです。
言語というのは体系で、ひとつひとつの要素が集まってひとつの巨大なシステムを形成しているわけです。
なので、言語学習をしていると、ある時突然細かい知識の蓄積がバババっとつながって、本質的なことが霧が晴れたようにスパァーとわかることがあるんです。
この瞬間の快感ですよ。
ぼくは、
「うわ!そうだったのかー!」
とか叫びながら外国語学習してますw
外国語学習者全員におすすめできる本
外国語学習では、単語を覚えて、文法規則を覚えて、文を作る練習をします。
それの繰り返しでしかありません。
しかし、たまにはいったん知識の吸収は休憩して、このような外国語学習読み物を読んでみるのも良いのではないでしょうか。
いろいろな気づきがあると思いますし、今後の学習のためのヒントを与えてくれるかもしれません。
(その他の外国語学習おすすめ書籍レビュー)
独検4級のレベルとおすすめの勉強法をまとめてみた
ドイツ語の初歩が理解できているのかを判定するのが独検4級です。
独学で勉強している人はもちろん、大学の第二外国語の授業を1年受けた人なども受験することが多いのではないでしょうか。
今回はそんな独検4級について、気になる
- 試験のレベル(難易度)
- 内容
- 勉強法
をまとめていこうと思います。
なお、細かい情報や出願方法などについては公式HPを参照してください。
独検4級のレベルは?
公式HPから引用してみます。
基礎的なドイツ語を理解し,初歩的な文法規則を使って日常生活に必要な表現や文が運用できる。
家族,学校,職業,買い物など身近な話題に関する会話ができる。
簡単な手紙や短い文章の内容が理解できる。
比較的簡単な文章の内容を聞き,質問に答え,重要な語句や数字を書き取ることができる。
対象は,ドイツ語の授業を約60時間(90分授業で40回)以上受講しているか,これと同じ程度の学習経験のある人。
語彙1000語
語彙レベルは1000語です。
一日に10単語覚えたとして、3ヶ月ちょっとということになります。
ただ、文法事項として慣れるまでにかなり時間がかかる助動詞、また種類の多い冠詞を正しく使えるのかが問われるので、文法のことを考えると勉強期間は全くの初心者なら半年くらいみた方がいいのかなと思います。
ちなみにこれは一日に1~2時間の勉強時間を確保できるという前提があるので、一日30分しかドイツ語の勉強時間をとれないという人はもっと時間がかかります。
また、ドイツ語の授業を60時間とありますが、これは大体大学の授業で半年~一年くらいですね。大学にもよると思いますが、あまり気合を入れてやらなくても、1年授業を受けていれば十分合格できるでしょう。
内容は?
独検4級は筆記試験が60分、聞き取り試験が約25分で構成されています。
合格点は、毎回微妙に変わりますが、だいたい60点です。
具体的な内容ですが、まず筆記試験のはじめに単語の発音とアクセントが問われます。
単語を覚える際に正しい発音とアクセントで覚えるのを心がけていればこわくはない問題です。リスニング問題の演習も活用して、普段から正しい発音を意識するようにしましょう。
その後は短文の穴埋め問題が出題されます。
ここで出題される内容は、動詞と助動詞の人称変化や、冠詞と代名詞、語順と、ドイツ語のもっとも大事な基礎を問う内容になっています。
ここの文法知識がしっかりと頭の中で整理されているのかが、独検4級に合格できるかを分けています。これらの内容は、独検4級合格後も学習がスムーズに進むのかを大きく左右するので、良い機会だと思って、全問正解を狙う気持ちで勉強していきましょう。
最後に長文の問題が出ますが、短文穴埋め問題をしっかりと対策していれば合格点の6割を切ることはまずないでしょう。文章の量も少ないですし、ひっかけ問題のようなものもないです。
聞き取り試験(リスニング問題)についてです。
まず、リスニングの音声はかなり遅い上に、2回放送されるので、かなり余裕を持って答えられます。
なので、リスニングが苦手だという人もこわがる必要はないです。
内容についても、この後紹介する『クラウンドイツ語単語1600』の例文に出てくるようなものばかりで、難しくはありません。
ただし、2点ほど注意しておきたいことがあります。
まず、数字の聞き取りが毎回必ず出題されるので、特に集中して対策しておきましょう。
特に2ケタの数字は、英語と違ってドイツ語では一の位→十の位に順番に発音するので、慣れるのに時間がかかります。これを聞いてすぐに数字が頭に思い浮かぶようにしておきましょう。
また、第二部では単語を書かせる問題がでます。なので、つづりも意識して普段から勉強しておいた方が良いです。
勉強法
とにかく独検4級に必要な単語1000単語を習得しなければいけません。
これには『独検対応 クラウンドイツ語単語1600』を使ってください。
この単語集では、単語が5,4,3級の3つのレベルに分けられています。
5級レベルと4級レベルで合計1045語載っているので、これをすべて覚えます。
ドイツ語を見て、日本語が出てくるようにしてください。
また、例文も音読すると効果倍増です。これらの例文は、独検4級のリスニング問題にまさに出てくるようなものばかりですし、例文を音読するとドイツ語のリズムが身につくので、わからなくなったときの勘も鍛えられ、合格に近づくでしょう。
メインのテキストも1冊こなしましょう。これには『独検合格4週間 4級』がベストです。
独検4級の合格に必要な知識がまとまっています。
「これは覚えておけ!」ということが強調されていてしかも見やすくまとまっていますし、それが身に付いたのかどうかをはかる練習問題も多く収録されています。
「4週間」とタイトルにはあるのですが、特に期間は気にせず、自分のペースでやっていきましょう。個人的には4週間以上かかる人がほとんどなのではないかと思っています。
基本的にはこの本をおすすめしますが、『独検4級合格テクニック』も良い本です。
説明の文章量が多いので、説明が詳しくされていた方が良いという人はこっちを選ぶのもありです。
過去問で最終チェック!
以上の対策ができたら、本番直前に過去問を2回分解いて最終調整をしましょう。
ここまでやれば合格確実です。
上で紹介した単語帳を使っての単語暗記、そして対策本を1冊しっかりとやれば、合格点の6割はまず超えると思います。
この過去問では3級の過去問も収録されているので、合格後に3級に挑戦するという人はお得ですね。
最後に
というわけで今回は独検4級についてまとめてみました。
ドイツ語を学んでいく上で基礎の基礎となる文法事項が満載の良い試験だと思います。しっかりと対策すれば得られるものは大きいでしょう。
ちなみに、4級は少しレベルが高いなと思った人は、ひとつ下の5級を受験するのもアリだと思います。勉強法については下の記事にまとめましたのでぜひ!
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オランダ語の勉強におすすめの本をまとめてみた
オランダ語を勉強していると言っても、ほとんどの人はピンとこないようです。
日本で外国語学習といったら英語。第二外国語も、フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、韓国語、ロシア語などで、オランダ語はさらにマイナーな部類に入ります。
そうなると、勉強しようと思っても教材が全然ないんですよね。
本屋によってはそもそもオランダ語の教材が1冊もなかったりします。
そんなもともと教材の選択肢が少ないオランダ語ですが、今回は、その中からさらに勉強に役立ちそうなおすすめの本だけをピックアップして紹介していきたいと思います。
ニューエクスプレス オランダ語
数々のマイナー言語の初級テキストを出しているニューエクスプレスですが、オランダ語も出ています。
レベルとしては初級。
この本はいちばんおすすめで、オランダ語を勉強したいなと思った初心者の人は、絶対にこの本に取り組んだほうがいいです。
本の最初に発音が学べるようになっているので、初心者はまずこの章でオランダ語の音の出し方、また、つづりと発音のルールを習得しましょう。
似ていると言われるドイツ語と比べると、オランダ語は発音が日本人にとって難しく、また、英語のように、つづりに入っているけれども発音はしない文字があったりと、発音面ではオランダ語は多少厄介です。なので、この本の発音セクションは活用しない手はないでしょう。
その後はまさに教科書という感じで、課ごとにテキストと、それに関連した文法事項、また練習問題が載っています。
ごちゃごちゃとした説明が一切なく、基本をとりあえず全体的につかんでしまおうというコンセプトなので、サクサク進めることができるでしょう。
ちなみに、英語とドイツ語が多少わかるという人は、文法事項が書いてあるところだけをまずざっと読んで文法の全体像をつかんでしまいましょう。オランダ語は英語とドイツ語の間くらいだと言いますが、まさにその通りで、どちらにも本当に似ています。
なので、英語とドイツ語がわかる人はまず全体をつかんでしまってからディテールに入るというのも有効な学習法です。
オランダ語の基礎 文法と練習
- 作者: クレインス桂子,河崎靖,フレデリッククレインス,Frederik Cryns
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2004/04
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 7回
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この本もかなりおすすめです。
レベルとしてはひとつ前で紹介した『ニューエクスプレス』と同じ初級にあたりますが、もっと詳しいところまでつっこんで説明しています。
また、『ニューエクスプレス』と違うもうひとつの点として、CDの音声が速いです。ネイティブが話す自然なスピードにかなり近いくらいです。
テキストの分量や練習問題の量も多いので、深い学習ができるのですが、その分挫折しやすいので、気合を入れて真剣にやりたい人向き。
ちょっとオランダ語でもやってみようかな、という人に関してはひとつ前で紹介した『ニューエクスプレス』をおすすめします。
中級オランダ語 表現と練習
さて、ここまで2冊の初級テキストを紹介しましたが、続いて中級者向けテキストです。
初級を終えた中級者には、この『中級オランダ語 表現と練習』がおすすめです。
というか、これしかないです。
この本がおすすめだからこれしかない、と言っているのではなくて、出版されているのがこれしかないんです。オランダ語を勉強しようと思ってしまった以上、こうなるのは仕方ないですね。。
ただ、この本はすごく良い本でおすすめです。
基本的な文法は習得したという前提で、もうひとつレベルとしては上の表現を学ぶことができます。
また、テキストで扱っている内容が、オランダの芸術や文化に関わっていることなので、この本ではオランダ語を学びつつ、オランダのことも学べます。
ゴッホやフェルメールに憧れて興味を持った人などは楽しく勉強できそうです。
2011年に出版された本ですが、それまで中級者向けのオランダ語テキストは存在しなかったわけですね。この本の著者の方は、おそらくそんな状況を改善したいと思ってこれを作ったのでしょう。ぶっちゃけこれ、多分儲かってないですよ。
本当にこれを作った人には感謝と尊敬の念しかないです。
ありがとうございます!
辞書について
辞書ですが、現時点で出ているのは『講談社オランダ語辞典』だけです。
- 作者: キャノン・ヨーロッパ,P・G・J・フアン・ステルケンブルグ,W.J・ボ-ト,日蘭学会,講談社サイエンティフィク,日本アイアール
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1994/10/21
- メディア: ペーパーバック
- クリック: 5回
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蘭和辞典です。
これしか選択肢がないので、買うのもありだとは思うのですが、とりあえず初心者レベル(最初に紹介した『ニューエクスプレス』をマスターしたレベル)までは、辞書は買わなくてOKです。
まずは、テキストの巻末の単語リストを使って勉強していきましょう。
どうしても調べたい単語があった場合は、初級レベルではGoogle翻訳で十分です。
英語が得意な人は、「English Dutch dictionary」などでググると質の良い辞書がいくつも出てくるので、そちらも活用していきましょう。
そうやって学習していく中で、どうしても限界が見えたときにはじめて『講談社オランダ語辞典』を買うのがいいのかなと思っています。8500円もするので、初級レベルで買って使いこなせないで結局中級レベルになれなかった、などとなると悲惨です。
個人的には、『講談社オランダ語辞典』のスマホアプリが出ることを願っています。
単語集
オランダ語単語集ですが、選択肢としては一応2つかなと思います。
ニューエクスプレス オランダ語単語集 (ニューエクスプレス単語集)
- 作者: クレインスフレデリック,クレインス桂子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2012/07/19
- メディア: 新書
- この商品を含むブログを見る
『オランダ語基本単語2000』の方は、別売りでCDが出ているので、音声を使った学習もできます。
ただ、いま紹介したどちらも、例文はなく、辞書をそのまま移したような単語集なので、かなり根気がある人向けです。
初心者はこれらには手を出さず、いちばん最初にこの記事で紹介した『ニューエクスプレス』の巻末の単語リストを覚えることにとりあえず集中しましょう。
単語、品詞、日本語訳が載っているので単語集として優秀です(本当は優秀でもないんだけどこれしか選択肢がない!)。
少ない教材でがんばるしかない
というわけでオランダ語のおすすめ教材についてまとめてみました。
本当に教材の数が少ないですね。ぼくはドイツ語もやっていて、そっちもあまり教材が多いとはいえませんが、オランダ語と比べると天国みたいなもんです。
ただ、初級テキストである『ニューエクスプレス』と中級教材の『中級オランダ語』はとても良い本なので、まずはこの2冊をマスターすることを考え、それが終わったら実際のニュースや新聞を使って実践を積んでいくというのが最もよい戦略だと思います。
ちなみにオランダ語が最初に学ぶ外国語で、本当に全くの初心者だという人は『オランダ語のしくみ』という本を1回ざっと読んでおくとスムーズに初級テキストに入っていけると思います。
もちろん、わからない部分が何箇所も出てくると思いますが、とにかく用語に慣れて、全体像をつかむという意識を持ってとりあえず通読してみてください。
その後のオランダ語学習がかなり楽になるはずです。
それではまた!
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『TOEICテスト ハイパー模試 5訂版』がコスパ抜群!模試3回分で¥1800の応援価格!
コスパ抜群・内容の質も良いTOEIC模試問題集が出ました!
旺文社から出ている『TOEICテスト ハイパー模試 新形式対応 5訂版』です。
『ハイパー模試』はひとつ前の新TOEICテスト仕様で出版されていて、その時から一定の支持を得ていたのですが、今回、新形式TOEICに対応した模試問題集としてリニューアルされたんです。
圧倒的なコスパ
この『ハイパー模試』の最大の特徴は、コスパが最強なところでしょう。
模試が3回分、つまり合計600問が掲載されていて、値段は1800円(税抜)です。
1回の模試が600円とはかなり安いですね。
本の帯に
応援価格
とあったのがちょっと笑えましたけどw
以前ブログでレビューしたTACから出版されている『スコア激伸び模試』も「コスパが良すぎる」と紹介したんですが、『激伸び模試』は模試3回分で2700円なので、『ハイパー模試』はさらにお得ということになります。
持ち運びに便利
実際のTOEICのサイズとは違い、A5サイズなので模試問題集としてはコンパクトな部類に入ると思います。
しかも、解答解説が載っている本書から問題部分だけを取り外すことができるようになっています。
カフェや通勤電車などでの学習もできそうです。
また、A5サイズですが、字が小さすぎるということは全くなく、かなり見やすいです。
さすがにリーディングの3パッセージ問題を見開き1ページに収めるのは不可能ですが、全くの許容範囲です。
解答解説についても、シンプルな紙面でレイアウトは抜群に良いといえます。スクリプトと日本語訳が離れたページにあるということは一切ないので、効率良く勉強できます。
難易度はちょっと高め
ネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、難易度としては平均よりちょっと高めです。
リスニングでは、単純に放送、選択肢共に量が多いですし、使われている語彙についても、中級者以上でも一瞬「あれ?」となるようなものが使われていました。
ただし悪問の類は一切なかったので、安心して取り組んでいただいて大丈夫です。
リーディングではPart7は普通でしたが、文法問題がなかなか骨のある問題ばかりで難しかったですね。ただ、これは模試3回分のPart5、つまりたった90問を解くだけでもかなりためになるということです。
アプリ付き
予想スコアやPart別の正解率、その他の人と比べた順位などが出るアプリとも連動しています。こういうの最近流行ってるんですかね。
アプリを使ってスコアを出したりするのは、ゲーム性があって面白いと思うので、ぜひ活用してみてください。
ちなみにこのアプリはネット上で操作します。
こちらのHPから使えます。
eスタディBooks TOEICテスト ハイパー模試 5訂版 新形式問題対応 書籍コード入力
音声ファイルのダウンロードもここからできます。
レイアウトが見やすく、内容の質も良し、そしてなんといってもこのコスパ。
かなりおすすめなのでぜひ使ってみてください!
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『英語は20の動詞で伝わる』のレビュー!簡単な句動詞がマスターできる1冊!
英語がある程度できるようになってから気付いて驚いたことがあります。
それは、
ネイティブとか非ネイティブの英語ができる人は、大体簡単な単語しか使っていない
ということです。
簡単な単語とはもっと詳しく言うと、基礎的な動詞と前置詞。
政治家とかの難しいことをしゃべる人も、実は簡単な動詞と前置詞を使って話しているんだなということに英語ができるようになってから初めて気づき、目からウロコだった記憶があります。
最近読んだ本に、まさにこのことが書いてあったんです。
それが『英語は20の動詞で伝わる』という本。
20の基礎動詞のマスターが大事
この本のコンセプトを簡単に説明してみると、
英語が話せるようにならない大きな理由のひとつは、基礎的な動詞が使えていないから。
単語をとにかくたくさん覚えることに熱心な人は多いが、実は英語は基本的な動詞の使い方をマスターすれば、たいていのことは言えるようになってしまう。
この本を使って、20の基本単語の核となるイメージとその使い方を習得して、英語が話せるようになろう!
という感じ(引用ではなくぼくが書きました)。
みんな難しい単語を覚えることばかりに熱心で、基礎的な動詞が使いこなせていないというのは、ぼくも実感していることです。
なぜそうなってしまうのかというと、基礎的な単語の使い方を覚えるのって、同じような表現を繰り返し訓練しなければいけないので、結構骨の折れる学習になってしまうからなんですよね。
get to
get out
get in
get up
などなど、紛らわしいことをしっかりと区別して覚えなければいけないんです。
まぁ、要するに、句動詞の学習ってめんどくさくてみんな嫌いだよねってことですw
そんなみんなから避けられている動詞フレーズの数々を効果的に学べるのがこの本です。
イメージから攻略!
紛らわしくて覚えにくいこれらの表現が簡単に覚えられるようにいろいろな工夫がされているのがこの本です。
まず、単語のイメージがしっかりとつかめるようになっているところ。
いきなりフレーズがずらっと並んでいてとにかく覚えろ!ということではなく、20の動詞それぞれについて、まずその核となるイメージについての説明が詳しくされています。
たとえば、「turn」という単語の基本イメージは、「場所・状態が変化する」とあります。
turnという単語を辞書で引くと、「向く」とか「回る」と出てきます。
これは確かにその通りなんですが、「向く」という言葉で覚えるというよりは、turnは何かがぐるっと変化するそのイメージで覚えるのが実用面を考えるとベストなんです。
コインみたいなものがくるっと回る、明るかったものがパッと暗くなる、そんなイメージを持っていることが大事なんです。
基本的なイメージを押さえたあとは動詞+前置詞のフレーズを覚えていくことになりますが、前置詞に関しても、それぞれが持つイメージが本の最初の方で詳しく説明されているので、フレーズの特訓もスムーズに進むことでしょう。
また、かわいい動物のイラストがたくさん載っているのもこの本の特徴ですw
表紙を見てみてください。ゾウとかネコとかリスとかのイラストが載っているのがわかると思いますが、こいつらが単調になりがちなフレーズ習得学習を飽きないものにしてくれます。
「turn」ではリスがフライパンで目玉焼きひっくりかえしてます。「have」ではラッコが大事そうに貝を抱えてます。このユルさ・・・。
字も詰め込まれていないのでレイアウトの圧迫感がなく、動物のイラストがたくさん載っているので、なんというか、ストレスがないですねw
使える英語力"も"育てよう
ちょっと最後に大事な補足をしておきたいと思います。
この本では、徹底的に簡単な動詞の習得にフォーカスしていて、「単語を必死にたくさん覚えてる人は多いけど、単語の数は大事じゃないよ」という論調で書かれています。
この本を書いている人はビジネスパーソンを相手に英語のトレーニングをされている方のようなので、これはすごくわかるんです。
忙しい毎日の中で、いかに効率的に"使える英語"の習得をするのか、ということをつきつめれば簡単なフレーズを自在に使えるようになるのが最優先事項になるのかもしれません。
ただ、これを「難しい単語は覚えなくていい」という風に取るのは違うのではないかと思うわけです。
英語力を上げていくためには、程度の高い単語を覚えていくのも絶対に必要です。
ただ、やはり簡単な単語を使えるものにする、という学習を怠っているがために、英語が話せない人が多いのも事実です。
結局はどちらもかなり大事なんじゃないかというのがぼくの意見で、ここがこの本とぼくの意見の違いでした。
とまぁいろいろ書きましたが、getやcome,bring,turn・・・などが使いこなせていないなという人は、この本をこなせばかなり視界が広がることでしょう。
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中検4級のレベルと合格するための勉強法!
今回は、基礎レベルの中国語が身に付いたのかを判定する中国語検定4級についてまとめていこうと思います。
内容としては
- レベル(難易度)
- どんな問題が出るのか(出題形式)
- 効率の良い勉強方法(おすすめ参考書含む)
となっています。
この記事を読むだけで中検4級合格に向けた方針がすべてわかるようになっているので、ぜひ活用してみてください!
中検4級のレベル(難易度)は?
公式が発表している試験概要によると、中検4級の難易度は次のようになっています。
中国語の基礎をマスター
平易な中国語を聞き、話すことができること。
(学習時間120~200時間。一般大学の第二外国語における第一年度履修程度。)
発音(ピンイン表記)及び単語の意味,常用語500~1,000による単文の日本語訳・中国語訳。
常用語500~1000と書いてありますが、実際に問題を見てみた体感としては、間違いなく1000単語は必要です。
単語数と文法レベルから考えて、全くの初心者から始める場合は半年、中検準4級レベルにすでに達している人は3ヶ月程度の勉強期間で合格できることになります。
"中国語の基礎"とありますが、これは本当にその通りで、前置詞、受け身、比較、助動詞、補語など、4級には中国語における最も大切な基礎が詰まっています。
基礎を確実に身に付けるための指針としても4級は使えるんです。
出題形式
試験はリスニングと筆記試験で構成されています。
それぞれが100点満点のテストで、リスニング、筆記どちらも60点以上を取れば合格です。
準4級と違い、リスニングも筆記もどちらも6割を超えなければいけないので注意してください。
どちらかを捨てると合格できないということです。
ほぼすべての問題が選択式ですが、筆記試験の最後に記述式の問題があります。難易度は高くはありませんが、実際に文字を書かなければいけないので、"漢字が正確に書けるのかどうか"も大切になってきます。
勉強法
中検4級対策をしていくにあたって、総合的な対策テキストとして『中国語検定4級トレーニングブック』を使っていきます。
これは絶対に用意しておかなくてはいけません。
CD2枚付 改訂版 合格奪取! 中国語検定 4級 トレーニングブック
- 作者: 戴暁旬
- 出版社/メーカー: アスク出版
- 発売日: 2015/04/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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現在出ているものでは、このテキストがベストです(以下『トレーニングブック』)。
この本に取り組んでいく前に、ある程度単語を覚えておく必要があります。これにはアルクから出ている『キクタン』を使います。
『キクタン』は準4級と4級対応の2冊を完全に覚えたというレベルまでもっていきます。
- 作者: 内田慶市,沈国威,氷野善寛,紅粉芳惠,関西大学中国語教材研究会
- 出版社/メーカー: アルク
- 発売日: 2008/05/27
- メディア: 単行本
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試験概要に常用語500~1000語レベルとありましたが、この2冊でちょうど収録単語数が1000語ちょっとになっていて、ほぼ完全に試験範囲に対応していることになります。
単語を覚えていないと何も始まらないので、この2冊を8割覚えたというレベルまでまずもっていき、その時点で残りの2割暗記+『トレーニングブック』という勉強法に切り替えるのが効率面を考えるとベストです。
『キクタン』を使った単語暗記では、単語を見て意味がわかるのはもちろん、声調とピンインも正確に覚えていきましょう。
というのも、4級の筆記試験の最初の大問で、まさに単語の声調とピンイン表記がわかっているか試される問題が出題されるからです。
これを完全に覚えるためには毎日継続的に単語暗記をやっていく必要があるので大変ではありますが、この大問1はとにかく単語の声調とピンインさえ覚えていれば絶対に正解できる問題なので、しっかり覚えて確実な得点源にしてしまいましょう。
さて、メインのテキストである『トレーニングブック』についてです。
練習問題が豊富なのがこの本の特徴なので、どんどんどんどん問題を解きながら傾向をつかんでいきましょう。
基本的に本の最初からどんどん進めていけば大丈夫ですが、リスニングの大問2と筆記問題の文法問題を重点的にやるとぐっと合格に近づきます。
リスニングの大問2はまとまった量の中国語を聴いて問題に答える形式で、会話と論述が流れます。
話すスピードはそこまで速くないので大丈夫なんですが、普通にベラベラしゃべるので、4級を受ける人にとってはなかなかの関門だといえます。
大問2ができれば大問1は楽勝なので、難しい方を中心に学習していきましょう。
また、筆記問題の文法問題ですが、正解するコツとしてはずばり語順をマスターすることです。
本当にこれに尽きますね。
4級では、受け身の構文や、多くの学習者にとって最初の難関となる方向補語や結果補語が範囲に含まれ、それらを正しく理解しているのかが問われます。
『トレーニングブック』では、それら文法事項が、4級に出るものに絞られてわかりやすくまとめられているので、熟読してから問題を解きまくり、体に語順を染みこませていきましょう。
『キクタン』2冊を使っての1000単語暗記と『トレーニングブック』を使った対策で楽に合格は狙えますが、万全を期して臨みたいという人は、過去問に取り組むとよいでしょう。
過去問は何種類か出ていますが、おすすめは白帝社から出ているものです。
『トレーニングブック』にも最後に本番と同じ形式の模試が収録されているんですが、1回だけでは不安だという人はこれを使って過去問演習をこなしておきましょう。
ただし、『トレーニングブック』をやりこめば合格ラインはまず超えるので、必ず『トレーニングブック』をしっかりとやってから過去問に移るようにしてください。
大事なことなので繰り返しますが、先ほど紹介した『キクタン』と『トレーニングブック』をやり込めば、過去問をやらなくても合格は可能です。
ちなみに、本当に初心者の状態から勉強するという人は、まずひとつ下の級である中検準4級から勉強するというのも全然アリです。
準4級については別の記事にまとめてあるのでぜひ参考にしてみてください。
(参考記事)
最後に
というわけで今回は中国語の基礎をマスターしたのかがどうか試される中国語検定4級についてまとめてみました。
本当の基礎の基礎しか問われなかった準4級と比べると、なかなか骨のある内容になっていて、この4級レベルを無事に超えられるのかどうかが、今後の中国語学習が成功するのかに大きく関わってきます。
ぜひ中検4級を活用し、基礎レベルをしっかりと固めていきましょう。
CD2枚付 改訂版 合格奪取! 中国語検定 4級 トレーニングブック
- 作者: 戴暁旬
- 出版社/メーカー: アスク出版
- 発売日: 2015/04/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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(読むだけで中国語の勉強方法がわかる!関連記事はこちらから)