英語がペラペラになるための最強の教材が"英検の過去問"である3つの理由
"合格しておしまい"ではもったいない!?
TOEICと並び、英語の資格では最も有名な部類に入る英検。
英語を学習している人なら、英検をひとつの目標にして勉強しているという方も多いのではないでしょうか。
英検は合格・不合格とはっきり結果が分かれてしまう試験である以上、合格するのが大事なのは言うまでもありません。
しかし、合格するまでは過去問などを使って一生懸命勉強するものの、合格したら英検関係の勉強からは離れてしまう人がほとんどで、これはもったいないなとよく思います。
というのも、
英検の過去問というのは、とてもクオリティが高く、英検を受ける受けない、合格したしないにかかわらず、普段使いのテキストとしてとても優秀だからです。
特に、英語がペラペラ、つまりスピーキング力を向上させたい人には、英検の過去問はうってつけの教材だといえます。
今回は、
- なぜ、英検の過去問がペラペラになるための最強の教材なのか
- どうやって過去問を使って勉強すればいのか
について書いていこうと思います。
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英検の過去問がおすすめな理由
①英文のクオリティが高すぎる
巷にはいろいろな英語教材があります。
これは英語ができるようになるにつれだんだんわかってくるのですが、教材によって掲載されている英文自体の質って全然違うんです。
限られた時間を英語学習に当てている以上は、できるだけ質の良い英文を載せている教材を選ぶことで、学習効率を最大まで上げる必要があります。
そして実は、英文の質という面で考えると、英検の過去問は最高の教材なんです。
英検の問題はとにかく英文の質が高いんですよ。
英語のプロやネイティブを何人も使って練りに練って作られたのが英検の英文です。英文を丸暗記してもいいくらいのクオリティですね。
また、文体という意味でも良い。英検の英文は、どちらかというと、くだけた表現というよりは、教科書的な、しっかりとした英文が多いです。
冒頭で英語が"ペラペラ"、つまりスピーキング力を上げるのに英検の過去問はうってつけだと書きましたが、ぼくがそう考える理由はこれなんです。
つまり、よほどの達人でもない限り、スピーキングを鍛えるときは教科書的に出てきそうな、しっかりとした英文を使うのがいちばんなんですよ。
これには2つの理由があります。
ひとつは、文法の理解が深まること。
くだけた表現や、また反対にガチガチにアカデミックすぎる難しい英語でスピーキングのトレーニングは、あまり文法力を上げてはくれません。
しかし、英検に出てくるくらいの教科書的な英文は基礎的かつ重要な文法文法事項を含んでいることが多いので、文法に対する理解が深まるのです。
ふたつめの理由は、応用が効くこと。
さきほど文法力が高まるということを書きましたが、これは、それらストックされた英文を応用できる力がつくことも意味します。
くだけた表現は覚えて終了、そこから派生して発信できる英語が広がっていくということはほとんどありませんが、文法が身につくことで、単語を入れ替えたりして別のことが言えるようになり、スピーキングの力はどんどん上がっていきます。
英語がペラペラになるための方法としては、英検に出てくるくらいのわりとしっかりとした英文を使ってアウトプットしつつ、たまに慣用表現をつまんでいく、というのがベストなんです。
②バラエティに富んだ題材
ひとつ前で書いたこととも多少かぶるのですが、英検に出てくる問題は、ジャンルが幅広く、また、それらがバランスよく出題されています。
つまり、英検の過去問をテキストとして使えば、触れる英文に偏りなく英語学習を進めることができるんです。
(準2級以上に限られてはしまいますが)英検では科学技術や、芸術、文化に関するアカデミックなトピックや、また、日常英会話や最近流行っているビジネス英会話についても出題があります。
ここまで幅広いジャンルを網羅している教材はなかなかありません。
TOEICの過去問や問題集、またNHK系のテキストなどは、英文の質が良いので①で紹介した"英文の質"という面ではおおむね基準をクリアしているのですが、ジャンルが日常~ビジネス英会話に限定されてしまうので、どうしても自分が対応できるジャンルに穴が出てきてしまいます。
「別に新聞とか読まないし、科学技術なんて日本語でもよくわかってないからいいよ」
と思った人がもしかしたらいるかもしれませんが、学習の初期段階(初心者~英検1級取得程度)でジャンルを絞ってしまうのはかなり危険です。
日常英会話でも、実は科学技術や文化・社会に関する単語も、普段意識していないだけで結構使ってるんですよ。
まずは幅広い英文に触れ、万全な基礎を作っていくのが大事なんです。
③幅広いレベルに対応している
これは英検の過去問を教材として使う際の最大のメリットでしょう。
中学校で勉強する範囲にほぼ限定されている5級~3級から始まり、おそらく英語学習者の大多数にあたる準2級~2級、またTOEICでいうところの750点くらいにあたる準1級、そこからさらにレベルアップした内容の1級、とまんべんなくレベルを網羅しています。
これによって、ほとんどの英語学習者にとって自分に合った級が見つかるようになっているんです。
他の資格試験ではなかなかこうはいきませんよね。たとえばTOEFLとかは、受けようとは思ったものの内容が難しすぎて断念したという人は多いと思います。
英検では、そのようなことが起こったら素直に級を下げればいいんです。
どの級を選べばいいのか?
さて、以上英検の過去問がいかに素晴らしいのかを解説しましたが、ここからは肝心な勉強方法について書いていこうと思います。
まず大事なのが、どの級の過去問を使えばいいのかということですよね。
単に資格として、ステータスとして英検を取得したいのなら、とりあえず受けてみて、合格したら次はひとつ上、不合格ならひとつ下か同じ級、というように決めればいいわけですが、ペラペラになる=スピーキング向上を目指して英検の過去問を教材として使う場合には、自分が英検何級なのかということはいったん忘れてください。
これはまぁ当然といえば当然ですね。
テキストに載っている英文が自分の口から出てくるレベルにもっていくわけですから、当然自分が持っている英検のレベルと同じないし下のものを使うことになるからです。
さて、使う級の判定方法ですが、
- 一番最初の大問(どの級も短文虫食い問題です)の答えの日本語文を見て、それをすぐさま英語に口頭で訳してみる
- ギリギリ無理そうなのを買う
これです。
「答えの日本語」を見て「すぐさま」「英語に」ですからね。そして「これはちょっときついけど、何回か繰り返せばいけそう」というレベルのものを選んでください。
5、4級レベル
5級レベルがどのくらいなのか、実際の問題から2問引用してみます。
私のネコはとてもかわいいです。私は彼が大好きです。
(My cat is very cute. I love him.)
私の兄はコンピューターを持っています。彼はそれを英語の授業のために使います。
(My brother has a computer. He uses it for English class.)
このレベルがかなりきついという人は、英検の過去問を使ってもいいのですが、『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』というのを使ってもいいですね。
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この本は上で紹介したくらいのレベルの短文が多く、しかも中学生の文法範囲を網羅的に扱っているので、英検の過去問を使うより効率がいいかもしれません。
5~4級レベルだった人は、まずはこの『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』をがっつり1ヶ月くらいこなしてから、準2級くらいに復活するのがいいでしょう。
3級、準2級、2級
かなり英語ができる人(TOEIC800とか)を除くと、このレベルに当てはまる人がほとんどだったのではないでしょうか。
たまたま手元に準2級の問題集があったので、また2問くらい引用してみます。
デイビットは日本の企業で働いているが、仕事でほとんど日本語を話さない。会社ではみんな英語を使う。
(David works at a company in Japan, but he hardly ever speaks Japanese at work. Everyone uses English in the office.)
8時半にスコットの電車は広島に向かって東京を出発した。広島には12時半に到着し、彼はそこで昼食をとった。
(At 8:30, Scott's train left Tokyo for Hiroshima. He arrived in Hiroshima at 12:30 and had lunch there.)
さきほどの5級と比べるとかなり込み入ってきました。
正しい動詞の形、正しい前置詞をしっかり選べないとこれらの英文は作れません。
しかし、そこまでめちゃくちゃに難しいことを言ってるわけではありませんし、頑張ればなんとかなりそうじゃないですか?
しかも、このレベルの日本語をすぐさま英語に直せたら、かなり英語が話せるようになりそうですよね。
実際、ぼくが個人的にいちばんおすすめなのは、準2級を使うことです。
準2級はたいていみんな中学生か高校生くらいのときに取ってその後もう過去問を手にすることはないんですが、準2級の過去問は英語を話す際にためになるフレーズの宝庫で、これを使わない手はないんです。
もちろん、これだと負荷が少なすぎると感じた人は2級の過去問も十分使えます。
準1級、1級
準2級や2級で物足りないと感じた人や、2級でトレーニングしてある程度実力が付いたなと思った人は、準1級にチャレンジしましょう。
準1級のレベルはこんな感じです。
A:なぜ君はジョニーの冗談に全然笑わないのかい?
B:彼の冗談はいつも練習してきたように聞こえるんだ。僕はもっと自然に出てくるユーモアが好きだね。
(A:How come you never laugh at Jonny's jokes?
B:That always sound like he's rehearsed them. I prefer humor that's more spontaneous.)
経済は好転しつつあると主張する経済学者がいる一方で、懐疑的なままの学者もいる。ある専門家は、「まだ確実なことを言うには時期尚早だが、兆しはそれほど良くない」と言った。
(While some economists insist that the economy is improving, others remain skeptical. "It's too ear;y to say for sure, but the signs are not that good," said one expert.)
かなり難しいですが、ここまでのレベルをうんうんとうなりながらでも瞬間英作文していくと、表現できる幅がかなり広がっていくでしょう。
ちなみに1級についてですが、相変わらず最高品質の英文ですが語彙が少し難しすぎますね。
ただし、全く使わないようなものは出てこないので、教養あるネイティブとがつがつディベートをしたい人や、政治討論番組を見れるようになりたいというような高い目標を持っている方はチャレンジしてみましょう。
具体的な勉強方法
さて、やり方については実はもうほとんど説明が終わっています。
さきほどの、級を選ぶ際にやった方法と同じです。
つまり、日本語を見てそれを英語に変換していくトレーニングです。
いわゆる瞬間英作文ですね。基本的にこれだけなんですが、何点か注意点があるので説明しておこうと思います。
虫食いとリスニング問題
すべての大問についてこのトレーニングをする必要はありません。
長文読解問題などについては、スピーキングの練習としては英文がアカデミックすぎる上に、一文が長いので、瞬時に英語に直すということができなくなるからです。
基本的にやるのは最初の虫食い問題と、リスニングの対話文です。
これらは文も比較的短い上に、日本語訳も質が高く自然なので、学習効果が英検の過去問の中でいちばん高いです。
他のパートに関しては、これらの大問ができるようになってきたらちょっとずつ挟む形でやっていくのがいいでしょう。
単語単位でもトレーニングする
瞬間"英作文"ですから、文を見てそれを文に直していくというのが基本ですが、単語単位でわかりにくいものがあったときには、文よりももっと短い範囲で訳していくのも非常に効果的です。
例をとって説明してみます。せっかくなのでさっき引用しなかった英検1級から引用してみましょう。
エドワードはよく働き頼りになるが、だらしない外見がクライアントに悪い第一印象を与えがちだ。
という文を訳していくとしましょう。答えは
Edward is hardworking and reliable, but his unkempt arrearance tends to make a bad first impression with clients.
です。日本語全体をみてすべて一気に訳すというのが基本ではあるんですが、たとえば日本語文に出てくる「第一印象」がちょっと不安だなと思ったときは、
「第一印象=a first impression」
という、文よりももっと短い、単語の単位で瞬間的に訳すと効果的です。
ぼくは最近、通訳者になるためのトレーニングを始めることにしましたが、同時通訳のトレーニングとして有名なクイックレスポンスという訓練からヒントを得ました。
これは英単語を言われたあとそれをすぐに日本語に直すというトレーニングですが、通訳になりたい人に限らず、一般的な英語学習においても効果的なんです。
わからない語彙はちゃんと調べる
トレーニングをしていく中で、わからない単語が出てくることがあると思いますが、英検には基本的に変な単語やレベル的に逸脱したものは出てこないので、わからない表現が出てくる度にすべて覚えましょう。
ぼくはわからない単語があったらロングマン英和辞書のアプリで調べ、それをノートに書いたり、めんどくさいときはとりあえずスクリーンショットしておいてあとでノートに書いたり、スマホにメモしたりして後から何回も復習するようにしています。
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注意
CDは使わなくてもOK
英検の過去問には、別売りでリスニング問題の音声を収録したCDがあります。
今回この記事を書くにあたって、CDを使うことは想定していませんでした。CDを使わないのが基本になります。
この記事のタイトルにもありますが、今回紹介したトレーニングはあくまでペラペラ=スピーキングができること一点に集中したもので、リスニングやリーディングについては別の教材で補足していく必要があります。
5級~準2級くらいを使うのであれば、CDを使ってリスニングのトレーニングをするのも効果的だとは思いますが、2級高得点~1級のレベルになると、リスニングに関しては英検の過去問は学習効率が最大とは言えず、『CNNエクスプレス』や『実践ビジネス英語』などのリスニングに関して最大の学習効果が得られる教材を使っていくべきです。
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このように、英語学習というのはひとつの教材ですべてがまかなえるということはありえません。
今回紹介したのはあくまでスピーキングを鍛えるトレーニングのひとつです。
オンライン英会話でアウトプットしよう
英検の過去問を使ってペラペラになるトレーニングを進めていくのと同時に、オンライン英会話を使って、実際に人を相手に英語を使う練習もしましょう。
テキストでの勉強にオンライン英会話での実践トレーニングが加わって、はじめてペラペラに近づくことができます。
過去問を使った勉強+オンライン英会話=ペラペラ
というわけです。
オンライン英会話では、テキストに書かれたことを声に出すのとは違い、自分の頭で思ったことを英語に変換しなければいけないので、即興で話す力をつけるという意味ではうってつけです。
オンライン英会話についてはぼく自身何社か使ってみましたが、講師の質・親切さ・コスパを考えると一番良かったのは「DMM英会話」でした。
(公式サイト)
オンライン英会話をやったことがないという人は、無料体験レッスンをやっているのでとりあえずタダで受けてみましょう。
まとめ
というわけで今回は英検の過去問を瞬間英作文することでスピーキング力を上げてしまおうという話でした。
冒頭でも触れましたが、英検の過去問というのは使える英語表現の宝庫であり、合格しておしまい、ではもったいないんです。
たとえ合格した級であっても、過去問を利用して使える英語表現を身に付け、徹底的に利用し尽くしましょう。
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