仕事で英語をしゃべる"羽目に"なってしまった人がまず意識すべきたった2つのこと
別に自分が望んだわけでもないのに仕事で英語が必要になってしまったという人はいませんか?
- コンビニのバイトだけど最近外国人が増えて焦っている
- ずっと英語を避けて生きてきたけど、新しいクライアントにアメリカ人がいるからちょっと英会話でもやろうかな
"ガイジン"になる覚悟をせよ
英語をこれから使っていくにあたって、まず絶対になくさなければいけないものがあります。
それは、「英語を話すのって恥ずかしい」という気持ちです。
ずっと日本語だけを使ってきたぼくらにとって、英語で話すのって、なんか恥ずかしいんです。
これは、英語を話している外国人独特のテンション高い感じとか、初対面なのに妙にフレンドリーな感じとか、そもそもの英語のもつ洗練されたオシャレな感じというのがそう思わせてしまうんですね。
『夢をかなえるゾウ』で有名な水野敬也氏が書いた本に『ウケる技術』という、コミュニケーションに関する名著があります。
- 作者: 水野敬也,小林昌平,山本周嗣
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/03
- メディア: 文庫
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この本では、テンションが上がっている状態を"ガイジン化"と呼び、それを次のように定義しています。
①声が張っていること
②リアクションが大げさで明快であること
③表情が過剰に豊かであること
英語でしゃべっていくうえでは、羞恥心を捨て、そして"ガイジン化"することが重要なんです。
声を張って話そう
空港で接客の仕事をしているときに、同僚にも比較的英語のできる人がいました。
その人は細かいことの説明を英語ですることはできないんですが、よく日常で使う英会話フレーズを知っているので、簡単なことを英語を言うのはできる、というレベルでした。
しかし、その同僚の英語はお客さんには全く伝わっていませんでした。1ミリもです。
これはなぜかというと、単純に声を張っていなかったからなんです。
英語は、日本語よりも1段階声を張って発声しないと、うまく伝わりません。
イメージとしては、声を張ることによって、相手のふところにガッと一気に入っていくくらいがベストです。
自分の英語に自信がなかったり、「変な間違えた英語だったらどうしよう」という気持ちが声を小さくしてしまうのかもしれませんが、先程も述べた通り、大事なのはまず「恥ずかしいという気持ちを捨てること」です。
羞恥心は英語の敵です。
リアクションと表情
英語自体の力が全く未熟な人でも、外国人とコミュニケーションを成立させてしまう人たちというのが存在します。
彼らに共通しているのは、言葉以外でのコミュニケーション手段をうまく使っているということです。
すごく不思議なことなんですが、全く同じことを話していても、身振り手振りを大げさに使い、大きくリアクションし、表情豊かにしゃべっている人の方がびっくりするくらい相手に伝わります。
日本語のコミュニケーションではあまりリアクションを大きくとらないし、身振り手振りなどのボディランゲージを駆使したコミュニケーションというのもほとんどありません。
なので、慣れるまでに時間がかかるかもしれませんし、ここでも"羞恥心"が邪魔をすることがあるでしょう。
しかし、表情はおおげさにやったほうが数段伝わりやすいです。
繰り返しになりますが、まずは恥ずかしいという気持ちを捨てること。
「日本語で普段話している時とは全く違うんだ」という新しいマインドセットを持ってください。
同僚の目を気にするな
ひとつ言い忘れていたことがありました。ここまで、声を張ることや、大きくリアクションするなど、英語自体の特徴からくる"恥ずかしさ"について書きましたが、その他に「同僚の目が恥ずかしい」というのも厄介な問題です。
つまり、仕事中に英語を話しているときに、そばにいる同僚にそれを見られるのが恥ずかしいという状態です。
「お、あいつ頑張って英語話してるよw」
「へたなのによくやるな」
「英語とかカッコつけやがって」
そんな声を無意識に感じ取ってしまうんです。ほとんどの場合それは被害妄想なんですが、英語で話すことに慣れていない人にとって、他の日本人の視線というのは(しかも同僚!)気になってしまうものなんです。
しかし、ここでもやはりガイジン化して、同僚の目は全く気にしないでしゃべっていかなければいけません。
実はぼくも、空港で働きはじめのころは、同じ職場の人の目が気になってしまい、消極的になってしまっていた時期があったんです。
しかし、勇気をもってガイジン化し、「調子に乗って」ペラペラやっていたら、いつの間にか
「あいつは英語を話すときは人格が変わる」
「英語が必要なときはあいつに任せれば大丈夫だ」
という風に、一目置かれる存在になれました。
マナーを気にしない
ビジネス英語や接客英語の本を読んでいると、丁寧な言い回しや、ビジネスにおける適切な表現・立ち振る舞いについて強調されて書かれているのですが、これらについては気にしないで大丈夫です。
言い回しを丁寧なものにしたり、気のきいた立ち回りをするというのは、英語ができるようになってからはじめて+アルファで学び実践することです。
言いたいことも満足に表現できない状態でこれを気にしだすと、
「今の自分の英語、相手に失礼じゃなかったかな?」
ということに気を取られ、思い切って話すことができなくなるので、いつまでたっても英語が上達しないというマイナスの影響が出てしまうのです。こんなことは日本語を話すときだけ気にしていればいいのです。
なので、とにかく
「表現が稚拙なものでも、最低限伝わればいい」
というのを目標にしてまずは英語を勉強していきましょう。
この意識を持つのと持たないのでは大違い。余計なことにこだわりすぎて「相手に言いたいことを伝える」という一番大切なことを見失わないようにしてください。
相手も期待していない
そもそも、自分の英語を聞いている相手も、あなたの英語になんか期待していないんですよ。
これは相手の立場になって考えてみるとわかります。
たとえば接客なら、自分が海外に行った旅行者だとして、現地の人に日本語を流暢に、接客態度も抜群で話すことを期待するでしょうか?
取引先の人として考えてみましょう。相手の企業の外国人に、日本語を流暢に、失礼なく話すことを期待するでしょうか?
そのような状況では「細かいことはいいからコミュニケーションさえとれればいい」と考えるはずです。
自分が英語を話すときだって同じなんですよ。
相手の外国人はあなた(つまり相手にとっての外国人)に完璧な英語で失礼のない英語を話すことは期待していないんです。
ぼくの経験では、態度うんぬんを言ってくる人はゼロでしたが、結局言いたいことはなんなのか?と文句を言ってきた人はいました。
余談になりますが、接客態度や、ビジネスマナーを世界でいちばん気にしているのは日本人です。
ビジネスをする上での肝心な中身よりも、態度とかを気にするというのは実は異常なことなんですよ。
態度やマナーというのは、「この態度は丁寧で、これは失礼」といった具体に、みんなの共通了解で決まるもので、文化が違えば「何が良いマナーなのか」はもちろん違ってきます。
日本語の場合、日本語を話す人のうちの大多数が日本人であるという特殊な状況が存在するので、日本語という言葉と態度などの文化的な側面を合わせて考えることができるのですが、英語という色々な言語から影響を受け、しかも世界中で使われている"国際共通語"においては、共通の理解というものがそもそもないんです。
もしも、ビジネスマナーや接客態度というのを気にしたい場合は、いちばんめんどくさい日本人を相手にしているときに最もエネルギーを使うのがいいでしょう。
まとめ
というわけで今回は、仕事で英語をしゃべる羽目になってしまった人が、まずはこれだけは意識しておいた方がいいなと思うことを書いてみました。
ポイントは、
- 声を張って、はっきりと話す。そのために、羞恥心は捨て、"ガイジン化"を目指す
- 「丁寧な表現を心がける」のは、初心者には早すぎる。相手もこっちが丁寧な英語を話すことは期待しておらず、「とにかく言いたいことを明確にして伝えてくれ」ということを最優先事項に考えているので、「とにかく伝わればよい」というのを目標ラインにする
という2つでした。
こう見ると、日本語と英語の背後に流れている文化的な側面が、いかに異なるのかがおわかりになると思います。
消極的にならずに"ガイジン化"することなんて、日本人同士での会話でやったら"変な人"と思われたり、"調子に乗ってる"とか"鼻につく"と見られてしまったりします。
ガツガツしゃべる人より黙っている人の方がむしろスマートだと思われたりすらします。英語の発想では、黙っている人はただのアホですからね。
とにかく英語ではコミュニケーションの前提が日本語と全く異なります。
この記事で書いたことを押さえておけばとりあえずは大丈夫です。ぜひ参考にしてみてください。
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