中学レベルの英語を復習するのにおすすめの参考書と勉強法を徹底解説してみた
中学英語は"基礎"である
英語を勉強している人の中で、あまり学習がうまくいっていない人にありがちなこととして、
「基礎が抜けている」
というのがあります。
たとえば、英会話フレーズ集のようなものを買って、それをひたすら覚えている人。
別にこの学習方法自体は良いのですが、基礎がしっかりしていない状態でこれをやると悲惨な結果になります。土台がしっかりしていないので、覚えようとした英会話フレーズが"乗っかる場所"がどこにもないんです。
では、ここでいう"基礎"とは一体何なのかというと、それはずばり、中学レベルの英語です。
中学生レベルの英語がしっかりと身についているのかどうかで、その後、英語力が伸びていくのかが実は決まってしまいます。
中学英語をしっかりとやっていない人は、全く英語が身につかずにすぐ挫折してしまったり、多少英語ができるようになっても、必ずどこかで実力がストップしてしまうんです。
今回は英語学習の"基礎"であり、最も重要な部分を占める中学レベルの英語について、具体的な参考書を挙げながら、学習方法を紹介していこうと思います。
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パターン①:英語は全くの初心者
中学英語の学習法を提示するにあたって、
- 全くの初心者
- ある程度基礎はわかる人
の2つのグループに分けて考えていくことにします。自分がどちらに当てはまるのかを判断してください。
まずは、英語は全くの初心者だと言う人。
中学生のときに、英語の授業が苦痛で仕方なかったという人はもちろんこっち。
「ある程度はわかっていたけれど、今まで英語を使う機会は全くなく、多少習ったこともすっかり頭から消え去っている」という人もこちらのパターンです。
学習のゴール
「中学英語をマスターしたぞ!」と言える具体的なゴールをまず示してしまいます。
①『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』の日本語を見て、瞬時に英文が口から出てくるという状態にする
どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)
- 作者: 森沢洋介
- 出版社/メーカー: ベレ出版
- 発売日: 2006/10/25
- メディア: 単行本
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(このブログを読んでくださってる方、この本が出てくるのが2兆回目くらいですみません。それくらいおすすめなので・・・。)
「瞬間英作文」というのは、その名の通り、瞬間的に英作文をすることです。具体的に言うと、
わたしは学生です。
→ I am a student.
といった具合です。
この『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』では、中学レベルの文法事項に絞って、このトレーニングができるようになっています。
この本に書かれている英文をすべて日本語→英語にできるというのがまず一つ目のゴールです。
こう書くと大変なことのように思えるかもしれませんが、大変です笑。
ただ、この本を1冊完璧にするというのが、英語の基礎を作る上で、かかる時間およびリターンを考えると最適なんです。
中学レベルの英文法は、穴埋めのワークができるようになった程度ではあまり意味がなく、英語が全くない状態から、1から自分で文が作れるレベルになって始めてマスターしたといえます。
なので、この『瞬間英作文トレーニング』を使うのがいちばんなんです。
②高校入試用の単語集を1冊覚えている
もうひとつのゴールは、中学生向けの単語集を1冊覚えているという状態を作ることです。
高校入試向けの単語集がよくできているのでその中から1冊使いましょう。
選び方については、総単語数が1000~2000くらいで、レイアウトが見やすいものならなんでもOKです。
一応2冊だけおすすめのものを載せておきます。
CD付 改訂版 キクタン【中学英単語】高校入試レベル (英語の超人になる!アルク学参シリーズ)
- 作者: アルク
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中学英単語1850: 音声&アプリをダウンロードできる! (高校入試ランク順 1)
- 作者: 学研教育出版
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単語集の学習については、英語を見て、時間がかかってもなんとか日本語の意味が言えるという状態がゴールです。
1冊まるまる、完璧に、隅から隅まできっちり発音もすべてわかり、瞬間的に意味もわかるなんてレベルにする必要はありません。
最低限こんな意味だよね、というのが時間がかかってもわかればよしとしましょう。
中学生で習う英単語というのは、今後英語の勉強を続けていくにあたって、いやというほど遭遇します。なので、自然と何回も復習されていくことになります。
ただし、だからといって単語集で覚える必要がないのかといえばそうでもなく、学習の最初の段階である程度まとめて覚えておいたほうが、後々、辞書をいちいち引く手間が省けたり、『瞬間英作文トレーニング』の効率が上がったりするので、利益があるというわけです。
学習方法
①英単語を20~30分覚える
「よし、英語勉強しよう!」となったら、まず単語集を開き、それを20分か30分くらい覚えるということをしましょう。
英語の勉強が始まったら、まずは単語を覚える、これはルーティーンにしていきたいです。
このようなルーティーンを作ることで、仕事で疲れているときになかなか英語の勉強を始められない、といったようなことが減ると思います。
覚え方については、下のエントリーで以前詳しく書いたので、そちらも参考にしてください。
②英文法の学習⇔瞬間英作文
『瞬間英作文トレーニング』はあくまでトレーニング教材なので、これとは別に1冊、中学英語の文法事項を勉強できる参考書を用意しましょう。
この手の参考書は大量に出ていますが、『中学3年間の英語を10時間で復習する本』一択です。
- 作者: 稲田一
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/中経出版
- 発売日: 2010/01/27
- メディア: 単行本
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もう正直、この本しかありえないです。
この本を読んで中学英語がわからなかったら諦めてくださいというレベルでわかりやすい参考書です。かなりおすすめ。
『10時間で復習する本』の特徴は、講義形式でわかりやすいこと。
対話という形で文章が書かれているので、とにかくわかりやすいです。
しかも、講義形式という形をとっているにもかかわらず、本1冊のボリュームが大きすぎるということはなく、かつ中学範囲をほとんどカバーしています。
この本を、CDで例文の音声を確かめながら読んでいきましょう。
そして、『瞬間英作文トレーニング』の例文の中から、「ちょっといけそうだな」と思ったものからトレーニングしていき、またわからなくなってきたら『10時間で復習する本』に戻っていく、という具合です。
最終的にどちらの本もすべてやるので、基本的にどのページからやってもかまいません。
ただし、瞬間英作文できた例文に関しては、問題の番号のところにボールペンかなんかでマークしておきましょう。
3ヶ月続けよう
これらの勉強を3ヶ月、毎日続けることをひとつの目安にしましょう。
遅い人や、たまにサボってしまう人でも、4、5ヶ月あれば十分なはずです。
瞬間英作文なんかは心が折れやすいかもしれませんが、その後の英語学習を決める3ヶ月なので、気合を入れて取り組んでください。
ではここでいったん学習方法をまとめておきましょう。
- 単語集に20分取り組む
- 『10時間で復習する本』と『瞬間英作文トレーニング』を行ったり来たりする
- 瞬間英作文できたものに関してはボールペンで印をつける
- 3ヶ月続けることで、単語集に載っている単語はすべて「時間はかかってもすべて意味はわかる」レベル、『10時間で復習する本』については数回通読した状態、『瞬間英作文』はすべての例文について日本語を瞬時に英語にできる状態にする
- そしてわたしは中学英語をマスターしたのであった
パターン②:ある程度英語ができる人
さて、もうひとつのグループは「ある程度英語ができる人」です。
ある程度ってどのくらいだ、ということになりますが、TOEICでいうところの600点以上取れる人くらいになるんでしょうか。
このレベルの人になると「中学レベルの英語の復習なんてそもそもいらないよ」いう人がいると思います。
しかし、もしある程度英語ができる人で、最近全く英語力が伸びなくなってしまったという人は、思い切って中学レベルまでいったん戻ってみることで、再び英語力が伸びていくことがあります。
実は、ぼく自身がそうでした。
当時はおそらくTOEIC700点くらいの実力はあったんですが、何をやっても英語力が伸びていかなかったんです。
そんなときに『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』の存在を知り、思い切って中学レベルまで戻って、数ヶ月くらい徹底的に復習したところ、パッと視界が開け、その後は怒涛の勢いで英語を吸収することができました。
ぼくは現在TOEIC980点ですが、その時の中学英語総復習がなければ、ここまでの点数を取るまでの実力にはなれなかったと思います。
思うに、それまでの自分は、基礎がないのにその上に家を造ろうとしていたのだと思います。基礎がしっかりとしていなければ、犬の小屋なら作れるかもしれませんが、しっかりとした建造物は作ることができません。
ある程度の実力がある人でも、バカにせずに大人になってから中学英語を復習した人が、最終的には磐石な英語力を手に入れるのだと信じています。
学習方法
『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』を1冊完璧に仕上げるというのが学習のゴールです。
それだけです。中学英単語の復習はいらないでしょう。
『10時間復習する本』のような中学英語を解説している本も必要ないですが、『瞬間英作文』の学習を進めていく中で、疑問に思った点は納得のいくまで調べておく必要があります。
これには『一億人の英文法』を使います。
一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)
- 作者: 大西泰斗,ポール・マクベイ
- 出版社/メーカー: ナガセ
- 発売日: 2011/09/09
- メディア: 単行本
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この本は分厚いので通読するのには適していませんが、本当になんでも載っているので、わからないことがあったときに調べるのには最適な教材です。
基本的にこのレベルの人は、ちょっとでもあれ?と思ったらこの教材の該当箇所を読んでみることをおすすめします。
中学レベルの英語でも、意外とよくわかっていない部分があったりするので、それらを徹底的に潰していくつもりで取り組みましょう。
補足説明
中学生向けの教材は注意
英語が苦手な人が使う教科書として、『中学3年間の英語を10時間で復習する本』一択だと言いました。
しかし、どうしてもこの本が合わなかったという人は、中学生向けに出ている本を使うというのも仕方ないですがアリです。
色々出ていますが、『やさしくまるごと中学英語』のような、3年間分がコンパクトにまとめられているものを選ぶのが良いと思います。
- 作者: 武藤克彦,阿部潤
- 出版社/メーカー: 学研マーケティング
- 発売日: 2013/05/21
- メディア: 単行本
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ただ、基本的には『10時間で復習する本』をおすすめします。中学生向けのものはやはり「学校の授業ありき」で作られているものが多く、説明が丁寧ではない場合があるからです。
TOEICで何点とれるようになるの?
社会人の英語学習者にとっては、結局なんだかんだ言って、
で、ここまでやってTOEICで何点とれんのよ?
というのが気になることだと思うので答えておこうと思います。
まず、パターン②の英語がある程度すでにできていた人に関しては、500点~990点までバラバラだと思うので一概には言えません。
続いて、パターン①、全くの初心者が中学英語をマスターした場合、もちろん人にはよりますが、TOEICで400点~550点くらいにおさまってくるのかな、という感じです。
ちなみに、TOEICでは600点というのが最初の関門になってくるかと思いますが、中学英語の復習だけではちょっと到達はきびしく、もう一段階成長する必要があります。
ただし、中学英語をマスターすれば決して遠いゴールというわけではなく、『TOEIC TEST 入門特急 とれる600点』などでTOEIC用の勉強をしつつ、TOEICを毎回受験していれば、半年~1年くらいで楽々到達できるラインでしょう。
- 作者: TEX 加藤
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2016/04/07
- メディア: 新書
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ちなみに、TOEICと並び有名な資格試験となっている英検については、3級が中学3年分の範囲となっているので、学習が進んできたら受験してみることを強くおすすめします。
ある程度勉強が進んでいれば、自分でもびっくりするくらいに解けてかなり楽しいのではないかと思います。
すべてマスターした段階で、準2級か、欲を言えば2級を取ることができれば中学英語の学習は大成功だったといえるでしょう。
オンライン英会話を活用しよう
中学英語の復習が進んできて、だいたい『瞬間英作文』が50%くらい終わったら、オンライン英会話を学習に取り入れるのがおすすめです。
この記事で紹介した勉強法は、瞬間英作文を使った「使える英語」中心の学習法なので、オンライン英会話とはかなり相性が良く、相乗効果で英語力が向上します。
また、自分ひとりで英語の学習をしていると、どうしても飽きが出てきてしまうので、勉強に飽きて挫折してしまうのを避けるためにも、オンライン英会話を受けましょう。
オンライン英会話はぶっちゃけどこでもそんなに変わらないんですが、ぼくも使っていておすすめなのがDMM英会話です。
(公式ページはこちらから)
コスパが良いですし、何より大手企業なのでシステム面も安心です。
ぼく自身オンライン英会話は何社か試したことがありますが、DMM英会話は講師の質もかなり良いですね。ド初心者にも丁寧に教えてくれます。
まぁ何はともあれ、無料体験レッスンをやっているので、まずはタダで体験してみるのがおすすめです。
まとめ
というわけで今回は中学校で習う英語の総復習をするために最適な参考書および勉強方法について徹底的に解説してみました。
繰り返しになりますが、中学レベルの英語は学習においていちばん大切な基礎の部分にあたります。
ここを真面目にやっておくかどうかで大きな差がついてしまうので、初心者の方はもちろん、中級者以上の方も、一度総復習してみるのはいかがでしょうか。
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