「自動翻訳機が進化したら英語学習は不要になる!」について思うこと。
自動翻訳の技術はものすごい勢いで進化しています。
たとえば、Skypeの"Skype Translator"は自動翻訳技術のひとつです。
1年前、2人の小学生が英語とスペイン語の自動翻訳を使って会話をするプレビューが話題になりました。
単純に、違う言語を使ってしゃべっているのに意思の疎通ができていることに感動した覚えがあります。
Skype Translator preview opens the classroom to the world
正直、まだ実用レベルには達していないものの、このような技術は今後も進化を続け、将来、かなりの精度と使いやすさを兼ね揃えた自動翻訳機が登場することでしょう。
英語学習は不要?
自動翻訳の話題になると、どうしても
英語学習は今後不要になるのか?
通訳、翻訳家、英語教師は仕事を失うのか?
という議論になります。
自動翻訳ができるから英語の勉強は今後いらなくなる
英語の勉強が大嫌い!自動翻訳はよ!
翻訳家を目指しているんですが、将来自動翻訳が進化したら仕事なくなっちゃいますか?
いや、いくら機械が発達したところで、どうしても人間らしさは出せない。通訳、翻訳家の仕事はなくならない!
実にさまざまな声があります。
ただ、これらすべて、何かずれているというか、最も大事な議論がなされていないような気がするんですよね。
自動翻訳技術はすばらしい
まず、
完璧な自動翻訳機ができたらマジで最高だよな!
という事実の認識から入るべきじゃないのかと思うんですよね。
自動翻訳機の発達は、世の中にとって絶対に良いことなんですよ。
たとえば、移民の問題。ドイツには今、中東や東ヨーロッパから多くの移民が押しかけています。ドイツはメルケル首相の元、移民を積極的に受け入れる姿勢を見せていますが、多くの障害があり、スムーズに進んでいるとはいえないのが現状です。
大きな障害のひとつなのが"言葉の壁"です。
移民の手続きにはものすごい時間がかかります。年単位です。
精度の高い自動翻訳機が導入されれば、この手続きももっとスムーズになるでしょう。
しかも、移住した後も、自動翻訳機が心強い味方になってくれるでしょう。言葉の違う民族同士でも意思の疎通ができるので、テロも減るかもしれません。
また、自動翻訳機が発達すれば、グローバルビジネスが加速的に発展していくのも確実です。
翻訳機によって、言葉の壁がなくなることで、英語は苦手だけれどもアイデアと行動力がある人が、世界的にビジネスを展開することがしやすくなるんです。
2つほど理由を挙げてみましたが、この他にもメリットは多く存在するはずです。
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語学ができる人こそ盛り上げるべき
この記事でまずぼくが言いたいのは、「語学ができる人こそ自動翻訳ウェルカムな姿勢を見せていこうよ」ということなんです。
というのも、語学ができる人は自動翻訳にあまり良いイメージを持っていない可能性が高いからなんです。
さっき「通訳、翻訳家、英語教師はなくなるのか?」という疑問があると言いましたが、
なくなるに決まってるじゃないですか。
当然そうなりますよ。どう考えてもそうなります。
でも、自動翻訳機に莫大なメリットがある以上、この流れを阻害するような考え方でいるのはよくないことなんです。
たしかに、英語の勉強が大嫌いで、全く英語ができない人が、自動翻訳機の話題になってすごく元気になるのを見て何か言い返したくなる気持ちはわからなくもないですが、そこは抑えていくべきだと思うんですよね。
そもそも自動翻訳VS英語ができる人という構図になってしまうのがよくないことじゃないのかとぼくは思っています。
外国語を学習している人は、勉強のツールとして普段電子辞書とか、オンラインの辞書とか、Skype英会話みたいなサービスを使っていると思います。
それらのテクノロジーが、人間の語学力を効率的に上げるという形ではありますが、コミュニケーションの円滑化に貢献してきたのは事実です。
自動翻訳機も、コミュニケーションを世界単位で促進するためのそのようなツールのひとつとして認識すべきなんですよ。
自動翻訳機といっても、完璧なものになるまでは、ある程度のグラデーションで進化していくと思います。
なので、初期の段階では、人間の語学力を補助するような形で出てきて、だんだんと人間の負担の割合が少なくなっていく、という形になるのではないでしょうか。
そうだとすれば、語学ができる人の知見が今後絶対に必要になってくるし、そのような協力があって自動翻訳の技術が発達していくと思うんですよね。
専門家ではないので具体的にはわかりませんが、語学ができる人のポジティブな姿勢は、絶対に自動翻訳機の発達とそれがもたらすより良い世界のための推進力になるはずなんです。
英語は単なる道具なのか?
と、ここまで書いてきたのは、"英語がコミュニケーションのための道具である"という前提に立っての意見です。
ただ、英語が道具なのは事実ですが、なんのための道具なのかは個人によって変わるんです。
当然、世界的にビジネスがしたいけれど、英語学習が大嫌いだという人は英語はコミュニケーションのための道具であり、「自動翻訳はよ!」という感じですよね。
ただ、別の例を挙げるとすれば、たとえば、英語は文化を深く知るための道具だったりします。
言語は言うまでもなく文化と密接に関わっています。本気でその国の文化を知るためには、そこで話されている言語を知る必要があるでしょう。
文化をより深く理解するというのは抽象的で難しい感じがしますが、ハリウッド映画を字幕なしでより本物に近い形で楽しむための道具、とかでもいいわけです。
このように、語学学習は、コミュニケーションの道具ということ以外にも、さまざまな側面を持っているんです。
もっと言うと、語学を勉強することで得られる楽しいことがいっぱいあるんです。
なので、タイトルの「自動翻訳機が進化したら英語学習は不要になる!」については、英語が単にコミュニケーションの道具である人(大多数)にとってはその通り。
ただ、他にも楽しい収穫がいっぱいあるので、英語を勉強する人がいなくなることはないでしょう。
正直よくわからない
ここまでごちゃごちゃ書いてきましたが、結局、テクノロジーの進化の限界が見えていない以上、自動翻訳機によって世界がどうなるのかは
ぶっちゃけよくわからない
んですよねw
ブログをずっと書いてきて「よくわからない」という結論になったのは初めてなんですが、本当にそうなんですよ。
だって、さっき僕が書いた「語学は文化を知るために不可欠な要素だから語学学習自体がなくなることはない」論も、結局語学がわからなくても文化が深く理解できテクノロジーが出てきたら・・・と考えると無意味です。
映画を字幕なしで本物同様に理解できるようになりたいから英語を勉強する、というのも、頭に自動翻訳機チップみたいなのを入れて本物同様に理解できるテクノロジーができるかもしれないですし。
なので、実際どうなるのかは全くわからないです。
とんでもない記事になってしまったと戦慄していますが、もしよければ自動翻訳に関するみなさんの意見教えてください。
ではまた!
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