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英検1級が2017センター試験英語を解いてみたので感想とかを色々語る

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タイトルの通り、今回は英検1級のぼくが2017年センター試験英語を解いてみた感想を書いていこうと思います。

 

ぼく自身が高校生としてセンター試験を受けたのは7年前の2010年。

はっきりとは覚えてないんですが、その時取れた点数は筆記180/200、リスニング40/50くらいだったと記憶しています。

 

本格的に英語の勉強を始めたのがだいたい3年くらい前で、1年前に英検1級を取得しました。

今回は英検1級を取得したいま、"どのくらいできるようになっているんだろう"という興味から解いてみた次第です。

ちなみに結果や感想の他に、記事の最後ではぼくが考える「センター英語改善案」も書きました。

 

結果は?

感想の前にまずは何点取れたのか発表していこうと思います。

結果は、

 

筆記・・・194/200

リスニング・・・50/50

 

でした!

ちなみに、筆記試験の制限時間は80分ですが、約40分ほどで解き終わりました。

 

唯一間違えた問題

正直、楽勝で満点が取れると思ってたので軽くショックでしたね。

間違えたのは読解問題の中の1問で、これが配点6点の問題でした。

街計画に関する住民の話し合い、という内容で、虫食いになっている部分に適当な文を選ぶ形式の問題の最後の問題です。問題番号で言うと34番ですね。

 

文章全体の内容をしっかりと見ないと間違えてしまう問題で、いま見返すと「あっ!」と思うケアレスミスだったんですが、

 

まぁ言い訳ですね。

 

ええ、間違えました。間違えましたよ。

 

第5問に"驚愕"

最後から2番目の長文問題(第5問)がいろいろと衝撃でした。

わかりやすいように勝手な日本語訳で書きますが、文章の始まり方がこんな感じだったんです。

 

「ふぁ~!」

大きなあくびと共にぼくは目覚めた。なんて爽快な朝なんだ!

 

・・・小説!?

 

え、センター英語に小説って出るんでしたっけ?

 

調べてみると、2015年の追試から小説が出題されるようになったらしいです。

ノンフィクションのみで構成されるセンター試験しか知らないぼくとしてはかなり驚きましたね。

ちなみに10年前のセンターでは出たらしいです。

 

驚いたのはこれだけではありません。読んでいくと次々とツッコミポイントが出てくるんです。

 

朝目覚めた主人公は、自分の体がふさふさした毛に覆われていて、それに加え声を出そうとすると「ニャー」という音しか出ないことに気づきます。

 

ってこれカフカの『変身』ですやん!

 

変身 (新潮文庫)

変身 (新潮文庫)

 

 

カフカの『変身』は、次のような始まり方をします。

ある朝、グレーゴル・ザムザがなにか気がかりな夢から目をさますと、自分が寝床の中で一匹の巨大な虫に変っているのを発見した。

(略)

「これはいったいどうしたことだ」と彼は思った。

(新潮文庫『変身』5ページより引用)

 

絶対ここから着想得てますよね。というかパクってますよね。

 

そして物語は、この目覚めたらネコだった主人公の視点から語られていきます。

 

って『吾輩は猫である』か!

 

吾輩は猫である (宝島社文庫)

吾輩は猫である (宝島社文庫)

 

 

正直この時点で「この文章かなりやばいんじゃないか」という感が果てしなかったんですが、その予想は完全に当たっていました。

 

猫になっていた主人公は、驚きつつもリビングに行くと、そこに「自分」がいるのを見つけます。

「自分」は、スマホをいじりながら朝食をとっていました。

母親から話しかけられても、スマホに夢中でほとんど反応しません。

スマホを操作する「自分」は全くの無表情・無感情。

そんな「自分」を見てネコである"自分"は、

"I don't like this guy."

(とんでもない奴だ!)

と思います。

 

次の瞬間、主人公は「自分」に見つかってしまいます。

あわてて逃げる主人公(ネコ)。逃げ場所がなくなり、窓から飛び降ります・・・。

 

・・・するとそこで目が覚めました。

 

あわてて自分の体を見ますが、いつもの人間である自分に戻っていました。

その日主人公は、起きた直後の日課であるスマホチェックをせずに、朝食の待つリビングへと向かうのでした。

 

(終わり)

 

いやちょっと待ってください。

 

夢オチ!?

 

カフカだの夏目漱石だのでいろいろ揺さぶり攻撃を受けてからのまさかの夢オチ。

「本当にこれセンターなのか?」と思ってしまいましたね。夢オチって…。

 

あと、この物語のメインテーマである「スマホ中毒」もちょっとどうなのかなと。

物語の中盤では、主人公の母親の、

「最近全然勉強してないじゃないの。期末テストの勉強は進んでるの?心配だわ。」

というセリフがあります(ぼくの勝手な訳です)。

文章には根拠となる部分はありませんが、このセリフは「スマホばっかりやってて成績が悪くなっている」ということを暗示しています。

少なくとも、「スマホ中毒になっている主人公」のダメさを強調する役割を果たしているのは確実に言えることです。

何が言いたいのかというと、これはどうも

 

「お前らスマホばっかりしやがって。勉強しろ!」

 

という大人の説教にしか感じないのです。

 

センター試験英語は全国の多くの18歳、19歳が受けるテスト。

そしてその目的は英語の力を測ることであり、それ以上でも以下でもありません。

 

果たしてこのように、全国の18歳を相手に一斉に説教をする必要があったのでしょうか?

 

ぼくは必要なかったと思ってしまいます。

 

英語圏の文化が大切にしているのは、「批判的思考」であり、「問題解決能力」です。

 

英語学習は、単に日本語を英語に置き換える作業ではありません。英語の背後を貫く、論理性の体得ことがその真髄なわけです。

 

それが本当にわかっている人なら、こんな文章は出題しないはず。

スマホ中毒を話題に出すとしても、

「スマホ中毒は良いことか、悪いことか?」とか

「スマホ中毒がけしからんという人は多いが、本当に悪いことなのだろうか?」

という話題にすべきだったと思います。

この思考こそが批判的思考なんです。

 

今回、名著2つをミックスしたような物語で最後は夢オチ、偏った意見がテーマ、という文章が出されたわけですが、センター試験を作った人、本当にこれでいいんですかね? 

 

 

 

センター英語、ここを改善すべき!

今回、センター英語を解いてみて、「もっとここをこうすればいいのにな」と思った点が何点かあったので書いていこうと思います。

 

①並べ替え問題はいらない!

まず、並べ替え問題はなくしたほうがいいですね。

言うまでもありませんが、ごちゃごちゃに並んだ英単語を正しい順番に並べるという行為は、実際に英語を使う場面を想定するとあまりにも不自然すぎます。

英語は順番が命の言語なので、英文法をしっかりと理解できているのかを測定するという意味で並べ替え問題が出題されているのだとは思いますが、そんな複雑なことをしなくても文法の力は虫食い問題や、長文問題で測れるんです。

 

②語彙問題を増やすべき!

並べ替えをなくした分は、語彙問題を増やすのがいいですね。

 

第2問では文法・語彙問題が出題されますが、もっと内容を語彙に偏らせた上で問題数を増やすべきです。

語学学習で大事なのはやはり語彙です。

「センター試験で語彙問題がたくさん出る」

となれば、中学や高校の英語の授業も語彙をより重視したものに変わり、日本人全体の英語語彙力が上がるはずです。

 

「文法問題の内容を語彙に偏らせる」というのもポイントです。

今回のセンター試験の文法語彙問題でも、受動態の分詞構文と、過去完了の知識を問う問題が出ましたが、正直言って難しすぎます。

これらは、実際に英語を使う場面では、ちょろっとごまかして間違えても問題なく通じるレベルの文法事項です。

「発信力を鍛える英語教育」の重要性が叫ばれている中で、全くその方針に合っていない問題だと言えます。

 

③リスニングの割合を増やす

筆記についてはボロクソに書いてしまいましたが、リスニングは想像以上に良問でした。

そう思う理由は2つあります。

 

まず、実際に使いそうな表現が数多く含まれていたことです。

ぼくの頭の中では、センターのリスニングと言ったら、いかにも教科書的な、実際には使わないような英語が放送されるというイメージでしたが、数年でかなり変わったんですね。

 

「twist my neck (首をひねる)」

「Don't mention it. (どういたしまして)」

「For sure! (もちろん)」

 

など、あまり教科書では見れないフレーズや、口語的な表現も多く、実用的な英語という印象でしたね。

ただ、こういった表現は、くだけた英語に触れていないと習得できないので、受験生によっては難しく感じたのではないかと思います。

 

また、複数の情報を聞き取って処理しなければいけない問題が多かったのもかなり良いポイントだと思います。

 

ぼくが記憶する限りですが、ひとつの英文を聞いた上で3つの質問に答えなければいけない問題が3つもありました。

ぼくが高校生のときはそういった問題は1つしかありませんでした。

 

複数の情報を処理していくというのが実際の会話の状況に近いので実用的ですし、このような問題を使ってセンター対策をすることで総合的な英語力を育てることもできるんです。

 

ただ、これだけリスニングが良い問題なのに、配点が小さいのは問題だなと思います。

 

英語(筆記)が200点満点なのに対し、リスニングはたったの50点です。

 

もちろん、大学側で割合を自由に変えることはできますが、ほとんどの大学を見るかぎり、同じような割合で配点がつけられています。

 

ぼくは、これを筆記100点、リスニング100点の200点満点で「英語」という科目にするくらいがベストなのではないかと思います。

もちろん、リスニングの問題数は2倍にします。ただ、放送は1回にし、英語のスピードももう少し速くするわけです。

 

とにかく今のままでは筆記に偏りすぎです。

「日本人は英語が話せない」とよく言いますが、会話の第一歩として「聞く力」が足りていないのが大きな原因のひとつです。

センター試験がリスニングを重視した配点に変われば、自然と日本人の英語学習も「聞く力」をもっと重視したものに変わっていくはずです。

 

まとめ

というわけで、2017センター試験英語を解いてみた感想でした。

最初は解いてみて何点取れたのかだけを書くという軽めの記事にしようと思っていたんですが、解いてみたらいろいろと言いたいことが出てきて結局4000字以上も書いてしまいました。

色々文句は書きましたが、だんだん良くなってきているなとも思います。

特に細かい知識というよりは文脈を問う問題が増えてきたり、リスニングで実用的な英語で構成されるようになってきているのは非常に良いと思います。

今後センター試験がどうなっていくのかにも注目ですね。

 

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