「英語の勉強は同じテキストを繰り返し復習すべき!」って本当?
世の中には色々な英語の勉強法がありますが、
「同じ参考書を何回も繰り返し復習すべき!」
というのは、かなりの人に共通している勉強法だと思います。
たしかに、語学学習において繰り返しは非常に大切で、知識を記憶に定着されていくためには繰り返し繰り返し学習するのは有効な手段だと言えます。
しかし、だからといって「同じテキストを何回も復習すべき!」というのを絶対の学習方針のように信じ込み、それに縛られて学習を続けていくと、マイナスの効果もあるのではないかと思うんです。
順番に説明していきましょう。
初心者は復習が大事!
まず、英語初心者については、「同じテキストを何回も繰り返しやる」というのを絶対の方針にして取り組むべきです。
これは、英語学習を始めたばかりの段階では、基礎をガッチリ固めるのが最重要だからです。
基礎を固めるためには、
- 初級の英単語が載った単語帳
- 英文法を身に付けられるテキスト
- 発音がトレーニングできる本
を、何回も繰り返しトレーニングする必要があります。
この段階で色々な参考書に手を出してしまうと、繰り返しの質が落ちてしまいますし、参考書ごとの微妙な違いなどに戸惑ってしまい、ガッチリとした基礎が作れなくなってしまうんです。
多くの場合中級に進めずに挫折してしまうでしょう。
ぼくも、英語初心者の段階では『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』という本を繰り返し繰り返し復習することで、英文法の基礎をガッチリと固めることができました。
これは、色々な参考書を"つまみ食い"していたら絶対にできなかったことだと思っています。
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中上級者は同じテキストにこだわる必要ナシ
英語初心者は同じテキストを何回も復習するのが大切だと言いましたが、英語の実力がついてきて、中~上級者になっていくにつれ、「同じテキストを徹底的にやる」というのにこだわる必要はないのではないか?と思っています。
中級者といっても定義するのが難しいんですが、そうですね、高校レベル、英検で言うと2級取得以降くらいからは同じテキストにこだわる必要はないです。
むしろ、同じテキストにこだわるとマイナスの効果さえ出てくるのではないかと思っています。
最も大きな理由は、中級レベル以上のテキストは、一定の内容を網羅することが不可能で、どうしても内容に偏りが出てくることです。
初心者レベルでは、単語にしても英文法にしても、1冊のテキストで必要なことをもれなく網羅することができます。
しかし、レベルが上がってくるとそれは不可能です。
中級以上では、たとえば一言で"英単語集"といっても、
- 日常生活でよく使う単語集
- 専門的な単語が多く載った単語集
- 単語の使い分けに特化した単語集
などなど、さまざまなジャンルのテキストがあり、「1冊やれば中級レベルを完全マスターできる単語集」というのは存在しません。
なので、中級以上では、1冊を徹底的にやるというよりは、
ほどほどの完成度で何冊もやることで、それぞれのテキストのエッセンス的な部分だけをつまみ食いしていく
というのが最も効果的な戦略だと言えます。
初級テキストでは1冊の参考書に書いてあることが隅々までまるごと大切ですが、中級以上のテキストでは「覚えるとためになる部分」と「覚えてもそんなにためにならない部分」というのがどうしても出てきてしまうんです。
「同じテキストを何回も徹底的にやるべき!」というのを絶対の方針とし、中級以上のテキストも隅々まで復習するのは効率が悪いというわけです。
学習が進んでくるにつれて、各テキストのおいしいとこだけを吸収するような勉強方法にシフトしていくのがベストです。
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参考書を変えるメリット
特定のテキストにこだわらず、新しいテキストに取り組むのには上記以外のメリットもあります。
集中力が増す
同じテキストを何回も繰り返し復習していると、だんだんと学習の質が下がっていきます。
単語帳を何回も復習しているうちに、順番で単語の意味を覚えてしまった、という経験は誰でもあるのではないでしょうか?
新しい参考書に取り組むときは、そのような知識以外の部分での慣れが全くないので、必然的に集中モードで取り組まざるを得なくなります。
やる気が出る
新しい英語の参考書を買ったときって、「よーし、やるぞ!」という気分になりますよね。
「参考書をつまみ食いする人は買って満足して三日坊主。」
「同じテキストを何回もやるべき教」の人はそう言うかもしれません。
でも、3日やる気が出るなら御の字じゃないですか?
ぼくは、新しいテキストを買ったときの「よーし、やるぞ!」感は積極的に、ポジティブに活用していくべきだと思います。
TOEICや英検を取りたい人は別
ただし、TOEICや英検などの資格試験のために勉強するときだけは例外なので注意です。
TOEICや英検などの資格試験は、問題パターンや出題される語彙がかなり限定されているので、効果的なテキストを1冊やり込んでパターンに徹底的に慣れていくのが最も有効な戦略となります。
ぼくも英検1級の二次試験を受けたときは、『英語で経済・政治・社会を討論する技術と表現』というテキストに絞ってやり込みました。
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仕事の休憩中も食事中も読んでいたので周りからは変人認定されていましたが、このテキストをページを繰りすぎてバラバラになるまで読み込むことで、本番では瞬間的にスピーチの構成が思い浮かぶレベルになりました。
ちなみにTOEICについてもそうで、TOEICに出てくる単語は『金のフレーズ』というテキストを何回もやり込めばそれだけでかなりのレベルに到達します。
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まとめ:柔軟に考えよう
というわけで今回は「英語の勉強は同じテキストを繰り返し復習すべき!」についてごちゃごちゃと考えてみました。
誤解のないように言っておきますが、ぼくは復習を軽視しているのではありません。
英語学習において、繰り返しによって知識を定着されていくのは基本中の基本です。
ただ、「1冊のテキストを繰り返し繰り返しやるべきだ」というのを絶対の方針として盲信してしまうと、マイナスの効果があるかもしれませんよ、ということを言いたかっただけです。
語学学習に、絶対の方針なんてないんです。
その時の状況に応じて、どういう方針で勉強していけばいいのか、それを柔軟に考えていける人が伸びていくのだと思います。
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英語初心者と上級者では実践すべき勉強方法が違いますよ!という話。