『聴読中国語』の難易度と使い方まとめ!中検2級・HSK5級以上を目指す人におすすめの単語集です。
『聴読中国語』という単語帳が、数ある中国語参考書の中でもトップクラスにおすすめです。
特に、中~上級、具体的には中検2級・HSK5級以上を目指したい人にはマストアイテムだと言えるくらいおすすめなんです。
今回は、実際にこの単語帳を使って勉強をしたぼくが、
- おすすめポイント
- 難易度
- 使い方
- 注意点
について詳しくまとめていこうと思います。
この本を使って勉強しようかなと考えている方の参考になれば幸いです。
文脈の中で単語が覚えられる!
『聴読中国語』は単語帳ですが、『キクタン』などの他の普通の単語帳とは決定的に違う特徴があります。
それは、
文脈の中で単語を覚えることができる
という点です。
この本は全65課に分かれており、それぞれの課に中国語の文章が載っています。
そしてその文章の中に、新出単語がちりばめられているんです。
「文章の中で覚えるのってめんどくさそう・・・」
と思った人もいるかもしれませんが、実はこの形式にはとても大きなメリットがあります。
文脈の中で単語を覚えていくことで、記憶に定着しやすくなるんです。
文脈で覚えれば、その単語が使われている文章のストーリーや、一緒に使用されている単語と関連付けられるので、ガッチリと頭に残ります。
一見遠回りに感じるかもしれませんが、結果的に効率が良いのは文脈で覚える方法なんです。
ちなみに、この「文脈の中で単語を覚えるスタイルの単語帳」で一番最初に大成功を収めたのが『DUO』という神英単語集で、『聴読中国語』も参考にしたそうです。
難易度は?
この本を使って勉強しようかなと考えている人が最も気になるのが難易度でしょう。
まず、本書3ページ"本書の特徴"の該当部分を引用してみます。
本書ではHSK6級レベル・中国語検定2~準1級・センター試験8割の語彙力養成を目標にし、HSK(漢語水平考試)の単語レベル分類の内、最頻出語(甲級約1000語)・頻出語(乙級約2000語)の約3000語を完全網羅しており、丙丁級の語も約1600語入っています。
また、本書の4600語レベルでは一般に使用される語の約90%をカバーしており・・・
とのこと。
これをそのまま解釈すると、初級~上級レベルまですべて網羅した最強の単語集、ということになるんですが、実際に使ってみた感じだと、そういうわけでもないです。
確かに、最初の方の課では
如果 もしも
生日 誕生日
院子 庭
などの超基本単語、最後の方では
沮丧 気落ちする
发呆 呆然とする
などの上級単語が並びますが、全体的に言うと、ちゃんとした文脈の中で紹介されているのは中級レベルの2000単語程度で、その他については寄せ集めてなんとか押し込んだ感が強いです。
なのでレベル的には
基礎単語を1000語~1500語程度覚えた人が、中級レベル(中検2級程度)に到達するために使用する
というのがドンピシャかなと思います。
おすすめの勉強方法
基礎単語を覚えているのが前提
ここからは『聴読中国語』を使った具体的な勉強方法を紹介していこうと思いますが、まずこの本を使う前の前提だけ確認しておこうと思います。
さきほども書きましたが、この単語帳は中級者向けで、初級レベルの1000単語ほどはすでに覚えている必要があります。
生活
附近
苹果
睡觉
当然
たとえば今挙げた5つの単語すべての意味と読み方がすぐに出てこないという人は『聴読中国語』はまだ早いので、『キクタン』の入門編と初級編の2冊をこなしてから『聴読中国語』に取り組みましょう。
- 作者: 内田慶市,沈国威,氷野善寛,紅粉芳惠,関西大学中国語教材研究会
- 出版社/メーカー: アルク
- 発売日: 2008/05/27
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 11回
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ちなみに『キクタン』の詳しい使い方については下記の記事にまとめたのでぜひ合わせてお読みください。
⇒『キクタン 中国語』の使い方を徹底解説!これが最良の覚え方だ!
①単語の読み方を確認
では、具体的な手順について説明していきます。
まず確認するのは、それぞれの課の2ページ目にある単語リストです。
文章はまだ読まなくて大丈夫です。
2ページ目のずら~っと並んだ単語の読み方を、CDを聞きながら、自分の口でも発音して何回も唱えましょう。
コツとしては、無理に意味を覚えようとしないことです。意味は後からいくらでもついてきますので、ここでは最も重要な"発音"を覚えるのを最優先してください。
特に読み方がわからない漢字については、重点的に唱えましょう。
②文章のCDを一度聞く
単語リストを一通り覚えたら(完璧ではなくてOKです)、何も見ずに、文章のCDを一通り聞いてください。
全然わからないかもしれませんが大丈夫です。
③1文ずつ区切って聞く
ここからは、1文ずつ丁寧に確認していきます。
CDの音声で1文聞いてストップ、自分の口で一度マネしてみたら、日本語訳で文章を確認する、という作業を続けていきます。
「ちょっとこの単語の声調が覚えにくいな・・・」
と思ったら単語の上に記号を付けて次見た時にわかるようにしてください。たとえば第1声なら「ー」と単語の上に書いておきます。
かなり根気を必要としますが、ここが最も大事な部分です。食らい付いていきましょう。
④リピーティングする
リピーティングとは、音声をある程度の長さで区切り、その部分を自分の口で繰り返すというトレーニング方法で、非常に有効です。
②のステップが終わったら、仕上げとしてこのリピーティングをやっていきましょう。
「音を聞いて、音声をストップして、それを自分の口で繰り返す」
これができてればOKですが、リピーティングについて詳しく知りたい方は下記の記事にまとめたのでぜひ合わせてお読みください。
ペースはどのくらい?
1日に2課のペースで進め、復習も含めて2~3か月で終わらせるというのが理想です。
が、忙しいという人は1日1課でも十分効果が期待できます。ただし、1日1課計画の人に関しては、絶対にサボらないようにしてください。
また、逆にやる気に満ち溢れている人は1日に3課や、それ以上やってももちろんOKです。
注意点
完璧を目指さない
4000語以上もの単語が収録されているので、これを
「全部隅々まで完璧にするぞ!」
と意気込んで取り組むと破滅します。
「8割の単語が定着したらいいや」
くらいのノリでやっていきましょう。8割だけでも相当な単語力が付きます。
字が小さい!
『聴読中国語』は新書くらいのサイズで、非常に持ち運びに便利なんですが、その分文字がこまごましています。
なので、小さい字をずっと読むのが苦手だと言う人は、文字が大きい『キクタン』を使うのをおすすめします。
四字熟語が少ない
中国語では日常会話でも四字熟語を普通に使うんですが、『聴読中国語』には十分な数の四字熟語は収録されていません。
これは『キクタン』の2級レベルや準1級レベルなど、別で補っていく必要があります。
まとめ:中検2級以上を目指す人に
というわけで今回はおすすめの中国語単語集『聴読中国語』について難易度や使い方などをいろいろまとめてみました。
初級レベルを終えた人が、次のステップに行くためにはこの本をこなすのが最も良い方法だと思います。
中国語検定の2級以上など、中級以上を目指したいという方はぜひ取り組んでみてください!
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