堀江貴文著『好きなことだけで生きていく。』がオンラインサロンの宣伝本だった件【レビュー】
ホリエモンの本が大好きで、新刊が出るたびに買って読んでいます。
で、今回新しく出たのが『好きなことだけで生きていく。』という本。
「ホリエモンの本」というだけの理由で即買いましたが、中身を読んでみると、ちょっと期待とは違ったものでした。
今回はその"期待外れ"だった点についてちょっと書いていこうと思います。
『本音で生きる』の続編・・・?
ホリエモンは今までに数多くの本を書いていますが、多くの著作に共通する特徴は、ずばり
啓蒙
です。
みんなが常識だと思っていることに疑問を投げかた上で、もっとみんなこうやって生きていけばいいじゃん!というのが大体の流れなんです。
「会社嫌ならやめればいいじゃん。自分でも稼ぐ方法はいくらでもあるよ。」
「みんな嫌われるのをおそれてるけど、嫌われてもいいじゃん」
「思ったこともっと言えばいいじゃん」
「大学なんて意味ないでしょ。行かなくていいじゃん。」
といった具合です。
数ある著作の中でも、そんなホリエモン節が炸裂していたのが『本音で生きる』です。
以前、このブログでも紹介したんですが、この本はホリエモン流の考え方がぎゅっと詰まった良書でした。実際、めちゃくちゃ売れていて評判もいいみたいです。
で、今回のタイトルも『好きなことだけで生きていく。』ということで、自分としては『本音で生きる』の続編にあたるような本だと期待していたんです。
オンラインサロン"HIU"の宣伝本
しかし、読んでみると、中身は『本音で生きる』などの過去の良書とは全く違うものでした。
具体的に言うと、
ホリエモンのオンラインサロンの宣伝本
だったんです。
この本では、ホリエモンのサロンがいかに素晴らしいのかについて延々と説明がされています。
ホリエモンのオンラインサロンとは、簡単に言うと月1万円"払って"参加するコミュニティのことで、正式名称は「堀江貴文イノベーション大大学校(通称HIU)」と言うそうです。
HIUに参加すれば、サロン限定の対談が視聴できたり、ホリエモンからアドバイスがもらえたり、サロンメンバーとプロジェクトを立ち上げたりできるらしいです。
予感はあった
『本音で生きる』と『好きなことで生きていく。』の間の期間に出した本のうちの1冊が『99%の会社はいらない』です。
日本の社会では、良い大学に行き、良い会社に就職し、その会社で正社員として勤め上げることが正解だと言われる。苦しくても、このレールから外れないことが正しいと教え込まれる。
しかし、本当にそれが正しい、いや幸せなことなのだろうか?
(6ページより引用)
会社という組織、またそこに属して働くことに疑問を呈し、「自分の時間」を生きるためにはどうすればいいのか、について熱く語られた良書でした。
しかし、この本の最後から2番目の1章が、まるまるHIUの宣伝だったんですよ。
今までの著作にはこんながっつりした宣伝はなかったので、ちょっと驚いた記憶があります。
「今後の著作ではサロンの宣伝が増えていくのかな・・・」
とも思いましたね。
今回、結果的にその予感が当たることになりました。
宣伝自体を批判したいわけではない
オンラインサロンはいわゆる「信者ビジネス」です。
究極的に悪い言い方をすると、ホリエモンが頂点に君臨し、そしてホリエモンのことが大好きな人たち(=信者)からお金を吸い上げるという形式のビジネスだと言えます。
これを批判する人は多くいます。
ただ、今回の記事でぼくは「怪しいサロンの宣伝しやがっておい!」と批判したいわけではないんです。
別にホリエモンのサロンは自体は悪いものでもなんでもないと思っています。
サロン自体は「人生を楽しもう!」とか「世の中のイノベーションを加速させよう」みたいな基本的に良いことしか言ってないですし、金を払っている人も好きで払っているだけで、月の金額も1万円と、多くの人にとって払えない金額ではないでしょう。給料の大部分を搾取されているとしたら問題視すべきですけど。
また、Amazonのレビューを見ると、宣伝乙!みたいな低評価がいくつか見られますが、本で宣伝をすることについても批判するのはお門違いだと思っています。
日本は自由な国です。別に本で何しようがその人の自由ですよ。
"期待外れ"を生んでしまう
じゃあお前は何が言いたいのか、という話ですけど、ぼくが問題視したい、というか残念だなと思ったのは、
『好きなことだけで生きていく。』というタイトルを見て、ホリエモンの思想が詰まった自己啓発本だと思って買った人が、期待外れ感を味わってしまう
ということなんです。
まさにぼくがそうなんですが、堀江貴文が書いた本だからという理由だけで中身をよく見ずに即買いする人って結構いると思うんですよ。
ただ今回の本はサロンの宣伝要素が強いので、今までの本のテイストを期待した人の中には、
「なんだ、ただの宣伝本か・・・」
と落胆した人も多かったのではないかと思うんですよね。
それだったら、タイトルを
『HIU ~新しい"学校"のカタチ~』
『HIUで未来をつくる』
『いいからホリエモンサロンに入りなさい』
など、なんでもいいので、サロンに関する本だということがわかる、"看板に偽りなし"な本にしてほしかったです。
まとめ
というわけで今回は、ホリエモンの新刊を読んだらサロンの宣伝本で期待外れだった、という話でした。
さんざんディスってからこんなこと言うのもあれですが、サロンの宣伝が気にならない、という人は、自己啓発本として読むのもいいと思います。
それでは!