3年で日本語をマスターした外国人から語学学習方法を教えてもらったので共有します
日本人だと勘違い
お盆休み、京都を旅行中に泊まったとあるゲストハウスで、そこに泊まっていた中国人の大学生と友達になったんですが、この中国人、間違いなく自分史上いちばん日本語が上手な外国人でした。
共同スペースでまったりしている時に「京都でおすすめの場所はどこ?」と聞かれたのが会話を始めたきっかけだったんですが、
最初の5分は、彼女のことを日本人だと思っていました。
誇張ではなく、本当にそう思っていたんです。
日本語が上手な外国人の知り合いはたくさんいるんですが、ちょっと話せばみんなすぐに非ネイティブだということはさすがにわかるレベルです。
でも、今回出会った彼女は違いました。
「私、中国出身ですよ。」
と言われるまでわからなかったんです。
しかもこの彼女(名前は仮に王さんとします)、帰国子女とか親が日本人というわけではなく、高校1年生の時に独学で勉強を始めて日本語学習歴はまだ3年だそうです。
語学学習方法を日々追求しているぼくとしては、言い方は悪いですが、こういう人は最高の研究材料で笑、どうやって勉強したのか根掘り葉堀り聞いてしまいました(たぶんヤバい奴だと思われてる)。
今回は、彼女から聞いた学習方法をまとめて紹介していこうと思います。
テキストは退屈すぎる⁉︎
まずぼくが王さんに聞いたのは
「どんなテキストを使って勉強したの?」
ということでした。
3年でこれだけのレベルに到達するんだから、最強の日本語学習テキストを使ったんだろうな→それはどんな本なんだろう?と思ったからです。
しかし、彼女から返ってきたのは予想外の返答でした。
「教科書は使いませんよ。だってつまんないじゃないですか!」
え・・・。どういうこと?
と思ったんですが、詳しく聞いてみると、「教科書を使うことは使うんだけれど、本当の初級段階の知識を習得するのだけに使って、あとは基本使わない」ということでした。
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生の外国語に触れろ!
では、初級知識を身に付けたあとは何をするのかというと、
- ドラマや映画、テレビ番組を見たり
- 実際に現地に行ったり
して、どんどん生の外国語に触れていくのがベストだとのこと。
これについては、ぼくもほぼ完全に同意ですね。
この勉強方法を聞いて、
「そんな急に生の外国語に触れても、全然わからないんだから意味ないじゃん!」
と思った方も結構いると思いますが、以前『英語初心者こそ「生の英語に触れる」のが大事!』というタイトルでこのブログにも書いた通り、
初級段階でも、どんどん生の外国語に触れていかないと、いつまでたっても実際に使われている外国語が理解できるようにはならないんです。
教科書ももちろん大事です。大事なんですけど、部屋の中でずっと本とにらめっこしていただけでは本当に使える外国語力は身に付かないんですよね。
あと、王さんは
「生の日本語に触れないと、実際に現地で話されている話し言葉が身に付かない。教科書だと、会話テキストと銘打っておいて、中身は書き言葉の文章だったり、実際には使われない表現だったりする。」
とも言っていて、これもなるほどなーと思いました。
英語で例を出してみます。
中1レベルの会話テキストには決まって
A:Hello, how are you? (元気ですか?)
B:I am fine, thank you, and you? (はい、元気です、あなたは?)
という一連の流れが載っていますよね。
でも、実際はもっとさまざまなバリエーションがあり、これが使われることは稀といってもいいくらいなんです。
A:All right? (うす)
B:Yep... (おう)
みたいなやり取りはテキストにはなかなか載っていません。
現地のカルチャーにハマれ!
王さんからは色々ためになる話を聞けたんですが、いちばん印象的だったのは、実は話の内容ではなく、テレビを見ている時の王さんでした。
『嵐にしやがれ』という番組が始まったときに、王さんは顔の前で手を組んで、目をキラキラさせながら番組を見ていたんです。
「これだ!」
と思いましたね。
どういうことかというと、王さんは嵐が大好きで、嵐の番組やインタビューを日本語で見たいというのが大きなモチベーションとなっているのではないかと思ったんです。
※嵐・・・ジャニーズ事務所所属の国民的スーパーアイドルグループ
さっき、現地のドラマやテレビ番組、映画を見るのが大事だと書きましたが、いくらこれらが外国語学習に効果があると言っても、
好きじゃなかったら継続しませんよね。
なので、やっぱりなんでもいいから現地のカルチャーにハマっている人は強いのではないかと思いました。
実際、その場に1年半で日本語を中級レベルにしたイギリス人もいたんですが、彼も日本のアニメとゲームが大好きで、「スマブラ買ったぜ~」と朝から自慢してきてダルかったのを覚えています。
ちなみにツイッターでこの話をしたところ、韓国語学習者の友達から、韓国語もポップカルチャーが学習者の大きなモチベーションになるケースが多いとの情報をもらいました。
韓国語クラスタも同じだよー!みんなBIG BANGや東方神起、super juniorなどの熱狂的なファンで、それが韓国語力を押し上げてるよ。面白いのが、日本語が上手なアイドルのファンはいまいち韓国語が伸びず、あまり日本語できないアイドルのファンは韓国語がかなり伸びてるんだって!
— 2月うさぎ (@February_bunny) 2017年8月15日
韓国はポップカルチャーが本当に充実してますからね。ドラマもクオリティの高いものがバンバン作られています。
ちなみに英語だと、海外ドラマが好きな人は勉強に大いに活かせますね。
アメリカのドラマは他の国のドラマに比べて製作費が文字通りケタ違いで、種類も豊富です。
謙虚で貪欲
最後にもう一点、印象的だったのが、「日本語すごいですね!」とその場にいた日本人みんなに褒められても、王さんは自慢することもなく、むしろ反対に
「自分の日本語はまだまだ。もっともっと勉強しないといけない。」
と何度も言っていたことです。
ん~。まぁ、そういうことですね。
まとめ:もちろん参考程度に・・・
というわけで今回は自分史上いちばん日本語が上手だった外国人について書いてみました。
いろいろ書きましたが、これらはあくまで参考程度に・・・ということだけ最後に注意点として書いておこうと思います。
たとえば、「基礎ができたら現地に行っちゃう」については、戦略としては有効ですが、現地に行ってからそこで頑張るのが当然必要で、行ったからできるようになるわけではありません。
たとえば、日本語を勉強している中国人で、日本に留学しに来たは良いが、中国語で生活してしまってあまり上達しないパターンがある、とツイッターで現役の日本語教師の方に教えていただきました。
基本的にはその通りなんですが、中国人だけは例外かも。留学生だけでなく、観光客も定住者もとにかく多すぎます。中国人客専門の店もたくさんあります。
— Nicky@ブログは日本語教師の歩く鏡で (@jpt407) 2017年8月16日
中国語だけでも全く生活に困らないと思うので、留学効果がどこまであるか疑問です。
教師にとっては頭の痛いところです。 https://t.co/GmHJ4rbl9s
また、「基礎ができたら教科書は使わない」に関しても、よほど語学が得意な人ではない限りは真似しない方がいいでしょう。
教科書はベースとしつつ、生の英語に触れるトレーニングを定期的に行う、というのが現実的な戦略かなと思います。
まぁ、実践してみるのかは別としても、こういうスゴい人の言うことは、情報として頭の片隅に置いておいて損はないと思いますね。
というわけで今日はこの辺で!
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