『中国語口語表現―ネイティヴに学ぶ慣用語』は成語・慣用表現が学べておすすめ!難易度や使い方。
中国語検定2級に合格する直前にメインのテキストとしてやり込んでいた本があります。
それがこれ。
『中国語口語表現―ネイティヴに学ぶ慣用語』(以下『中国語口語表現』)というテキストです。
このテキストは、中級者の人、また上級者を目指したい人にうってつけの本で、かなりおすすめです。
実際、ぼくもこれをひたすらやり込むことで大幅な中国語力アップを実現することができました。
というわけで今回はこの『中国語口語表現』について、
- 本の内容
- 難易度・レベル
- おすすめの使い方
を書いていこうと思います。
本の内容
『中国語口語表現』は全20課で構成される教科書的な体裁の本です。
各課について、テキスト、各表現のピックアップ、またそれを使った例文が示されています。
特徴は、なんといっても成語・慣用表現が多数収録されていること。
中国語学習において、中級レベル、具体的には中検2級合格付近くらいから学習者を悩ませるのがこの成語・慣用表現です。
普通の単語と比べると覚えにくいし、会話で使われる頻度もそこまで多くはないので、
「まぁ後回しでいいか」
となってしまいがちなんですが、この成語・慣用表現をマスターしないと、旅行会話は難なくこなせたとしても、中国語を深いレベルで理解することはできません。
『中国語口語表現』では、これら慣用表現が自然な会話テキストの中にちりばめられているので、効率よく・効果的に学習することができるんです。
ぼくはこの本に取り掛かる前は、『キクタン中国語 慣用句編』という本で成語を学習していたのですが、いまいち継続しませんでした。
※『中国語口語表現』の後に補足としてこなすなら全然アリ
挫折した理由は、やはり慣用表現は覚えにくいので、このようなシンプルに表現が羅列した本ではどうしてもやる気が出なかったことです。
しかし、『中国語口語表現』を使ったところ、テキスト(会話の内容がまた面白い)の中で自然に覚えられるので難なく継続できたわけです。
中検準1級合格を目指す人に最適
続いて、この本の難易度・レベルについて書いていこうと思います。
まず、おどかすわけではありませんが、
難易度はかなり高い
ので注意してください。
イメージとしては、
- ビジネスで簡単な中国語ならもう使えるくらいのレベルの人が、慣用表現のストックを増やしてもう一段階上のレベルに行くためのテキスト
- 現地の語学学校だったら一番上のクラスの後期で使うテキスト
くらいだと思ってください。
資格試験で言うならば、
中国語検定準1級合格を目指したい人
になりますね。
記事の最初でぼくは中検2級合格前にやり込んだと書きましたが、中検2級を目指したい人にとってはレベル的にオーバーワークになります。
2級を目指す人は『中国語検定2級 トレーニングブック』など、特化したテキストを使う方が合格は近いでしょう(中検2級の勉強法についてはちらの記事にまとめているのでぜひ)。
ではなぜ2級の試験前にこの本をやり込んでいたのかというと、その前の回であと1問のところで不合格だったからです。
1問というと、もう試験当日の運の範囲です。
不合格だったものの、レベル的には準1級を目指す段階だと判断したので『中国語口語表現』を使ったというわけです。
ちなみに結果としてこの判断は大当たりでした。
このテキストのおかげで中国語力が大幅にアップし、2級の試験では筆記・リスニング共にほぼ8割の得点で合格できたんです。
そういえば、実際の2級の試験で『中国語口語表現』に出ている慣用表現がヒットしました。
鸡蛋里挑骨头
(=人のあら探しをする)
という表現。2級レベルを大きく超えていますが一瞬で正解できました。
CDの音声が速い
難易度について補足ですが、付属しているCDに収録されている音声のスピードはかなり速いです。
いや、正確には生の中国語に慣れていない人にとってはかなり速く感じるでしょう。
このテキストのCDは、できるだけネイティブが実際に話しているスピード、語感に近いように意識されて作られているんです。
この点を考えても難易度はかなり高いといえますね。
ただ、いままで易しいテキストを使っての学習しかしてこなかった人にとっては、速い、"リアルな"中国語のスピードに慣れる特訓をする良い練習材料になるでしょう。
おすすめの使い方
おすすめの使い方は、
- まずはCDを1回聴く
- 1文ずつ頭から意味を確認しながら読んでいく
- 通して2回音読
- 次の課へ
- 数日空けてから復習(音読する)
- 定着しにくい慣用表現については例文の音読
です。
ぼくはこの流れをひたすら繰り返し、2ヵ月弱ほどで一気に1冊やり込みました。
ざっと書いてしまいましたが、3点ほど注意点・コツがあるので紹介していきます。
テキストに書き込みをする
上に書いた流れの中の2の段階(1文ずつ意味を確認しながら読んでいく)では、テキストにどんどん書き込みをしていきましょう。
書く内容は、
- 知らない単語のピンインや声調
- テキストに説明のない表現
が中心です。
その他気付いたこともガシガシ書いていきましょう。
ぼくのテキストです。
細かくて見えにくいですが、赤ペンでなにやらごちゃごちゃ書き込みまくっているのがわかると思います。
これをすることで頭の中で知識が整理されていきますし、復習の時にかなり楽です。
別冊日本語訳を作ろう
このテキストの欠点なんですが、日本語訳がすべて巻末にまとめられています。
見開き1ページにまとめられていないので、そのまま使う場合は日本語訳を見る際にいちいちページを最後の方まで繰って確認する必要があるんです。
これでは効率が悪すぎるので、ちょっと手間にはなりますが、巻末の日本語訳のうち、必要な個所をコピーして"自家製別冊日本語訳"を作ってしまいましょう。
(ぼくはコピーしたのをノートに貼りましたが、これは暇人の為せる所業なのでマネしないように笑。ざっとコピーしたのをそのまま使えば大丈夫です。)
例文の音声CDは別売り!
本文の音声は付属のCDに収録されていますが、
例文についてはCD別売り
なので注意してください。
(CD4枚組。値段は本書と同じくらいするのでセットで買うと少々値が張る。ただ、それを考慮しても良いテキストだといえる。)
別売りCDについては基本的には購入することをおすすめしますが、本文のテキストを学習するだけでもかなり効果があるので、1冊まるまるガッツリやらなくても大丈夫という人は買わなくてもよいでしょう。
まとめ
というわけで、自然な会話の中で中国語の成語・慣用表現が学べる『中国語口語表現―ネイティヴに学ぶ慣用語』についてでした。
中級者以上の方で、語彙を強化することで一段上のレベルに行きたい・・・!という人には本当におすすめなのでぜひ使ってみてください!
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