受験英語は今すぐ忘れろ!その弊害についてどうしても語りたい。
周りからは一応"英語ができるキャラ"として通っているので、よく
「英語教えてくれない?」
と頼まれることがあります。
別にそれ自体は全くOKで、快く引き受けることがほとんどなんですが、教えていてどうしても気になることがあります。
それは、
受験英語の弊害
です。
その人がなかなか上達しないことにイライラすることは絶対にありませんが、
受験英語、つまり中学校~高校で勉強してきた"受験のための英語の勉強"によって植え付けられたものが障害となり、社会人になってからの英語学習を妨げているケースが多々あり、
その度に
「(なんだかなぁ・・・)」
という気持ちになるんです。
そんなわけで今回は、ぼくが感じている
大人の英語学習者は今すぐに忘れるべき、受験英語の弊害3つ
を書いていこうと思います。
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①すべてを日本語に訳そうとする
英語初心者がまず覚える英語表現としてよくあるのが、
- 英語あんまりできないんです
- 英語ヘタなんです
- ごめんなさい、英語できません
などです。
で、これを英語で何というのか聞かれた時に、
ぼく「そうだな・・・。たとえば、"I am not a good English speaker."はどうかな?」
などと言うのですが(この英語のクオリティについては置いておくとして)、これを聞いて
「ええと、この文の意味は・・・わたしは、良い、英語の・・・ええと、スピーカーってのは"話し手"でいいかな。となると・・・わたしは良い英語の話し手ではありませんってことだね!自分天才か~~~~!?」
・・・いや、言ってることは完全に合ってます。
ぼくがここでアウトだなと思っているのは、
まず日本語に訳そうとするそのクセがよくなーーーーーい!
ということ。
もちろん、全くわからないとしたらひとつひとつ日本語の意味を調べるのも良い学習でしょう。
でも、一応なんとなくでも意味が取れるのだとしたら、
日本語訳とかいいから、そのフレーズがスムーズに口から出てくるまで何回も繰り返し練習してくれ!
というのがぼくの魂の叫びなわけです。
これは、やたらと英語の正しい日本語訳を完成したがる受験英語が大きな原因なんです。
全く減点できないような完璧な日本語訳を作る、これが学校における英語の授業が長きにわたって目指してきたものです。
ぼくは高校は進学校、某大手予備校に通っていたこともありますが、いずれの場合も「日本語訳を作りましょう」というのが予習含め学習の中心だったのを記憶しています。
※1991年生まれなのでそこまで昔の話でもないですよ。
とにかく、これによって「英語の勉強といったら日本語訳」という学習方法が刷り込まれている大人が量産されているのです。
実は、この考え方は捨て去ってしまった方が学習効果が高くなります。
さっきの文だったら、とりあえず意味が取れたら、
- 英語ダメっす
- 英語?ムリムリ
的な”イメージ”を持って、何回も何回も繰り返し口に出して練習するのが、実用を考えると最も上達する方法です。
それを繰り返しているうちに、「英語上手じゃないんです」と言いたい時に、その日本語が頭になくても自然と口からポッと出てくるようになります。
勘違いしている人が非常に多いのですが、英語を日本語に訳すという過程は絶対に必要というわけではありません。
理解したら、あとはひたすら練習、これが、たとえば多くの大人の英語学習者が目標とするいわゆる"英語ペラペラ"みたいなのに近づく最も効率的で効果的な方法なんです。
②点数をやたら気にする
友達や知り合いに英語を教えていると、
ちょっと間違えただけで極端に落ち込んだり、「ねぇ、今のって合ってる?正しい英語?」と自分の作った英文が正しいのかやたら確認したがる人が非常に多いなと感じます。
で、それを聞いて、そこそこOKなら
ぼく「う~ん、間違えちゃった部分もあることにはあったけど、それで言いたいことが100%伝わるから大丈夫だよ!」
などと言うのですが、これで納得してくれないんです。
これも受験英語の弊害だと言えます。
受験英語はミスを許さない英語です。
- 複数形になってない!
- 三単現のs!
- 単語のつづりが違う!
こんな感じに細かいことで減点していく…もっと酷い場合は、少しでも間違えていたらそれを"間違った英語"としてバツにする・・・
こんなのを経験したら誰でも「英語は完璧なものを目指さないといけないんだ」と思ってしまいますよね?
でも、実際に多くの社会人が目指しているレベルを考えると、完璧な英語を目指すというよりは
ミスがあってもとりあえずは伝わる英語
をまずは目指すのが良いのではないでしょうか?
ぼくは仕事の関係上、東南アジアの国々から来た人など、非ネイティブと英語でやりとりする機会が多くあるのですが、先ほど挙げた複数形、三単現のs、単語のつづりなど、細かいところはめちゃくちゃ適当です。
でも、それでいいんです。
もう学校で勉強しているわけではありません。
「これは減点!」「これはバツ!」などとうるさく言ってくる人はもういないのです。
大人になってから英語を勉強する人は、自分の英語の点数は気にせずに、どんどんどんどん使っていくのがおすすめです。
③発音を気にしない
英語の発音をしっかりと習得しようという意識がない人がものすごく多いです。
「いやいやwwwお前さっき自分の英語の点数気にするなって言ってたやんwww」
と思った人もいるかもしれませんが、発音だけは別で、ぼくとしてはいちばん神経質になってもらいたい部分なんです。
どうして発音だけは別なのかというと、
細かい文法ミスについてはあっても通じるけれど、発音については違うと多くの場合伝わらない
からです。
せっかく伝わるレベルの英語が作れているのに、発音が違うから相手が理解していない・・・これってすごくもったいないことじゃないですか?
でも、本当にピンポイントで発音だけみんな気にしてくれないんです・・・。英語を"カタカナ読み"したような読み方で読んで満足している人が多い。
この原因は何なのかというと、もうおわかりだと思いますが受験英語です。
受験では、英語のテストはほとんどの場合筆記試験です。あとはそれより少ない割合でリスニングテストが出題される場合もあります。
スピーキング(話す)についてはほぼゼロといってもいいくらい受験では実施されません。
スピーキングテストって、試験を主宰する側のコストが非常に高いんです。
録音された受験者の音声をネイティブの採点官に全員分ひとつひとつ採点してもらう必要があるので、膨大なコストがかかります。
試験を作る側の実際は、
「全部マークシートの筆記試験にすれば、それ集めて機械に全部ぶち込んで終わりじゃ~ん。スピーキング?あれは金がかかりすぎるからやりたくないね!($∀$)オカネェ!!!!」
という感じなんです。
筆記試験が中心の受験英語では、発音のトレーニングは非常に"コスパが悪い"わけです。発音のトレーニングやるくらいならひとつでも多くの単語を覚えた方が点数が良くなります。
でも、実際に英語を話すとなると、発音がしっかりしていないと伝わりません。
大人の英語学習者は、受験英語で埋め込まれた発音軽視の考え方は捨て去り、今すぐ発音のトレーニングを始めるべきです。
『英語耳』など、巷には1冊やり込めば留学しなくても英語の発音ができるようになる良テキストがいくらでもあります。
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まとめ:最後にちょっとフォロー
というわけで今回は受験英語の弊害についてまとめてみましたが、最後にいくつか補足しておきたいと思います。
まずひとつ目ですが、この記事を読んでいただいた方の中には、
「でも、自分は受験英語を通じて英語の力がすごくついた。こんなひどい言われ方をするのは少々気に障る。」
という人もいるでしょう。
すみません!!!笑
でも、実はぼく自身も受験英語はかなりやり込んだんです。
それによって語彙力や文法知識は確かにつき、それが現在の英語力の基盤になっているとすら思っています。受験英語には感謝すらしているんですよ。
だから、こう思う人の気持ちはよーくわかります。
ただ、やはり時代は変わってきていて、スピーキングやライティングなど、"使える英語"へのニーズはどんどんどんどん高まっています。
その中で、この記事で挙げたような受験英語の特徴は弊害だと言えると思うのです。
なので、英語力の基盤を作ってくれた受験英語には感謝はしつつも、もうおさらばするというのがベストでしょう。
あともうひとつ、
「受験英語も今は変わってきているんだよ。」
という人もいるでしょう。
これもおっしゃる通りです。
大学によってはTOEFLなど、スピーキングテストを含めた試験のスコアを基準にしているところもありますし、英語での面接試験やエッセイを実施する大学も出始めてきています。
それに伴い、中学や高校の英語の授業で、コミュニケーションを重視した授業を展開する学校も私立を中心にですが増えています。
まだまだ不十分なところもありますが、これはとても良い流れだなとぼくも思っています。
はい。
いや、いいんじゃないですか?というだけです。
ただ!!!
旧来の受験英語漬けにされて大人になってしまったぼくらにはそんなこと1ミリも関係ありません笑
この記事でぼくが言いたかったことは、そういう世代の人間は受験英語の考え方を捨てたほうがいいんじゃね?ということです。
タイトルに煽り感があるので最後に補足しておきました。
ではこの辺で!
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