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『英語は朗読でうまくなる!』(青谷優子著)のレビュー。"音読"と"朗読"では何が違うのか?

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英語学習者なら絶~~~~~対に買った方がいい!

 

というレベルでおすすめの本を見つけてしまったので紹介していきたいと思います。

『英語は朗読でうまくなる!』という本です。

 

英語は朗読でうまくなる!

英語は朗読でうまくなる!

 

 

著者は青谷優子さん

元NHK WORLDのニュースアンカーで、現在はフリーのアナウンサー、また朗読家として活動されています。

 

"朗読"とは何か?

タイトルをパッと見て多くの人が想像するのは、

 

「これは英語の音読の本だな」

 

なのではないでしょうか?

 

しかし、筆者の青谷さんは、"朗読"を音読とは全く違ったものとして明確に差別化しています。

 

音読と朗読の最大の違いは何でしょう? それは、朗読は「聞き手」を意識して行うものだということ。音読は、私の考えでは「インプット」です。

(略)

それに対して、朗読は、文字通りの意味での「アウトプット」です。聞き手がどんな人なのか、その人に向けて、どんな表現で、どんな方法で伝えるのかをよく考えた上で声に出すのが、私の考える英語朗読です。

(12ページより一部引用)

 

音読は文字を言葉に出して読む、その域を出ず、いわば作業的なもの。

それに対して朗読は、テキストの意味を自分の中で理解し、伝える人(本書で言うところの「聞き手」)のことも考え、伝わるように発声する行為・・・というわけです。

 

で、この朗読が、英語学習にとって非常に有効だと筆者は主張します。

 

これ、ほんとーによくわかります。

 

聞き手を全く意識していない、作業的な"音読"って、英語学習として効果が薄いし、それに、そういう風にしゃべる英語って、すごく聞き取りにくいんです。

 

全く同じテキストを声に出すにしても、

  1. ただ文字を音に変換するだけのように読む
  2. 自分の頭の中で意味を考えながら、聞いている人に伝えることも考慮して読む

この2つでは英語学習としての効果、また聞き取りやすさが全然違います。

仮に途中で噛んでしまったり、つっかえたりしてしまったとしても、聞き手を意識した"朗読"の方が聞きやすい・・・と言ってもいいくらいの差なんです。

 

「読み」を視覚化する!?

本の内容としては、8割は英語のテキストになっていて、これを使って朗読のトレーニングができるようになっています。

 

ジャンルとしては、

ニュース

スピーチ

物語

の4つです。

 

普通の英語テキストと大きく違うのは、テキストに読む際のコツがマーキングされていること。

 

・・・と言ってもわかりにくいと思うので、(内容がわからない範囲で)実際のテキストをほんの一部載せてみます。

 

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■マークがあったり、二重線が文字の下に引かれているのがわかると思います。

本書ではこのような記号9種類を使って全テキストにマークがされており、これを見ることで

 

  • 間をあけて読んだ方がいい
  • 強調して読むのがベスト
  • カタマリとしてとらえて!

 

などの朗読の際のコツがわかるわけです。

 

NHKでアナウンサーとして活動していた頃に実践していた「読み」を視覚化する技術を紹介しています。これは、英文に読み方や読む際に気を付けるポイントを書き込んだもので、「朗読譜」と呼んでいます。

(4ページより一部引用)

 

ぼくがこれを見た時に、一番最初に思い出したのがNHKのラジオテキスト『攻略! 英語リスニング』でした。

 

NHKラジオ 攻略! 英語リスニング 2017年3月号 [雑誌] (NHKテキスト)
 

 

このテキストにも、毎月読む際のコツがマークされたテキストが載っていました。

「載っていました」と過去形である理由ですが、この講座、約1年前に多くの英語学習者に惜しまれて終わってしまったんです・・・。

 

こういう試みをしているテキストって、ありそうで実は結構ないので、今回のこの『英語は朗読でうまくなる!』はそういう意味で貴重な存在ですね。

それに、ぼくが見る限り「攻略!」よりもマーキングがわかりやすいです。

 

朗読のための10のポイント

この本の最初では、朗読トレーニングを行う際に気を付けるべき10のポイントが書かれています。

わずか5ページほどにまとめられているんですが、

 

めちゃくちゃためになる、本質的なことがぎゅっと詰まっています。

 

この5ページのためにこの本を買ってもいいというレベルです。

 

もちろん、詳しくはここには書けないんですが、こういったポイントというのは、

 

通訳者などの読みのプロを養成するスクールやセミナーでしか基本的に知ることができない内容

(個人の感想)

 

だと思いますね。

 

ほとんどの参考書って、いわゆる"先生"と呼ばれる人が書いたものなんですが、今回のこの本のように、語学教師ではなく、英語を実際に使っているプロが書いた本というのは、また違った良さがあり、その現場の実地体験の積み重ねでしか得られないような情報が詰まっているんですよね。

 

この本を使って朗読トレーニングをする際は、何回もこの10のポイントに戻って再確認、再々確認をするのをおすすめします。

 

音声がとにかく良い

テキストの音声はすべて著者の青谷優子さんが吹き込んでいます。

 

これがめちゃくちゃ良い。

 

良い!

 

いや何回も言いたい、音声が良い!

 

もう、このCD音声が最高すぎるんですよ。

 

CD音声を聞いた時はもう鳥肌モノでした。

 

たとえば、本書にはオバマ前大統領の演説を元にしたテキストが収録されていますが、音声を聞くと、聞いている人に訴える感じ、一語一語が歴史に刻まれていく感覚・・・そういったものを感じるんです。

 

また、物語の朗読では、音声一発目、一文目を聞くだけでその物語の情景が頭の中にパァァァァァーーーっと浮かんできます。

 

いや、プロの朗読家、ここまでかと。

正直、涙腺が崩壊しかけました(泣いてないんかい)。

 

ふざけかけましたがマジです。

 

「朗読」って、ここまで深いものなのか、このレベルまで昇華されているものなのかと感じました。

 

良い声とかそういうレベルで収まるものではありません。

 

この本を買ったら、まずは音声をじっくり聞いてみてください。

トレーニングする際も、お手本として何回も繰り返し聞いてみましょう。

 

取り組みやすい

内容が濃いのにもかかわらず、全部で約130ページほどの比較的薄い本になっています。

 

サイズ感はこんな感じ。

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(左がiPhone5s。わかりにくかったらすみません。)

 

本のところどころにはコラムも載せられていて、学習者を飽きさせない作りになっています。

 

「英語の本を買うんだけどよく途中で挫折してしまう」

 

という人でも安心して取り組めるでしょう。

 

あらゆる英語学習者におすすめ

というわけで今回は『英語は朗読でうまくなる!』(青谷優子著)のレビューでした。

英語を声に出して読むのが好き!という人はもちろんですし、

 

「英語を声に出して読むのが苦手で、ずっと避けて勉強してきた・・・」

 

という人も、この本に取り組めば、苦手を克服するどころか朗読の楽しさに気付くかもしれません。

 

英語を声に出して読む、その方法・コツみたいなのって、英語学習においてすごく大事な部分であるにもかかわらず、勉強するとなると学習しにくい分野だと思うんです。

聞いてマネするだけでできてしまう人もいますが、それはほんの一握りの才能のある人だけです。

こういう文字や記号を使ってわかりやすくコツを説明している本というのは、本当に貴重な存在だと思います。

おすすめです。

ぜひ使ってみてください!

英語は朗読でうまくなる!

英語は朗読でうまくなる!

 

 

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