2ヶ月で1876個の四字熟語を覚えたぼくが語彙暗記の極意を伝授する!
『中国語検定準1級・1級トレーニングブック』という本があります。
合格奪取! 中国語検定準1級・1級トレーニングブック 一次筆記問題編
- 作者: 戴暁旬
- 出版社/メーカー: アスク
- 発売日: 2014/02/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本には1876個の中国語の四字熟語が載っているのですが、
2ヶ月で全部覚えました。
はい。
1876÷60で単純に考えると1日あたり約31個の四字熟語。
なかなか大変でしたね。
だんだん本がくたくたになり、最後の方は本自体が分解を始め、テープで止めながらの学習でした。
ぼくがこれを達成できたのは、
「1876個の四字熟語を全て覚えるにはどうすればいいのか?」
これを徹底的に考え、なるべく効率の良いやり方で戦略的に学習を進められたからです。
今回はそれを全て洗いざらい解説していきます。
ちなみに、今回ぼくが覚えたのは「中国語」の「四字熟語」ですが、「英語」の「単語」でも「日本語」の「ことわざ」でも、他の暗記にも大部分が応用可能なので、中国語学習者以外の方の参考にもなると思います。
ぜひ読んでみてください。
目的、ゴール、期限の明確化
「どんなすごい覚え方があるんだろう?」
・・・と期待された方、すみません。
この記事では覚え方のコツ的なものも紹介しますが、「あっという間に記憶できる魔法の方法」のようなものは教えることができません。理由はそんなものないからです。
それよりもまず第一に大事なのが「勉強を始める前」の段階です。
ここが多くの学習者にとって盲点となっています。
ある程度まとまった数の語彙の暗記を成功させるためには、始める前の段階で
- どうして覚えるのか?
- ゴールは何なのか?
- いつまでに達成するのか?
この3つを明確にする必要があります。
ぼくの場合は、
- 中国語検定準1級を突破したい!そのためには四字熟語をまとまった数覚えるのが不可欠だ
- 書けるのは後回しで、四字熟語を見てすぐにわかる状態を目指そう
- 6月の上旬までには終わらせる
と、①目的②ゴール③期限を明確化してから勉強に取り掛かりました。
・・・なんだかすごく面倒な気がしてきましたか?
でも、これをちゃんとやらないと挫折する確率が跳ね上がります。
人間の意思なんてのは弱いものです。
- 自分を駆り立てる動機
- 「これが達成したい!」と心から思えるゴール
がしっかりしていないと続かないですし、「この日までに達成する!」という期限がないとダラダラと勉強してしまうんです。
具体的に暗記のプロセスに入る前に、実は成功するのかの大部分が決まってしまうんです。
「明確に」決めるのがとにかくコツです。ぜひじっくり考えてみてください。
コツ①:覚えられそうなものから記憶していく
市販の単語帳なんかを使って暗記を進めていく場合は、すべての見出し語に番号が振ってあって、1番、2番・・・のように単語が並んでいると思いますが、
バカ正直に順番にやっていったら99%挫折するので注意しましょう。
本をパラパラめくって適当に読んでいるうちに「これは覚えられそうだ」と思ったものから順番に覚えていってください。
単語に振られている番号、ページ数はただの飾りです。無視して自分の順番で覚えていくのがコツです。
「そうしたら難しいのばかりどんどん残っていってしまうのでは?」
・・・その通りです。
その通りなんですが、ほとんど覚えた終盤なら、最後のひと踏ん張りで難しい単語にも立ち向かっていくことができます。
序盤にこれらの語彙の暗記に挑むと、挫折してしまう確率が上がるのでやっちゃダメなんです。
それに、自分にとって覚えやすい語彙も覚えにくい語彙も、どちらも等価値で1単語です。
楽をしたからといって学習効果が下がるわけではないんです。とにかく覚えやすそうなものから覚え、覚えにくそうなものはどんどん後回しにしていきましょう。
覚えたものについてはペンなどでマークをつけるのを忘れないでください。
この方法ではバラバラの順番で覚えるので、これをやらないと「どれを学習したのか」が復習する際にわからなくなってしまいます。
今回ぼくが使ったテキストは問題集形式だったので、解答解説の部分に蛍光ペンでマークしました。
単語集形式のテキストの場合も、ペンで囲むなどしてマークしていきましょう。
(学習した単語を丸で囲んでいます)
コツ②:イメージ化&発音をしっかり
語彙を頭の中にしっかりと記憶させるためには、丸暗記は絶対にダメです。
単語ならその単語の持つイメージを頭の中に思い浮かべるようにしてください。
これだけで頭への残りがかなり違います。
ぼくは四字熟語を覚える際に、その出典となる話の筋を把握することが、その四字熟語のイメージを頭に植え付けるための大きな助けとなりました。
とにかく、字面だけを丸暗記しただけではすぐに記憶からなくなってしまうので、何かしら、記憶として"引っかけるためのイメージ"を思い浮かべるのを癖にしてください。
また、語彙暗記をする際は覚える語を必ず1度は口に出して発音しましょう。
外国語なら、正しい発音で覚えることが重要です。これを意識するだけで記憶への残りが大きく変わります。
ちなみに、この2点については
という記事で詳しく書いているのでぜひ合わせてお読みください。
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コツ③:自分の記憶力を信じるな
「よし、この単語バッチリ覚えたぞ!」
そう思って3日後、もう1回見たら完全に忘れてるーーーー!
このような経験は誰にでもあると思います。
「自分の記憶力を信じるな!」
これが3つ目のコツです。
単語帳1冊に載っている単語をコンプリートしたい、このように大量の語彙を頭に詰め込む時は特に、
- 1回学習した程度では覚えられないのが当たり前
- 覚えていないのが前提
くらいで考えると非常に気持ち的に楽になります。
「ひとつひとつの単語をその日のうちに完璧に覚えるぞ!」
というのはそもそも不可能なので、大量の単語を短期間で覚えるときは、
大量の語彙に触れて、次の日いくつか覚えていたらラッキー☆
くらいのスタンスで取り組んでください。
復習こそが学習の中心である
学習した単語にマークをつけ、それを続け、すべての単語にマークがついたらおしまい・・・
というだけだとマークを付け終わった時点で前半に覚えた単語を中心にきれいさっぱり頭から消え去っているでしょう。
大事なのは復習です。
復習のやり方を説明します。
すでにマークがついている単語のみをひたすら眺める時間を語彙学習の中で作ってください。
そして、その中で
「もうこの単語は覚えた。完全に覚えた。」
というものが出て来たらその単語の横にわかるようにマークをしてください。
(こんな感じでさらにマークを付ける)
このマークを付けたら、しばらくは復習しません。
次の復習時にはこの最終チェックマークが付いて"いない"ものだけをながめるようにしてください。
ややこしくなってきたので一度整理します。
- 適当な順番で覚えられそうなものから覚える。学習したらマーク
- 復習時はすでにマークが付いているものだけをひたすら眺め、「これは覚えた」と思ったら最終マークを付ける
- 最終マークを付けたものはしばらく復習しなくて大丈夫
このプロセスをひたすら続け、すべての語に最終チェックマークが付いたらひとまず学習は終了です。
あとは期間を空けてまとめて復習しましょう。
最初は100語ずつで1周、次は200語ずつで1周・・・という具合に増やしていきます。
最終チェックを付けた単語をしばらく復習しないのはちょっと不安になるかもしれませんが、日をまたいで2回以上学習し、「もう大丈夫だ」と思ってマークを付けた単語ですから、なかなか忘れることはありません。
「あれ?なんだっけこれ」
と思う単語もちらほら出てきますが、意味を見ればすぐにまた記憶が復活します。
「自分の記憶を信じるな」といいましたが、最終チェックを付けた単語だけは自分の記憶を信じて放置してください。やってみればわかりますが、本当に大丈夫ですから。
多くの人がハマる罠はこれ
ぼくは2ヵ月で1876個の四字熟語を覚えました。
これは1日あたり30個くらい覚えれば達成可能な数字です。
語彙暗記を進める際に、そのテキストの総語数を期限までの日数で割って、1日の単語数を出して学習する、もしくは
「1日10単語覚えるぞ!」
などの目標を掲げて勉強した経験のある方は多いのではないでしょうか?
これ自体は非常に良いことだと思います。しっかりと計画を立てた方が上手くいきやすいでしょう。
ただ、ここで注意しなければいけないことがあります。
それは、
1日10単語の"10単語"ってなんの数字?
ということです。
多くの場合、これはその日に新しく学習した語彙を指すのではないでしょうか?
つまり、この記事で紹介した方法で言うと「マークがひとつだけ付いた単語の数」ですね。
ただ、先ほども書いた通り、復習して最終マークが付いた段階までもっていかないと、すぐに頭から消え去ってしまいます。「自分の記憶力を信じるな」ですね。
なので、こういった1日あたりの目標語彙数を考えて学習する場合は、それが「最終マークを付けた単語数」であるべきなのです。
ここは非常に大事な部分なのでもう一度言います。
「1日○○単語覚えた!」という時の○○は、復習して完全に記憶した段階に入った単語数です。
つまり「1日10単語覚える」の場合、新たに覚える単語数は10よりも多い数字になるんです。
さきほど「大量の語彙に触れて次の日いくつか覚えていたらラッキー☆」というスタンスでやりましょうと書きました。
ここで言う「いくつか」が10になる、これが正しい「1日10単語覚える」です。
まとめ:月並みな言葉だけど・・・
というわけで長くなってしまいましたが効率の良い語彙暗記の方法について今回は紹介してみました。
最後に、まったく月並みで、色んなところでよく聞く陳腐な一言を書いて終わろうと思います。
あきらめないでください。
単語帳1冊を覚える、テキストに載っている表現をすべて覚える・・・これは1000とか2000の語彙を暗記することになります。
そうなると、嫌になる瞬間が必ずあるでしょう。やめたくなることがあるでしょう。
でも、あきらめないで毎日やっていればいつか必ずゴールにたどり着きます。
⇒単語はぜっっったいに毎日やろう!1日も語彙暗記をサボってはいけないその理由とは?
でも詳しく書きましたが、「毎日やる」というのも大事なポイントです。
ぜひあきらめずに毎日やってみてください!