スペイン語をゼロから勉強する初心者におすすめの参考書・本をまとめてみた
スペイン語は、日本人にとって発音が簡単な言語です。
というのも、日本語と同じで母音が5つしかなく、しかもそれぞれが日本語の「あいうえお」に近いからです。音の区切り方も似ています。
ただ、発音が簡単だからといって、「スペイン語自体が簡単だ」と認識するのは早計です。
実は、スペイン語の文法は結構難しいんです。
特に動詞の変化ですね。
教科書の最初の方で出てくる人称変化でつまずいてしまう人も多いですし、学習がある程度進んだ段階で出てくる「過去時制」も、もちろん規則はありますが、基本的には動詞の変化を細かく覚えなければいけません。
これを考えると、スペイン語初心者は、文法、特に動詞の変化がわかりやすく説明されていて、かつ良質な練習問題が付いているテキストを慎重に選ぶ必要があるといえます。
今回は、スペイン語をゼロからはじめる初心者におすすめの参考書を紹介していきたいと思います。
文法を学ぶ
文法から学べるスペイン語
『文法から学べるスペイン語』は、初心者に最も人気のある文法テキストです。
実際、かなりおすすめで、スペイン語をゼロから勉強する人は、まずこのテキストから始めて間違いないです。
全部で54課に分かれており、各課は、
文法の説明
練習問題
ミニ会話テキスト
で構成されています。
スペイン語の文法で難しいとされる過去時制や接続法などを含め、実用上必要とされる文法事項が網羅されています。パッと見で軽そうな本ですが、実は結構な密度の本なんです。
文法の説明がわかりやすいのも大きな特徴ですが、とにかく動詞の活用形の練習問題が充実しているので、それらを通して、感覚レベルまで文法の練習を積むことができます。
文法テキストで迷っている人がいたらこれを買えばまず間違いないですね。
ニューエクスプレス スペイン語
『ニューエクスプレス スペイン語』も良い本です。
『文法から学べるスペイン語』と同じ文法テキストの部類に入りますが、こっちの方が内容的に軽い教材です。
全部で20課に分かれており、それぞれが
会話テキスト
文法の解説
となっています。
会話テキストがこの本の中心なので、いきなり本気で取り組むというよりは、まずは日常会話レベルからやっていきたいという人におすすめです。
また、区切りの良いところで練習問題もあるので、どれくらい文法が身に付いたのか確認しながら学習を進めることができます。
『ゼロからスタート スペイン語 文法編』
ひとつ前に紹介した『ニューエクスプレス』によく似ていますが、この『ゼロからスタート』は、テキストが会話形式ではなく、例文になっています。
全部で20課に分かれています。
テキスト自体は薄く、取り組みやすいですが、文法解説はかなりしっかりしています。
さすがに細かい文法事項までは網羅していませんが、最初の1冊としては全然アリですね。
これならわかる スペイン語文法
NHK出版 これならわかる スペイン語文法―入門から上級まで
- 作者: 廣康好美
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2016/02/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
『これならわかる スペイン語文法』は、メインのテキストというよりは、サブで使う文法辞典です。
今まで紹介した文法テキストで勉強していてわからないところがあったときに、この本を参照する、というのが主な使い方です。巻末に索引がついているので該当箇所はすぐに見つけられるでしょう。
また、「文法辞典」とは言ったものの、各文法事項がシンプルにまとめられているので、初級段階を終えたら、文法で気になるところをどんどん読み込んでいくというのもアリですね。これまで覚えてきたことが、頭の中でどんどん整理されていくような感覚になると思います。
初級段階ではもちろん、その先もずっと使える本なので、とりあえず手元に置いておきましょう。
単語を覚える
これなら覚えられる! スペイン語単語帳
ポケットサイズで持ち運び便利な単語帳ですが、約1500語のスペイン語基礎単語が収録されています。
約800語については例文がついています。これが優秀。
初心者向けの例文なので、文法テキストをこなしながら並行してやることで、単語暗記と同時に文法の復習もできるんです。
レイアウトに関しても、余計な挿絵などは一切なく、シンプルで見やすいです。
この1500語を覚えることで、一気に初級段階のスペイン語単語を制覇できるでしょう。
キクタン スペイン語
そんなにたくさんの単語が載った単語集はいらないな、という人は『キクタン』一択です。
『入門編』では、スペイン語の単語を全く知らない人が、基本単語を約500語覚えられるようになっています。
このシリーズはCD音声が魅力で、リズム感のあるBGMと一緒に単語が覚えられるようになっています。
また、"ミニ文法講座"のようなものもついていて、これが学習の初期段階では役に立つんです。単語学習に疲れた時の息抜きとして読めば、効率的に文法の復習もできます。
『入門編』の約500単語が覚え終わり、次の段階の単語を覚えたくなったら、『初級編』というのも出ています。こちらも約500語の単語が収録されています。
日常会話フレーズを覚える
スペイン語 リアルフレーズBOOK
気持ちが伝わる! スペイン語リアルフレーズBOOK (CD付) (リアルフレーズBOOKシリーズ)
- 作者: 福嶌教隆
- 出版社/メーカー: 研究社
- 発売日: 2012/01/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 1回
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420の会話フレーズが収録されているのが『スペイン語リアルフレーズBOOK』。
それぞれに見出しフレーズと、それを含めた会話例が載っています。
会話フレーズは、どれも日常生活に即した、まさに"リアル"なフレーズで、どれも丸暗記する価値があるくらいです。
CDの音声も自然に近いスピードで録音されているので、音声も使って学習することでリスニング力の大きなアップも期待できますね。
日常スペイン語会話 ネイティブ表現
見出しフレーズと、それを含めたAさんとBさんの1往復の会話例が486個収録されています。
初級テキストでは、どうしても文法を意識した"教科書的なフレーズ"ばかりになってしまいがちなので、このような本を使って、比較的カジュアルなフレーズをストックしていくことで、実際に使えるスペイン語力を初期段階から養うことができます。
会話例のすぐ下には、単語リストがついているので、いちいち辞書を引く必要がほとんどなく、安心して初心者も使うことができます。
まとめ
というわけで今回はスペイン語をゼロからはじめる初心者向けのテキストを紹介しました。
最後にこの中からどのように選べばいいのかまとめておきます。
- 「文法を学ぶ」の最初に紹介した3冊の中から1冊を選び、メインのテキストとする。いちばんおすすめなのは『文法から学べるスペイン語』。
- 「単語を覚える」で紹介した2種類の単語集の中から、1冊単語テキストを買う。どちらにするかは、収録単語数で決める。
- 日常会話フレーズ集を1冊使い、教科書ではなかなか学習できないカジュアルなフレーズのストックを増やしていく
文法を学んでいく中で、わからないことが増えてきたら、『これならわかる スペイン語文法』を用意して辞書的に参照するようにしましょう。学習がスムーズになります。
最後に、ここで紹介したテキストが終了し、初級段階を抜けたらどうするのか、ですが、語彙をひたすら増やしていくことをおすすめします。
これには『会話と作文に役立つ スペイン語定型表現365』という本がいちばんおすすめです。
初級段階を終えた学習者が、中級レベルに到達するために必須な熟語が365個収録されており、さらにそれぞれについて4つの例文がついています。
熟語を覚え、例文を何度も音読することで、一気に中級レベルに到達できるようになっています。
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