広東語の勉強ができる本・テキストと勉強方法をまとめてみた
広東語は、香港の人が話している言語として有名です。
しかし香港以外でも、広東省の他の都市や、他の国のチャイナタウンなどでも広東語は話されており、ネイティブスピーカーの数は約8000万人にものぼると言われています。
広東語はビジネス、文化、観光、さまざま面で重要な役割を果たしているので、日本でも勉強してみようと思う人がいると思いますが、いかんせん情報が少なく、どうやって勉強したらいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
今回は、広東語をはじめる初心者を対象に、
- 広東語おすすめ参考書・テキスト
- 勉強法・学習のコツ
を紹介していこうと思います。
広東語おすすめテキスト
ニューエクスプレス 広東語
『ニューエクスプレス 広東語』は、広東語の初級段階で必要なことをまんべんなく一通り学ぶことができるテキストです。
本の構成としては、中学校の英語の教科書を思い浮かべていただければかなり近いです。
それぞれの課ごとに、会話テキスト、日本語訳、単語リスト、そこで使われた文法事項の説明がされています。
CD付きです。音声はきれいな発音で、初心者向けにゆっくりスピードで録音されています。
広東語は何よりも発音が大事なので、初級段階では丁寧に吹き込まれた音声を使って、発音をひとつひとつ確認して習得する必要があり、そういう意味では理想のCDだと言えますね。
広東語を全く勉強したことがなく、何がともあれとりあえず始めてみたいという人は、このテキストを使って間違いないです。
はじめての広東語
『はじめての広東語』では、広東語学習の肝である会話表現を学習することができます。
記事後半の勉強方法のところでも説明しますが、広東語は話し言葉なので、広東語を使って正式な文書を書いたり読んだりすることは基本的にありません。
つまり、広東語において大事なのは、ずばり会話を学習することなんです。
この本は、会話テキストの後にそこで使われた文法の解説があるという構成になっています。
ただ、掲載されている文のクオリティに関しては申し分ないのですが、文法事項の説明がシンプルで、悪く言えば無味乾燥。
良く言えばシンプルで見やすいといえるのですが、このテキストは外国語学習に慣れている人が使うのに適していると思います。
今すぐ話せる! いちばんはじめの広東語会話
最近出た本。かなり優秀です。
「いつやるか?今でしょ!」で有名な東進ハイスクールのナガセから出版されています。
この本では、広東語の基礎会話をひととおり学習することができます。
香港にいきなり出張になってしまった人などの中には、
「細かいことはいいからとにかく使える会話表現を教えろ」
という人も少なくないと思いますが、そういう人にぴったりの1冊になっています。
ただ、会話表現の紹介が中心で、文法の説明は乏しいので、文法の基礎からしっかりとやりたい人は1冊目に紹介した『ニューエクスプレス』を使うのがベターでしょう。
ゼロから話せる広東語
『ゼロから話せる広東語』もおすすめです。
この本の特徴も、会話に特化しているところです。
このテキストを使えば、会話表現と語彙のストックを確実に増やすことができます。
日常生活で実際に使うような表現が満載なのでCDを聞き込み、テキストを音読することで、表現自体をほとんど覚えてしまうのがおすすめです。
この本はレイアウトや説明の質など含めて非常に評価できるのですが、ひとつ気になるのが、入手がちょっと難しいところです。
2017年4/14日現在、Amazonでは新品の在庫がありません。
(中古はあるようです)
価格が上がらないうちに中古で買うか、本屋によっては置いているところもあるので、書店をあたってみるのも良いでしょう。
これは完全に世間話ですが、広東語のような、(学習者が圧倒的に少ないという意味で)マイナーな言語は、良い参考書が出てもすぐに絶版になってしまうことがよくあるので非常に残念です。。
勉強方法・学習のコツ
まずは発音から!
広東語の学習において一番大事なのは発音です。
広東語には声調というものがあります。
声調とは、音の上がり下がりのことです。
広東語では、これによって意味を区別します。日本語では、音さえ合っていれば、イントネーションなどが変でも伝わらないということはないですよね。
しかし、広東語ではこれを間違えると全く伝わらないんです。
なので、学習を始めたらまず、広東語の6つの声調と使われる音の練習をしなくてはいけません。
ただし特別なテキストは用意する必要はありません。
上で紹介したテキストには、どれも本の最初に発音が練習できるページがついているので、ここを最低3回は学習するようにしてください。
繰り返しになりますが、広東語学習においていちばん大事なのは発音です。ここをおろそかにすると、全く上達しません。
テキストの発音のところで学習した後も、広東語を学習しているときは常に「発音は大丈夫か」ということを意識するようにしてください。
音読を中心に!
広東語は独立した言語としてみなされていますが、元々は方言なので、基本的には"話し言葉"です。
広東語を使って読み書きをすることは基本ないので、学習はスピーキングとリスニングになります。
スピーキングとリスニングを上げることを考えると、学習の中心は音読にすべきです。
とにかくテキストを声に出して読むことで、会話表現をどんどん自分の中に増やしていきましょう。"黙読"ではダメです。絶対に声に出すということを念頭においてください。
コツとしては、実際にそこに相手がいて、自分が広東語を発話していると想定して声を出すことです。
この意識を持つだけで、学習が積極的なものになり、話す力がぐんぐん身に付いていきます。
単語学習はどうする?
単語帳を使った単語暗記も進めていきたいと思う人がいるかもしれませんが、あれもこれもと手を出してしまうと、挫折してしまう恐れがあります。
なので、とりあえずは上で紹介した文法テキストに載っている単語をマスターするのを目標に勉強するのがおすすめです。
特に、最初に紹介した『ニューエクスプレス 広東語』に関しては、巻末に本の中で使われた全単語のリストが日本語訳と共に載っているので、これをそのまま単語帳として使うことができます。
文法テキストだけでも結構な数(数百程度)の単語が載っているので、これをマスターするだけでも基本単語は最低限身に付いたといえます。
その段階がほとんど終わったら、その段階ではじめて単語帳を使った単語学習を進めていきましょう。
「どの単語帳を使ったらいいの?」
という話ですが、これは『今すぐ話せる! いちばんはじめの広東語単語』一択です。
頻繁に使われる単語合計1600語が例文と共に収録されています。しかもCD付。
もう一度言いますがこれ一択です。
他にも広東語の単語集は何冊か出ていますが、そうですね・・・正直に言いましょう、この本以外は全部使えません。
この単語帳は最近出た本ですが、これが出るまでまともな広東語単語集は存在しませんでした。救世主的な存在です。神神神。
ただ、例によって売れずに絶版になる可能性があるので、広東語を学習したい人は今のうちに買っておくのをおすすめします。ぼくも出て即買いました笑。
まとめ
というわけで今回は、広東語初心者向けに、おすすめテキストと勉強のコツを紹介してみました。
最初に挙げた文法テキストの中からどれか1冊を選び、それを完璧にするのを第一目標にまずは勉強を進めてください。
それを終えた人は、【italki】 などのサービスを使ってオンライン広東語会話に進んでもいいですし、中級レベルまでマスターできる少し程度の高い参考書に進むのもいいと思います。
ちなみにこれには『身につく広東語講座』が一番おすすめです。
ただ、まずはとにかく初級テキストを1冊完璧にするのが目標です。
ここで紹介したテキストを使って、ぜひ広東語の初級段階をマスターしましょう!
それではまた!
(中国語に関する記事も書いています)