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TOEIC SWスピーキングの対策とおすすめの勉強法をまとめてみた

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ビジネスパーソンとしての英語力を示す指標として、TOEIC LR(リスニング&リーディング)テストはとても有名です。

しかし、リスニングやリーディングといった"受信する力"以外にも、スピーキングやライティングといった"発信する力"が重要視されてきたことに伴い、

 

TOEIC SW(スピーキング&ライティング)テストのスコアがだんだんと評価されるようになってきています。

 

実際、受験者の数も年々増加しており、TOEIC SWは英語資格テストとしての存在感を増していると感じます。

が、マルバツで単純に正解不正解が決まるLRテストと比べ、SWは複数の採点基準からスコアが算出されるということもあり、多くの学習者にとってTOEIC SWは非常に「とっつきにくい試験」で、

 

何からやったらいいのかわからない

 

という人も多いはずです。

 

今回はそんな手のつけ所がわかりにくいTOEIC SWテストのスピーキングテストの勉強法をまとめてみました。

SWテスト受験に向けて勉強してみようと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

【もくじ】

 

まずやるべき2つのこと

各問題ごとの対策の前に、TOEIC SWのスピーキングテスト全体に共通することで、やらなければいけないことが2つあります。

これらは、スピーキング問題対策をするにあたって常に意識しておくべことです。

 

①テストの形式をまず確認する

TOEIC SWのスピーキングテストでは、PCの画面で問題を見ながら、マイクに向かって音声を吹き込みます。

すべて自分ひとりで進めなければいけない上に、問題のインストラクションも英語なので、テスト全体の流れを事前にしっかりと把握しておく必要があります。

特に、PCの画面にどんな問題文が出て、何秒で問題に答えなければならないのか、というのを前もって頭に入れておかないと、試験本番で焦ってしまい、肝心な問題に集中できずに終わってしまう可能性があります。

問題以外のことで余計なエネルギーを使わないためにも、まずは「どのように試験が進んでいくのか」をチェックしておきましょう。

これには公式から出ているテキストを使うのがベストです。

TOEIC Speaking & Writing 公式 テストの解説と練習問題

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  • 作者: Educational Testing Service
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公式テキストには

  • 実際にどういう画面がPCのモニターに出るのか
  • 何秒間隔で答えなければいけないのか

が、実際にPCに表示される画面の画像と共に詳しく書かれています。この部分をまずはしっかりとチェックしてください。

 

②採点ポイントをチェックする

試験形式の確認以外にも、公式テキストを使ってやっておかなければいけないことがあります。

それは、採点ポイントを知ることです。

スピーキングテストは普通のTOEICのようにマルかバツかのテストではなく、しっかりとした明確な採点基準があり、それによってスコアが決められます。

たとえば音読問題の発音における最高点の基準は、

 

些細なミスや、他の言語の影響がわずかにあるものの、非常にわかりやすい

 

となっています。 

これを知ることで、勉強において気をつけるべきことが明確になります。

つまり、発音なら、

  1. 少しくらいのミスなら許される場合がある
  2. わかりやすさがとにかく大事

という2点がこの採点基準からわかるわけです。

これを意識せずにただ漫然と勉強していくだけではかなり遠回りになってしまいます。

TOEIC SW対策では、どんな答えが評価されるのか、採点基準をまずしっかりと押さえなければいけません。そうすることで最短距離でスコアを上げることができます。

 

ちなみに、公式テキストにはこれらの情報以外にも、模擬テストが5回分ついていて、解答例も載っています。問題集が少ないTOEIC SW対策においては貴重な存在。必ず用意しましょう。

 

メインのテキストを決める

スピーキングの対策をしていくにあたっては、

攻略テクニック

例題と模範解答

使えるテンプレート

が各問題について掲載されたテキストを1冊用意して、これをメインテキストとして使い倒しましょう。

これについては、次に紹介する2冊の中から1冊選んでください。

まず、『TOEICテスト スピーキング/ライティング総合対策』

TOEICテストスピーキング/ライティング総合対策

TOEICテストスピーキング/ライティング総合対策

 

TOEIC SWで出題される各問題について、

意識すべきポイント

例題&練習問題

役に立つ表現

が載っている良テキストで、すべての人におすすめできます。

 

ただ、高得点を狙う人にとっては多少もの足りないかもしれません。

比較的高いスコアを狙っていきたいという中級者以上については『頂上制覇 TOEICテスト スピーキング/ライティング 究極の技術』をメインのテキストにするのがおすすめです。

頂上制覇 TOEIC(R)テスト スピーキング/ライティング 究極の技術(テクニック) (頂上制覇 TOEIC(R)テスト 究極の技術(テクニック) シリーズ)

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SWテストについて徹底的に研究されており、載っている表現もかなり豊富です。

 

さて、ここまでを整理すると、まず用意すべき参考書は、

 

  1. 公式から出ているテキスト
  2. メインのテキスト

 

の2冊です。これらを使って基本的には対策します。

あとは苦手な分野については別途テキストで対策をしていくというイメージです(このあと順番に紹介していきます)。

それでは、問題別にそれぞれ対策を見ていきましょう。

 

【1】音読問題

スピーキングテストの最初の問題は音読問題です。

画面に表示された40-60語の文章を音読する問題が合計2題出題されます。

文章を声に出して読むだけなので、簡単だと思ってしまいがちな問題ですが、あなどってはいけません。

音読を毎日の日課にしている人にとっては比較的簡単だと思いますが、普段は英語を読んだり聞いたりするのが中心で、あまり英語を声に出すのに慣れていない人は苦労するでしょう。

ちなみにいきなり読むのではなく、PCの画面に表示された英文を45秒間見て準備することができます。

解答時間も45秒です。

 

対策は?

慣れている人はメインテキストだけでも十分ですが、発音に自信がないという人は『英語耳』という本を使って発音のトレーニングをするのがおすすめです。

英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができる

英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができる

 

この本では、英語で使われる個々の音が練習できるようになっています。

また、英語においては、「音の連結」という現象が起きます。

たとえば、

Take it easy.

は「テイク・イット・イージ」というよりは「テイキッリーズィー」というようになめらかにつながって発音されるんです。

『英語耳』ではこのような音の連結も練習できるようになっているのでおすすめです。

音読問題で採点されるのは主に発音とイントネーションですが、『英語耳』を使えばそのどちらも攻略できてしまいます。

 

発音を押さえたらあとはメインテキストで解答のコツを参照しながら、ひたすら練習あるのみですが、メインテキストだけでは問題量が圧倒的に不足するので、他の教材で補充する必要があります。

 

音読問題で出題される文章の内容は、公共性の高いアナウンス、宣伝、天気予報などですが、これはTOEIC LR(リスニング&リーディング)のPart4で流れるアナウンスと範囲がかぶります。

同じテスト機関が同じテーマで作った文章です。

これを音読問題の教材として使わない手はありません。

テキストについてはどれを使っても大丈夫ですが、やはり公式が出している問題集を使うのがベストでしょう。

TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編

TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編

 

この問題集のPart4を音読してください。

CDの音声も聞き、発音とアクセント、間の取り方を徹底的にマネするのが勉強のコツです。

また、ただ書いてある英文を音読するだけではなく、そこに書いてある英文の意味を理解した上で、自分の話す内容を人が聞いたらわかりやすいのかどうか、を意識することでかなり改善していきます。

ぜひこの点は意識して取り組んでみてください。

 

【2】写真描写問題

続いて出題されるのが写真描写問題です。

画面に日常生活の1シーンを撮った写真が1枚表示され、その写真をできるだけ詳細に説明することが求められます。

 

写真が表示されたら最初に30秒間準備ができます。

 

f:id:yusuke-to-yondekudasai:20161119144055j:plain

 

30秒経ったら、45秒間それについて話します。

この写真なら、

  • 道で撮られた写真(a picture taken on a street)
  • スクールバスがある(there is a school bus in the picture)
  • 子どもがバスに乗ろうとしている(some children are getting on the bus)

といったポイントをまとめるわけです。

45秒だと、話す量としてはだいたい100語前後が適切でしょう。

 

さて、いきなり難しくなったと感じませんか?

 

最初の音読問題は比較的とっつきやすい問題でしたが、ここからはしっかりと対策をしないと、ただ焦って終わってしまう可能性があります。

 

対策は?

対策としてはまず、メインテキストを使って、話す内容の"構成"をチェックしてください。

これは、"ひな形"といえばわかりやすいかもしれません。

 

具体的には、

  1. どこで撮られた写真なのか、場面設定を行う
  2. 写っている人物や物事を、目立つ順番から説明する
  3. 時間があれば自分の推測を入れる

というのが写真描写問題での"ひな形"になります。

 

目に入ったものを漫然とただ話すのではなく、このようにあらかじめ話す内容の構成を用意しておけば、あとはそれに情報を入れていくだけで解答が完成してしまいます。

これは、TOEIC SWテスト全体で言えることですが、解答の構成はあらかじめ頭に入れておくというのがセオリーです。

これによって、試験において焦らなくなり、また、スコアにブレがなくなり安定して点が取れるようになるんです。

 

さて、"ひな形"が習得できたら、問題なのはその中に入れる情報です。

要するに、使える英文のストックを増やす必要があるわけですが、ここでもTOEIC LRの問題が有効です。

 

使うのは、リスニングの一番最初の問題(Part1)です。

 

LRのPart1は写真を正しく描写した選択肢を選ぶ問題で、ここでの対策にまさにぴったりなんです。

Part1の問題を使って、写真を見ながら音読してください。誤りの選択肢についても、その情景を自分で思い浮かべながら音読しましょう。

テキストについては、公式問題集だけでは足りないと思うので、がっつり練習したい人はPart1の問題が多く載っている問題集を使いましょう。

『新TOEIC TEST パート1・2特急 難化対策ドリル』はかなりおすすめです。

新TOEIC TEST パート1・2 特急難化対策ドリル

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TOEIC LRの問題集を持っているという人は(実際多数派なのではないかと思います)、自分がすでに持っている問題集のPart1を使えば大丈夫です。SW対策としてリサイクルしましょう。

 

【3】応答問題

ここからの問題は実践的で、対策をすることでリアル生活でのスピーキング力をぐいぐいと上げることができる問題ばかりです。

写真問題のあとに出題されるのは「応答問題」で、これは、自分が電話でインタビューを受ける、というような場面を想定し、3つの質問に答えます。

質問の内容は、たとえば

・好きな本のジャンルは何ですか?

・どのくらいの頻度で本を読みますか?

・電子書籍は今後普及してくと思いますか?

(わかりやすさのために日本語で書きました)

のような、個人に関するものです。

今までの問題では話す前に準備時間が何秒かありましたが、この問題では準備時間がなく、質問が流れたらすぐに答えなければいけません。

それぞれの解答に使える時間は15秒,15秒,30秒です。

大変なように感じるかもしれませんが、よく考えると実際の生活では質問されたらすぐさま答えるはずです。

その意味でも実践的で良い問題だと言えます。

 

対策は?

応答問題において意識すべきなのは次の2点です。

 

  1. 聞かれた質問にしっかりと答える
  2. 話す内容を充実させる

 

1の「聞かれた質問にしっかりと答える」ですが、できない人が意外と多いです。

たとえば、

「好きなイタリア料理はなんですか?」

という質問に対して、

「私の好きなイタリア料理はピザです」

のように答えれば、これは聞かれた質問にしっかりと答えられていますが、

「わたし、スペイン料理が好きなんですよね。」

は答えになっていません。

また、「ピザかもしれないですね」のように弱く答えるのも避けましょう。

 

「ピザです」

 

とズバッと質問に答えられるようにしましょう。

 

また、2の「話す内容を充実させる」ですが、これは前もって話の引き出しを増やしておく、というのが有効な対策になります。

メインテキストだけでもある程度はできますが、高得点を狙っていきたい人はプラスアルファで『本気で鍛えるビジネス英語 TOEICテスト スピーキング/ライティング』を使いましょう。

本気で鍛えるビジネス英語 TOEIC(R)テスト スピーキング/ライティング

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オンライン英会話で有名なレアジョブから出版されている本です。

メインテキストとしてはおすすめしなかったんですが、表現のストックを増やすためには非常に優秀です。

このテキストには応答問題のサンプル問題が20個以上載っており、それぞれにクオリティの高い模範解答も付いています。

本番よりも少し程度の高い問題なので、答えるのに苦労するかもしれませんが、これをこなせば確実に表現の幅は広がっていきます。

 

まず実際に自分で問題を解いてみて、その後模範解答を参照します。

模範解答を読んで、自分が言ったことと照らし合わせてみましょう。

「こんな言い方があったんだ」

「こんなアイデアもあったのか」

と、気付くことが多いはずです。

また、問題演習が終わったら、模範解答の音声をシャドーイングしましょう。

シャドーイングとは、音声を聞きながら、その音声から1語~3語くらい遅れて自分でも口に出すトレーニング方法です。

これをすることによって、模範解答の内容がより自分の体に染み込んでいきます。

かなり効果あるので、ぜひやってみてください。

(関連記事)

シャドーイングの効果を何倍にも上げるやり方!大事なのは"注意の切り替え"だ!

 

【4】資料付きの応答問題

 続いては「資料付きの応答問題」です。

ここではまず、英語で書かれた資料が画面に表示されるので、それを30秒間読んで内容を把握します。

f:id:yusuke-to-yondekudasai:20161121140844j:plain

30秒経ったら、問い合わせの理由が流れたあと、合計3つの質問が放送されるので、資料に基づいて順番に答えていきます。

たとえば、上の資料なら

What time wil the party start?

(パーティはいつ始まりますか)

のような問い合わせが流れるので、

The party will start at 12 o'clock.

(パーティは12時に始まります)

のように答えます。

3つの質問の解答に与えられている時間はそれぞれ15,15,30秒で、質問のあとに考える時間はありません。

リアル世界で問い合わせが来た時と同じというわけですね。

3つの質問に答える問題なので、ひとつ前の応答問題と似ているように思えますが、こっちの問題では、質問が画面に表示されないので、耳で聞いただけで質問の意図をすべて理解しなければいけません。

 

対策は?

ひとつ前の応答問題では、

携帯電話はどのくらい使いますか?

小さい子どもが携帯を持つことに関してどう思いますか?

といった質問が出されるので、自分の頭で考えて話す内容をひねり出さなければいけなかったのに対し、資料に基づいた応答問題では、

 

話すべき内容はすべて資料に書いてある

 

という特徴があります。

なので、こっちの応答問題では、多くの問題に触れることで話す内容のストックを増やす、という勉強は必要ありません。

メインテキストに載っている定型表現を覚えたら、あとはそれを問題に合わせて使い、読み取った情報を入れていくだけです。

しかし、だからといってこの問題が簡単だというわけではないんです。

なぜなら、この問題では

 

  1. 資料を正確に読み取る
  2. 質問の内容を的確に理解する

 

という2点ができていないと、そもそも答えることすらできなくなってしまうからです。

逆に言うと、①資料が正確に読み取れて②質問がしっかりと聞き取れれば、楽勝だということです。

 

気づいた人も多いかもしれませんが、この2つの能力は、リーディングとリスニングです。

TOEICスピーキングテストは、スピーキングテストと言っておいて、リーディングとリスニングの力も要求してくるテストなんです。

しかし、これはTOEICスピーキングテストの良いところとも言えます。

というのも、実際に仕事などで英語を話すときは、この問題でまさに要求されているような、資料を見ながら電話で説明をする、といったような「スピーキング+他の技能」という組み合わせで英語を使うことがほとんどだからです。

その意味で、TOEIC SWはリアル世界でも通用する英語力を上げるための良い試験だと言えるでしょう。

 

少し話がそれたので戻します。

とにかく、この問題で要求されているのはほとんどがリーディングとリスニングの力です。

 

対策としては、やはりTOEIC LRの問題を使うのがベストでしょう。

 

具体的には、Part7とPart2です。

Part7の中から、図や資料、広告を読ませる問題だけを解いていきます。チャットメッセージなどの関連性の低い問題は解かなくて大丈夫です。

また、LRのPart2は、短文の質問を聞いて、適切な答えを選ぶ問題で、スピーキングの応答問題に最適な問題だと言えます。

正解した、しなかったにこだわるのではなく、

「この人は何を聞いているのか?(時間なのか、場所なのか・・・)」

を意識してリスニングするようにしてください。

 

まとめると、

  • メインテキストで定型表現を練習
  • TOEIC LRのPart7とPart2を使ってリーディングとリスニングの力をアップさせる

のがこの問題で有効な対策です。

これらの対策をすることで、基礎体力を作り、試験日が近づいてきたら、メインテキストや後述する模試問題集を使い、実践形式のトレーニングを積んで本番に備えましょう。

 

【5】解決策を提案する問題

続いて出題される「解決策を提案する問題」では、まず1分程度のメッセージを聞きます。

メッセージの内容は、

会社のホームページのアクセスが落ちているんだけど、ページをもっと良いものにするアイデアはないか?

などの、同僚からの相談や、

そちらの会社の商品をネット通販で買ったんですが、間違ったものが送られてきました。どうすればいいですか?

といった、トラブル系のものが多いです。

 

メッセージを聞いたあとは、30秒間の準備時間が与えられ、その後60秒間返答のメッセージを話します。

話す内容は、相手の話の要約と、解決策の提案です。

ただ英語を話す能力だけではなく、問題解決能力、またリスニング力も要求される難易度の高い問題だと言えます。

 

対策は?

この問題では、そもそも相手の言っていることが聞き取れないと何も話すことができないので、最優先で取り組むべきなのはリスニング力を上げることです。

これには、TOEIC LRのPart3とPart4を使ってトレーニングするのが最適です。

Part3とPart4はリスニング問題です。

さきほど例を挙げたときに気付いた人もいるかもしれませんが、

ホームページを改善するにはどうしたらいいか

や、

間違った商品が送られてきたんだけどどうすればいい?

といった話題は、TOEICのリスニングでは頻出です。

これを活用しない手はないでしょう。

まずは公式問題集を使えば大丈夫ですが、もっと問題数をこなしたいという人や、もっと解説が詳しい問題集を使いたいという初心者の人は、『究極のゼミ』などのPart3,4に特化した問題集を使いましょう。

TOEIC(R)テスト 究極のゼミ Part 3 & 4 (CD・DL特典付) (TOEICテスト 究極シリーズ)

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スピーキングの練習については、まずはメインテキストにあるサンプル解答を徹底的に音読してください。

実はこの解決策を提案する問題では、問題パターンがある程度限られているので、何度も音読することによってパターンを体に染み込ませれば、スムーズに解答ができるようになります。

たとえば、先ほどのも例に挙げた「商品の誤送」は本当によくあるパターンで、

まずは名前を名乗る。

相手の状況の要約&謝罪

すぐに正しい商品を送る&次回使えるクーポンを付ける(提案)

何かあったら○○へ電話するようにお願い

といったテンプレートだけで対処できてしまいます。

本番で練習した通りのものがそのまま出ることはあまりないと思いますが、パターンを何通りも音読しておけば応用も効きます。

 

また、リスニング練習で使ったTOEICPart3,4はスピーキング練習のテキストとしても使えます。

特に有効なのはPart3の会話問題です。

登場人物が解決策を提案するセリフに特に注目し、

  • どんな解決策を提案しているのか?(アイデア収集)
  • 使っている英語表現はどんなものか?(フレーズ収集)

を意識しながら自分で口に出してみましょう。

 

整理すると、

  • TOEIC Part3,4の問題を使ったリスニング強化
  • メインテキストを使ってテンプレートを体で覚える
  • TOEIC Part3を使って解決策と英語表現のストックを増やす

の3つによってこの問題は対処できるようになります。

 

【6】意見を述べる問題

最後の問題です。

与えられたトピックについて60秒間で自分の意見を述べます。

トピックは

都会に住みたいか、田舎に住みたいか

のような日常的なものから、

学校は生徒が楽器の演奏を学ぶのを義務にすべきかどうか

という社会性の高いテーマ、また

良い経営者はどんな人物か?

といったビジネス関連のものまでさまざまです。

テーマが多岐に渡るのも難しいポイントですが、テーマが与えられてから、話し出すまでの準備時間が15秒しかないというのもこの問題をチャレンジングなものにしています。

最後の問題というだけあって、他の問題と比べても段違いに難しいですね。

 

対策は?

意見を述べる問題で点が取れるスピーチをするためには、

  1. 話の展開の仕方を習得する
  2. 話す中身を充実させる

の2つが対策として必要です。

 

まず、最初の「話の展開の仕方の習得」ですが、これはつまり「どういう流れで話すのか」ということです。

英語で意見を述べるときは、話の展開の仕方が決まっているので、それに従う必要があります。

これはおおまかに言うと、

 

  1. 自分の主張をズバッと言う
  2. 主張をサポートする(理由、例・・・)
  3. 結論で締める

 

の3つのステップのことです。

日本語でのスピーチでは、必ずしも自分の主張を最初にズバッと言うとは限りません。周辺のことを話してから最後に結論が来る、というスタイルだったり、周辺のことをだらだらと話し続けて、結局最後まで言いたいことがなかったりするスタイルも認められます(政治家を想像してみてください)。

これは日本語自体の構造だったり、日本の教育のせいなんですが、それは置いておくとして、とにかく日本人は自分の意見をはっきりと述べるのが苦手なので、TOEIC SWのこの問題においても、

 

自分の主張をはっきりと述べ、説得力のあるサポートをする

 

というのは強く意識して勉強する必要があります。

話の展開の仕方については、メインのテキストだけでは正直に言って不十分です。

しっかりと勉強したい人は『英作文ハイパートレーニング 自由英作文編』を使いましょう。

大学入試英作文ハイパートレーニング 自由英作文編

大学入試英作文ハイパートレーニング 自由英作文編

 

大学入試の参考書ですが、英語の基本的な論理展開についてこれ以上ないほどわかりやすく解説されていておすすめです。

この参考書を読んで英語の文章の作り方を学びつつ、公式問題集とメインテキストの模範解答を音読してください。

音読する際は、ただ英語を声に出して読むだけでは応用がきかないので、読みながら

 

その文がスピーチにおいてどういう役割を果たしているのか

(主張なのか、理由なのか、具体例なのか、結論なのか)

 

を意識してください。この意識を持つことで、自分で話すときもスピーチをうまく組み立てられるようになってきます。

 

続いて、「話す内容を充実させる」ためにはどうすればいいのかについてです。

さきほど紹介した『英作文ハイパートレーニング』、そして公式問題集とメインテキストの音読でも英語表現を増やしていくことができますが、英語表現の数は無限で、「ここまで対策すればOK!」というラインはありません。

なので、スコアを上げていくためには使える英語表現を日々増やしていく必要があります。

これには、NHKのラジオ英語講座のテキストを使うのがいいと思います。

中でも、『入門ビジネス英語』はおすすめです。

NHKラジオ 入門ビジネス英語 2018年 11月号 [雑誌] (NHKテキスト)

NHKラジオ 入門ビジネス英語 2018年 11月号 [雑誌] (NHKテキスト)

 

 

毎月出ているテキストで、同名のNHKラジオ英語講座の内容を収録したものになっています。

この本にはビジネスシーンでの会話テキストが日本語訳と共に載っています。

登場人物は全員、自分達の意見を論理的に、わかりやすい英語で発信しています。覚えてすぐに使える英語表現が詰まっています。

この『入門ビジネス英語』を音読することによって、英語表現のストックを増やしていきましょう。スピーキングテスト対策なので、ただ読むだけではなく、その英語表現を自分のものにするんだ、という意識を持って音読してください。

ちなみに、ビジネスシーンを想定しているので、『入門ビジネス英語』はTOEIC SWテスト全体の対策にもなりおすすめです。

 

まとめると、『英作文ハイパートレーニング 自由英作文編』で英語スピーチの構成を学び、公式問題集とメインテキスト、および『入門ビジネス英語』で表現のストックを増やしていくのが対策の基本です。

 

最後の問題は、いままでの問題と比べてもかなり大変だということがわかると思います。

意見を述べる問題は、テクニックを少し覚えて点が取れるという類の問題ではなく、長い時間をかけてトレーニングすることで少しずつできるようになっていく問題です。

確かに大変ですが、この問題をちゃんと対策すれば、応答問題や、ライティングテストでの意見を述べる問題でも効果を発揮するので、ぜひしっかりと対策していきましょう。

 

おすすめのトレーニング方法

さて、ここまで問題別に対策と勉強方法を見てきましたが、最後に、どの問題の対策にもなる、おすすめのトレーニングを紹介しようと思います。

 

①時間を測って話す

写真の説明問題は45秒、意見を述べる問題なら60秒、といったように、各問題ごとに解答時間が決まっていますが、自分のスピーチがこの解答時間より短すぎても、足りなくなっても減点されてしまいます。

なので、ちょうどいい時間で話せるようになるために、TOEICスピーキングの勉強中は常にストップウォッチを使って解答時間をはかりながら話すようにしてください。

時間をはかりながら話すトレーニングをしていくうちに、45秒なら45秒の時間感覚が体に染み込んでいきます。

テスト本番では画面に残り時間が表示されますが、最終的には、時間表示を見なくても適切な長さでスピーチができる、というレベルを目指してください。

 

②自分の声を録音する

自分の話した英語を録音して聞いたことがありますか?

おそらくほとんどの人がやったことがないのではないかと思います。

ぜひ一度、音読でいいので、自分の話す英語を録音してみてください。

 

おそらく絶望しますw

 

自分で思っていたよりも発音が悪いと感じるでしょうし、話すスピードも、思ったよりも早口で聞き取りにくかったり、逆に思っていたよりも遅すぎたり・・・といったことに気づくと思います。

 

でも、実はこれが有効なトレーニングなんです。

自分の声を録音することではじめて客観的に自分のスピーキングを分析できます。

 

自分が採点者になったつもりで、採点ポイントと自分の声を比べてみましょう。これによって弱点が見えてくるはずです。

ちなみにぼくは半年ほど通訳学校に通っていたんですが、その時毎回の授業での自分のパフォーマンスを家で聞くのが宿題のひとつでした。正直自分の声を聞くのが最初は嫌だったんですが、地道な改善を繰り返したところ、半年でびっくりするほどわかりやすい英語が話せるようになりました。

自分の英語を録音して聞くことの効果に気付いていない人は多いので、すごくもったいないなと思います。

ぜひトレーニングに取り入れてみてください。

 

③オンライン英会話

「英語のスピーキング力がいちばん上達する状況」ってどんな時だと思いますか?

これはずばり、

 

言いたいことをなんとか英語で表現しようとしてうんうんと考えているとき

 

です。

ここでの最大のポイントは、結果として、うまいこと英語で言いたいことが表現できたのか、できなかったのかは関係ないということです。

 

大事なのは、英語をなんとか自分の中からひねり出そうとして頭フル回転で考えているその時なんです。

 

しかし、英語が浸透していない日本で普通に生活している限り、このような状況はほとんどないという問題があります。

 

そこでオンライン英会話を活用しましょう。

数あるオンライン英会話の中からどれを選ぶのかは迷うところですが、ここで大事なのはとにかくできるだけ自分が英語をひねり出さなければいけない状況を増やすことなので、毎日レッスンを受けられてコスパが良いところがベストでしょう。

 

ぼくも使っていておすすめなのがDMM英会話です。

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ここら辺がしっかりしているのも大手企業ならではの安心ポイントですね。

 

④模試問題集を使う

公式問題集で採点基準を確認し、メインテキストで攻略テクニックを習得、そしてTOEIC LRの問題を使ったトレーニングもある程度進んできた、という段階になったら、模試問題集を使ってひたすら問題形式に慣れていく、というのを勉強の中心にしていきましょう。

TOEIC SWにおいてはテクニックももちろん重要ですが、テクニックはあくまでも道具であり、それを使いこなせなければ意味がないんです。

スピーキングテストに関しては、『TOEICスピーキングテスト リアル模試15回』という模試問題集が出ています。

[CD-ROM付]TOEICスピーキングテスト リアル模試15回

[CD-ROM付]TOEICスピーキングテスト リアル模試15回

 

このテキストにはなんと15回分のスピーキングテキストが収録されているんです。

価格が約¥2800なので、模試1回当たりだいたい¥185。

本番同様の画面で問題を解けるCD-ROMもついていていてお得です。

 

まとめ:一貫した内容で話すのを意識しよう!

というわけで今回はTOEIC SW(Speaking&Writing)スピーキングテストの対策と勉強方法を紹介してみました。

最後に、TOEICスピーキングテストで最も大切なことについて書いておきます。

スピーキングテストの採点基準を見ると、どの問題でもやたらと

  • 一貫性
  • 首尾一貫
  • 関連性

という言葉が出てくるのがわかります。

どうやら、問題を作っている側が採点基準としてかなり強く意識しているのは一貫性・関連性のようです。

一貫性・関連性、と言うとむずかしいですが、これは要するに

 

言ってることが意味不明だとダメ

 

ということであり、

 

聞かれたことにちゃんと答えてね

 

ということです。

スピーキングテストは、LR(リスニング、ライティング)の時とは違い、限られた選択肢の中から正解を選ぶわけではありません。

 

選択肢は無限です。

 

自分の中から答えを頑張ってひねりださなければいけないというのがスピーキングテストの特徴です。

そうなると、その答えが答えとして良いのかダメなのか、という前に「そもそも答えになってるのか」という段階をクリアする必要性が出てきます。

記事の中で「好きなイタリア料理は?」という問いに対して「スペイン料理が好きなんですよね」は答えになっていない、という例を出しました。

「そんなミスしないよ」と思うかもしれませんが、実際にやってみると質問にちゃんと答えるのは結構難しいと気づくはずです。

なんとかして上手い英語表現を言えるようにしよう、とだけ思って対策を進めると、この「一貫性・関連性」がおろそかになってしまいがちです。

「ちゃんと質問に答える」

これを強く意識して対策していきましょう。

 

長くなってしまいましたが、読んでいただきありがとうございます!

 

(ライティング対策編もあります!)

kazuuiword.hatenablog.com