英検1級の読解問題対策と勉強法をまとめてみた!
英検1級の筆記試験で大きなウェイトを占める読解問題。
合格するためには、しっかりと対策をし、安定して高得点が取れるようになる必要があります。
しかし、英検1級の読解問題は難易度が高く、対策をしようと思っても
何をすればいいのかわからない
という人も多いはずです。
特に準2級、2級、準1級、と順調にレベルアップしてきた人の中には、準1級とのあまりの差に絶望している人も多いかと思います。
今回は、さまざまな角度から見て、1級読解攻略に必要なファクターを考えた上で、対策と勉強方法をまとめてみました。
【もくじ】
英検1級の読解問題とは?
最初に、そもそもどんな問題が出るのかを確認しておきましょう。
まず出題されるのは、比較的短め(300~400語程度)の文章の穴埋め問題です。
合計で2つの文章が出題され、それぞれに3つの問題が付いています。
比較的短い文章ではありますが、内容は専門的なものが多く、選択肢も単語1つではなく、フレーズ単位なので難易度は高いと言えます。
問題も、ちゃんと英文の内容がわかっていないと間違えてしまう良問です。
英検1級に楽に合格ができる人でも、しっかりと空欄の前後の文脈を読み取ることができないと間違えてしまうくらい選択肢がよくできています。
穴埋め問題の後は、長文を読み、内容に関する問いに答える問題が出題されます。
出題される文章は全部で3つです。
最初の2つについては500~700語程度ですが、最後のひとつはそれよりももっと長い文章になっています。設問数についても、はじめの2つの文章は問題3つですが、最後の長文に関しては、4問あります。
難易度はかなり高いです。
文章の内容が難しい上に、設問が長く、そして選びにくいんです。
慣れないうちは、すべてが正解に見えたり、すべてが間違いに見えたりするでしょう。
単語を覚えるのが中心!
英検1級の読解問題では、専門性の高い高度な英文が出題されます。
高度な英文には、当然ですが高度な英単語が含まれます。
高度な英単語とは、ずばり言って「抽象的な単語」のことです。
「抽象的な単語」とは簡単にいうと、「見てすぐ想像しにくい単語」のことです。
たとえば、「apple」と聞いたら、赤くて丸いあの果物をすぐに頭に思い浮かべることができると思います。
では、「education」はどうですか?
実体のある確かなものがすぐ想像できる人はいないと思います。
「education」はさすがに1級を受験する人なら誰もが知っている単語だと思いますが、もっと難易度の高い抽象的な単語が1級の英文には多く含まれます。
とにかく、抽象的な単語を意味を取りながらどんどん読み下せる単語力が読解攻略には必要不可欠なわけです。
これらの単語は総単語数6000~10000語レベルに集中しています。
まず、5000~7000語(大学受験や準1級レベル)にまだ自信がない人は『DUO』などの、効率良く大学入試レベルの単語が復習できる単語集を使って漏れをなくしましょう。
また、このレベルより少し上、7000~9000語レベルが不安だという人は『究極の英単語 Vol.3』に取り組むのがおすすめです。
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ぼくが英検1級の対策を始めたのは、TOEIC840点くらいの時で、最初英検1級の読解問題を見た時は、わからない単語だらけで全く歯が立ちませんでした。
しかし、この『究極の英単語 Vol.3』を読み込むことで、かなり視界が開けたんです。
大学入試を経験した人は特になんですが、『DUO』のレベルはすでにクリアしているものの、それより少し上のレベルの単語が弱いという人が多いんです。
このレベルをやり込むことで読解力が一段階上がる人は多いはずなので、ぜひ取り組んでみてください。
ここまでやった上で、さらに上、8000~10000語レベルまでやれば語彙面では完璧です。
「まだやるのか」
と思った人もいるかもしれませんが笑、8000~10000語レベルについては、筆記試験の最初の大問の「語彙問題」対策でどうせ覚えなくてはいけない単語です。
なので、このレベルについては語彙問題対策をしていく中で補強していきましょう。
英検1級の語彙問題対策については別の記事にまとめてあるのでぜひ参考にしてみてください。
ひとつコツを紹介するとすれば、単語だけではなく、熟語もしっかりと覚えることです。
熟語は語彙問題では25問中5問しか出ない上に(4択なので適当に選んでも1問か2問当たる)、単語と比べて紛らわしくて覚えるのに時間がかかりコスパが悪いので、熟語暗記で手を抜いてしまう人は多いです。
しかし、読解問題やリスニング問題で、程度の高い熟語が出題されることは多く、その意味で熟語はかなり重要だと言えます。
読解で重要だというのをモチベーションにし、熟語もどんどん覚えていくようにしましょう。
背景知識が大事!
1級の読解問題では、さまざまなテーマが扱われますが、そのどれもが
科学技術、歴史、文化、経済・・・
など、専門的で高度な内容です。
これらの英文を読んでしっかりと理解するには、文法や単語以外にも、背景となる知識があるとかなり有利です。
背景知識があることで、英文の理解度が単純に深まりますし、どんな話が続くのかが読みながらある程度予測できるようになるので、読むスピードが速くなります。
ここでは、背景知識を吸収するための方法を紹介してみようと思います。
英文を日本語で要約してみる
過去問や問題集を使って問題演習をしたら、読んだ英文の内容を日本語で要約してみましょう。
要約と聞いて「難しそうだな」と思った人がいるかもしれませんが、ここで言う要約は、よく大学入試で出る「800字で要約せよ」みたいな大げさなものではありません。
やることは簡単です。
その英文が「どういう話なのか」を30秒で人に説明できるようにしてください。
ポイントは「どういう話なのか」という部分です。
細かいことにこだわらず、ざっくりとしたポイントだけをまとめて口頭で説明できるようにしてみてください。
たとえば「ルネサンス」なら、「ルネサンスという言葉はフランス語で~を意味し・・・」といったことはどうでもいいので、
昔のヨーロッパでは腐敗した教会がすべてを支配していた。
そこで、芸術などにおいて、教会から解放され、人間性を回復しようとする流れが起きた。
人間性はギリシャ・ローマ時代に求めた。これがルネサンス。
くらいの本当にざっくりした部分だけを「流れ」として押さえるようにしてください。
大事なのは「それってこんな話だよね」という"流れ"なんです。
歴史なら人物の名前、科学技術なら物質の名前などは、覚えてもまず本番でヒットしないです。
「この話知ってる!」という知識を「広く浅く」増やしていくことが読解における背景知識習得では大事です。
うまくヒットしたときは本当に長文を読むのが楽になりますよ。
たとえば、文の一行目で「キリスト教と科学は・・・」と続いたのを見ただけで、聖書とサイエンスの矛盾の話を知っている人は、
あぁ、これは聖書の内容が科学的事実と矛盾してるっていう話かもしれないな。聖書では地球が6000年前にできたことになってるんだけど、地層を見れば明らかにもっと前に地球が誕生していたんだよね。
という背景知識が一気に頭に浮かんでしまいます。
こういう背景知識がある人と、
え、キリスト教って・・・宗教とかぜんぜんわからないし!
文系だから科学も苦手だな。どうしよう!
と思ってしまう人では、仮に文法や単語などの力が一緒だったとしても大きな差が出てしまうんです。
洋画を見る
ぼくが1級の筆記試験に合格したときの、一番長い文章のテーマが「琥珀の中の昆虫からDNAを抜き出してナウマンゾウを復元する」みたいな話だったんですが、これって『ジュラシックパーク』そのままですよね。
で、たまたま試験の前日にジュラシックパーク見てたんですよ。
楽勝で全問正解でした。
一番時間のかかる問題をサクッと終わらせることができたので、ライティング問題にたっぷり時間をかけることができたのを覚えています。
別にぼくのように偶然前日見ていなくても、『ジュラシックパーク』を見たことのある人ならなかり答えやすい問題だったといえるでしょう。
一般的に言っても、洋画は英文読解の背景知識を吸収するのに良いマテリアルだと言えます。
映画を見たら、これでも日本語での30秒要約をすると理解度が深まっておすすめです。
見た映画の感想を人に話してみたりするのも良いでしょう。
また、映画の原作を洋書で読んでみるのも読解対策にはかなりおすすめですね。
攻略テクニックを学ぶ
単語暗記と背景知識以外にも、読解問題対策において重要なことがあります。
それは、攻略法を学ぶことです。
英検1級の読解問題は、選択肢が巧妙に作られているので、ちゃんと英文が読めていたとしても少し気を抜くと間違えてしまいます。
なので、安定して正解できるようになるために、
- どんなパターンの問題が出るのか
- それに対してどういう頭の動かし方をすればいいのか
を知る必要があるんです。
これには『英検1級 100時間大特訓』を使いましょう。
英検1級指導歴30年以上、英語の鬼、植田一三の著作です。
この本では、実際に出題された過去問を使いながら、攻略テクニックを詳しく解説しています。
どれも実用的で、どんなパターンで問題が出るのか、具体的にどうやって問題を解いたらいいのかがわかるようになっています。
この本は読解以外にも、英検1級の全問題について攻略法が書かれていて、そのどれもが読んでためになります。
1級に合格したい人はぜひ取り組んでみてください。
過去問演習は必須!
英検の過去問題集を使って、実際に問題を解いてみるトレーニングも絶対に行ってください。
過去問演習を積むことで、ここまで紹介してきた3つの対策法、つまり
- 単語暗記
- 背景知識
- 攻略テクニック
で学んだことが実際に"使える"ようになります。
問題を解く際は、必ず時間をはかって解くようにしてください。
解くのは各文章ごとで、空欄穴埋め問題なら6~8分、長文読解問題は10~17分程度で解けるようになるのが目標です。
全くこの時間以内に解き終わらないという段階でも、必ず時間ははかるようにしてください。
勉強が進み、解くスピードが上がってくるにつれて、成長を実感することができるようになります。
また、解き終わった問題については、そのまま放置することはせずに、
- 日本語で内容を30秒要約して背景知識の習得
- 音読することで読解スピードアップ
- わからない単語があれば調べる
などの方法で繰り返しトレーニングするようにしてください。
まとめ:英文を読む習慣をつけよう
というわけで英検1級の読解問題対策まとめでした。
整理すると、
- 単語を覚える
- 背景知識をつける
- 問題の解き方を学ぶ
- 過去問で問題演習
が対策になります。
ここまでで大抵合格ラインには届きます。
さいごに、普段から多くの英文に触れることの重要性について触れておこうと思います。
ここまで英検1級にフォーカスしたトレーニング方法を紹介してきましたが、やはりこれら専用の対策以外にも、普段から日常生活の一部として英文を読んでいる人はかなり強いなと思います。
英検1級の読解問題では、結構な量の英文を読まなければいけませんが、普段から英文を読むことに慣れている人はたいした量だと思わないでしょうし、慣れているので負担が少なく、疲れも少なくなります。
よく英検1級対策としてTIMEなどの英字新聞を読むことがおすすめされています。
高度な英文に慣れることができる上に背景知識も付くので、英検1級対策には良い方法だと思います。
ただ、特に英字新聞を普段から読んでいない人にとってはハードルが高く、始めたとしても好きじゃないと続きません。
そういう人は、自分が好きなジャンルから1冊洋書を選び、少しずつでもいいので毎日英文に浸る時間を作るのがおすすめです。
もちろんTIMEなどの英字誌が好きな人はそれらに取り組むに越したことはありません。
要するに大事なのは、英検にフォーカスした対策以外にも、日常生活で英文に触れる時間を作ることです。
何でもいいのでとにかく自分が好きなもの、読んでいて楽しいものを見つけて、それに取り組む時間を作ってみてください。
それではまた!
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