リピーティングのやり方と効果をまとめてみた!【英語リスニング勉強法】
英語のトレーニング法のひとつとして「リピーティング」という方法があります。
これは簡単に言うと、ある長さの英語を聞いたあとに、それをそのまま自分の口でもう一回再現するトレーニング方法です。
英語力、特にリスニングの力を向上させるのに非常に有効な方法で、同時通訳者の養成学校でも訓練法として採用されています。
最近はだんだんと認知度が上がっているリピーティングですが、注目され始めている一方で、しっかりとしたやり方を知らない人が多いのが現状です。
リピーティングと一言で言っても、やり方次第で効果に大きな差が出ます。
今回は、リピーティングのやり方と効果についてまとめてみました。
【もくじ】
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リピーティングのやり方
リピーティングは2ステップでやっていきます。
簡単に言うと、1回目は「数語を正確に」2回目以降は「長い文をざっくりと」です。
詳しく説明していきます。
①英語を数語聞き、それを口に出して繰り返す(1回目)
英語の音声を数語程度聞いた時点で音声を止め、それを正確に繰り返します。この時点ではスクリプトはまだ見ないでください。
繰り返せなかったところについては音声を戻し、もう1回チャレンジします。
それでも聞き取れなかったところはスクリプトを確認してください。
わからなかったところについては後でまた見てもわかるように、マーカーなどで印をつけておきましょう。
このように「自分がどこが苦手なのか」、弱点が浮き彫りになるのがリピーティングをやるひとつのメリットです。
うまくリピーティングができなくても「できなかった」と悲観するのではなく、「わからないところが見つかってよかった」と思うようにしましょう。
また、音声を繰り返す際に注意しなければならないことが2つあります。
それは、
- 意味を理解して繰り返す
- 聞き手がいるかのように話す
の2つです。
リピーティングの効果を最大限まで上げるためには、ただ音声をマネして繰り返すだけではダメで、意味を理解しながら繰り返す必要があります。
また、英語を自分で口に出すときも、ただ言うだけではなく、そこに自分の英語を聞いている相手がいて、その人に向かって話しているんだ、という気持ちを持って話すと効果倍増です。
意味を取らず、相手がいることも想定せずにやってしまうと、ただの作業になってしまい、メリハリのないトレーニングになってしまうんです。
この2つの意識をもつことで集中して取り組むことができ、効果が確実に増します。
その日にやろうと決めた範囲について、数語ごとでも最後まで正確に繰り返せるようになった時点で1回目は終了です。
②聞く量を増やしていく(2回目以降)
2回目以降は、1回で聞く英語の量をだんだんと増やしていきましょう。
①で紹介した方法だけでもかなり効果はありますが、このトレーニングをすることでさらに効果を上げていくことができます。
①では数語単位で繰り返していたのを、だんだんと増やしていき、自分が限界だと思う長さギリギリに挑戦してみてください。
2回目のリピーティングでは、1回目と少し違ったコツがあります。
それは、
必ずしも一字一句正確に繰り返す必要はない
ということです。
長めの英語をリピーティングするときは、多少抜けがあったり、表現が違っていても気にしないでください。
繰り返しの精度については完璧になる必要はありません。
というか、完璧に繰り返そうとすると、長い英語には対応できないんです。
1回目のリピーティングでは、聞く英語が数語だけなので、一字一句違わずに繰り返すことが可能です。
しかし、人間の記憶力には限界があるので、長くなると正確に繰り返すのは不可能なんです。
コツは、聞いた英語を文字としてではなく、「意味のカタマリや映像で」保持して、それを頼りに口で再生することです。
1回目ですでに英文の意味は理解しているので、聞いた英語を意味のカタマリとしてとらえるのは比較的簡単だと思います。
「文字」ではなく「意味」で記憶に保持し、それを元に繰り返す。
これを意識してトレーニングすることで、比較的長い英文もリピーティングできるようになってくるんです。
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リピーティングの効果
①リスニング力が向上する
リピーティングに取り組むことで、大幅なリスニング力アップが期待できます。
まず、これはさっきも書いたことですが、リピーティングをすることで、自分がちゃんと聞き取れないところが浮き彫りになります。
これは、ただ聞き流しているだけではわからない部分です。
自分の口で再現しようとする、その行為を通してはじめて自分が苦手な箇所が見えてくるんです。
浮き彫りになった箇所については教材にマーカーなどで印をつけ、意識的に復習することで、リスニングにおいて苦手な箇所をどんどん減らすことができます。
また、リピーティングではより密度の濃いリスニングができます。
聞いた音声を自分の口で再現するとなると、普通に聞くのとは段違いの集中力を要求されます。
実際にやってみるとわかると思いますが、リピーティングは非常に「疲れる」トレーニングで、20分もやるとへとへとになってしまう人がほとんどだと思います。
しかしこれは、それだけリピーティングが密度の濃い学習方法だということです。
ものすごい集中状態で英文を聞くことになるので、その分リスニング力アップも期待できるんです。
リスニングにおける記憶力が向上するのも大きなメリットです。
2回目以降の長いリピーティングでは、聞いた英語を意味のカタマリとして記憶に一時的に保持し、それをたよりに英語を再現する、と説明しました。
これを続けることで、記憶に一時的にとどめておくことができる英語の量が増えていきます。
これがリスニング時に力を発揮します。
聞いた英語が記憶に残りやすくなるので、理解力も増すんです。
②スピーキング力が向上する
リピーティングはリスニングのトレーニングとして有名ですが、実はスピーキング力も大きく上げてくれます。
よく考えてみると、リピーティングで実際にやってることの50%って「話すこと」なんです。
話していること自体は聞いたことのオウム返しですが、英語を聞き、意味を理解した上で発話する、という一連の流れは英会話と同じです。
「リピーティングのやり方①」では、意味を取りながら、相手があたかもそこにいるようにやるのがコツだと言いましたが、これはスピーキング力アップも狙ってのコツなんです。
この意識ひとつもつことで、リスニングもスピーキングも同時に効果的に鍛えることができるトレーニング方法に様変わりします。
意識の差なので、はたから見たら何も変わらないんですが、だからこそ見落としがちな部分なんです。
リピーティングの勉強法というと、何回やるとか、何分やるとか、「方式の部分」ばかりに注目が集まりがちですが、一番大事なのは意識の部分です。
リピーティングにおすすめの教材
リピーティングをやる上で教材選びは大事です。
中でも適切な難易度の教材を選べるのかがカギとなってきます。
コツとしては、簡単すぎず、難しすぎない教材を選ぶことです。「だいたいわかるけどたまにわからない」くらいの負荷が最も効果的です。
(初心者)⇒英検やTOEICの教材
初心者は英検やTOEICなどの、資格試験にフォーカスした参考書を使うのがベストです。
理由は、わからない部分があっても解説がしっかりしていますし、何より英文がお手本のような英語で、クオリティが高いからです。
英検の参考書は特におすすめで、級によって細かい難易度選択が可能ですし、テーマも偏りなく多岐にわたります。
実用的な文が最も多いという意味で2級は個人的にかなりおすすめです。
また、TOEICのリスニング教材もかなりいいです。
ビジネス表現が多く含まれているので、将来的に英語を実際に使ってみたいという人はTOEICの教材で決まりです。
スマホアプリですぐ聞けて、CDの読み込みや音声ダウンロードの必要がない『サラリーマン特急リスニング』は値段もリーズナブルでおすすめです。
⇒『TOEIC TEST サラリーマン特急 新形式リスニング』で良問のストックを増やそう!アプリも優秀!(関連記事)
(中級者~上級者)⇒海外ドラマ、ニュース
中級者以上は海外ドラマを使ったリピーティングに挑戦してみるのもおすすめです。
海外ドラマと聞くと「難しそう」と思う人もいるかもしれませんが、『フレンズ』などの、比較的やさしい海外ドラマもあるので、最初はそれらからトライすれば段階的に海外ドラマを英語学習に取り入れていくことができます。
動画配信サービスで見るのもひとつの手ですが、何回も止めるリピーティング用の教材として考えると、動作環境的に安定するDVDを使うのが無難でしょう。
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ちなみにこの『フレンズ』のシーズン1前半セットはめちゃくちゃ売れていて、アマゾンランキング大賞1位です。
(海外ドラマを使った具体的な勉強方法については下記の記事にまとめました)
海外ドラマ以外にも、中級者以上の人はニュースをリピーティングの教材にしても効果的です。
上級者ならYoutubeなどで適当にニュースを探してリピーティングをすることもできると思いますが、かなり難易度が高いです。
そこでおすすめなのが『CNN English Express』というテキストです。
CNN ENGLISH EXPRESS (イングリッシュ・エクスプレス) 2018年 11月号【インタビュー】ケイト・ウィンスレット【特集】副詞で覚える「句動詞」
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この本には、アメリカのニュース局CNNのニュースが、スクリプトと共に収録されています。
月刊誌なので、毎月買って取り組むことで学習にリズムがつくようになるというメリットもありおすすめです。
まとめ:シャドーイングと組み合わせると強力!
というわけでリピーティングの
- 手順
- 効果
- テキスト
についてまとめてみました。
ちなみに、似たようなトレーニング方法にシャドーイングというのがあります。
シャドーイングとは、英語を聞きながら数語遅れて自分の口で唱えていくトレーニング方法です。
シャドーイングもリスニング力の向上に効果がある有効なトレーニング方法です。
おすすめなのは、同じ教材を使って、リピーティングとシャドーイング両方トレーニングすることです。
リピーティングの方が疲れるので、最初にリピーティングをやって、疲れてきたらシャドーイングに切り替える、というのがおすすめです。ぼくもこの方法で普段トレーニングしています。
シャドーイングのやり方については別の記事にまとめたのでそちらもぜひ。
⇒シャドーイングの効果を何倍にも上げるやり方!大事なのは"注意の切り替え"だ!
それではまた!
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