月刊『聴く中国語』のレベルと使い方!上級者向けのおすすめリスニング教材です。
中級以上の中国語学習者によくある悩みとして
「良い参考書がない!」
というのがあります。
最近は中国語の参考書もどんどん新しいのが出てきていますが、ほとんどがこれから中国語の学習を始める初心者向けのものばかりで、参考書自体は充実してきているものの、中~上級者向けのものについてはまだまだイマイチ、というのが現状なんです。
そんな状況ですが、参考書選びに悩んでいる中~上級者の救世主になるような神テキストがあります。
月刊『聴く中国語』という雑誌です。
これ、めちゃくちゃおすすめです。
今回は、この『聴く中国語』について、
- 内容と難易度
- この参考書を使うメリット
- 勉強法
の3点をまとめていこうと思います。
参考書選びに迷っている中~上級者の方はぜひ参考にしてみてください。
『聴く中国語』の内容と難易度
内容は?
『聴く中国語』は基本的にリスニングの教材です。
毎号、さまざまな中国語の文章がCD音声付きで収録されています。
(音声が付いていない文章もアリ)
内容は毎号微妙に違いますが、だいたい最初は
中国(たまに台湾)の文化に関連した文章
から始まります。
最近のものだと
- 大陸の中国語と台湾の中国語の違い
- 中国の祝日
- 中国における日本アニメの受容
などが収録されていました。
どれも日本人の中国語学習者にとっては新鮮で、非常に興味深い内容となっています。
また、その他には、生のニュースを元にした文章が収録されています。
基本的に『聴く中国語』のナレーターが吹き込んだものですが、毎号ひとつは中国国営放送局の実際の音声も収録されており、リアルな中国語を体感することもできるようになっています。
その他にも
- 日常会話定番フレーズ50
- 常用コロケーション40
- 「おもてなし」中国語会話
- 生のインタビュー音声
- 日本を紹介する文章
- 中国の歌
- 中華料理のレシピ的な教材
- 小説
など、盛りだくさんな内容になっています。
レベルはどのくらい?
さて、気になるレベルですが、率直に言うと難しめで、少なくとも
中国語学習を始めて1年未満の初心者にはこなせない
ので注意です。
しかし、
- 2000語程度の基礎単語を覚えている
- リスニング、リーディングは中国語検定3級合格以上の実力がある
という人で、
- 中検の2級・準1級を目指している
という人、つまり
初心者段階を抜けた人で、中~上級レベルを目指していきたい人にとってはピッタリのレベルになっています。
ただ、繰り返しになりますが、初心者段階の人は手を出さないのが無難です。
下記の記事で紹介しているような『ゼロからはじめる中国語』などを使い、基礎をまずは固めていった上で、『キクタン 中国語』などを使い、語彙を2000語程度まで増やしてから取り組むのをおすすめします。
この本を使うメリット
①月刊誌である
『聴く中国語』は月刊誌で、毎月新しいのが出ます。なので、量的には無限に学習が可能です。
たとえ1か月以内に1冊終わってしまったとしても、バックナンバーを買えばいくらでもおかわりができます。
どんなに良い参考書でも、普通1冊やってしまったらそれで終わり。おかわりが欲しいと思っても無理ですよね。
これはこのテキストを使う大きなメリットだといえます。
また逆に、買ったはいいけど全くやる気が出ず、放置してしまったという場合でも、次号から買い直せば、また新たな気持ちでスタートすることができます。
中途半端な状態で放り出してしまったテキストって、また勉強し始める気がなかなか起きないじゃないですか。
『聴く中国語』なら新たに買い直すことで再びフレッシュなスタートが切れるんです。
②飽きない
先ほども紹介しましたが、『聴く中国語』は内容がとにかく豊富です。
中国文化についての文章、ニュース、生のインタビュー、定番フレーズ&語彙強化、日本を紹介する文章、小説、中華料理の作り方、そして歌(本当に歌がCDに入ってます)。
こんなに内容が多種多様な教材は『聴く中国語』以外にはありません。
これだけ色々載っていると、勉強していて飽きが全然来ないんですよね。
勉強を楽しく継続できるんです。
ちなみに、これだけ内容が豊富ですが、それぞれの文章の量は長すぎず短すぎず、適切な量なので、ゴチャゴチャした感じが全くしません。
③知識も身に付く
『聴く中国語』では、中国の文化に関する内容が豊富に紹介されているので、これを使って勉強すると、リスニング力だけではなく、
背景知識も身に付けることができます。
特に今まで「こんにちは。お元気ですか?」「駅まではどうやって行けばいいですか?」などの日常会話しか勉強してこなかった人は、この教材を使うことで一気に中国語力を上げることができる可能性があります(マジです)。
おすすめの勉強法
①好きなところからやろう
「最初のページからコツコツやって、全部終わらせるぞ!」
と意気込んでやると挫折する可能性が大なので、
「好きなところだけ、自分ができる範囲でこなそう」
くらいの気持ちでやった方がいいです。
②まずは内容を確認
CDを聞く⇔スクリプトを見る
というのを繰り返しながら、一通り内容を理解しましょう。
その際、わからない単語は後で見てもわかるようにペンで印をつけておきましょう。
また、復習をしていく中でどうしても覚えられない語彙については、それ用にノートを作ってまとめておくのがおすすめです。
(参考:ぼくの実際の語彙ノート)
あまりキレイにノートにまとめようとしないのがコツです。
ノートにまとめるという行為は"勉強"ではなく"作業"です。
大事なのはこのあとこのノートを何回も見直すこと。
書き留めるのはささっと適当にやってしまいましょう。
③リピーティング→シャドーイング
内容の確認が終わったら、
- スクリプトを見ないで、音声をある程度の長さ(覚えていられるくらい)聞く
- 聞いた内容を自分の口で再現してみる
というトレーニングをこなしていきます。
これはリピーティングと呼ばれるトレーニング方法で、リスニング力向上にかなり有効です。
(参考記事:リピーティングの詳しいやり方)
余裕があれば、リピーティングをこなした音声を使ってシャドーイングもしていきましょう。
シャドーイングは音声を聞きながら数語遅れて自分の口で発声していくトレーニングで、これもリピーティング同様リスニング力アップに効果があります。
まとめ:誤植だけなんとかして欲しい
というわけで、中級者以上におすすめの中国語リスニング教材『聴く中国語』のレビューでした。
この本は、初級段階を抜け、実践的なレベルまで中国語力を高めていきたい人にとっては、現在出ているテキストの中で間違いなくベストな選択肢です。
「初心者レベルはなんとか抜けたっぽいけど、次に何をすればいいのかわからない!」
という人はぜひ取り組んでみてください。
あと、最後にひとつだけ微妙だなと思う点を書いておこうと思います。
このテキスト、ちょいちょい誤植があります。
ピンインが違ったり、CDの音声とテキストが微妙に違ったり、ということが毎号数か所見られ、めっちゃ気になります。
日本語と中国語がわかる編集者がしっかりと最後の見直しをしているのかな?
と疑問に思います。
ということで(?)、もしも関係者の方、この記事を見ていらっしゃったら、発売前の最終チェックをぼくに任せてくれませんか?笑
ご連絡お待ちしております。
(関連記事:『聴読中国語』も中級者以上におすすめです)