中国語はディクテーションで勉強しよう!得られる効果とおすすめのやり方まとめ。
ディクテーションとは、
音声を聞いて、話されている内容をそっくりそのまま自分の手で紙に書いていくトレーニング方法
のことです。
語学をある程度長く勉強されている方なら、ほとんどの人が少なくとも名前だけでも聞いたことがあるのではないでしょうか。
このディクテーションですが、語学学習法としてかなり有効で、やればめちゃくちゃ効果があります。
実際、語学のプロフェッショナルの方々の中にも、ディクテーションをすすめている人が多く存在するんです。
『同時通訳者の頭の中』という本で有名な関谷英里子氏も「ディクテーションが最強の学習法だ」というようなことを本で書いていたのを記憶しています。
あなたの英語勉強法がガラリと変わる 同時通訳者の頭の中 (祥伝社黄金文庫)
- 作者: 関谷英里子,須山奈津希
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2016/03/11
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この本も含め、英語の勉強方法として広く紹介されているのがディクテーションですが、中国語でも大きな効果があります。
いやむしろそれどころか、
中国語学習者こそディクテーションを集中的にやるべき
だと言えるほど効果があるんです。
というわけで今回は
- 中国語学習におけるディクテーションの効果
- 具体的なやり方
について書いていこうと思います。
リスニング力が大幅にアップする!
「リーディングは結構できるんだけど、リスニングが全然聞き取れない!」
という中国語学習者は、初~中級者を中心にかなり多いのではないでしょうか。
それもそのはずです。
私たち日本語ネイティブは漢字を知っているので、中国語のリーディングは知らない単語でも予想しながらある程度読み進めることができます。
しかし、リスニングに関してはそうはいきません。
中国語は難しい発音のオンパレード。単語同士も発音が似ているものが多く、ちょっと気を抜くと全くわからなくなってしまうのが中国語リスニングの恐ろしさです。
なので、我々日本語ネイティブの中国語学習者にとっては、
「漢字を見ればわかるけど、聞き取りができない」というギャップをいかに克服していくのか
つまり、中国語の単語(漢字)に対して
(例)中文
その読み方
zhong(1) wen(2)
をいかにセットで効率良く覚えていくのか、習得していくのかがキーになるわけです。
で、この点において非常に有効なのがディクテーションです。
ディクテーションでは、聞こえた音声を自分の手で紙に書いていくという行為を続けていくので、漢字に対して読み方がセットで深く記憶されるようになり、結果リスニング力が大幅にアップするんです。
紙に手で書かないとダメな理由
「う~ん、でも、紙にいちいち書くのってすごい手間だよね。効率悪いんじゃない?聞いて目で確認するだけじゃダメなの?」
と思う人もいるかもしれません。
鋭い指摘!
実はぼく自身もディクテーションを実際に試してみるまではずっとそう思っていました。
でも、ディクテーションを実践するようになってからは、
中国語は、自分の手で紙に漢字を書かないとダメだな
と思うようになりました。
音声を聞いて、それをスクリプトを使って目で確認するのだけでは、なかなか読み方を覚えることができません。
理由は、人間の脳はなるべく手抜きをするようにできているからです。
漢字を書かずに目で見て読むだけで勉強していると、脳は「目で見てなんとなくわかればいいんだ」と思い込み、深いレベルでその漢字を記憶しようとはしません。
日本語でも、"読めるけど書けと言われたら書けない漢字"が山のようにあると思いますがそれと原理は同じです。
ディクテーションでは、漢字を実際に紙に書かないといけないので、そのようなザックリとした手抜き暗記は一切通用しません。
詳しいやり方については後半で書きますが、
実際に手で書こうとするけど書けない
↓
正しい漢字を確認
↓
再び挑戦
というサイクルを続けることで、脳が「これはしっかりと覚えなければいけない情報なんだ」と(勝手に!)認識し、記憶に漢字と読み方がセットで深く刻まれるというわけです。
語彙力も強化される
紙に手で書くことによって、色々な気付きを得ることができます。
たとえば、異なる漢字同士で共通している部分です。
紙に書いていくことで、
「あ、この字のこの部分って、この漢字のここと同じじゃん!」
という発見を多く体験することになります。
これによって、よりガッチリと単語が記憶に刻まれると共に、自分の中で中国語の単語同士の横のつながり、言ってみれば中国語ネットワーク、いや中国語宇宙、中国語ユニバース(しつこい)が広がっていくんです。
(さあ、ディクテーションで中国語ユニバースを広げよう)
密度の濃い学習が可能
ディクテーションは、その行為自体とても大きな集中力を要するので、否が応でも集中せざるを得なくなります。
実際にちょっとやってみればすぐにわかると思いますが、聞いた中国語をすぐさま自分の手で書かないといけない、というのは予想以上に骨の折れるトレーニングです。
ただ、これはそれだけディクテーションというトレーニングが密度の濃い勉強方法であることを示しています。
よく「勉強になかなか集中できない」という悩みを抱えている学習者がいますが、そういう人はディクテーションをぜひ学習のひとつとして取り入れるべきです。
強制的に集中モードの自分を持っていくことができます。
具体的なやり方
区切って聞いて書き取る
紙やノートを用意したら、リスニング音声を少しずつ区切りながら書き取っていきましょう。
最初はかなりキツイと思いますが、頑張って食らい付いてみてください。
もし、音声が速すぎるという場合は、再生スピードを変えられるスマホアプリが無料でいくつか出ているので試してみてください。
ちなみにぼくは『Audipo』というのを使っています(気になる方はアプリストアで検索してみてください)。
「速くてムリ!」
という人でも0.5~0.7倍速に設定すればなんとかディクテーションができると思います。
3種類のマークを付けながら
下の写真を見てください。
これは、いまぼくが適当にやったディクテーションの紙です。
内容はどうでもいいんですが、注目していただきたいのが3種類のマークです。
まず、2文字目と、2行目の3文字目はアンダーラインが引いてあると思います。
これは、聞き取れて、頭になんとなく思い浮かぶけど全然書けない文字です
続いて、1行目の最後から2番目の文字「稿」に丸印がつけられていると思います。
これは、書けたけどイマイチ自信がない文字です。
最後に、3行目の2文字目が「?」になっていますが、これは聞き取れなかった部分です。
まとめると
アンダーライン・・・聞き取れたけど書けない
丸印・・・一応書けたけど自信がない
?・・・聞き取れなかった
となります。
マークなし(できたもの)と合わせて4種類。
このようにマークすることで答え合わせをした後にその時の出来が一目瞭然(←書けますか?w)になります。
答え合わせをする
書き終えたら、答え合わせをしていきます。
下の写真のように、書き取れなかった文字を赤ペンを使って書いていきましょう。
(赤ペンで書くと見やすい)
「稿」は自信がありませんでしたが合っていたようです。
答え合わせをしたら、自信のない漢字は2~3回その下に書いて練習しておくのを忘れないでください。
回数はあくまで目安です。
次ディクテーションしろと言われたら絶対にできる、という段階までやりましょう。小学生の時に漢字ドリルに漢字を何回も書かされましたね。そのノリです。
仕上げにもう1回
ここまでやったら、最後にもう一度同じ音声を聞いてディクテーションしてみてください。1回やった分、2回目はスムーズだと思います。
おすすめの教材は?
ディクテーションにおすすめの教材・・・ですが、基本的には
音声CD付きのテキストならなんでもオッケー
です。
もう使っているテキストがあればそれを使えば大丈夫です。
ただ、いわゆる教科書みたいな本よりは、問題集を使う方がおすすめです。
理由は、教科書的な本だと類似表現の連続になってしまう場合が多々あり、その分効率が落ちるからです。
さまざまな語彙が幅広くランダムに含まれる問題集形式のテキストの方が良いでしょう。
中でも個人的におすすめなのは中国語検定を想定した練習テキストです。
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中級者以上を目指したい方はこれと同シリーズの2級用がおすすめ。
このテキストはぼくもかなりやり込みましたが非常~~~に完成度が高いです。
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これより上のレベルの人に関しては、正直なんでもOKです。
好きなテキストの好きな部分をつまみ食いしていくスタイルでどんどんディクテーションしていきましょう。
まとめ
というわけで今回は中国語の勉強にはディクテーションがおすすめ!という話でした。
正直に言うと、ぼくは最初はディクテーションの効果については懐疑派だったんです。
が、強制的にディクテーションをやらされる機会があり(中国語検定本番ですw)、その時にその良さに気付きました。
ぼくは中国語よりも英語の方が学習歴は長いのですが、英語の勉強でほとんどディクテーションをしていなくて、それでもある程度のレベルになれたので中国語でも同じだろう・・・と軽視していた節があったんです。
やっぱり言語が違うと有効な勉強方法もまた違うんですね。。。
とにかく中国語学習にはディクテーションは必須です。
ぜひ学習に取り入れてみてください!
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