『街なかの中国語』のレビュー!留学前や中上級者におすすめのリスニング教材です。
どうも!トリリンガルブロガーのかずーいです。
普通に書店に売っている中国語教材に付いてるCDの音声って、プロのナレーターが標準の発音でキレイにゆっくり吹き込んだものがほとんどですよね?
もちろんこれはこれですごく練習になるのですが、実際にネイティブが話している中国語は、教材の音声よりも
- 圧倒的に速い
- 発音も不明瞭な部分がたくさんある
という特徴があります。
勉強を始めたばかりの時は普通の教材のみでいいんですが、だんだんと学習が進むにつれて、リアルな中国語を聞くトレーニングを取り入れるのも非常に大切になってきます。
・・・と言うと、
「留学しないとダメなのかな・・・?」
と思う方がいるかもしれませんが、留学だけがリアルな中国語を聞く手段ではありません。
リアルな中国語が収録された教材が日本で普通に手に入るんです。
『街なかの中国語』というテキストです。
このテキストがリアルな中国語のリスニング練習にめちゃくちゃおすすめなので、今回は本の内容や難易度を紹介していこうと思います。
どんなテキストなの?
『街なかの中国語』は、北京大学出版社の『原声汉语』という教材を日本の東方書店が日本語に訳し、編集し直したものです。
最大の特徴は、現地にいないと聞けないようなリアルな中国語の音声のみが収録されていることです。
全部で3冊のシリーズとなっていて、1冊目の『街なかの中国語 耳をすませてリスニングチャレンジ』では、
- ショッピング
- 銀行
- 緊急ダイヤル
- 病院
- 天気予報
などなど、実際に中国で生活する時に役立ちそうな会話が豊富に収録されています。
本書1ページに、
街頭録音ですので音質はよくありません。あらかじめご了承ください。
とあるように、周囲の音、たとえば外なら街のガヤガヤとした喧噪も一緒に録音されています。
「うわ・・・ムリ・・・」
と思った方もいるかもしれませんが笑、実はこれこそがこの教材の最大の魅力なんです。
リアル世界で実際に中国語を聞く場面を想定してみてください。
聞き取りの邪魔になるような音が何もなく、全くクリーンな状態で相手の話を聞ける場面の方が少なくないですか?
このテキストでリスニングをすると、実際の場面でのリスニング力がめちゃくちゃ上がっていくんです。
ぼく自身、このテキストを使って勉強し始めてから、リアルな中国語のリスニング力が大幅に上がったと実感しています。
続編も使える!!
Part2は『街なかの中国語 インタビュー・テレビ番組のリスニングにチャレンジ』。
街なかの中国語〈Part2〉インタビュー・テレビ番組のリスニングにチャレンジ!
- 作者: 孟国,井田綾,平野紀子
- 出版社/メーカー: 東方書店
- 発売日: 2013/09
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
音源は主に"中央電視台"の"東方時空"や"焦点訪談""実話実説"など視聴率の高かった番組のインタビューや談話等です。他にドラマや、インタビュー、実際のレクチャー等もあります。
(Part2 1ページより引用)
Part2は1冊目と比べると応用編という感じで、中国のテレビ番組の音声などがそのまま録音されています。
これが良いリスニングトレーニングになるんです。
「いや、そんなのネットでいくらでも見れるやんけ」
と思った方がいるかもしれませんが、実はそうでもないんです。
これが英語ならアメリカの番組がネットで見放題なんですが、中国にはネット規制があり、良い教材になりそうなテレビ番組・ネット番組を見つけるのがかなり難しいという現状があります。
それが日本語訳付きで入手できるなんて、本当にこの教材は貴重だなと思いますね。
ちなみに、Part3にあたる『街なかの中国語 話し手の意図・主張の聞き取りにチャレンジ』は、同じくテレビ番組の録音が中心で、こっちはPart2よりも難易度がさらに高くなっています。
街なかの中国語〈Part3〉話し手の意図・主張の聞き取りにチャレンジ
- 作者: 孟国,井田綾,平野紀子
- 出版社/メーカー: 東方書店
- 発売日: 2014/12
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
難易度・レベルは?
1冊目に関しては、日常生活+アルファくらいです。
最初は
你好 (こんにちは)
好久不见 (お久しぶりです)
といった超基礎レベルの確認から始まるのですが、後半に進むにつれてだんだんと難易度が上がっていきます。
ただ、難易度が上がっていくと言っても、基礎的なレベルの域は出ません。
単語や文法が難しくなるというよりは、
您是在这儿用,还是带走?
(店内でお召し上がりですか? お持ち帰りですか?)
のように、より日常感が増えて、このような表現に慣れていない人は難しく感じるかも・・・程度です。
中国語検定だと3級程度以上の実力があれば十分使いこなせるでしょう。
(中検3級の難易度って?という方は下記の記事もぜひお読みください。)
⇒中検3級のレベル・難易度はどのくらい?学習期間は?【中国語検定3級】
Part2,3は上級者向け!
Part2に関しては先ほども書きましたがテレビ番組のそのまま録音なので・・・はい、レベルは高いです。
ただ、録音されている部分は比較的聞き取りやすいところを抜粋している感があり、1~2年以上勉強されている方なら訳を読みながらなんとか食らい付いていけると思います。
ぼくは学習歴2年・中検2級レベルですが、何とかやっていけています。
Part3に関しては、Part2よりも難易度が上がるので、とりあえずは買わずに、Part2が終わった段階でおかわりが欲しくなったら追加でやるようにするのがおすすめですね。
(ぼくはPart3も買いましたけどね。)
こんな人におすすめ!
このテキストは次の2パターンのどちらかもしくは両方に当てはまる人におすすめです。
①留学前の人
「あと数ヶ月で留学・・・!」
みたいな人にはもってこいの教材ですね。
特に、初めて中国に行く場合は、今まで勉強してきた教材の中国語と、実際に中国人が話す中国語とのギャップのすごさに圧倒されたり、場合によっては、いきなりやる気をズタズタにクラッシュされる可能性があります。
『街なかの中国語』で現地のリアル中国語を聞きまくってから留学することで、そのギャップを少なくすることができ、スムーズに留学生活に入れるでしょう。
②リアルな中国語で練習してみたい中級者
ある程度普通の教材で勉強してきて、基本的なことはもう覚えたというレベル、具体的には
- 単語は1500以上覚えた!
- 文法も、簡単なものならわかる!
という水準に達している人は、このテキストを使うことで、
教材の音声からリアル音声へのスムーズな橋渡しが可能
になるでしょう。
リアル音声は、いずれは克服しなければいけない壁なので、もう基本はある程度できたと思ったらこのテキストに取り組んでしまうのが個人的にはおすすめです。
注意点
さて、かなり使えるこの『街なかの中国語』ですが、1つだけ注意点があります。
それは、
このテキストに収録されている内容は、中国、もっと言うと北京を中心とする北部~北東部の中国語ですよ!
ということです。
中国語は、話されている国や地域によって発音や使われている語彙に多少の・・・場合によってはかなりの違いがあります。
このテキストに収録されているのは中国の首都北京で話されている中国語だと考えてください。
とはいえ、同じ中国国内ならまだそこまで大きな違いはないので、別の地域、たとえば中国南部に留学や旅行に行きたいという人も安心して使って大丈夫です。
ただ、台湾で中国語を使いたいという人は少し考えたほうがいいかもしれません。
ここで先ほど引用したフレーズをもう一度思い出してみましょう。
您是在这儿用,还是带走?
(店内でお召し上がりですか? お持ち帰りですか?)
ファーストフード店でのよくある一言ですが、まず台湾では「这儿」という言い方はせずにただ「这」とか、この場合だと「这里」という言い方をします。
さらに、単語レベルで考えても、带走は台湾では一般的ではなく、
内用 (店内で食べる)
外带 (お持ち帰り)
という言い方をするのがほとんどです(ぼく自身の台湾旅行での経験調べなので自信は70パーくらい)。
なので、主に台湾で中国語を使う予定のある人については、このテキストは避けるか、このテキストを使うにしても(十分効果はあります)、何か別の方法でリアル台湾中国語を補てんするのがおすすめです。
方法としては、台湾のネット番組などを見たり(台湾はアクセス可能なネットコンテンツが豊富です)、あとは「17Live(イチナナ)」というライブ配信アプリを使って台湾人のネット放送を見るのもかなりおすすめです。
(参考記事)
まとめ
というわけで今回はおすすめテキスト『街なかの中国語』を紹介してみました。
リアルな中国語を聞ける教材は本当に貴重です。
教材の音声を卒業したい・・・という人はぜひ活用してみてください!
当ブログでは中国語の勉強方法について詳しく解説しています。
記事の一覧は下記のリンクから見ることができます!