日本人にとってチェコ語は難しいのか?簡単なのか?【難易度】
マルチリンガル系ブロガーのかずーい(@kazuui81)です。
「チェコ語の習得が日本人にとって簡単なのか?難しいのか?」について書いていこうと思うのですが、もういきなり結論から言ってしまうと、チェコ語は、
超超超超超ウルトラ級にハードモードぶち抜けて難しい
です。
・・・って、↑の日本語がかなり謎でしたすみません。
とにかくチェコ語はめちゃくちゃ難しいって話。ヤバイですよ。
今回は、必死に勉強してなんとか初級レベルを抜けた自分が、いろいろな角度から分析しながら、チェコ語の難易度について語っていこうと思います。
発音・アクセントは簡単
チェコ語は難しい・・・そう言いましたが、発音・アクセントについては難しくはありません。
ぼくは英語や中国語も勉強していますが、それらと比べると「かなり簡単」と言ってもいいくらいだと感じています。
大部分の単語のアクセントは最初の母音にあるので、英単語のようにひとつひとつの単語についてアクセントの位置を覚える必要はないんです。
また、発音についても、基本的な母音は"a,i,u,e,o"の5つ、と日本語と同じで、子音についてもほとんどが特別な訓練なしにノリで発音できちゃう音ばかりです。
さらにさらに、チェコ語は文字と発音が1対1で対応しているので、読み方の規則さえ覚えれば初見の単語でも発音できてしまいます。
↑はチェコ語の初級テキスト『ニューエクスプレス チェコ語』の13ページからの一部引用です。
単語が並んでいますが、なんとなくローマ字読みしてみてください。下のカタカナとほぼ一致するはずです。
発音とアクセントはどんな言語を始める上でも最初に克服しなければいけないことなので、そのハードルが低いのは学習者にとって朗報ですね。
文法がクレイジー
いちばんヤバいのは文法です。
チェコ語の文法はとにかく難しいです。ヤバイです。クレイジーです。
どう難しいのかというと、とにかく複雑でややこしいんです。
中学校の英語の授業で、「I,my,me,mine (アイマイミーマイン)」みたいな謎の呪文を唱えさせられたと思うんですが、あれよりも長~~~~~~いお経を延々と唱えさせされる感じです。
ちょっと見てみましょう。
↓はチェコ語の"アイマイミーマイン"です。
(『ニューエクスプレス チェコ語』より)
4×7段の表で、こういうヤバいやつが学習の初期段階で出てきます。
しかもこんなのはまだまだかわいい方で、これよりもややこしい表が、教科書のページを繰ってもページを繰っても最後までず~っと続きます。ひゃー!
なんでこうなっているのかというと、チェコ語は単語の変化形がとにかく多いからです。
詳しくここで解説すると216億文字くらいになってしまうのでやりませんが、動詞だけではなく、形容詞も名詞も助動詞も複雑に変化するというのがチェコ語文法の難しさです。
だって、固有名詞まで複雑に変化するんですよ。
春香さんをチェコ語で呼びかけたいとき(どんな時やねん)は、
「ハルカ!」
ではなく、
「ハルコ!」
になります。
日本人からするとめちゃくちゃ違和感ありますよね。
「ちょ、名前変えんなよ!」っていうw
文法学習はパスできない
「チェコ語の文法は難しいみたいだから、とりあえず簡単な会話からやろーっと^^」
・・・という作戦は通用しません。
チェコ語をしっかりと勉強したいなら、最初の段階で机にかじりついて文法と格闘しなければいけないのです。
中国語なんかは、文法学習を多少サボっても、単語をひたすら覚えてそれをなんとなくで並べれば結構いけちゃいます。
が、チェコ語の場合それはあり得ないんです。
変化、変化、変化、変化変化変化ーーーー!!!
がチェコ語なので、簡単な文章にしても文法がわかっていないと辞書も引くことすらできず(←元の形がわからないから)、完全にお手上げです。
語学学習の最大の敵は挫折なので、初期段階でややこしい文法学習をしなければいけないチェコ語は間違いなく最難関の部類に入るでしょう。
単語暗記も簡単ではない
文法学習がめちゃくちゃ難しいと言いました。
では、単語学習はどうか・・・?というと、これもまためちゃくちゃ難しいです。
理由は、英単語から類推できるものがほとんどないからです。
さきほどの画像をもう一度載せてみます。
この中で、英単語をヒントに覚えられるものがいくつあるのか検証してみます。
magnet (磁石)は英語と同じなので楽勝ですね。
mapa (地図)も英語の「マップ」に似ているのでこれもいけそうです。
guma (ゴム)も似てるのでいけそう。
でも、残りに関しては英単語からの類推はできず、ゼロからの丸暗記になります。
金曜日はチェコ語で「パーテック」です。英語で「フライデー」と言うのは、勉強していなくても誰でも知ってますよね。
こう考えると、チェコ語の単語学習はほとんど手掛かりなしの丸暗記が続くという意味でめちゃくちゃ難しいと言えます。
教材がない
チェコ語は学習者が少ない、いわゆる"マイナー言語"なので、教材も少ないんです。
もう、ほとんどないと言ってもいいレベル。少なすぎて話にならないです。
一応、ゼロから学ぶ初心者用の初級テキストとして『チェコ語の基本』と『ニューエクスプレス チェコ語』というかなり使える本が2冊出ていますが、
これ以上の難易度のテキストに関しては、ぼくが確認した限りちゃんとした使えそうなものは1、2冊しか出ていません。
じゃあオンライン教材はどうか・・・と調べてみましたが、これもちゃんとしたものはほとんどないです。
英語で勉強するしかない
初級段階を過ぎたら、英語で勉強するしかないです。
『中級チェコ語文法』という本にも書いてあったのですが、
本書を読み終わったら、さらに学ぶべきことは2つあります。引き続き語彙を増やすことと、文体の差を習得することです。この段階まで到達したら、日本語による解説はもうありません。
「日本語による解説はもうありません」
「マジで言ってる?」
・・・これがマジなんですよね。
ちなみに、辞書についてもチェコ語ー日本語辞書にパッとしたものはありません。オンライン辞書もイマイチです。
が、チェコ語ー英語のオンライン辞書は優秀なものがいくつもあります。
"bab.la"というオンライン辞書サービスをぼくは使っています。おすすめなので検索してみてください。
こんな感じで、英語なら教材の選択肢が一気に増えるのですが、そもそも英語ができないといけないという高いハードルがあるので、やはりチェコ語は難しいと言わざるを得ません。
「教材がないならチェコに留学しちゃえばいいんじゃね?」
と思った人もいるかもしれませんが、語学学校の授業もすべて英語です。
ロシア語をすでに知っている人は楽
ここまで、チェコ語の難しさをさんざんまくし立ててきましたが、ロシア語をすでに習得している人にとっては話は全く違ってきます。
チェコ語とロシア語は非常に似ているからです。
「私は知りません。」
Я не знаю (ヤ ニズナーユ)
Já neznám (ヤ ネズナーム)
「私は本を読みます。」
Я читаю книгу (ヤ チタユ クニグ)
Já čtu knihu (ヤ チュトゥ クニフ)
上がロシア語、下がチェコ語です。
文字は違いますが、カタカナを見ていただくとかなり似ているのがわかっていただけると思います。わかってください。
チェコ語の難しい文法事項も、ロシア語を知っている方ならサクサクでしょう。
まとめ:それが魅力だったりする
というわけで今回は日本人にとってチェコ語が難しいのか?について考えてみました。
結論めっちゃくちゃ難しいんですが、その複雑さが魅力だったりもします。
実際、ぼくは頭の中に1万ピースのジグソーパズルを完成させていくようなチェコ語の文法学習がたまらなく好きです。
教材が少ないことに関しても、逆に燃えてきます。
他の外国語と比べると難しいですが、その分やりがいも、できた時の達成感も大きいのがチェコ語だと思います。
さんざん難しいぞと脅してきてあれですが、ぜひ挑戦してみてください^^
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