なぜ英語ができるようにならないのか?英語力が伸び悩んでいる人が意識すべき3つのこと。
勉強してるのに英語ができるようにならない!
英語ができるようになるためにはさまざまな要因があります。
たとえば睡眠。これは英語に限ったことではないんですが、学習したことを長く残る記憶として脳に定着させるには、良質な睡眠が必要です。夜の10時から夜中の2時までを含んだ6~8時間程度の睡眠がベストだというのはよく言われることですね。
他にも、朝起きた直後と寝る前に単語を覚えると記憶に定着しやすいなど、学習のためのコツは色々とありますが、今回はその中でも、具体的な学習方法に着目して、英語力がうまく伸びていない人にありがちな3つのことを紹介しようと思います。
アウトプットが足りていない
英語力は大きく分けてリーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの4つの技能に分けることができます。
これらはさらに、
リーディングとリスニング→パッシブ(受動的)な技能
スピーキングとライティング→アクティブ(能動的)な技能
の2つに分けられます。
つまり、前者は書いてあるものを読んだり、流れてくる英語を聞くだけという受身の経験で、後者は自分で英語を作り出すというアクティブな経験というわけです。
これらはどちらも大事で、どちらか片方が欠けたら学習効果が落ちてしまいます。
しかし、英語学習者は後者の方を意識して、より集中して学習する必要があります。つまり、英語を話したり、書いたりすることに多くの力を入れるべきなのです。
これはなぜかというと、日本人の英語学習者にとって、スピーキングやライティングの学習は不足しがちだからです。
日本にいる限り、仕事などで接する機会がないと自分から英語を普段使うということはあまりないでしょうし、自分で勉強するにも、リーディングなどの勉強に比べると、スピーキングやライティングなど、アクティブな学習は疲れるのでやる気がなかなか起きないんです。
これは逆に考えると、受身の勉強ばかりに集中しすぎてしまっていて英語力が伸び悩んでいる人がスピーキングのトレーニングをすると、急激に英語ができるようになってしまう可能性があるということです。
ぼくはこのケースは非常に多いと思っています。かつてのぼく自身も実はそうでした。
このパターンは、高校受験や大学受験で英語をがんばってやった経験がある人に多いんですよ。いわゆる"受験英語"では、リーディングの割合が9割以上の場合が多いので、なかなか英語が使えるようにならないんですね。
ただし、徹底的なリーディングのトレーニングによって、英語の基礎力はちゃんと蓄積されているんです。こういう人がスピーキングなどのアウトプットを中心としたトレーニングをやると、あっという間に英語ができてしまう場合があります。
さて、日本にいてなかなか英語を話す機会が得られないわたしたちがどうやってアウトプット中心のトレーニングをすればよいのでしょうか。ここでは3つの方法を紹介しようと思います。
オンライン英会話
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- 出版社/メーカー: 国際語学社
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最近めちゃめちゃ流行ってるオンライン英会話です。
スカイプを使ったものが多いですね。フィリピンや東ヨーロッパ出身のノンネイティブスピーカーの講師を相手にしたオンライン英会話を選べば、1回30分のレッスンあたり数百円という価格で受けられます。
日本人の先生から教わる時と違い、日本語を使えなくなるので、嫌でも授業中ずっとアウトプットし続けることになるのでかなり有効です。
オンライン英会話について詳しく書いたエントリーを下に載せておきます。
ぼく自身は、数年前にキャンペーンをやっていたときにDMM英会話 をやり、英語力が上がり、ノンネイティブ講師との英会話が物足りなくなったときにitalki というサービスを使いました。
瞬間英作文
もうひとつ、アウトプットの力をアップさせるのにおすすめの方法は瞬間英作文です。
この「瞬間英作文」とは、文字通り、日本語の文を瞬時に英語に変換するトレーニングです。
これは、日本語をヒントにはするものの、英文を自分の頭で作ってそれを発信するという点ではスピーキングとやっていることはほとんど同じで、実際このトレーニングをすることによって、かなり英語が話せるようになります。
瞬間英作文におすすめの本を1冊紹介しておきます。
どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)
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詳しいやり方を書いたエントリーも載せておきます。
意識するだけ
オンライン英会話、瞬間英作文と紹介してきましたが、アウトプットに特化した教材を使わなくても、スピーキング力を上げる方法があります。
それは、普段からアウトプットを意識して英語を勉強すること。英単語を覚えていようが、リスニングの勉強をしていようが、ただ意識するだけでアウトプットの力は鍛えることができるんです。
具体的に説明しましょう。たとえば英単語帳を使って単語を勉強しているとします。
ただ単語を見て日本語の意味を覚えるだけではインプットのみの勉強になってしまいます。
もちろん、英単語帳を使った勉強はインプットを目的としているのでそれでいいのですが、たまに、単語帳に載っている例文を、実際に自分がその英文を使っているのを想像しながら発話してみるのです。
例文が載っていないタイプの単語集だった場合、簡単な英文を自分で作ってみるのでも良いでしょう。これをすることで、アウトプット力が鍛えられ、スピーキングの練習になります。
たとえばリスニングの勉強をしているときもそうです。ただ聞いて、意味を調べて、また聞く、というような勉強法もいいのですが、たまに聞きとれることのできた英文を自分の口で繰り返してみましょう。このときも、先ほど言った"実際に使っている感じ"というのを意識するのを忘れないで下さい。
ものすごく細かいことのように思われるかもしれませんが、この"実際に発話している感じを持つ"というのは本当に大事なんです。
この感覚を持って発話しているかによって、スピーキング力に大きな差が出てしまうんですよ。
アウトプットを意識しているといつもより勉強していて疲れるのがわかると思います。これはこのトレーニングが有効である証拠で、実際、アウトプットを意識して勉強できない理由は疲れるからというのが大きいとぼくは思っています。
なお、単語集の例文や、瞬間英作文の教材でっはいまいち状況をイメージして発話練習をすることができないという人は、イラストと例文がセットになった本を使ってトレーニングするとアウトプットが意識しやすいです。『絵で見てパッと言う英会話トレーニング』シリーズは使いやすくておすすめですね。
絵で見てパッと言う英会話トレーニング 基礎編 (語学書 単品)
- 作者: Nobu Yamada
- 出版社/メーカー: 学習研究社
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単語を覚えていない
続いて英語力が伸びない人にありがちな理由2つ目に移りましょう。
これは単語を覚えるという作業をおこたっているパターンです。語学学習において、語彙の習得というのは大きな割合を占めています。英文は言ってみればひとつひとつの単語の集合。単語の意味を知らないと何も始まらないわけです。
英語学習に関するQ&Aなどをネットで見ていても、「TOEICを受けたんですけど、単語がわかりませんでした。どうすればいいですか。」というような質問を多く見ます。これについては、「覚えるしかないですね」としか言いようがないんです。
では、なぜ単語学習をサボってしまう人が多いのかというと、これはずばり、つまんないからですね笑。
リーディングやリスニングの勉強なら、学習が進むにつれて、読めるようになった!聞けるようになった!といった喜びがあって勉強するモチベーションになるのですが、単語は覚えたからといってそれ自体に喜びがなく(本当は単語覚えるのもめちゃくちゃ面白いのですが、それはかなり語彙が増えてからの話なんですよねぇ・・・)、ゴールも見えてこないからとにかく退屈なんですよ。
そんなつまらない単語学習なんですが、なんとかやっていくためのコツ、のようなものを紹介したいと思います。
単語を覚えるといいことがある!
岩波新書から出ている『外国語上達法』という本に、ヒントが書いてありました。
単語を覚えるという努力を着実に続けられる人は、ひとたびこの困難を乗り越えたときの楽しみを知っているか、それを想像できる人である。一つの外国語をモノにした人は次の外国語の習得でも成功率が高いことが、その一証拠といえよう。(千野栄一著『外国語上達法』49-50ページ)
「なんだこんなことか、聞いて損したわ」と思うかもしれませんが笑、とにかく、単語を覚えると英語ができるようになるという事実を燃料にして単語を覚えるのです。
単語を覚えることは退屈な過程ですが、その先には絶対に「収穫の時期」が待っています。それを意識することは少しでもモチベーションアップになるはずです。
単語は裏切らない
もうひとつ注目しておきたい事実は、「単語は絶対に裏切らない」ということです。
これはどういうことかというと、たとえば英文を読んだり、リスニングのトレーニングというのは、なかなか成果を実感することができません。
それに対して、単語学習というのは、ひとつ単語を覚えたら、それは確実に一歩前進したということになります。
これが単語学習の特殊なところです。単語を覚えるのがつまらないと感じている人は、たった1つでも新しい英単語を覚えたら「よし!一歩進んだぞ!」と思うようにすると、モチベーションが継続されやすいと思います。
今回の記事でぼくがいちばんの強調したいのはここなんです。ひどいスランプに陥っているという状況でも、単語をひとつ覚えたらそれは成長です。
負荷が足りない
ラスト3つ目は"負荷が足りていない"パターン。自分がすでにわかっていることばかりやっている人が陥ってしまいがちなパターンです。
たとえば取り組んでいる教材の9割がすでに自分が知っていることだった場合、知らないこと1割を習得するためにその教材に取り組むことになります。これは圧倒的に効率が悪い。
ずばり言ってしまうと、自分の身の丈に合った教材を選ぶというようなことは考えないで下さい。
感覚的には、自分がギリギリやっとついていけるくらいの教材を使って英語の学習をするのが一番伸びます。
ただし、基礎的なことも同時にやるのを忘れないでください。
自分がやっとついていけるくらいのチャレンジングな教材をメインにしつつ、先ほど紹介した瞬間英作文のような基礎トレーニングもやるのが理想です。
何回も復習した単語をもう一回見直すとか、TOEIC高得点習得者ならTOEICの問題でも良いでしょう。
整理すると、自分の実力ジャストの教材だけを消化していても効率が悪く、英語力が伸びないので、負荷の大きい教材+基礎の基礎というセットで学習するのがベストということです。
まとめ
今回は勉強しているのに英語ができるようにならないという人にありえることについて考えてみました。
もしも英語を勉強しているけれどもスランプに陥ってしまっているという人がいましたら、これらのことができているのか、自分の学習方法と照らし合わせて考えてみると突破口が見えてくるかもしれません。
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