ロシア語をゼロから勉強する初心者におすすめの参考書・本を紹介します!
ロシア語の教材少なすぎ!
ロシア語の参考書って本当に少ないですよね。
本屋に行っても、英語の参考書はたいてい専用のコーナーが大きく設置されているのに対して、ロシア語の参考書はもはや「あるだけラッキー」という感じです。
そんなまだまだ発展途上のロシア語参考書ですが、今回は、その少ないロシア語参考書の中でも、全くの初心者がロシア語をゼロから独学で始めようと思ったときに、おすすめの本を紹介していきたいと思います。
この記事では
- 単語を覚える
- 文法を学習する
- 辞書
- その他参考書(会話テキスト等)
の4つのカテゴリーごとにおすすめのテキストを紹介しています。
「ロシア語の勉強をはじめてみたいな」と思っている人はぜひ参考にしてみてください!
①単語を覚える
ロシア語の単語学習は他の外国語と比べても難易度が高いという特徴があります。
というのも、ロシア語は、フランス語やドイツ語を勉強する時とは違い、英語からの語彙の類推がほとんどできないからです。
なので、ほとんど何の手がかりもなく単語を覚えていくことになります。
ロシア語の単語学習はとにかく挫折しやすいので、単語帳選びは最重要だと考えてください。
とは言ってもやはり選択肢は少ないのですが、ここではその中でも厳選したおすすめの単語教材を2冊紹介していきます。
まずはこの2冊のうちどちらか1冊を選び、頑張って覚えていきましょう。
これなら覚えられる! ロシア語単語帳
- 作者: 柳町裕子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2011/03/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 1回
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まずはこの『これなら覚えられる! ロシア語単語帳』。
収録単語数は超初心者レベル~の約1600語。
ロシア語の語彙が全くのゼロの状態の人向きで、本当に基本的な単語から収録されています。
ロシア語初心者がいちばん最初に買う単語集としては基本的にこれをおすすめします。
この本はレイアウトがかなり見やすいという特徴があります。
1ページに載っている単語は約4~6単語程度。これが非常に見やすい。
また、付属しているCDのクオリティーも高いです。
早すぎず、ゆっくりすぎず、ちょうどいいスピードで録音されています。
録音が男性の声と女性の声両方でされていて、しかも音声がかなりきれいです。これはうれしい。
ロシア語学習の魅力のひとつは、なんといってもそのきれいな音声体系に触れられること。CDの録音はきれいな声で録音されているものを選ぶべきなんです。
この単語集は本当におすすめ。教材が少ないロシア語の中では貴重な存在ですね。
キクタン ロシア語【入門編】
- 作者: 猪塚元
- 出版社/メーカー: アルク
- 発売日: 2014/12/29
- メディア: 単行本
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英単語集で有名な『キクタン』シリーズですが、ロシア語バージョンも発売されています。
- シンプルなレイアウト
- リズムに合わせて録音され、覚えやすくなっているCD
といったキクタンの特徴をそのまま引き継いでいてかなり使いやすいです。
ただ、この単語集の特徴は収録単語数が少ないのでそこだけ注意です。
収録されているのは約550語の基本単語のみになります。
なので、1冊で基本単語をすべて押さえたいという人はひとつ前で紹介した単語集を使いましょう。
ただ、逆に「1600語ではちょっとボリュームが多すぎる」という人や、「まずは気軽にロシア語の勉強を始めてみたいな」という人はこの『キクタン』から始めてみるのがおすすめです。
②文法を学習する
NHK 新ロシア語入門
- 作者: 佐藤純一
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2001/03
- メディア: 単行本
- 購入: 6人 クリック: 42回
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1994年に発売されて以来、多くのロシア語学習者に絶大な支持を受け続けているのがこの『NHK 新ロシア語入門』。
ぼくもこの参考書をメインとして使っていますが、しっかりとロシア語の文法の基礎を学びたいという人はこれを買っておいて間違いないです。
内容は、それぞれの課ごとに短いスキットとその右に日本語訳、右下に新出単語、次のページが文法の解説+練習問題、といういたってオーソドックスな参考書となっています。
このきわめてオーソドックスな教科書、というのも参考書の少ないロシア語では貴重な存在なんですね。
ただ、ネットでの評価を見ていると、「難しくて入門向けではない」という意見をよく見ます。
これについては、ぼくは人によると思います。
ぼくはこの本からいきなり入っても問題なかったんですが、確かに専門的な用語を結構使っていますし、外国語学習自体に慣れていない人にはちょっとチャレンジングかもしれません。
そんな人はこの本をやる前に『ニューエクスプレス ロシア語』や、もっと軽いものでいくと『ロシア語のしくみ』でロシア語自体に軽く慣れてからこの本に取り組むとうまく接続できると思います。
- 作者: 黒田龍之助
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 19回
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- 作者: 黒田龍之助
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2014/06/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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難しいという意見はあるものの、素晴らしい教科書で、今後も売れ続けていくでしょうね。
初級ロシア語文法
- 作者: 黒田龍之助
- 出版社/メーカー: 三修社
- 発売日: 2012/01/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 4回
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ひとつ前に紹介したものと比べるとわりと最近出た参考書です。
語学好きの中では有名な黒田龍之助氏の著作。ロシア語の初級文法について一通り学べる本です。
この本の特徴は、なんといっても説明が詳しいことでしょう。
複雑で難しいと言われるロシア語の文法が、誰でもわかるようにこれでもかというくらいに詳しく説明されています。
ロシア語ができるようになりたいけれど、本格的な参考書はハードルが高いと感じる人には、この本も選択肢のひとつに入るでしょう。
ただし、人によっては説明が冗長すぎると感じるかもしれないので注意です。
説明が長いと、ポイントをすぐに見つけることができないので、復習にも向いていません。なので、この本を使う人は、1回か2回、多くても3回通読しておしまい、復習や文法事項の参照についてはほかの本を使うというのが使い方としてはベストでしょう。
NHK出版 これならわかる ロシア語文法
- 作者: 匹田剛
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2016/02/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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こちらはつい最近発売されたロシア語参考書。これ、かなりおすすめです。NHK出版、本気を出したな、という感じですね。
この本は高い網羅性が特徴。ロシア語の文法事項について、実用上必要とされるものについてはほぼ全範囲網羅されています。
しかも、その高い網羅性にもかかわらず、説明が比較的丁寧でわかりやすいです。
ただ文法事項をまとめただけの百科辞典のようにはなっていません。そこのバランスが絶妙。
1点だけ注意することといえば、練習問題がついていないことと、掲載されている例文が少ないことでしょう。
なので、この本はメインの参考書とは別に用意しておいて、わからないことがあったときにその箇所だけを参照するというのが基本的な使い方になります。
索引についても、日本語とロシア語の両方が載っており、非常に参照しやすいです。
「なんでも載っている心強い味方」として、ロシア語学習者はぜひ手元に持っておきたい1冊ですね。
まだ出たばっかりの参考書ですが、ロシア語学習のスタンダードを大きく変えていくポテンシャルを秘めていると思います。著者の方に全力で感謝したいですね。
③辞書
まず、初心者の段階では、基本的に辞書は必要ありません。
文法テキストに載っている単語を完璧に覚えることを最優先にして勉強してください。
ただ、『パスポート初級露和辞典』だけは絶対に手元に置いておかなければいけません。
めちゃくちゃおすすめの露和辞典です。
この辞書には初級~中級のロシア語単語7000語と、2000の和露インデックスが収録されています。
どうしてもわからない単語があったら引いて意味を調べる、という使い方はもちろんですが、この辞書は単語帳のように読んで覚えるのも大事です。
学習の初期段階では、パラパラとめくって赤で印刷されている重要語を拾っていきましょう。
慣れたらどんどん読んでいってください。
この辞書をマスターすれば、上級段階への基礎が出来上がります。
④その他の参考書
日常ロシア語会話ネイティブ表現
- 作者: 大山麻稀子,須藤アレキサンドラ,徳永晴美
- 出版社/メーカー: 語研
- 発売日: 2015/12/03
- メディア: 単行本
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ある程度単語を覚え、文法事項も頭に入ってきたら、会話表現を専門に扱ったテキストを使い、くだけた会話にも対応できるようにしていきましょう。
そんな段階でいちばんおすすめなのがこの『日常ロシア語会話ネイティブ表現』。
これはロシア語に限らず思うことなんですが、会話表現を扱った参考書って、掲載されている文が多すぎるんですよ。あれでは挫折してしまいます。
それに対して、この本は約400の厳選された会話を収録しており、何から覚えればいいのかわからない初心者でも的を絞って効率的に学習できるようになっています。
会話についてはテキストで学ぶのはこの1冊だけに絞り、あとは映画やドラマ、露会話などで補充していけばいいでしょう。
耳が喜ぶロシア語
- 作者: 藻利佳彦,バソヴァオリガ,山内真,吉見薫
- 出版社/メーカー: 三修社
- 発売日: 2013/08/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『耳が喜ぶ~』シリーズのロシア語版。
学習がある程度進んできて、ロシア語を実際に読んだり聞いたりする実践的なトレーニングをしたいが、何からやっていいのかわからないという場合にはまずこれから始めるといいかもしれません。
まとめ
というわけで今回は、全くの初心者がロシア語を独学するときにおすすめの参考書についてまとめてみました。
この記事の最初でロシア語の参考書が少なすぎると言いました。確かにそうなんですが、ちゃんと選べばこのようないいものもあります。
ただ、問題なのが発音学習なんですよね。
ロシア語には、発音を体系的に勉強できる参考書が(ぼくが観察する範囲では)ありません。いや、あることはあるんですが、ガチすぎるというか、ロシア語発音概観みたいなのしかないんですよ。
なので、現時点ではロシア語の発音は文法の本の最初の方に短くまとめられているところを参照して学習したり、あとはネットで探して学習するしかないんですよね・・・。
先程も述べましたが、ロシア語の学習って、そのきれいな発音が大きな魅力なんです。ぼくも音がきれいでかっこいいからという理由でロシア語やってるようなものですからね。
そんなわけで発音についての学習法はまだ模索中です。良い参考書が今後出るのに期待します。
(追記:発音の練習ができる良い感じの参考書がとうとう出ました!かなりおすすめです!)
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