中検2級の難易度・レベルはどのくらい?必要な勉強期間は?【中国語検定2級】
中~上級レベルの多くの中国語学習者の目標となる試験が中検2級(中国語検定試験2級)です。
中検2級は
- 2年(3年)留学した人が受ける試験
- 大学で中国語を専攻している人が在学中に取りたい資格
- ビジネスで中国語が使えることの証明
などなど、レベルについては色々言われています。
また、公式HPの"出題内容"によると、中検2級のレベルは、
実務能力の基礎づくり完成の保証
複文を含むやや高度な中国語の文章を読み,3級程度の文章を書くことができること。
日常的な話題での会話が行えること。
熟語・慣用句の意味,語句の解釈,500字程度の中国語の文章の部分訳,30字程度の単文の中国語訳。(公式HPより一部引用)
だそうですが、正直言って
これを見てもピンと来なくないですか?
というわけで今回は、全く歯が立たない実力の時から2回連続で受験して不合格、猛勉強の末に3回目でやっと合格したぼくが、その勉強を通じての実感を含めて、中検2級のレベルについて詳しく書いていこうと思います。
必要な単語数は?
最も難易度の低い準4級、その上の4級、3級では
「だいたい~個くらい単語がわかればクリアできますよ」
という単語数の基準がHPに載っているんですが、2級については単語数が具体的に示されていません。
これは、「2級になったら単語数の制限はナシ!」ということですが、ぼくの体感としては、
アルクから出ている単語集『キクタン中国語』の『中級編』までを8割程度覚えていれば、試験に出てくるほとんどの単語はわかる
と言って大丈夫くらいです。
これは、具体的には2500~3000語です。
ただ、これに加え、2級では中級レベルを大きく超えた熟語表現・慣用句が出題されることがあるので、そこまでカバーしようと思ったら
4000単語覚えて高得点合格
がひとつの目安になると思います。
これはかなりの数ですよ。
単純に考えて、1日8個単語覚えたとして1年半弱もかかります。
(もちろん、これは本当に単純に考えて適当に計算しただけですが)
ちなみに、2級では教科書に出てくるような単語の他にも、日常でしか使われないような単語も出題されます。
ぼくが合格した時の第93回のテストでは、
麦当劳
という単語がリスニングの長文で出題されました。
これは「マクドナルド」の意味です。わかりましたか?
実際に現地に行ったことのある人なら100%知っていますが、教科書だけで勉強している人はわからない人がかなり多いでしょう。
とまあこのように、2級で出題される単語数レベルは一応2500~4000が目安ですが、語彙のレベルも幅広いので「色々な分野にアンテナを張って単語暗記を進めているのか」も合否に関わってくるでしょう。
ミスができない!
ひとつ前で幅広い語彙が要求されると書きましたが、よく使われる語彙数千語をしっかりと押さえていれば、ほとんどの問題には対処できます。
ただ、ここでひとつの難関が立ちふさがります。
それは、
合格ラインの高さ
です。
中検2級は、リスニング・筆記の2部に分かれていますが、どちらも7割以上得点しないと合格できません。
7割ですよ7割。めちゃめちゃ高くないですか?
特にリスニングは1問5点で計20問の構成なので、20問中7問落としたらもう終わりです。
これはもはや、点を取るというよりは「いかにミスをしないか」という感覚です。
平均点は高いけど・・・
中検2級の平均点は、リスニング(100点満点)、筆記(100点満点)それぞれどちらも毎回55点~65点くらいに収まります。
合格ラインが70点だと考えると、これはかなり高いと言えますよね?
しかし!
2級の合格率は毎回20~30%くらいと低く、特に厳しい時は合格率10%台なんて時もあります。
これには色々な見方があると思いますが、少なくともひとつ言えるのが、
ギリギリで落ちている人がすごく多い!
ということです。
これは、合格ラインが高いのがひとつの大きな原因でしょう。
7割という高い合格基準のために、あと1歩届かず。。。そういう人が多いんです。
実際、ぼくも1回目はリスニングあと6問、2回目受けたときはあとリスニングあと1問のところで不合格でした。
(詳しくはこちらの不合格体験記をぜひ)
このように、中検2級は高い合格ラインを考えると非常に難しいテストだと言えますね。
リスニングは簡単!?
ここからは、リスニング、筆記と順番にみていきます。
まず、リスニングですが、問題自体はそこまで難しくはありません。
ちょっと実際に出題されたリスニングの原稿を紹介してみます。
A:都是多年老朋友了,你看你说这样的话真不应该!B:说话人是什么意思?(第93回2級一番最初の問題。公式HPより一部引用)
出題されるのはこのような比較的単純な文です。
後半では長文のリスニングが出題されますが、長文の内容を見てみると、複雑でわかりにくい文はなく、単純な文で構成されているのがわかります。
しかも、スピードもかなりゆっくりです。
留学経験者にとっては遅すぎて逆に聞き取りにくいと感じるかもしれないレベルです。
なので、有名どころで言えば『聴読中国語』や『本気で学ぶ中国語』など、中級程度のリスニング教材を使って勉強を継続している人なら解答に困ることはほとんどないでしょう。
ただ、ひとつ前でも書いた通り、合格ラインが高く、7問落としたら終了なので、気を付けてください。集中を欠いてうっかりミスをするとあっという間に7問くらいぶっ飛んでいくので笑。
筆記の難易度は?
続いて筆記です。
筆記では
- 長文問題
- 正しい文を選ぶ問題
- 語彙・文法問題
- 和訳・中訳
- 中国語作文
など、幅広く出題されます。
語彙を3000~4000語習得している人や、2年以上の留学経験がある人など、中級レベルを超えている人なら、長文や語彙問題の問題文は難なく意味が取れるでしょう。
しかし、問題の選択肢が結構ややこしく、
ひっかけ問題
も多く出題されるので、中級者以上でも
「あれ、問題文が読めるけど正解がわからない!」
という事態に陥りがちなので注意です。
参考までに第93回の問題から1問だけ紹介してみます。
(8) 我从来没想到要做这种生意。
①买卖 ②游戏 ③工作 ④生活
下線の単語に最も近い単語を選択する問題。正解は①です。
繰り返しますが、中級者以上でも普通に間違えるので注意です。
もし自信がなければ、これを良い機会だと思ってみっちり対策してから受験するのが良いでしょう。
『中国語検定2級 トレーニングブック 筆記問題編』などの、中検2級の筆記に特化した問題集をやり込むのがおすすめです。
時間は余裕アリ
なかなか骨のある問題が揃っている筆記試験ですが、試験時間に関してはかなり余裕があるので、時間的には難易度は低いと考えてOKでしょう。
他の試験、たとえば英語の資格試験であるTOEICなどは、とにかく時間がなく、全部解き切るためにはかなりのスピードでガシガシ読み進めていく必要があるんですが、中検2級に関しては、ゆっくりめに読んだとしても見直しができるくらいの余裕があります。
漢字が書けるのかがカギ
筆記の最後の大問では日本語の文を中国語に訳す問題が出題されます。
問題の難易度自体は難しくありませんが、自分の手で中国語(つまり漢字)が書けないと減点もしくは点がもらえなかったりします。
漢字、書けますか??
普段から漢字を書いていない人にとっては難易度が高い試験になります。2級を受ける人は書けない漢字をなるべくなくす努力を普段からしておきましょう。
勉強期間はどのくらいかかる?
さて、勉強期間ですが、まず、ぼく自身は、合格するまでに
約2年半
かかりました。
これは、全く中国語を知らない状態から考えての期間です。
ちなみに、1日の勉強時間は1~2時間程度です。
ただ、ぼくの場合は毎日勉強したので、もっと学習頻度が少ない人、
たとえば大学で週2回の授業を受けている人なら3年生のうちに合格したらすごい、4年生が終わるまでにはぜひ取りたい・・・くらいですね。
全く中国語がわからない状態から独学でやる場合は、
3年以内
がひとつの目安になるでしょう。
ぼくは2年半で結構早かったと思いますが、もっと学習時間を割ける人であれば2年以内、1年半くらいでの合格も十分可能だと思います。
まとめ:過去問をチェックしてみよう
というわけで今回は中検2級の難易度について、色々な角度から考えてみました。
ごちゃごちゃ書きましたが、ざっくり言うと中級段階が終わり、上級者への入り口に立つ・・・くらいのレベルですね。
あと、中検2級を受験してみよう!と思った人は、その段階でまず過去問を解いてみて難易度を体感してみるのもいいでしょう。
公式HPからも過去問を閲覧できますが、その場合は解答解説がないので、本屋で売っているものを買うのがベストでしょう。
過去問は何種類か出ていますが、レイアウト・解説の質を考えると個人的に最もおすすめなのは白帝社から出ているものです。
また、過去問を解く以外にも、
とりあえず対策なしで実際に受験してみる
のも難易度を知るためにはおすすめです。
ぶちのめされる可能性は高いと思いますが笑、とりあえず受けてみて対策、受けてみて対策、受けてみて・・・のループが最も効率の良い勉強法だと思います。
合格を祈っています。
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