メンタリストDaiGoの『英語勉強法』をペラペラの俺がぶった斬るつもりだった【レビュー】
メンタリストDaiGoの『科学的に正しい英語勉強法』という本が売れているようです。
ぼくは普段から複数の本屋の英語参考書コーナーに行くのですが、どこに行ってもこの本は平積みになっていたり、棚の目立つところに置かれていたので、以前から気になっていました。
ただ、書店で何回見ても手に取る気すら起きなかったんですw
まず、メンタリストDaiGoってお前誰やねんってのがそもそもありますし、少なくとも英語の人ではないでしょっていうのが自分の中であって、どうせただの中身の薄いファンブックだろうと決めつけていたのが理由です。
ただ、何か月経ってもずっと本屋の平積みからは消えないし、実際、ずっと売れているみたいなので、語学ブロガーとしてこれは無視できないなと思い、
買ってきました。はい。
今回は、この『科学的に正しい英語勉強法』("正しい"とか言ってるとこがもう腹立つ!w)を英語ペラペラのぼくが辛口レビューしていこうと思います。
英語ができない理由は何??
この本の最初の章では、英語力うんぬんは置いておいて、まず日本人はメンタル面、マインドの部分が大きな原因となって英語が話せない人が多い、という話が展開されます。
DaiGo氏がまず最初に挙げるのは、「自信のなさ」です。
「どうせ自分には無理だから」
「失敗したら恥ずかしい」
などと思って逃げてしまうから。つまり自信のなさのせいなのです。
(中略)
自信を持って英会話にチャレンジすることは、たとえ失敗したとしても、いや、むしろ失敗するからこそ、最短距離での上達につながります。
(21,22ページより一部引用)
これ、ほんとーによくわかります。その通り。
日本以外の国出身の人と比べて、日本人の学習者は失敗に対する恐怖心が強く、それが英語上達の妨げになっているなとぼくも自分自身の経験から感じます。
むしろ失敗するからこそ、最短距離での上達につながります。
という部分は本当に良い言葉。
英会話って、失敗しないと上達しないんですよね。
最も上達のスピードが速い人は、失敗を恐れずに、積極的にどんどん英語を使って、失敗しまくっている人です。
リアルに失敗して学んだことというのは記憶にも残りやすいですからね。
また、DaiGo氏は、コンプレックスが強いのも日本人が英語ができない大きな理由だと指摘します。
日本人に特徴的なのが「英語ができなくて恥ずかしい」「英語が下手で申し訳ない」というコンプレックスです。
(32ページより)
DaiGo氏はこうなってしまう原因について、失敗すると注意され、みんなに笑われる学校教育のせいなのかもしれない、と書いています。
これも全く同意見です。
以前「受験英語の弊害」について記事を書きましたが、
この記事では「ミスがあっても伝わる英語をまずは目指すべきなので、ミスをいちいち指摘する教育は良くない」的なことを述べました。
・・・・・って!
って!!!!!
てっててて!!
めっちゃ良いこと書いてありますやんこの本。
ぶった斬ってディスりまくるつもりがもうこの有様。
さらっと流し読みしてディスるつもりだったんですが、
すごい読んじゃいます。
悔しい・・・・。
まぁでも、メンタリストっていうくらいなので、ここら辺のメンタル・マインド的な部分に関してはまぁ、認めましょう。ためになります。すみませんでした。
でもここからは辛口でレビューしますよ。
ジェスチャーを練習する!?
他の国の人々に比べると、日本人は会話の際のジェスチャーが明らかに薄いのです。
(中略)
具体的な練習法としては、身振り・手振りのシャドウイングがおすすめです。
たしかに、日本人はジェスチャーが薄く、語気が弱いというのもこれに合わさって、英語を話す時に、なかなかズバッと相手に伝わっていかないんですよね。
これに対する解決策として本書で示しているのが「ジェスチャーのシャドウイング」、要するにネイティブのジェスチャーをYoutubeかなんかで見ながらそれを自分でマネするトレーニングです。
素直になるほどなぁ~と思いました。この発想はなかった。
(やばい、また感心してる・・・)
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"科学的"とはどういうことなのか
ひとつ前で書いたジェスチャーの部分では、ジェスチャーを鍛えるメリットを示すために、ある研究が紹介されています。
その研究では、架空の単語を2つのグループに分けた人に覚えさせ、その際ひとつのグループには大げさにジェスチャーをしながら記憶させたところ、手足を動かして覚えた方が記憶が定着することがわかったそうです。
このように、DaiGo氏の『科学的に正しい英語勉強法』では、実験・研究によるデータ、面白い実験が数多く紹介されていて、それが単純に読んでいて面白いですし、すごくためになり、また説得力もあるんです。
本のタイトルに「科学的に正しい」と書いてあるのも看板に偽りなしです。
ちなみに、科学的に、理系的に英語学習法を考えるという点では『一生モノの英語勉強法』という本が面白いので興味がある方はぜひこちらも読んでみてください。
一生モノの英語勉強法――「理系的」学習システムのすすめ(祥伝社新書312)
- 作者: 鎌田浩毅,吉田明宏
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2013/03/02
- メディア: 新書
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愛嬌が大事
ジェスチャーと関連していることでいうと、DaiGo氏は英会話において"愛嬌"が重要だと言います。
そこで必要なのが、愛嬌です。
(中略)
どんなに語学が得意な人であっても、世界中を飛び回るうちには、言葉が通じない相手と「会話」しなくてはいけない場面は訪れます。
そんなときに問題なのは、言葉を知らないことではなく、消極的であることや控えめであること。
そして、愛嬌がなくてコミュニケーションを取りづらい、「心を閉ざしたヤツ」「壁のある人間だ」だと思われてしまうことなのです。
(48,49ページより)
実際に英語でコミュニケーションを取るようになるとわかるんですが、ここで書かれている"愛嬌"のような、「親しみやすい雰囲気、オーラ」ってすごく大事なんですよね。
ちなみに、これは、元2ちゃんねる管理人のひろゆき氏の『働き方 完全無双』という本にも似たようなことが書かれていました。
言葉が通じなくても、僕は終始「ニコニコする」ということにしています。
(中略)
それは、留学していたアメリカでもそうで、とりあえず笑顔でいると、なんとかなることが多いです。
日本以上に礼儀を大切にする国は意外と多くて、たとえばフランスでタクシーに乗った場合、最初に「こんにちは」とニコッと挨拶しないと、相手が驚いた表情を浮かべます。
『働き方完全無双』(ひろゆき著)94ページより一部引用
具体的な勉強方法も
DaiGo氏の『科学的に正しい英語勉強法』では、いままで紹介してきたようなマインド面だけではなく、具体的な学習方法についてもしっかりと書かれています。
たとえば、英文法についてはこの参考書がいいよ、こういう人にはこの本がいいよ、というように詳細に書かれているんです。
本のタイトルは書けませんが、紹介されているのはごく普通の大学入試の本で、
意外と堅実なところいくんだな
と感じました(良い意味で)。
その他、具体的な学習法について書かれている部分を箇条書きにしてみると、
- 学習の効率が上がる想起練習効果とは?
- インプットとアウトプットの理想的なバランスは?
- 睡眠学習
- 問題集はこう解くと効果が上がる!
- 多読の効果を高める方法
などなどなどなど、かなり豊富です。
本の最後では、おすすめのスマホアプリや学習ツールの紹介まであり、定価1300円、200ページ弱の本にしてはかなり盛りだくさんの内容でした。
惨敗。普通に使える本だった件。
徹底的にディスってやろうと思って書き始めたレビューでしたが、読み始めたら普通に面白くて、どんどん読んでしまいました。
悔しいですが完敗ですね。
最初はただのファンブックなんだろとか言ってましたが、英語を勉強している人に普通におすすめできる1冊です。
特に、英語を初めて数年以内の初心者の方が読むと、新たな発見がいくつもあると思います!
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