4ヵ国語を勉強するブログ

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『英語多読 すべての悩みは量が解決する!』のレビュー。この1冊で多読のやり方がわかります。

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「多読」は、楽しみながらというか、むしろ楽しむことで多くの英語に触れ、慣れ親しんでいく方法です。たくさんの本物の英語に素直に触れさえすれば、英語は身に付いていくものです。だって楽しい方がいいでしょう?

(238ページより)

 

『英語多読 すべての悩みは量が解決する!』という本を読んだんですが、これがかなりよかったのでレビューしていこうと思います。

英語多読 すべての悩みは量が解決する!

英語多読 すべての悩みは量が解決する!

 

 

「多読」ってそもそも何?

 

という方もいるかもしれないので簡単に説明すると、多読とは、

 

たくさんの英語を読むこと

 

です。

 

英語学習法としてよく紹介されているので、多くの方が名前くらいは聞いたことがあると思います。

しかし、いざ「多読ってどうやるの?」と聞かれたら、ざっくりとした事しか答えられない人が多いのではないでしょうか。

 

この『英語多読 すべての悩みは量が解決する!』(以下、『英語多読』)を読むと、

 

多読のやり方が完璧にわかります。

 

実は、多読について書かれた本はこれまでも何冊か出ているのですが、勉強法にクセがあったり、精神論を説くだけだったりして、「これ!」というものがありませんでした。

 

が、この『英語多読』については、多読のしっかりとしたやり方がわかりやすく具体的に書かれているので、これを読めば誰でもすぐに最も効果的な方法で多読学習をスタートさせることができるんです。

 

多読は楽しい!!

この本が全体を通してずっと主張しているのが、

 

多読学習はとにかく楽しい!

 

ということです。

多読って、要するに洋書をたくさん読むってことなんですが、"洋書を使った英語学習"と聞くと、

  • 難しそう!
  • 絶対に読める気がしない
  • 頭のいい人がやってる勉強法

などなど、学習を始める際のハードルの高さを感じてしまう人が多いのではないでしょうか?

 

そういう人にこそぜひこの本を読むのをおすすめしたいです。

この本には多読を楽しむための方法論が詳しく具体的に書かれているので、ハードルの高さを感じていた人も、読み終わった頃には、

 

「よし、多読やるぞ!」

 

とか、そこまでいかないにしても最低限、

 

「自分もちょっとやってみようかな・・・」

 

くらいまではモチベーションは上がっているはずです。

 

辞書は引かない!?

この本では、楽しく多読を続けていくための工夫として具体的に3つの原則(多読三原則)が示されています。

ひとつ目が「辞書は使わない」です。

 

「え!?」

 

と思った方もいるかもしれませんが、これはぼくも完全に賛成です。

 

『英語多読』にも書かれていますが、いちいち辞書を引くのって、やっぱり"楽しくない"んです

わからない単語は調べずに、どんどん飛ばしていく方が楽しく多読を続けることができます。

 

本書でおすすめされているのは、辞書を引かないという方針の元、その分"読む本のレベルを下げる"ということです。

子ども用の絵本から始めるのが推奨されています。

 

The Cat in the Hat (Beginner Books(R))

The Cat in the Hat (Beginner Books(R))

 

 (こういうやつ。)

 

これは『The Cat in the Hat』という大人気の定番の絵本です。

普通にAmazonで買うことができます。図書館でも大きいところなら洋書絵本が置いてありますね。

 

"適当に"やる

多読三原則残りの2つは、

  • わからないところは飛ばす
  • 自分に合わないと思ったら投げる

だと説明されています。

 

そう、読むのをやめてしまえばいいんです。その本は、今のところあなたに合っていなかったんです。投げて、次の本に手を出しましょう。

(97ページより)

 

これも大賛成。

ぼくはよく英語のテキストとしてNHKの講座をおすすめしているのですが、その理由のひとつが「挫折したら捨ててまた次の月のやつを買えばいい」からなんですw

(参考記事)

kazuuiword.hatenablog.com

 

「隅から隅までちゃんとやるぞ!途中で挫折なんてありえない!」

 

と意気込んでやると続きません。楽しくないです。

 

『英語多読』の最後はQ&Aになっていますが、その中にも

 

Q:毎日時間を決めて読むのでしょうか?

A:ノルマは決めない方がいいです。

(中略)

決めるとしても、1週間のうちに2回以上読めたらいいな、1週間の多読時間の合計が2時間を超えているといいな、くらいのユルさで十分です。

(224ページより)

 

というのがありました。

これも良い意味で"適当にやれ"ということですね。

 

学校の授業は忘れよう!

一度覚えたものを捨て去るのは苦痛を伴うかもしれませんが、英語を吸収するためには邪魔者だと思って、いったん英語に関する知識を捨て去りませんか。

つまり「脱学校英語」です。

(96ページより)

 

  • 辞書は使わない
  • ムリそうだったら投げる

 

これらを聞いて

  • そんな適当でいいの?
  • できるようになるわけない!
  • けしからん!
  • 真面目にやれ!

などの感想を持った人がいるかもしれません。

 

が!

 

そういう人は学校英語に洗脳されているかもしれません。

 

学校英語の弊害・・・実は、これについてはぼくも過去にブログ記事に書いたことがあります。

(参考記事)

kazuuiword.hatenablog.com

 

『英語多読』でも、学校英語が多読学習を邪魔するものだとして批判し、「脱学校英語」を推奨しています。

それもそうですよね。

 

学校の授業って、英文を読んでわからない単語があったら全て残らず徹底的に辞書を引かせますし、ましてや「わからないからぽーい」なんてしたら先生にキレられますw

 

ちなみにこの本では、文法をいちいち調べないというのも提唱していますが、これも学校英語とは真逆の考え方ですよね。

 

英語の先生の多くは、英語の本を読むことを「読書」ではなく「読解」と勘違いしています。

(101ページより)

 

これは名言だと思います。

 

ですから、いちいち分からないところを気にしたりせず、まずは気持ちを楽にして、気楽に取り組める素材をゆったり楽しむ、それがいちばん、というわけです。

(101ページより)

 

 楽しく、ゆるく、適当に。本当に伸びるのはこっちの方針だと思うんですよね。

 

Q:他人よりずいぶんゆっくりなのですが、どうすればいいでしょう?

A:他人との比較はやめましょう。もし比較するなら過去の自分です。

(260ページより)

 

学校だと「英語のテストの成績はクラスで何番!」みたいなのが配られて、受験もそうですがとにかく競争競争ですよね。

でも、大事なのは"自分が成長できているのか"です。これにも書いてありますが、比べるとしたら過去の自分と今の自分です。

 

ちなみに、『英語多読』にはライティングの練習に、英語をひたすらたくさん書いて添削はしない方法を紹介していますが、この「添削はしない」というのもぼくと意見が同じです・・・。

前に記事で詳しく書いています。

英作文の添削が必要ではない2つの理由!【添削って意味ある?】

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選択肢・具体例が豊富!

「多読はこうやってやるのがいちばんですよ!」

 

という方法論がバシッと解説されているのがこの『英語多読』ですが、

 

「このやり方が合わない人にはこういう方法もありますよ」

 

という感じで、別の選択肢が示されているのもこの本の大きな特徴であり魅力です。

 

たとえば、絵本を読むのに抵抗がある人は日本の漫画の英語版はどうか・・・とかそういった具合です。

 

また、

2歳から80歳までの多読体験談

(64ページ以降)

と銘打って、

  • 小学3年生の場合
  • 高校生の場合
  • 社会人の場合

など(これは一部)、筆者が実際に指導してきた学習者の体験談がリアルに書かれています。

 

多読学習法に加え、

 

選択肢の提案+リアルな体験談

 

が示されているので、この本を読むだけで多読の学習方針が簡単に立ってしまいます

 

本の紹介も充実

第6章「広いネットの空間で自分に合った素材を探す方法」では、ネット上で手に入る学習素材、教材が紹介されています。

 

これがめちゃくちゃ使えます。お得です。

 

短い章ですが、正直ここを読むためだけにこの本を買っても損しないというレベル。

 

もちろん詳しくは買ってからのお楽しみなのですが笑、

  • 200冊近くの絵本・児童書を無料で読めるサイト
  • Youtubeで見られる子ども向けアニメ
  • 書評検索システム

などが紹介されており、ぼくはこの情報が手に入っただけで「買ってよかったな」と思いましたね。

 

その他共感した部分

先ほども書きましたが、この本の内容は自分の考え方と被る部分が多く、終始共感しながら読んでいました。

他にも共感した個所を紹介していきます。

 

Q:多読で語彙は増えますか?

A:はい、語彙は増えます。

(中略)

本来の意味での語彙力は着実に付いてきます。

(中略)

最も多いのは、徐々に霧が晴れてくるように、あるいは徐々にピントが合ってくるような感じで、単語のイメージがはっきりしてくるパターンです。

(221~223ページより)

 

常用される単語、たとえば"get"は単語帳的には「手に入れる」みたいな訳になると思うんですが、getには実にさまざまな使われ方があり、本当の意味でgetを体得するには、多くの例に触れていくしか方法はないんです。

 

その最も良い方法はやはり多読、そして多聴なんですよね。

 

ぼく自身、大量の英語に触れていくことではじめてこういった基本単語の本来の意味がわかってきたという経験があるので、ここは本当に共感しました。

 

単語帳や問題集で無理やりのどの奥に押し込んだ単語や文法は時間がたてば忘れますが、多読で吸収した英語は私たちの中で「生きている」と言っていいでしょう。

(57ページより)

 

わかります。めっちゃわかります。

英文法問題集なんかで覚えた単語・文法知識よりも、実際の本やテレビ番組などの中で覚えた単語や知識の方が記憶に残りやすいです。

 

まとめ:コスパ良し

というわけで『英語多読 すべての悩みは量が解決する!』のレビューでした。

始めから最後まで共感しっぱなし、もちろん新しく知ることができた情報も多く、この本は定価1600円で最初は「ちょっと高いなぁ」と思ったのですが(購入前に詳細な価格はご自身で確認を)、読み終えた今は、むしろ

 

コスパ良すぎ!!

 

だと思っています。満足しました。

 

多読をこれから始めたいという人や、もうやっているけれどももう一度学習方針をはっきりさせたいという人は特におすすめです。

ぜひ読んでみてください!

英語多読 すべての悩みは量が解決する!

英語多読 すべての悩みは量が解決する!

 

 

洋書を使った英語勉強方法に関しては、下記のリンクから記事の一覧を見ることができます。ぜひ合わせてお読みください!!

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