YA文学の洋書おすすめリスト!大人でも楽しめるティーン向けの洋書まとめ!
YA文学、またはYA小説とは、ティーンエイジャー向けの文学作品を指します。対象年齢として、10~15歳+くらいで、ちょうど児童書と一般書の間に位置する作品のことです。
以前、YA小説が洋書読書におすすめだという内容の記事を書きましたが、そこでは具体的な作品は挙げませんでした。
それを補足するという意味でも、今回は、おすすめのYA小説を10冊選んでみました。
The Hunger Games
The Hunger Games (Hunger Games Trilogy, Book 1)
- 作者: Suzanne Collins
- 出版社/メーカー: Scholastic Press
- 発売日: 2009/09/01
- メディア: Kindle版
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荒廃した未来世界が舞台のいわゆる"ディストピアもの"。
『ハンガーゲーム』の世界では、キャピトルと呼ばれるひと握りの裕福な人々が暮らす都市と、貧しいその他の12の地区があり、毎年、それぞれの地区から2人ずつ子供が選ばれ、"ハンガーゲーム"と呼ばれる殺し合いをさせられます。
主人公の少女カットニスは、これに参加することになってしまうのですが、果たして生き延びることはできるのか・・・?
という話です。
主人公が最強ではなく、ごく普通のどこにでもいる少女であるという点が面白いです。
内面の描写が細かく、また深いレベルでされているので、それがティーンの共感を得ることができ、人気になったのでしょう。
もちろん、大人が読んでも十分楽しめますよ。
ちなみに、『ハンガーゲーム』は3部作になっています。
2作目の『Catching Fire』からは、全く予測できないすごい方向に話が進んでいきます。
Catching Fire (Hunger Games Trilogy, Book 2)
- 作者: Suzanne Collins
- 出版社/メーカー: Scholastic Press
- 発売日: 2010/06/01
- メディア: Kindle版
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Divergent
- 作者: Veronica Roth
- 出版社/メーカー: HarperCollins Children's Books
- 発売日: 2012/02/01
- メディア: ペーパーバック
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『ダイバージェント』も、ひとつまえで紹介した『ハンガーゲーム』と同じ"ディストピアもの"で、舞台は世界崩壊後のアメリカです。
『ダイバージェント』の世界では、人々は5つのコミュニティにそれぞれ属して生活しています。
おもしろいのが、これらのコミュニティにはそれぞれ"性格"のようなものがあり、勉強が好きな人のコミュニティ、大胆不敵な人のコミュニティなど、それぞれ同じような気質の人が集まっているんです。
子供のうちは親のコミュニティ内で生活しますが、16歳になると、自分でどれに属するのかを決めるのです。
決める前に適正検査があり、「君は○○に向いてるよ」と教えてくれるテストがあるんですが、主人公のトリスは"ダイバージェント"、つまり、どこにも適性がない"異端者"だとみなされてしまいます。
自分が社会においてどういう立ち位置で生きていくのか、ということに対する主人公の葛藤、それを通した成長。
まさにYA文学のエッセンスがつまった作品だと言えます。
映画版も出ているのでぜひチェックしてみてください。
Percy Jackson & the Olympians
Percy Jackson & the Olympians: The Lightning Thief - Book One
- 作者: Rick Riordan
- 出版社/メーカー: Disney Book Group
- 発売日: 2006/04/01
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『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』は、全部で5巻からなるシリーズものです。
映画化もされていて、日本でも話題になったので、名前を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
児童文学とYA小説のちょうど境目くらいの位置づけで、巻によってどちらとも取れるような難易度なっています。
ギリシャ神話に出てくる神が実在している世界を描いたファンタジーで、主人公のパーシーは、神と人間の間から生まれた"Half-Blood"。
10歳前後をターゲットとした小説ですが、自分が特別な存在であることに対するパーシーの葛藤、親との複雑な関係は、大人でも十分楽しめる内容です。
The Maze Runner
The Maze Runner (Maze Runner, Book One) (The Maze Runner Series)
- 作者: James Dashner
- 出版社/メーカー: Delacorte Press
- 発売日: 2010/08/24
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高い壁に囲まれた謎のエリアに放り出された、記憶を失った少年。壁の中では、彼と同じようにその壁の中に放り出された人たちがコミュニティを作って暮らしていた。そこには月に一度、生活物資とともに新しい「ランナー」が送り込まれてくる。ランナーたちは全員記憶を失っており、かろうじて自分の名前だけを思いだす。 壁は朝になると扉が開き、巨大な迷路(Maze)が現れる。夜になると扉はしまり、迷路はその構造を変化させ、同じ道は二度と出現しない。そして、扉が閉じる前に戻れなかったランナーの命の保証はない。 迷宮に隠された秘密とは。 そしてランナーたちの運命は― 。
『メイズ・ランナー』は、主人公のトーマスが、エレベーターの中で突然目を覚ますところから始まります。
エレベーターから放り出されると、そこは壁機囲まれた謎の世界。壁の外には、巨大な迷路。
トーマスは、自分の名前以外の記憶がなく、自分が放り出された場所のことも全くわかりません・・・。
最初は何もわからない主人公が徐々に真実に迫っていく様子を、主人公と同化し、同じ視点から楽しめるのがこの小説の特徴です。
『メイズ・ランナー』は現在、これを含めて4巻のシリーズとなっています。巻が進むにつれて話も壮大になっていきます。
Twilight
- 作者: Stephenie Meyer
- 出版社/メーカー: Little, Brown Books for Young Readers
- 発売日: 2006/09/06
- メディア: ペーパーバック
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「好きなYA小説ランキング」のようなものがあると、必ず上位にランクインしてくるのが『トワイライト』。
全4巻からなるシリーズで、ヴァンパイアと恋に落ちてしまう少女ベラが主人公。
YA小説は、ティーンエイジャーの中でも特に女の子をターゲットにしたものが多いという特徴がありますが、そのような一群の小説の中でも間違いなく売上げ、人気共にトップだと言えるでしょう。
洋書でラブストーリーを読んでみたいと思っている人は、この小説から読み始めてまず間違いないです。
映画化もされているので、小説を読んだらぜひ見てみてください。
The Fault in Our Stars
甲状腺がんを患う16歳の女の子ヘイゼルが主人公。
彼女は、母親に言われてほとんど嫌々がん患者サポートグループの集会に参加していました。
ある日、ヘイゼルはそこで骨肉腫によって右足を失った18歳の青年オーガスタスに出会います。
趣味や冗談のセンスが合う二人はすぐに打ち解け合いますが、二人には過酷な運命が待っているのでした・・・。
がんを扱った小説はいくつもありますが、ただただ悲劇が連続して中身が薄いだけの作品が多い気がします。そんな中でこの小説は、キャラクターがしっかりしていて、心情も深いレベルで描写されています。
この本は『きっと、星のせいじゃない。』というタイトルで映画化され、全世界でヒットしました。映画版も必見です。
Looking for Alaska
ひとつ前で紹介した『The Fault in Our Stars』の作者ジョン・グリーンの最初の小説がこの『Looking for Alaska』です。
フロリダの家を出て、アラバマの寄宿学校に行くことになった少年マイルズが主人公。
マイルズは、そこで、感情の起伏の激しい美少女アラスカに出会います。
高校での青春を描いた作品ですが、アメリカの寄宿学校というのは、日本の高校とはかなり違うものなので、このような作品をあまり読んだことのない人は新鮮で面白いかもしれません。
ロビン・ウィリアムス主演の映画『いまを生きる』に設定が似ているなと思いました。『いまを生きる』が好きな人は絶対に楽しめると思います。
Wonder
主人公のオーガストは顔に障害のある10歳の男の子。
何回にもわたる手術のため、それまでホームスクーリングで勉強していたオーガストでしたが、とうとう両親がオーガストを学校に入れることにします。
しかし、オーガストは顔の障害が原因で、いじめにあってしまいます。
いじめっ子、仲間になってくれる子、そして裏切り・・・。
現実世界でまさに起こるようなリアルさが感じられる1冊です。
主人公のオーガストと同じ10歳かそれプラスアルファの年齢を対象にしてはいますが、多くの大人にも読まれ、感動をもたらしている作品です。
2017年には映画版が公開される予定なので、それに先駆けて原作を読んでおくというのもいいかもしれません。
Stargirl
12歳の主人公レオが通うのは、他のどんなことよりも"従順さ"を最重要視している学校。
ある日、転校生のスーザン、通称"スターガール"がクラスに加わりますが、このスターガール、服装も行動も何から何まで、"従順さ"とはかけ離れた女の子なんです。
そんなスターガールに主人公は惹かれていくのですが・・・。
この小説は、スターガールのキャラクター、そして小説全体を通して発せられる”非従順”のメッセージが評価され、ニューヨークタイムズベストセラーに選ばれるなど、批評家の賞賛を得ている作品です。
「自分であること」とは何なのか、そんなYA文学の真髄とも言えるテーマを見事に描いた良書です。
City of Bones
City of Bones: 1 (The Mortal Instruments)
- 作者: Cassandra Clare
- 出版社/メーカー: Walker
- 発売日: 2010/07/05
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ファンタジー作品です。
主人公のClaryは普通の生活を送っていましたが、ある日、この世には魔物がいて、そしてそれを狩る"シャドウハンター"が存在することを知ります。
シャドウハンターは、魔物狩りとは関係のない一般人を"マンデイン"と呼んで区別していますが、Claryもマンデインではないというのです。
この記事でも紹介した『パーシージャクソン』や『トワイライト』に似ています。
現実世界ではあり得ない設定を通して、思春期の葛藤や恋を描く、ある意味YA文学の王道とも言える作品です。
『シャドウハンター』というタイトルで映画化もされています。
さいごに
というわけで、おすすめのYA文学洋書10選でした。
YA小説を何冊か読んだあとに、対象年齢の無い一般書に挑戦してみたいという人には、『映画化された洋書』がおすすめです。
おすすめリストを作ったので、ぜひ参考にしてみてください。
洋書を読み、映画を見ることで相乗効果で英語力のアップが期待できます。
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