英検1級のリスニング対策とおすすめの勉強法をまとめてみた!
リスニング対策が不十分なまま英検1級の試験日を迎える受験者は非常に多いです。
これは、英検1級では、単語・読解問題で出題される語彙のレベルが高く、また、ライティング問題も難しいため、たいていの受験者は語彙・読解とライティングに力を入れて対策をする、というのが大きな理由です。
しかし、リスニング問題は筆記試験の3分の1という大きな割合を占めます。しっかりと対策しないと合否に大きく響いてしまうんです。
今回は、英検1級のリスニング問題にフォーカスして、対策と勉強方法を紹介していきたいと思います。
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過去問+問題集が基本
まず、英検1級のリスニング全問題に共通する基本的な勉強方法を紹介していこうと思います。
対策の基本は、
- 過去問や問題集を使って演習をする
- 解いた問題を使ってリスニング力を上げるトレーニングをする
の2ステップです。
やはり、本番と同じ形式の問題をどんどん解いていくのが最も効果的です。
いろいろな問題集が出ていますが、まずは迷わず過去問を使いましょう。
CDは別売りになっているので注意してください。
過去問を使って基本的には演習をし、足りなくなったら『英検1級リスニング問題150』という問題集を使っていきます。
このテキストには、過去に出題された問題からピックアップされた良問+オリジナル予想問題が計150問収録されています。
過去問以外で、本番同様の形式のトレーニングができる問題集ではこのテキストがベストです。
ぼく自身このテキストを使いましたが、英検1級の問題形式にどっぷり浸かることができ、合格にかなり役立ったと感じています。
さて、これらのテキストを使って問題演習を進めていくわけですが、解いてただ答え合わせをするだけではリスニングの点は上がりません。
大事なのは「解いた後」です。
問題演習をした教材を使ってリスニング力をアップさせるためのトレーニングを行っていきましょう。
①シャドーイング
まず、絶対にやっていただきたいのがシャドーイングです。
シャドーイングとは、英語の音声を聞きながら、数語遅れて同じ内容を口に出して繰り返すトレーニング方法のことです。
シャドーイングをすることで、英語のリズムを体に染み込ませることができ、英語を聞いて理解するのが楽になります。
また、「どこが苦手なのか」を知るという意味でもシャドーイングは重要です。
問題を解いてみたら、まず一度シャドーイングをやってみてください。
うまく口に出して繰り返せないところがあったら、そこが自分の苦手なところです。
重点的に練習するようにしましょう。
②リピーティング
リピーティングとは、ある程度の長さの英語を聞いたあとに音声を一度止め、聞いた内容をそのまま自分の口で再現するトレーニングです。「リプロダクション」とも呼ばれます。
ひとつ前で紹介したシャドーイングと似ていますが、得られる効果はかなり違います。
リピーティングでは、聞いた音声を一時的に記憶の中にとどめておく必要があるので、記憶力(リテンション)を高める効果があるんです。
リスニングを向上させる上で記憶力は非常に重要です。
特に英検1級のリスニングでは長い英語を聞いて問題に答えなければならない場合が多いので、聞いた情報をいかに長く・正確に記憶にとどめておけるのかがカギになってきます。
リピーティングを行うことで英語が頭に残りやすくなるので(これ本当です)、問題を解くのがかなり楽になります。
ちなみに、リピーティングの詳しいやり方については別の記事にまとめたのでぜひ参考にしてみてください。
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Part別勉強法まとめ
英検のリスニング問題は4つのパートに分かれており、
Part1・・・対話問題
Part2・・・パッセージ問題
Part3・・・リアルライフ問題
Part4・・・インタビュー問題
という構成になっています。
前半で書いた通り、過去問を使った問題演習+シャドーイング・リピーティングが対策の基本ではあります。
ただ、パートごとにかなり特色があり、それぞれの問題パターンを意識した+アルファの対策をすることでさらなる点数アップが期待できます。
苦手なパートがあるという場合も、そこを重点的に補充していきましょう。
ここでは、各パートの特徴を見ながら対策を紹介していこうと思います。
Part1
会話を聞いて、ひとつの質問に答えるのがPart1です。合計10問出題されます。
シンプルで、ややこしいひっかけ問題も出ないので、他のパートと比べるとかなり解きやすいパート1ですが、対策をしていく上でひとつ注意点があります。
それはずばり「語彙」です。
日常生活やビジネスシーンそ想定した会話が主に出題されますが、この問題の対話で使われる表現には、普通はあまり使われないようなものがよく出てきます。
たとえば「良い評判」は
a good reputation
と言うのが普通でしょう。
しかし英検1級のリスニングでは
a sterling reputation
という表現で出てきたりします。
しかも、解答によく絡みます。
このようなちょっとひねった表現が出てくるたびに「あれ!?」と思ってしまったら製作者の思うツボです。
対策としては、過去問を解く過程で出てきたわからない表現をメモするなどして覚えるのはもちろん、語彙を普段からどんどん覚えるトレーニングをしていきましょう。
英検1級の語彙問題対策を徹底的にやりこむのは特におすすめです。
(関連記事)
Part2
Part2ではまとまった量の英語を聞き、質問に2つ答える形式です。
このパートの特徴は、放送される英文の難易度がかなり高いことです。
科学や歴史、文化など、高度な内容が多いんです。
英検1級リスニングの中では最も難しい英文だと言えますね。
このパートが苦手だという人は多いと思います。
が、ひとつの放送に対して質問が2つなので、全くわからないとそれで2問落としてしまうというリスクがあり、ここをしっかりと得点できるのかはかなり大きいんです。
具体的な対策ですが、Part2で多くの問題を落としてしまうという人は、リーディングの対策に力を入れていくことでミスが減るかもしれません。
というのも、Part2で出題される英文は、1級の読解問題で出題される文章を短く縮めて少し難易度を落としたくらいの内容で、性質としてかなり似ているからです。
(英検1級読解対策はこちらから)
また、『CNN English Express』というテキストを使って学習するのもかなりおすすめです。
CNN ENGLISH EXPRESS (イングリッシュ・エクスプレス) 2018年 11月号【インタビュー】ケイト・ウィンスレット【特集】副詞で覚える「句動詞」
- 作者: CNN English Express編
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2018/10/06
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログを見る
このテキストには、アメリカのニュース局CNNのニュース音源とスクリプトが収録されています。
リスニングの力自体が上がるのはもちろんですが、ニュースを使って勉強することで背景知識が付くのでおすすめです。
『CNN English Express』は、ぼくもかなりやり込みました。
背景知識と高いリスニング力が要求される英検1級対策には理想的なテキストなんです。
Part3
続くPart3は「リアルライフ問題」です。
その名の通り、実際の生活にフォーカスした内容が出題されます。
たとえば、公共の場でのアナウンスや、映画館に電話したときの自動音声ガイドなどです。
リアルライフ問題の最大の特徴は、他の問題と違い、問題と選択肢がすでに問題用紙に印刷されているという点です。
どんなシチュエーションを想定しているのかについての説明も載っており、放送を聞く前にそれらを読むための時間が10秒間与えられます。
日常生活を想定した内容なので、Part2のように難しい英文が出てくることもなく、問題も放送を聞く前からわかっているので、最も簡単なパートだと言えます。
本番ではここで落とさないようにしましょう。
ただ、比較的簡単だとは言ったものの、Part3では問題を読む(リーディング)のと放送を聞く(リスニング)のをどちらも行う必要があるので、リーディングとリスニングをマルチにこなしていくのに慣れていない人には少しキツいかもしれません。
そういう場合はTOEICのPart3,4を解くと良い対策になります。
1回放送を聞いたあとに3つの質問に答えなければいけないので(選択肢は印刷されています)、「読む」と「聞く」をマルチに行う力がつきます。
いろいろな問題集が出ていますが、おすすめは少し難易度の高い問題が収録されているテキストです。
『TOEIC TEST パート3・4特急 実力養成ドリル』は中でも特におすすめです。
- 作者: 神崎正哉,Daniel Warriner
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2012/05/18
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 5回
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Part4
最後のパートは「インタビュー問題」。
1対1のインタビュー音声を聞いたあとに、2つの問いに答えるという形式です。
インタビュー問題の難しいポイントは2つあります。
まず、単純に長いです。
時間にして約3分以上あります。
問いに答えられるのかという前に、集中した状態で3分以上英語を聞き続けられるのかが試されていると言えますね。
もうひとつの難しいポイントは、言いよどみや言い直しなど、実際の発話を意識した音声になっていることです。
あまり難しい表現は使われませんが、リアルな発話感で話されているので、内容のわりに聞き取りにくいと感じるでしょう。
過去問と問題集の演習でもある程度対策はできますが、これら2つのポイントを克服するためには、本当のインタビューを使ったトレーニングも積んでおくと効果的です。
教材としては『ENGLISH JOURNAL』が非常におすすめです。
この教材を使ってシャドーイングをしましょう。
Part4よりも難易度は高くなりますが、このレベルの英文を聞いておくことで本番のリスニングは楽に感じられるでしょう。
その他おすすめトレーニング方法
日本語を英語に訳してみる
過去問を使って行うトレーニングとして、シャドーイングとリピーティングを紹介しました。
これらのトレーニング方法で基本的には大丈夫ですが、もしこれらに飽きてきたら和文英訳のトレーニングを口頭でやってみるのもおすすめです。
やり方は簡単です。
リスニング問題の答えの全訳を見て、それを文単位で英語に訳していきます。
何かに書く必要はありません。口頭でOKです。
これをやることでまず英語の発信力がつきます。
リスニングとは関係がないように思えるかもしれませんが、自分で発信できる英語は確実に聞き取れる英語です。
つまり、結果的にリスニング力もアップするんです。
シャドーイング、リピーティング、和文英訳などさまざまな方法を紹介しましたが、とにかく、色々な角度から過去問を"切り刻んでいって"欲しんです。
英検1級の過去問はとにかく英文のクオリティが高いので、絶対に使い倒すべきです。
TOEICの問題が使える!
TOEICの問題が英検1級のリスニング対策に有効です。
Part3の勉強法で、TOEICリスニング問題集が使えると書きましたが、それ以外にも、たとえばPart1の会話問題でよく出るビジネス会話についても、TOEICの問題集を使ってトレーニングができます。
TOEICのリスニングパートは、語彙レベルは高くありませんが、英検のリスニングよりも全体的にスピードが速く、集中力もより要求されます。
なので、英検1級の勉強をしている人はTOEICのリスニング問題にどんどん挑戦して、集中力や「英語を聞き、情報をすばやく処理する力」を養っていくのがおすすめです。
さきほど紹介した『パート3・4特急 実力養成ドリル』はおすすめですし、『サラリーマン特急 新形式リスニング』もかなり使えます。
さいごに
というわけで今回は英検1級のリスニング対策と勉強法をまとめてみました。
まとめると、
- 過去問を使い、シャドーイングとリピーティングをする
- 問題数が足りない場合は『英検1級リスニング問題 150』を追加で使う
- 苦手なパートについてはそれぞれ補充する
のがおすすめの対策です。
ぜひ参考にしてみてください。
それではまた!
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