新形式TOEICの公式問題集を解いたので傾向と対策を含めいろいろまとめてみるよ
2016年5月からTOEICの問題の一部の形式が変わりました。
これに伴い、新形式TOEICに対応した公式問題集も現在2冊発売されています。
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公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 1
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ぼくも購入し、実際に解いてみたので、今回は
新形式になって何が変わったのか、また、どうやって対策をしていけばよいのか
について書いていこうと思います。
なお、全体の問題数はリーディング、リスニング共に100問ずつの合計200問、試験時間もリスニングが約45分、リーディングが75分間の2時間、と変化はありません。
変わったのはそれぞれのパート毎での単位なので、パート毎に分けて見ていくことにします。順番についてはぼくが重要だと思った順番に書いていくのでバラバラですがご了承ください。
Part3
会話を聞き、それについてそれぞれ3つの質問に答えるのがPart3です。
新形式TOEICのリスニングのセクションにおいて、いちばん変わったのがこのPart3で、最も注意して対策する必要があります。
どう変わった?
まず、問題数が30問→39問に増えました。
TOEICのPart3の特徴はとにかく忙しいこと。
会話の流れに意識を向けつつも、3つの質問に答えなければいけないのでもう本当に忙しい。放送も1度しか流れないので、回答に絡む箇所を一瞬でも聞き逃してしまったらアウトです。
そんな気の緩む暇を与えないPart3の問題数のウェイトが増加するのですから、当然脳に対する負担も増加します。正直、解いていて疲れました。
他のパートの考察でも触れていきますが、今回の変更で試験自体の"重さ"は明らかに増えました。
試験全体を通して集中力をいかに継続させていけるのかがよりいっそう大切になってくるでしょう。
特にPart3はひとつの会話に対して問題数が3つなので、他のパートと比べるとわけがわからなくなってしまったときに気持ちの切り替えがしにくいです。
普段の学習から、この長くなったPart3を精神的な面でも乗り越えられるように意識していくのが良いと思います。わからない問題に遭遇したときに割り切ってあきらめ、すぐさま次にいくという切り替えの素早さがより大事になってくるでしょう。
続いてPart3で大きく変わったところと言えば、問題の内容自体に新しいものが出題されるようになったことです。具体的に挙げていくと、
- 図を見て答える問題が追加される
- 会話中の表現の意図を問う問題が出る
- 3人の話し手による会話が出題される
という3点です。
1点目の図を見て答える問題ですが、公式問題集でみる限りは最後の2問か3問程度がこの形式なるようです。しかし解いてみた感じ、まったく恐れる必要はないな、という印象です。
というのも、リーディングの対策をしっかりとやっておけばこの図を見て答える問題の対策はカバーできるからです。
強いて言えば、会話文が流れる前に問題文を読む(俗に言う"先読み")ことが、より重要になってくるので、図を見て答える問題の直前の問題については少し自信のない設問があったとしても次の図表問題の先読みに力を入れた方がよさそうです。
最低限、それがどのような図表なのか(クーポンなのか、地図なのか・・・など)だけは確実に確認しないと、正答率は下がってしまうでしょう。
さて、続いて残りの2点ですが、これはちょっと慣れるまで時間がかかってしまうかもしれませんね。正直難しい。
会話の表現の意図を問う問題にしても、3人の話し手による会話にしても、会話のディテールというよりは会話全体の背後を貫く"流れ"をしっかりと理解することがカギになります。
新Part3の対策は?
明らかに負担が増えたPart3ですが、対策としては、やはりまずは公式問題集を使って勉強すること。
とにかく問題自体に慣れることが大事です。問題形式にとりあえず慣れることで精神的負担も減るので。
また、もうひとつ思いつく対策として、海外ドラマは効果的だと確信しています。
特におすすめなのが『フレンズ』などのシットコム。
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海外ドラマを使ってリスニングの学習をすることによって、3人以上の会話に慣れることができますし、発言の意図を問う問題を解く力についても鍛えられます。
発言の意図がわからないと見てておもしろくないので、意識しなくてもどういう意図をもってこの登場人物はこの発言をしているのだろう?と考えるからです。
ちなみになぜ『フレンズ』をすすめているのかというと、難易度がTOEICにちょうどいいからです。
サスペンスや政治ものはちょっとTOEIC対策としては難易度が高すぎますね。しゃべるスピードも速いし。
また、1話が30分なのもいいですね。Part3が長くなったことで要求される集中力も、この『フレンズ』を30分集中して見続けることで鍛えられると思います。
ただ、下品なネタも多いのでそれが嫌な人は『フルハウス』とかもいいかもしれませんね。ぼくは結構好きです。
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Part4
Part4の問題形式はほとんどPart3と同じですが、会話ではなく、ナレーションやアナウンスなど、スピーカーが一人であるという特徴があります。
この点に関しては変更はないですが、いくつか内容に変更があります。
- 表現の意図を聞く問題が出題される
- 図表を見て答える問題が出題される
問題数については変わらず30問。変更点については前のPart3と似ていますね。
このPart4を解いての感想ですが、Part3ほどではないにしろ、結構変わったなという印象です。
表現の意図を問う問題と図表を見て答える問題が追加されたことで、旧形式の時よりも注意を向けなければいけないことが増えたので、単純に忙しくなりましたね。
ただ、公式問題集を見る限りでは、いじわるなひっかけ問題等は出題されていなかったので、そこまでおそれる必要もないでしょう。
対策については、Part4はPart3ほど大きくは変わっていないので、旧形式のPart4問題集でやりかけのものがある人は、無理して新しいものは買わず、持っているテキストをまずは消化してください。
ただ、今後、ひっかけのような問題に変化していったり、図が複雑になっていったりする可能性は大いにあります。
そういう場合に新形式問題の対策をガッツリしている人はやはり強いです。
『新形式問題やり込みドリル』などの、新形式問題のみを扱った質の良いテキストを使って、新しい問題だけ集中的に解いてみて、ひたすら慣れるというのも良いでしょう。
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Part1,2
Part1は写真を見て放送を聞き、写真に合った選択肢を選ぶもの。
PART2は質問文がまず流れ、続いて流れる3つの返答の中から、自然なものを選ぶ形式です。
変更点ですが、Part1と2についてはそれぞれ、
Part1・・・10問→6問
Part2・・・30問→25問
と問題数が減ります。
ここで減った9問分がPart3にあてられるわけですね。
内容については、変更なしです。
対策についても今までのままで大丈夫でしょう。
ただし、今までPart1と2に重点を置いてリスニングの学習をしていたという人は、Part3と4を中心とした学習にシフトしていったほうがよさそうです。
Part3と4はだいたい700点くらいまでの人にとっては結構むずかしく、より簡単なPart1や2の対策に重きを置いて勉強している人が多いんですが、今回Part1と2の問題数が減ったことを考えると、Part1,2を重点的に対策するのは明らかにコスパが悪いです。
あとそういえばもう一点。Part2の例題がなくなりました。
あの、
「Where is the meeting room?」
のやつですw
もう何十回も聞いてノイローゼになりかけてました。よかったよかった。
Part7
続いてリーディングのパートについての解説に移ります。大きく変わったのはPart7(文章の読解セクション)ですね。変更点は以下の通りです。
- インスタントメッセージなどでのやりとりが追加される
- 文章中の表現の意図を問う問題が出題される
- 一文が入る適切な位置を問う問題が出題される
- 3つの関連する文章の読解が追加される
- 問題数が48問から54問に増える
TOEICにLINEが登場!?
「インスタントメッセージでのやりとり」はLINEとかSkypeの画面がそのまま出題されると考えてください。この新形式の出現によって、リーディングのパートにくだけた会話が新たに加わることになります。
公式問題集では難しい問題は出てきませんでしたが、このチャット形式も今後難化していくかもしれないので注意ですね。
小手先のテクニックはもう通用しない
その他の大きく変わった点といえば、一文をまるまる文章中の適切な場所に挿入する問題と、3つの文章の読解です。
これら2つの問題形式については、文章全体の流れを見て、それを正しく理解していることが求められます。
すなわち、この文章はなにがいいたいの?この文章はどういう流れで展開されてるの?ということをTOEICで問われるようになったということです。
長い。長すぎる。
問題が増えました。
解いてみた感想は、「長い」。とにかく長い。疲れました。解いていてまだ終わんねーのかよ!と心の中で叫びながらやっていましたね。
さらに、問題数が増えただけではなく、先ほど説明した一文を挿入する問題や、3つの関連する文章の読解が追加されたことで、内容的にも重たく、より時間のかかるものになったといえます。
対策は?
既存の参考書で使っているものがあるという人はそれを継続してやっていくのがいいと思います。が、やはり3つの文章の読解などについては慣れが必要なので、新形式の問題集をこなしていく必要があります。
また、分量が増え、より集中して長い時間文章を読み込む力が要求されるようになったので、普段の学習から文章を多く読むトレーニングをしましょう。
公式問題集の文章を読み込むのはもちろんですが、『ラダーシリーズ』などの、初心者でも読める洋書を読むのもかなりおすすめです。
(関連記事)
初めての洋書にはラダーシリーズのレベル1とレベル2がおすすめ!
本番では焦ったり緊張することを考えると、特にTOEICの前の1週間くらいは、本番でPart7にかける時間より少し長めの70分くらいをリーディングの学習の時間にあてられれば最高です。
なお、新形式TOEICでの詳しい時間配分については下の記事で詳しく解説してあるので、ぜひ参考にしてみてください。
Part5
文法・語法の4択問題が出題されるのがPart5ですが、新形式では問題数が40問から30問へと減りました。内容についての変更は無しです。
これをPart7の問題数の増加と合わせて考えると、リーディングの対策は、文章の読解を中心にやっていくのがベストだと思います。
Part7(文章の読解)は、文法や語法の知識を身に付けるのにも非常に有効です。
前のPart7のところでも述べた通り、読解をしっかりと対策しないと時間が足りなくなって、最後解けなかった問題を適当に塗って終了、というパターンになってしまうので、スコアを効率よく上げるという観点から言うと、
リーディングはPart7の対策を中心にし、Part5は補助的にやっていく
というのが基本的な戦略になりそうです。
どんどん文章を読み込んで読解力を鍛えるのが基本。ただ、忙しくて時間がない人は、文法については『文法特急シリーズ』などの数時間で1周できるくらいの軽いもので済ませるというのもありですね。
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ただし、高得点取得者で、もう読解問題で間違えることはほとんどないという人は、一応減ったとはいえリーディングの内の30%をPart5は占めるのでがっつり対策していく必要があるでしょう。この点は今までのTOEICと同じですね。
個人的におすすめなのはこのブログでも紹介した『でる1000問』です。
Part6
変更点は?
- 一文をまるまる選ぶものが追加される
- 1つの文章につき設問は4つで、総問題数16問になる
他の方のブログなどを参照する限り、結構軽くスルーされているような印象を受けるんですが、Part6も結構変更されているので注意です。
出題される文章自体の難易度は変わっていないとぼくは感じました。
しかし、文章量が変わっていないにもかかわらず、設問数と、一文をまるまる挿入する問題が増えたので、今までのように前後関係だけで解いたり、読みながらその流れで答えを選ぶということがしにくくなりました。
一文をまるまる挿入する問題に関しては、空欄の前後をよく見て、文章で言っていることの内容を"流れ"として理解することが要求されています。
対策は?
いままではPart6といえばどちらかというと楽なパートで、ちょっと一息つける場所だったんですが、変更後はちゃんと集中して、全体を見て解かないと厳しくなりそうです。
Part7の文章挿入問題が、そのままこのPart6の対策にもなるので、Part7の対策を強化していく中で、文章全体の流れを理解する力を養っていくのが大事です。
分析・まとめ
ということで新形式のTOEICについて変更点と対策を考えてみました。ちょっとごちゃごちゃしてしまったので最後に今回の変更についてポイントを絞ってまとめてみます。
重量感が増した
他のPartよりも頭をフル稼働させて解かなければいけないPart3とPart7の分量が増え、文法問題や1文だけのリスニング問題が減りました。
これは今までよりも重量感のあるテストになったということです。
つまり、より忙しく、より疲れるテストに変わったということ。
今までのTOEICの感覚で解くと時間が足りなくなってしまうかもしれないので注意ですね。
ぼくは旧形式では10分程度時間が余りますが、新形式はギリギリでした。
ディテールからまとまりへ
今回の変更では、発言の意図を聞く問題や、一文をまるまる挿入する問題が増えました。
これは、TOEICというというテスト自体が、細かい文法知識などを聞くテストから文章や会話全体を貫く大きな"流れ"を問うテストにシフトしているということです。
これは普段の勉強から意識していく必要があるでしょう。
個別の知識ももちろん大切ですが、
この人は結局何が言いたいのか?
この文章はどういう話の流れなのか?
ということも常に考えて、つまり"大きな視点を持って"勉強しているのかがスコアアップのカギになります。
各パートごとの垣根がなくなってきている
新形式ではリスニングのパートで図を見る問題が出たり、リーディングのパートでLINEのやりとりのような軽い会話が出たりします。
これには、今までははっきりと各Partをしっかりと区切っていた壁がじわりじわりと溶けていっているような印象を受けます。
これは何を意味するのかというと、あるパートの対策が他のパートの対策にもなるということです。
これを考慮すると、おすすめの対策はやはりPart3とPart7をTOEIC対策の中心に置くことです。この2つのパートができるようになれば、他のパートの正解率も上がるでしょう。
公式問題集をやろう
新形式テストを初めて受けるという人は、公式問題集を解いてから臨んだほうがいいです。
やっぱりなんといってもTOEICって慣れが重要だと思うんですよ。
リスニングなんかについては1回しか放送が流れないので、いきなり対策なしで受けると新傾向ってこんな感じなのかーと思っているうちに聞き逃してしまうことになってしまうでしょう。
なお、公式問題集を全てこなしてしまって足りないという人は新形式に対応した参考書も出ているので、選択肢としてはありかなと。
模試問題集は何種類か出ていますが、僕自身何冊か購入しやってみた結果、現時点で100%の自信を持っておすすめできる模試問題集は次の2冊です。
- 作者: ヒロ前田,テッド寺倉,ロス・タロック
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公式問題集を全て解いてしまった人で、もっと問題数をこなしたい人は取り組んでみてください。
ただ、繰り返しになりますがとにかく公式問題集をやるのがいちばんです!
最も信頼できるのはやはり公式問題集。書いてあることをすべて吸収するくらいの気持ちで何回も解きましょう!
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