音読・シャドーイングは何回やればいいのか?最適な回数を教えます【英語学習相談Vol.3】
英語学習コンサルタントのかずーい(@kazuui81)です。
こんな質問をいただきました。
シャドーイングと音読をよくやるのですが、ゴール設定はどうしていますか?何をもってその文章の終わりとするのかに悩んでいます。
これ、よく聞かれます。
まぁそれもそのはずで、4択の文法問題みたいに、正解!不正解!とはっきりジャッジしてくれる勉強とは違って、シャドーイングとか音読って、
どのくらいできているのかが自分では把握しにくい
という問題があるんですよね・・・。
そんなわけで今回は、シャドーイングと音読をどこまでやったらいいのか、具体的に回数などの目安を紹介していこうと思います。
シャドーイングはウォームアップ!?
ぼく自身がやっている目安についてまずは書きます。
ぼくは、シャドーイングは完全にウォームアップとしてとらえていて、あまり重視していません。
なので、
テキストの新しい文章をやるときに、最初に2回だけやって終わり
くらいの感じでやっています。
シャドーイングって、ウォームアップに最適なんです。
音読と違って、シャドーイングは自分のペースではできません。
「待ってぇ~~~~~!」
と叫んでも音声は待ってはくれないのです。
これによって強制的に頭が"これから英語やるぞ集中モード"になってくれます。
実際、ぼくが前に半年間通っていた通訳養成スクールでも、授業の最初にシャドーイングをしていました。
授業前はなごんでいた雰囲気も、みんなでシャドーイングをやると一気に緊張したムードに変化したのを今でも覚えています。
メインでシャドーイングしてもオッケー
ウォームアップと言いましたが、がっつりシャドーイングをやっても全然オッケーです。
メインにするのかウォームアップ扱いにするのかは、その時々の学習目標などによって柔軟に変えてください。
たとえばぼくはいま、
- 単語学習
- 音読
- 洋書多読
がメインテーマなので、シャドーイングをがっつりやっているヒマがありません。
なので、集中モードに入るためだけの手段として利用しています。だから2回なのです。
メインでやるべき人は、英語の音に触れる時間が圧倒的に少ない人です。
英語学習はとにかく聞きまくるのが大事・・・というか大前提なので、これが普段できていない人はシャドーイングで英語を聞く時間を増やすべきです。
また、TOEICのリスニングのスコアを上げるのが現在の学習テーマである、という人もシャドーイングしましょう。
言ってみればシャドーイングは英語を聞きながら別のことをする作業なので、ちゃんとやればTOEICにおける問題処理能力が上がります。
どこまでやるのかの目安について。
詳しくは下記の記事に書いたのですが、
⇒シャドーイングの効果を何倍にも上げるやり方!大事なのは"注意の切り替え"だ!
シャドーイングは、回数を重ねていくと、
- 音声が正確に繰り返せる
- 同時に意味も頭に思い浮かぶ
という2段階を踏んで習熟されていきます。
多くの人は1の段階でやめてしまうのですが、これはもったいないです。
2の「シャドーイングをしながら意味も頭に浮かぶ」という状態までもっていくようにしてください。ここがゴールです。
なので、メインでシャドーイングをする場合ははっきりとした回数はありません。
2の段階に入るまで回数をこなしてください。
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音読は3回まで!?
音読をどこまでやるのかは、その人のレベルと目的に合わせて柔軟に決める必要があります。
たとえばぼくが全くの初心者だったころ、『音読パッケージトレーニング』というテキストを何度も何度も音読しました。
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正確には覚えていないのですが、50回以上は読んだのではないかと思います。
50回はさすがにやりすぎなので真似しない方がいいですが、
英語初心者は、どこかの段階で20回以上読むトレーニングを続けないと実力がブレイクスルーしない
というのは真実だと思っています。
國弘正雄という、同時通訳の先駆者みたいな伝説の人による『國弘流英語の話しかた』でも、中学の教科書を何度も何度も読みまくったことで大きな成果を挙げたことが書かれていました。
テキストは別に『音読パッケージ』である必要はありませんが、現在中学レベルのテキストで勉強をしている人は、その1冊に絞って10~20回以上の音読をすることをおすすめします。
完璧を目指さない
・・・とは言っても10回とか20回読むのは大変だと思うので、長い英語学習の歴史の中で、「今だ!」と決めて1回だけそういう時期を作るだけでオッケーです。
基本的には、普段の学習での音読は3回を目安にしましょう。
「少なくない?」
と思った方もいるかもしれませんが、音読の回数を多く重ねるのにはデメリットもあるんです。
たしかに、多くの回数音読できればその分だけ効果は出るでしょう。
しかし、
ひとつの文章の音読回数を重ねれば重ねるほど、消化できる文章の数が減っていく
というデメリットもあります。
多くの英語学習者は、日々の学習で触れている英文の量が圧倒的に足りていません。
1日の学習で、ひとつのパッセージを15回音読するよりも、5つのパッセージを3回ずつ音読する方が圧倒的におすすめなんです。
3回で終わらせるのには不安感が残るかもしれません。
が、大丈夫です。
自分が理解できていない・ものにできていない英文なんてまだまだ無限にあるのです。
そいつらが控えています。待っています。
今、目の前にあるパッセージだけにとらわれすぎていたらもったいないですよ。
音読は3回までと決め、多くの文章にアタックしていきましょう。
部分的に回数を重ねてみる
ぼく自身は、音読は基本1回です。
が、
- ここ、よくわからないな
- この表現は自分でも使ってみたい
- この言い方カッコイイ!
という英文に出会った時は、その部分だけを2回音読するようにしています。
このやり方も混ぜてやっていくと良いでしょう。
ひとつの英語の文章の中には、すでに習熟している表現と、ものにしていない表現が混ざっていますよね?
すでに習熟している表現を音読するのはコスパが悪いです。
なので、「この表現はしっかりやった方がいいな」と思ったものだけは追加で2回読むようにしてください。
1度目で発音・読み方を確認
2度目は意味も考えて、自分で発話しているようなイメージ
これで効率が一気に上がります。
まとめ
シャドーイングはウォームアップとして2回、勉強開始時にやるのがおすすめです。
が、メインとして勉強に組み込む場合は、
正確に繰り返せる上に意味も思い浮かぶ
というのが終了の目安です。
音読については3回が目安。
それ以上は効率が悪いのでどんどん次の文章にいってしまいましょう。
たとえ完璧にできていないと思ったとしても、そこにこだわっているなら次に行った方がコスパ良しです。
シャドーイングとは違い、習熟度ではなく回数で決めてしまって大丈夫です。
ただし、不安なところは部分的に2回、追加音読をしましょう。
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