ロシア語学習に挫折した人は『ニューエクスプレス ロシア語』からやり直すのがおすすめ!
「ロシア語難しすぎ!」
ちょっとでもロシア語を勉強したことがある人なら、誰もが一度は思ったことがあるのではないでしょうか?
ぼくもロシア語を勉強していますが、このセリフを心の中で思うどころか毎日口に出して叫んでいます。
ロシア語は、とにかく初心者泣かせなんです。
まず、文字をゼロから覚えなければいけません。しかも全部で33文字と、英語で使うアルファベットよりも7文字も多いのです。
続いて発音。みんな苦手なあの"巻き舌"ができないといけません。
そして複雑な文法。テキストを繰るごとに出てくる変化表を見てうんざりしてしまう人は多いはず。
初級段階で越えなければいけないハードルが高く、しかも頑張ってひとつ越えても目の前にすぐまたもっと高いハードルが現れるのがロシア語学習です。
少し勉強して挫折してしまう人も多いと思います。
でもちょっと待ってください!
やり方を変えてみるだけで、もしかしたらまたやり直せるかもしれませんよ!
『ニューエクスプレス ロシア語』を使おう!
ロシア語学習を一度あきらめてしまった人は、『ニューエクスプレス ロシア語』というテキストで勉強し直せばまた復帰できると思うんですよね。
この本は、ロシア語の初級文法テキストです。
文法テキストなんですが、文字と発音、会話表現も学べる、ロシア語の初級の基礎知識が一通り学べる参考書になっています。
構成としては、中学校の英語の教科書を想像していただければ近いです。
全20課に分かれており、各課の最初に会話テキストとそこで使われた単語リスト、次のページには文法事項の説明が書かれています。
この本の著者は黒田龍之助先生です。ロシア語学習者なら誰もが知っているビッグネームですね。
とにかくわかりやすい!
なぜ『ニューエクスプレス ロシア語』を使えば、ロシア語を一度挫折した人でも学習が続くのでしょうか?
黒田先生の説明がとてつもなくわかりやすいというのもありますが、やはりこれは学ぶ範囲が絞られているからでしょう。
ロシア語学習に挫折してしまう理由のひとつとして、いくつもいくつも出てくる変化形の表が嫌になってしまうというのがあります。
しかし、このテキストでは、学習者を圧倒するような変化表は出てきません。
「え、それで大丈夫なの?」
と思った人もいるかもしれませんが、大丈夫なんです。
このテキストでは、ロシア語初心者が最低限覚えておくべき文法事項のみをピックアップしてまとめているからです。
考えてみてください。
変化形を丸暗記したとしても、結局は実際によく使う表現から定着していき、だんだん慣れていって、最終的に表のすべてを覚えている状態になる、という段階を踏むことになるはずです。
そう考えると、初心者なら別に表を全部覚えなくても、大事なところだけまずは覚えるというのが、効果的な学習のためにも、また、"挫折しないためにも"重要だと言えます。
ぼくが知っている限りですが、ロシア語でそれができるのは『ニューエクスプレス』だけですね。
ひたすら音読!
さて、では『ニューエクスプレス』をどう使えばいいのかという話ですが、
基本的には最初のページから順番に学習していけば大丈夫です。
ただ、とにかく"音読"を学習の中心にするようにしてください。
要するに、ただ黙ってテキストを読み進めるのではなく、どんどん声に出して練習するのが大切だということです。
文法の説明を読んでそれを理解するというのはもちろん大事で、『ニューエクスプレス』を使う際にもまずは文法事項を確認すべきです。
ただ、とりあえず文法の部分を見たら、あとはひたすら声に出して読むことです。
初級文法というのは、体に染み込ませて、感覚レベルで最終的には覚えないといけないんです。
そのためには音読が最も効果的な方法なんです。
『ニューエクスプレス』は学ぶべき項目が絞られており、分量が少ないテキストなので、1冊まるまる何回も音読することもできるはずです。
とにかく音読しまくり、最終的には本のどこに何が書いてあるのか覚えてしまうくらいを目指しましょう。
これ一冊に絞ってやり込め!
『ニューエクスプレス ロシア語』を使って勉強すると決めたら、とにかくこの一冊を極めるという気持ちで取り組んでください。
他の参考書に目移りしそうになることもあるかと思いますが、そこはこらえて『ニューエクスプレス』を読み込みましょう。
このテキストを使えば、
わかる→わかるから自信がつく→次のステップへ
というサイクルが生まれ、どんどん基礎知識を吸収することができます。
このテキストをやり込んだら、一度挫折したロシア語テキストをもう一度読んでみてください。
完全に景色が変わっているはずです。
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ロシア語をゼロから勉強する初心者におすすめの参考書・本を紹介します!
『寝るまえ5分の外国語』(黒田龍之助著)が外国語学習好きにおすすめすぎる件
『寝るまえ5分の外国語』という本が面白かったのでレビューしようと思います。
外国語学習好きやロシア語学習者には有名で、ぼくもファンである黒田龍之助氏の新刊です。
語学書の書評
この本は語学書の書評集です。
広報誌『白水社の本棚』で連載された、毎回1冊の語学書をフィーチャーして書かれるコラムをまとめたものになっています。
「語学書の書評なんておもしろいの?」
と思う人がいるかもしれませんが(ぼくもこのブログで語学書を紹介しているのであまりこういうことはいいたくないんですがこれが大多数の声でしょう)、これが読んでいて本当に面白いんです。
実際に人気で、発売して約1ヶ月くらいで増刷が決まっています。
外国語を楽しむ
この本はとにかく読んでいて楽しいんです。読み出したら止まりませんでした。
これはなぜなのか考えてみたんですが、著者の黒田氏自身が楽しんでいるからではないかと思うんです。
たとえば、『モンゴル語のしくみ』という本の回では、
モンゴル語はキリル文字を使って表記される。つまりロシア語と同じ。
(略)
1990年代に訪れたモンゴルの首都ウランバートルでは、至る所にキリル文字が踊っていて、わたしはこれが気になった。
だって、さっぱりわからないのだから。
同じキリル文字でも、スラヴ語圏を旅していれば、なんとなく理解できるものが多いのだが、モンゴルでは見慣れた文字でもまったく想像のつかない単語が綴られる。ワクワクするではないか。
(90ページより引用)
とあります。
注目すべきは最後の「ワクワクするではないか。」です。
ここは笑ってしまいました。笑ってしまったんですが、この感覚、外国語が好きな人はわかるはずです。
英語が大嫌いで、いやいや勉強している高校生の
「全然わかんねー!」
と、外国語学習が好きでたまらない人の
「全然わかんねー!」
は全く違います。
後者は、「全然わかんねー!(興奮)」であり、「全然わかんねー!(歓喜)」なんですw
この『寝るまえ5分の外国語』では、筆者の黒田氏自身がめちゃくちゃ楽しんでいて、それが行間からにじみ出ているので、その空気感に引き込まれてどんどん読んでしまうんです。
『やさしいドイツ語』の回では、
小塩先生はいつも楽しそうだった。
(略)
本書のページを捲っていくうちに、「ナントカ語を勉強すれば、こんなにいいことがありますよ」なんていう宣伝文句はまったく必要ないことに気づく。著者本人が楽しそうにしていれば、生徒は自然とついていく。そういう魅力的な先生は、いつの時代もすくないけれど。
(208,210ページより引用)
とあります。
黒田先生(『ニューエクスプレス ロシア語』にお世話になっているのでやっぱり先生で)もそういう人だなと思うわけです。
外国語学習あるあるが満載
外国語学習が好きだからこそ「わかる!」とうなずけるようなポイントも満載でした。
大学書林は絶版をめったにしない。作った本は時間をかけて丁寧に売ってくれる。マイナーな語学書を出してくれるだけでも十分にありがたいのだが、それが長いこと書店の棚に並んでいるのを目の当たりにすれば、思わず頭が下がる。
(223ページより引用)
かなりマニアックですけどこれは超わかりますね笑。
大学書林は『イディッシュ語文法入門』のようなマイナーな語学書を多く出しています。
この本は比較的新しいですが、中にはびっくりするくらい昔に出版された本もあります。
ちなみにこの回で紹介されていたのは『印度語四週間』。
日本人は最も勇敢な海軍をもってゐる
という例文が載っているそうですw
あと、『ニューエクスプレス』シリーズについてのコラムも面白かったですね。
『ニューエクスプレス』シリーズは白水社から出ている初級文法テキスト。数々のマイナー言語に対応していて、しかもクオリティが高いのでぼくも大ファンで、ニューエクスプレスを褒めるだけの記事を書いてしまったくらいです。
今回のシリーズにおける新機軸は、巻頭の「○○語ってどんなことば?」。これを読めば、その言語の概略を把握することができるので、非常に便利。このシリーズを片っ端かた手に入れて、「○○語ってどんなことば?」の部分を比べながら目を通してみた。
(94,95ページより引用)
これ、ぼくもやりますw
全く知らない外国語の概略を知るのって、本当に楽しんですよね。
『ニューエクスプレス』シリーズは、そういう目的のためにはぴったりなんです。
ちなみに、黒田先生は『ニューエクスプレス ロシア語』の著者でもあります。
外国語学習が好きな人におすすめ!
このように、『寝るまえ5分の外国語』は、単なるブックガイドというわけではなく、楽しく読める読み物になっています。
これを読むことで、語学学習の魅力を再発見できるでしょう。
外国語学習者が好きだという人には超おすすめです。
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中国語の単語帳おすすめリスト!ランキング形式で紹介します!
中国語学習において、単語の勉強はかなり重要な位置を占めます。
中国語では、単語が英語のように語形変化しないので、文法は簡単です。
なので、 文法というよりは、ひたすら単語を覚え続けることで語彙力を増やすというのが学習の中心で、そしてそれが何より中国語上達の近道だと言えます。
今回は、中国語の単語学習におすすめの単語帳をランキング形式で紹介していきます。
選んだ際に基準にしたのは、
- 単語のチョイス
- レイアウトの見やすさ
- 例文、CDのクオリティ
の3つです。
それでは1位から発表していきます!
【1位】キクタン 中国語
- 作者: 内田慶市,沈国威,氷野善寛,紅粉芳惠,関西大学中国語教材研究会
- 出版社/メーカー: アルク
- 発売日: 2008/05/27
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 11回
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一番おすすめなのが『キクタン』です。
見出し語と日本語訳、そして例文というシンプルな構成ですごく使いやすいです。
『キクタン』は全部で6種類出ています。これらはレベル別になっていて、全部やると中国語検定の準1級レベルまでマスターできるようになっています。
そこまで目指さないという人でも、500語か1000語ごとに巻が分かれているので、少しずつ確実にレベルアップしていくことができます。
中国語をはじめたばかりの人は、基本語約500語が載っている『入門編』を使いましょう。
中国語単語帳で迷ったらまずこれを買って間違いないです。
『入門編』の500単語を覚えたら次の『初級編』に進みましょう。
【2位】ゼロからスタート中国語単語 BASIC1400
初級〜中級レベルの1400語を収録。
この本は、前半と後半に分かれています。
前半は、「是」や「有」「喜欢」などの、まず絶対に押さえなければいけない基礎単語が品詞別に掲載されています。
例文と文法ポイントが載っているので、単語と同時に、基礎的な文法ポイントも学習することができます。
後半は、日常生活やファッション、観光など、ジャンル別に単語がまとめられています。
基礎単語と簡単な文法、ジャンル別関連単語が一冊に詰まっているので、「とにかく中国語を始めてみたい」と思っている全くの初心者には自信を持ってオススメできる単語帳です。
【3位】クラウン 中国語単語600
中国語の学習を始めたばかりの人が、まず覚えるべき基礎単語が約600語収録されています。
特徴的なのがレイアウトの良さです。
字が比較的大きく、シンプルな紙面でかなり見やすいです。
600語という多すぎない単語数とこのレイアウトの良さなら、挫折しないで最後まで進められると思います。
ちなみに、続編にあたる『中検4級対応 クラウン中国語単語700』も出ています。
この2冊目まで学習すれば、約1300語、中国語検定4級に楽々合格できるレベルまで語彙力をアップさせることができます。
【4位】耳タン 中国語 中検4級レベル
耳タン 中国語[単語] 初級/中検4級レベル (耳から覚える)
- 作者: 南勇,楊達,監修
- 出版社/メーカー: 学研マーケティング
- 発売日: 2012/04/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 1回
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中国語の基礎単語が736語、関連語を入れると890語収録されています。
この単語集の特徴は、なんといっても音声です。
中国語→日本語
はもちろんのこと、
日本語→中国語
中国語→日本語→例文→例文訳
の音声もついています。
ここまで音声が充実した単語集はありません。
とにかく耳から単語を覚える派の人はこの単語集を使いましょう。
【5位】これなら覚えられる! 中国語単語帳
コンパクトサイズで使いやすく、レイアウトも見やすいのが特徴の単語集。
中国語の基礎単語が約1500単語収録されており、そのうち800語には例文がついています。
基本語に加え、中国語において大事な量詞、呼応表現、四字熟語なども載っているので、初心者向けのオールラウンドな単語集という感じです。
【6位】HSK基本語彙 1級-4級
HSKとは中国政府が実施している中国語の検定試験です。
『HSK基本語彙』は、その1級~4級(数字が大きいほど難しい級)で出題される基本語彙1200語を収録しています。
HSKを受験したいという人はもちろんですが、HSKを受ける気が全くないという人にもおすすめできる単語帳です。
中国語単語とその意味、例文が載っているというオーソドックスなレイアウト。かなり見やすく、サクサク単語暗記を進めることができます。
これを終えることができたら、続編の『HSK基本語彙 5級-6級』に挑戦しましょう。
中~上級レベルの単語が掲載されています。
【7位】話す中国語の単語力
かなりボリュームのある単語帳です。
この本には、約2300語の見出し語と、約2000語の関連語、派生語が載っています。
かなりの単語数が収録されていますが、その分しっかりと覚えていけば到達できるレベルは高いです。
この単語集に載っている単語を覚えきれば、その時点で日常生活で使う単語なら8割程度をカバーできることになります。
【8位】実用中国語単語集
『実用中国語単語集』には、実際の生活で使われる頻度の高い単語が約1800語収録されています。
全体の5分の1程度の見出し語にしか例文はついていないので、どちらかというと例文というよりは単語のみでゴリゴリ覚えたい人向き。
ただ、観光、職場、人間関係、スポーツなど、ジャンル別に単語が載っているので例文がなくてもかなり覚えやすいです。
この単語集は、海外勤務などですぐに中国語が必要で、とにかく実際の生活で便利な単語を覚えまくりたいという人におすすめです。
まとめ
というわけで今回は、中国語単語帳おすすめランキングを紹介しました。
レイアウトや単語のチョイスなどからおすすめ順に並べましたが、やはり単語集ごとに特徴があるので、自分の好きな単語の覚え方なども考えて選ぶといいのかなと思います。
ちなみに中国語単語の効果的な覚え方については、第1位で紹介した『キクタン』を例に詳しく説明した記事があるので、ぜひ参考にしてみてください。
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ベトナム語のおすすめ参考書・テキストと勉強法をまとめてみた
ベトナムを訪れる旅行者数は年々増加しています。
日本からの旅行者も増えていて、ベトナムは観光地としても認知されるようになってきました。
そんな中で、ベトナム語に関心を持つ人も増えているように感じます。
ただ、やはりマイナーな言語というだけあって、情報が少なく、
どうやって勉強したらいいのかわからない
という人も多いのではないでしょうか。
今回は、ベトナム語初心者を対象に、
ベトナム語の勉強方法とおすすめテキスト
を紹介していこうと思います。
おすすめメインテキスト
ベトナム語の勉強を始めようと思ったら、まず、発音、文法、会話テキストが載っているオールインワンの参考書をメインテキストとして1冊用意しましょう。
以下におすすめを3冊紹介するので、この中から1冊選んでください。
ベトナム語が面白いほど身につく本
CD付 ベトナム語が面白いほど身につく本 (語学・入門の入門シリーズ)
- 作者: 石井良佳
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/中経出版
- 発売日: 2015/05/20
- メディア: 単行本
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レイアウトが非常に見やすく、そして比較的コンパクトサイズの本にも関わらず、中身はしっかりとしているので、多くの学習者の支持を集めているテキストです。
記事の後半の勉強方法のところでも詳しく説明しますが、ベトナム語学習において最も大切なのは発音です。
この『ベトナム語が面白いほど身につく本』では、発音がめちゃくちゃわかりやすく説明されているので、非常におすすめなんです。
文法の説明も読みやすいですし、会話テキストも充実しています。
ベトナム語 レッスン初級
ベトナム語レッスン初級〈1〉 (マルチリンガルライブラリー)
- 作者: 五味政信
- 出版社/メーカー: スリーエーネットワーク
- 発売日: 2005/10
- メディア: 単行本
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『ベトナム語 レッスン初級』も非常に売れているテキストです。
ひとつ前に紹介した『ベトナム語が面白いほど身につく本』に比べると載っている文法事項や語彙も多いので、どちらかというとしっかりと本格的に勉強を進めていきたいという人はこちらを選びましょう。
内容は濃いめですが、文法事項の説明がとにかくわかりやすくて丁寧です。
市販のベトナム語参考書の中で、最も詳しく文法を説明している本と言ってもいいくらいですね。
日常会話レベルを一段階越えて、日常会話+アルファのレベルを目指したい人はこれを使うのがベストです。
ちなみに、この本は『初級(1)』と『初級(2)』の2冊が出ています。
2冊で基礎事項が網羅されるようになっているので、これを使う人は必ず2冊をそろえて取り組みましょう。
ベトナム語レッスン初級〈2〉 (マルチリンガルライブラリー)
- 作者: 五味政信
- 出版社/メーカー: スリーエーネットワーク
- 発売日: 2006/04
- メディア: 単行本
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ゼロから話せるベトナム語 会話中心
日常会話レベルのベトナム語をまずはとにかく習得したいと思っている人には、『ゼロから話せるベトナム語』がおすすめです。
この本は、とにかく多くの会話表現を学ぶことによってベトナム語を習得するというコンセプトでできています。
会話表現が多く載っていはいるんですが、
「つべこべ言わず丸暗記しろ!」
という感じではありません。
それぞれの表現にはしっかりと説明が載っています。
また、本の中盤~後半にかけては、発音と文法の説明もわかりやすくまとめられています。
勉強方法・学習のコツ
まずは発音から!
ベトナム語学習において、最も重要なのは発音です。
まず、ベトナム語には"声調"があるのを覚えておかなければいけません。
この"声調"とは、音の上がり下がりのことで、イントネーションだと思ってもらえれば大丈夫です。
日本語では、イントネーションが違っていても、ちょっと変だなと思うくらいで、意味がわからないということはありませんよね。
しかし、ベトナム語では、声調によって意味を区別しているので、イントネーションを間違えてしまうと伝わりません。
上で紹介した3冊のメインテキストでは、どれも発音がしっかりと練習できるようになっているので、勉強をはじめたばかりの時は特に、発音の練習に時間を割くようにしてください。
勉強をはじめた最初の2週間は発音だけをやる、という勉強方法でも良いでしょう。
そのくらい発音は重要なんです。
テキストを声に出して読む
ベトナム語で大事なのは何よりも発音だと言いました。
正しい音で発話できるのかにすべてがかかっています。
なので、勉強も音読を中心にすべきです。
この記事で紹介したテキストにはどれもCDがついているので、その音声を聞きながら、とにかく音をマネしてみましょう。
ベトナム語には、英語のように語形変化がありません。
なので、単語を覚えたら、あとはその単語をどうやって並べたらいいのか、を覚えていくことになります。
変化が複雑なヨーロッパ系の言語などと比べるとこれはかなり楽だと言えます。
何が言いたいのかというと、発音さえ突破すればあとは楽だということです。
CDをマネしてとにかく何度も口に出して、体に音とリズムを染み込ませていってしまいましょう。
単語は?
単語暗記についてですが、学習を始めたばかりの段階では、とりあえずはメインテキストに載っている基本単語をマスターするのを目標に勉強していくのがいいと思います。
しかし、学習が進んでくると、
「もっと多くのベトナム語単語を知りたい!」
と思ってくることでしょう。
そういう段階になったら、単語集を使って単語暗記を進めていくのがおすすめです。
これには『実用ベトナム語単語集』を使いましょう。
ベトナム語において頻繁に使用される約1860語が掲載されています。
載っている単語の数は多いんですが、観光、ファッション、スポーツ、アウトドア、日常生活など、ジャンルに分かれて単語がまとめられているので非常に覚えやすいです。
まとめ
というわけで今回はベトナム語のおすすめ参考書と勉強方法についてまとめてみました。
繰り返しになりますが、とにかく大事なのは発音です。
毎日、何度も音読すればだんだんと口がベトナム語の音に慣れていくので、最初は難しく感じられても、根気よく続けていってください。
ではまた!
広東語の勉強ができる本・テキストと勉強方法をまとめてみた
広東語は、香港の人が話している言語として有名です。
しかし香港以外でも、広東省の他の都市や、他の国のチャイナタウンなどでも広東語は話されており、ネイティブスピーカーの数は約8000万人にものぼると言われています。
広東語はビジネス、文化、観光、さまざま面で重要な役割を果たしているので、日本でも勉強してみようと思う人がいると思いますが、いかんせん情報が少なく、どうやって勉強したらいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
今回は、広東語をはじめる初心者を対象に、
- 広東語おすすめ参考書・テキスト
- 勉強法・学習のコツ
を紹介していこうと思います。
広東語おすすめテキスト
ニューエクスプレス 広東語
『ニューエクスプレス 広東語』は、広東語の初級段階で必要なことをまんべんなく一通り学ぶことができるテキストです。
本の構成としては、中学校の英語の教科書を思い浮かべていただければかなり近いです。
それぞれの課ごとに、会話テキスト、日本語訳、単語リスト、そこで使われた文法事項の説明がされています。
CD付きです。音声はきれいな発音で、初心者向けにゆっくりスピードで録音されています。
広東語は何よりも発音が大事なので、初級段階では丁寧に吹き込まれた音声を使って、発音をひとつひとつ確認して習得する必要があり、そういう意味では理想のCDだと言えますね。
広東語を全く勉強したことがなく、何がともあれとりあえず始めてみたいという人は、このテキストを使って間違いないです。
はじめての広東語
『はじめての広東語』では、広東語学習の肝である会話表現を学習することができます。
記事後半の勉強方法のところでも説明しますが、広東語は話し言葉なので、広東語を使って正式な文書を書いたり読んだりすることは基本的にありません。
つまり、広東語において大事なのは、ずばり会話を学習することなんです。
この本は、会話テキストの後にそこで使われた文法の解説があるという構成になっています。
ただ、掲載されている文のクオリティに関しては申し分ないのですが、文法事項の説明がシンプルで、悪く言えば無味乾燥。
良く言えばシンプルで見やすいといえるのですが、このテキストは外国語学習に慣れている人が使うのに適していると思います。
今すぐ話せる! いちばんはじめの広東語会話
最近出た本。かなり優秀です。
「いつやるか?今でしょ!」で有名な東進ハイスクールのナガセから出版されています。
この本では、広東語の基礎会話をひととおり学習することができます。
香港にいきなり出張になってしまった人などの中には、
「細かいことはいいからとにかく使える会話表現を教えろ」
という人も少なくないと思いますが、そういう人にぴったりの1冊になっています。
ただ、会話表現の紹介が中心で、文法の説明は乏しいので、文法の基礎からしっかりとやりたい人は1冊目に紹介した『ニューエクスプレス』を使うのがベターでしょう。
ゼロから話せる広東語
『ゼロから話せる広東語』もおすすめです。
この本の特徴も、会話に特化しているところです。
このテキストを使えば、会話表現と語彙のストックを確実に増やすことができます。
日常生活で実際に使うような表現が満載なのでCDを聞き込み、テキストを音読することで、表現自体をほとんど覚えてしまうのがおすすめです。
この本はレイアウトや説明の質など含めて非常に評価できるのですが、ひとつ気になるのが、入手がちょっと難しいところです。
2017年4/14日現在、Amazonでは新品の在庫がありません。
(中古はあるようです)
価格が上がらないうちに中古で買うか、本屋によっては置いているところもあるので、書店をあたってみるのも良いでしょう。
これは完全に世間話ですが、広東語のような、(学習者が圧倒的に少ないという意味で)マイナーな言語は、良い参考書が出てもすぐに絶版になってしまうことがよくあるので非常に残念です。。
勉強方法・学習のコツ
まずは発音から!
広東語の学習において一番大事なのは発音です。
広東語には声調というものがあります。
声調とは、音の上がり下がりのことです。
広東語では、これによって意味を区別します。日本語では、音さえ合っていれば、イントネーションなどが変でも伝わらないということはないですよね。
しかし、広東語ではこれを間違えると全く伝わらないんです。
なので、学習を始めたらまず、広東語の6つの声調と使われる音の練習をしなくてはいけません。
ただし特別なテキストは用意する必要はありません。
上で紹介したテキストには、どれも本の最初に発音が練習できるページがついているので、ここを最低3回は学習するようにしてください。
繰り返しになりますが、広東語学習においていちばん大事なのは発音です。ここをおろそかにすると、全く上達しません。
テキストの発音のところで学習した後も、広東語を学習しているときは常に「発音は大丈夫か」ということを意識するようにしてください。
音読を中心に!
広東語は独立した言語としてみなされていますが、元々は方言なので、基本的には"話し言葉"です。
広東語を使って読み書きをすることは基本ないので、学習はスピーキングとリスニングになります。
スピーキングとリスニングを上げることを考えると、学習の中心は音読にすべきです。
とにかくテキストを声に出して読むことで、会話表現をどんどん自分の中に増やしていきましょう。"黙読"ではダメです。絶対に声に出すということを念頭においてください。
コツとしては、実際にそこに相手がいて、自分が広東語を発話していると想定して声を出すことです。
この意識を持つだけで、学習が積極的なものになり、話す力がぐんぐん身に付いていきます。
単語学習はどうする?
単語帳を使った単語暗記も進めていきたいと思う人がいるかもしれませんが、あれもこれもと手を出してしまうと、挫折してしまう恐れがあります。
なので、とりあえずは上で紹介した文法テキストに載っている単語をマスターするのを目標に勉強するのがおすすめです。
特に、最初に紹介した『ニューエクスプレス 広東語』に関しては、巻末に本の中で使われた全単語のリストが日本語訳と共に載っているので、これをそのまま単語帳として使うことができます。
文法テキストだけでも結構な数(数百程度)の単語が載っているので、これをマスターするだけでも基本単語は最低限身に付いたといえます。
その段階がほとんど終わったら、その段階ではじめて単語帳を使った単語学習を進めていきましょう。
「どの単語帳を使ったらいいの?」
という話ですが、これは『今すぐ話せる! いちばんはじめの広東語単語』一択です。
頻繁に使われる単語合計1600語が例文と共に収録されています。しかもCD付。
もう一度言いますがこれ一択です。
他にも広東語の単語集は何冊か出ていますが、そうですね・・・正直に言いましょう、この本以外は全部使えません。
この単語帳は最近出た本ですが、これが出るまでまともな広東語単語集は存在しませんでした。救世主的な存在です。神神神。
ただ、例によって売れずに絶版になる可能性があるので、広東語を学習したい人は今のうちに買っておくのをおすすめします。ぼくも出て即買いました笑。
まとめ
というわけで今回は、広東語初心者向けに、おすすめテキストと勉強のコツを紹介してみました。
最初に挙げた文法テキストの中からどれか1冊を選び、それを完璧にするのを第一目標にまずは勉強を進めてください。
それを終えた人は、【italki】 などのサービスを使ってオンライン広東語会話に進んでもいいですし、中級レベルまでマスターできる少し程度の高い参考書に進むのもいいと思います。
ちなみにこれには『身につく広東語講座』が一番おすすめです。
ただ、まずはとにかく初級テキストを1冊完璧にするのが目標です。
ここで紹介したテキストを使って、ぜひ広東語の初級段階をマスターしましょう!
それではまた!
(中国語に関する記事も書いています)
『会話もメールも 英語は3語で伝わります』のレビュー!英語学習者は絶対に読むべき良書!
かなりおすすめの英語書籍を見つけたので紹介したいと思います。
『会話もメールも 英語は3語で伝わります』という本です!
この本を書いたのは、中山裕木子さん。
特許翻訳者、また大学の講師として活躍されている方です。
ぼくは中山さんの『技術系英文ライティング教本』という本がとても好きなので、
今回の新刊も、本屋で見かけたときに衝動的に"著者名買い"してしまったんですが、中身は期待通りの良書でした。
本の内容
「3語の英語」なら伝わる!
この本は、ひとつの考えがベースになって書かれています。
それは、
伝わる英語は、「3語の英語」
という原則です。
「3語の英語」とは、もっと詳しく言うと、
主語+動詞+目的語
が基本になっている文ということです。
この本に載っている例を挙げてみます。
① My job is an English teacher.
② I teach English.
どちらも「わたしは英語の先生です。」という意味ですが、①が日本人がよく書く英語で、②が「3語の英語」です。
①と②を比べてみてどう思いますか?
まず気付くこととして、②の方がムダがなく、すっきりした英文だということです。
無駄がなくすっきりしていると、ごちゃごちゃしていないので文法などのミスが減りますし、語数が少ないので単純にコミュニケーションのスピードが上がります。
しかも、②の「3語の英語」の方が、言いたいことがズバッと伝わりますよね。
「3語の英語」にはこのようなメリットがあるのです。
本書の第1章、2章では、英語を3語で伝えることによるメリットと、どうすれば3語の英語を作ることができるのかについての説明がされています。
具体的な文の作り方も学べる
本書の中盤からは、ちゃんと具体的に文の作り方も説明されています。
英語をちゃんと伝えるための「便利な動詞」もピックアップされて紹介されています。
ここでピックアップされている動詞は、スピーキング、ライティングはもちろん、ニュースのリスニングなどにおいても重要な役割を果たす動詞なので、本書で紹介されている動詞を押さえておけば、かなり役に立つでしょう。
後半では助動詞や時制の説明を交え、「3語の英語」にどのように情報を足していくのか、を学ぶことができます。
「3語」というのはもちろん単語3つだけですべての英文を作るというわけではなく、3つの要素を基本にする、という意味です。
後半では、それらにいかにして情報を付属させていくのかが説明されています。
感想
ちょっと本書から引用します。
私は、「特許翻訳」という特殊な翻訳の仕事に就いたとき、「難解な英語」を書く覚悟をしていました。難しい技術を説明するのですから、「難しい英語」が必要に違いない、と考えていました。しかし、そこにあった世界の理想は、「ノンネイティブとネイティブの両方に伝わり、誰にでも間違いなく理解ができる、単純明快で、平易な英語」でした。
(74ページより)
ここには特許翻訳の話が載っていますが、これは、どんな英語にもあてはまることですよね。
つまり、「単純明快で平易な英語が好まれる」というルールです。
英語は、次のような表現を好みます。
- あいまいさを避ける
- シンプルで無駄がない
- 何が言いたいのか(=結論)がすぐにわかり明確
日本語は、あいまいで、冗長で、何が言いたいのかがわからなくてもそれが許容されます。日本語を勉強している外国人は、よく日本語をvague(あいまいでわかりにくい)だと言います。
日本語の会話においては、話し手の言うことがあいまいでもそれが100パーセント話し手の責任にはなりません。
「そこは空気読んで察してよ」
となるわけです。
日本人の英語学習者は、この違いを明確に意識する必要があります。
文法にミスがなくても、日本語をそのまま英語に置き換えたような英文は"伝わらない"んです。
そもそも英語には単純明快でわかりやすく伝わる表現を好む、という原則を理解するのが、英語力をアップさせるのに必要不可欠なんです。
要するに、一度日本語におけるコミュニケーションの前提はきれいに捨てて、英語における表現の前提、マインドセット(=考え方)をそっくり脳にインストールする必要があります。
英語を学習すると世界が広がる、とよく言われます。
これは「意思の疎通ができる人が増える」という意味でとらえられがちですが、それでは浅いと思います。
英語を学習し、英語が持つコミュニケーションの前提、その考え方を習得することで、新しい考え方、世界の見方が加わる。そういう意味なんです。
「シンプルで平易」というのはそんな英語の考え方の重要な要素のひとつです。
この本は、そんな理解のための助けになる良書だと感じました。
初心者にも上級者にもおすすめ!
この本は、全レベルの英語学習者にとってためになると思います。
扱っている内容が本質を突いた深いものであるにも関わらず、難しい文法知識、単語は一切使っていません。
上級者についても、個々の単語や文法知識からは一歩引いた視点から、「伝わる英語とは何か」をもう1回考え直す良いきっかけになると思います。
分量としては軽く、サクッと読める本です。
おすすめなのでぜひ読んでみてください。
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『キクタン 中国語』の使い方を徹底解説!これが最良の覚え方だ!
『キクタン 中国語』という単語帳を知っていますか?
- 作者: 内田慶市,沈国威,氷野善寛,紅粉芳惠,関西大学中国語教材研究会
- 出版社/メーカー: アルク
- 発売日: 2008/05/27
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 11回
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アルクという出版社から出ている単語集で、おそらく中国語の単語帳の中ではナンバーワンの人気を誇ります。
ぼくも使っていますが、これがなかったら中国語の学習スピードが半分になっていたなと思うくらい良質な単語帳です。
めちゃくちゃ良い単語集なので、時間をある程度かけてトレーニングしていけば、どんな方法で覚えても中国語の力はある程度は伸びていくと思うんですが、やはり
最大の学習効果を生む使い方・覚え方があります。
特に、覚える際の意識を少し変えるだけで驚くほど効率が良くなります。
というわけで今回は、『キクタン』の使い方を詳しく解説していこうと思います。
『キクタン』に取り組む前に
この単語集を使って中国語単語を覚え始める前に、前提として習得しておかなければいけないことがあります。
それは
- ピンインが9割正確に読める
- 声調が正しく発音できる
の2つです。
"ピンイン"とは、中国語の漢字の読み方をアルファベットで表したものです。
『キクタン』も含め、中国語の参考書はピンインを使って中国語の読み方が書かれています。
なので、これが読めないと、学習自体をそもそも進めることができません。
"声調"というのは音の上がり下がりで、中国語では個々の音の違い以外に、音の高低によって意味を区別します。
ピンインと声調、この2つが習得できていないと単語を声に出すことができません。
これらに自信がないなと思う人は、『紹文周の中国語発音完全マスター』などの、効率良くピンインと声調がトレーニングできるテキストを使って、ピンインについては9割以上正確に読める、声調については完璧を目指してトレーニングしてください。
自分のレベルに合ったものを選ぼう
『キクタン 中国語』はシリーズとして全部で6冊出ています。
- 入門編(中検準4級レベル)
- 初級編(4級レベル)
- 初中級編(3級レベル)
- 中級編(2級レベル)
- 上級編(準1級レベル)
- 慣用句編
入門編~上級編までで、収録単語数がそれぞれ約500,550,1000,1000,1200語となっています。
全くのゼロから単語を覚え始めるという人は、入門編を使いましょう。
もし、文法テキストなどですでに基礎単語を1000語くらい覚えてしまったという人は、中検3級レベルの初中級編から始めても大丈夫です。
とにかく、自分のレベルに合ったものを選ぶのが大事です。
漢字の読み方を覚えるのが最優先!
では、ここから具体的に覚え方の説明に入っていこうと思います。
まず、最重要原則を示しておきます。
中国語の単語暗記において一番大切なことは、漢字とその読み方を体に定着させること
とにかく、単語を見て、その漢字の読み方(ピンインと声調)がすぐに口をついて出てくる状態をまずは目指して単語暗記を進めてください。
かなり乱暴な言い方をしてしまうと、意味は二の次で大丈夫です。
というのも、英語などと違い、日本人にとって中国語の単語は、漢字から意味が推測できるものが多く、そしてそれが大体正しいからです。
日本語の漢字知識から意味が推測できる単語は非常に多いですし、学習が進んでくると、中国語特有の漢字に関しても、その字自体が持つ意味がわかるようになってきます。
英語だと、英単語を見ただけで意味が予想できるなんてほとんどないですよね。
「読み方は難しいけど、意味を覚えるのは楽。」
中国語の単語暗記ではこの点を考慮する必要があるんです。
読み方→意味
単語暗記は1ページ単位で進めていきます。1ページに載っている単語は8単語です。
キクタンにはリズムに合わせて吹き込まれたCDが付いているので、まずはこのCDを聞いて、読み方を耳から確認しましょう。
続いて、単語とピンインを見ながら自分で何回も声に出してみます。
さきほども言った通り、まず達成すべきは単語を見て読み方がすぐに出てくることです。
何回も口に出しながら、体に定着させるイメージを持つのがコツです。
意味については一番最初に読むときに、一度だけ確認します。
このとき、漢字から連想できるものだったらもう確認しなくて大丈夫です。
ただ、漢字の知識からは予想できない単語や、日本語における漢字の意味とは全く違った単語もあるので、その時だけ意味も意識して覚えるようにしてください。
ちなみにキクタンでは、そのような意外な意味の単語には(!)マークが付いているので、簡単に発見できるようになっています。優秀すぎますね。
例文ではじめて意味を強く意識
キクタンにはそれぞれの単語にひとつ、その単語を使った例文が載っています。
漢字を見て、その読み方がすぐに出てくるようになった段階になってはじめて、その単語の例文を読んでいきます。
これまで、その単語の意味については、最初に見たときにさらっと確認しただけでしたが、例文を読む時には、その単語がどういう意味なのかを強く意識するようにしましょう。
単語を見て、機械的にその意味を覚えるだけでは、ほとんどその単語の意味は定着しません。
しかし、文脈の中でその単語の意味を意識すると、びっくりするくらい意味が頭に定着します。
例文はCDに音声が収録されてはいませんが、ピンインは載っているので、それを見ながら音読してください。見たことない単語が例文中に含まれていることもあると思いますが、そういう単語が入っていた場合は、特に覚えようと意識する必要はありません。
とにかく、見出しの単語がどういう文脈の中で、どのような意味で使われているのか、その点を強く意識してください。
まとめ
というわけで『キクタン 中国語』を使った中国語単語の覚え方を解説してみました。
最後にまとめておこうと思います。
- 最優先させることは漢字とその読み方(ピンイン、声調)を定着させること
- 最初の段階では、とにかく読み方を体に染み込ませることに集中して、意味は一度確認する程度でOK
- 漢字とその読み方を何度もトレーニングした後で、意味を意識的に覚える。覚える際は、例文を使い、文脈の中で覚えること。
中国語の単語暗記においては、
①漢字 ②読み方 ③意味
の3つの要素がありますが、①と②、つまり漢字と読み方を自分の中で一致させるのが最優先で、意味は文脈に触れているうちにだんだんと定着すればOK、という具合です。
この感覚を持っているかどうかで、効率が大きく変わってきます。
『キクタン 中国語』は中国語学習者必携のアイテムだと思います。
この単語帳を使って、中国語の語彙力を強化していきましょう!
- 作者: 内田慶市,沈国威,氷野善寛,紅粉芳惠,関西大学中国語教材研究会
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イギリス英語のリスニングが勉強できる参考書と勉強法をまとめてみた
日本で英語を勉強していると、どうしてもイギリス英語のリスニングが苦手になってしまいがちです。
というのも、日本で売られている英語の教材は、表記も表現もリスニング音声も、アメリカ英語を基本にしているものがほとんどだからです。
文化的な面でもそうで、ハリウッド映画や海外ドラマ、音楽など、普段日本で生活していて耳にする英語はアメリカのものが多く、必然的にアメリカ英語アクセントを聞く機会が多くなるんです。
アメリカ英語に偏ったアクセントのみで勉強していると、リスニング力も偏ったものになってしまいます。
もちろん、初級者~中級者くらいまでなら意識しなくても大丈夫ですが、学習が進んできたら、どこかで必ず意識的にイギリス英語のリスニングをトレーニングすべきです。
これは、英語学習全体にも結果的に良い影響を及ぼします。
意識的にトレーニングすることで、イギリス英語のリスニングが楽になるのはもちろんのこと、英語のリスニングに新たな側面が加わることで、他のアクセント、たとえばインド英語やオーストラリア英語などのリスニングも、聞くのが不思議と楽になるんです。
というわけで今回は、イギリス英語のアクセントが勉強できる参考書を紹介していこうと思います。
勉強法としては3ステップです。
- UK英語で使われる個々の発音を知る
- 文全体としてのリズムとイントネーションの練習
- UK英語のリスニング教材を使ってひたすら聞きまくる
それでは最初のステップ、「個別の発音のトレーニング」から解説していきます。
個別の発音を知る
イギリス英語のリスニングを攻略するための第一歩としては、
「イギリス英語でそもそも使われている発音を知る」
ことが大事です。
これには、『UK発音パーフェクトガイド』というテキストを使うのがおすすめです。
イギリス英語でしゃべりたい! UK発音パーフェクトガイド (CD付) (CD BOOK)
- 作者: 小川直樹
- 出版社/メーカー: 研究社
- 発売日: 2009/04/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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単語単位、分単位のテキストは何冊かありますが、個別の発音まで分解して詳しく解説しているイギリス英語の参考書はこれしかありません。
それぞれの発音について、音の出し方の説明がわかりやすく書いてあります。
この部分を読んでから、付属のCDの音声に続いて、自分でも声に出してトレーニングしてみましょう。
CDの音声では、いくつかの単語について、
アメリカ英語→イギリス英語
の順番に音声が流れます。
自分でも2通りの方法で真似してみて、
「あ、ここが違うんだな」
というのを実感しながら進めていきましょう。
薄い本で、1冊すぐに終わらせることができると思います。早い人なら3日程度で1周できるでしょう。
ここで大事なのは、UK発音で使われる音を個別に知ることです。
これだけで完璧にUKアクセントが話せるようになるわけではないので、「へぇ。イギリス英語のアクセントって、こういう風に音を出すんだな。」ということがわかれば次のステップへ進んで大丈夫です。
リズムとイントネーションを鍛える
個々の発音のトレーニングが終わったら、続いてリズムとイントネーションの訓練に移りましょう。
言うまでもなく、イギリス英語のアクセントは、個別の音を学んだだけではトレーニングとしては不十分です。
今度は文単位で、全体としてのリズムがどうなっているのかを知り、慣れていく必要があります。
これには『UKイントネーション・パーフェクトガイド』を使います。
もっとイギリス英語でしゃべりたい! UKイントネーション・パーフェクトガイド(CD BOOK) (CD BOOK)
- 作者: 小川直樹,ナディア・マケックニー
- 出版社/メーカー: 研究社
- 発売日: 2015/06/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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さきほど紹介した『UK発音パーフェクトガイド』の続編にあたるテキストで、今度は具体的な会話文などを使って、UKアクセントのリズムとイントネーションが練習できるようになっています。
画期的なのが、表記方法です。
弱く発音する単語は実際に小さく書かれ、また、上がり調子で読むところ、下がり調子げ読むところには矢印がついています。
これはかなり便利です。イントネーションが目で見てわかるようになっているテキストは見たことがありません。
イントネーションを確認してから付属のCDの音声を聞く、CDを聞いたらまたイントネーションを確認して自分で真似してみる・・・。
この繰り返しがこの本の使い方の基本です。
この本も比較的薄い本ですが、内容は濃密です。というか著者の分析力がすごすぎますね。UKアクセントを話す・聞き取るためのコツがわかりやすく、もれなく整理されています。
ひたすら聞きまくる
発音とイントネーションがわかったら、あとはひたすらイギリス英語を聴きまくって慣れていくだけです。
イギリス英語の練習に特化したリスニング教材が何冊か出ているので、おすすめのものを紹介してみようと思います。
まず、初級レベルの人におすすめなのが『究極のイギリス英語リスニング』です。
CD付 究極のイギリス英語リスニング Standard―3000語レベルでUK英語入門 (究極シリーズ)
- 作者: 英語出版編集部
- 出版社/メーカー: アルク
- 発売日: 2009/09/01
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日常生活からビジネス、文化など、バラエティに富んだテーマの英文が収録されています。
使われている語彙が総語彙数3000語レベルまでで、CDもプロのナレーターによってクリアな音声で録音されているので、初心者でも使うことができます。
イギリス英語の参考書ではありますが、一般的なリスニング教材としても普通に優秀です。これを聴き込むことで、UK発音に慣れるのはもちろんのこと、英語力自体のアップも期待できるでしょう。
初心者向けの教材では物足りない、という中級以上の人には『イギリス英語を聞く THE BLUE BOOK』がおすすめです。
プロのナレーターによる録音ではなく、現地の人の録音なので音声が非常にリアルです。
テーマについてはカルチャー、歴史、元プロサッカー選手のインタビューなどさまざまです。
まとまった量の生のイギリス英語を聞けるのはこのテキストだけです。
ぜひリアルな、現地で実際に話されるイギリス英語に触れて、本場の発音、イントネーションを実感してみてください。
まとめ
というわけで今回はイギリス英語のリスニング力を上げる方法について、具体的な参考書を挙げながら解説してみました。
ぼく自身の話で言うと、TOEICのリスニングで満点近い点数を取って、アメリカのドラマも結構わかるようになってきたときに、マンチェスター出身の人としゃべって全く聞き取れなかったという経験から、イギリス英語を集中的にトレーニングする必要があるなと思い、特訓しました。
UK発音に特化したテキストである時期に集中的にトレーニングすることで、いままで"なんとなく"でやっていた部分が、はっきりと整理されます。
ぜひ、この記事で紹介したテキストを使い、集中的に練習してみてください。イギリスが好きで英語の勉強をしている人はもちろんですが、そうではない人も、学習に必ず良い影響が出ますよ!
CD付 究極のイギリス英語リスニング Standard―3000語レベルでUK英語入門 (究極シリーズ)
- 作者: 英語出版編集部
- 出版社/メーカー: アルク
- 発売日: 2009/09/01
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フランス語初心者におすすめの本・参考書をまとめてみた
フランス語は、英語以外の言語の中では、参考書の数が比較的豊富な言語だと言えます。
しかし、テキストの選択肢が多いと、
「どの参考書を使えばいいの?」
と思う人も多いはずです。
特に全くの初心者は、数ある参考書の中からどれを選べばいいのかわかりませんよね。
今回は、フランス語を全くのゼロから勉強する初心者におすすめの参考書・テキストを紹介していこうと思います。
文法を学ぶ
フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!
最も売れていて、評価も非常に高いフランス語テキストです。
各文法事項について、例文やフレーズ、表を使いながら解説がされています。
特徴的なのが、なんといっても説明がわかりやすいところです。
しっかりとした文法的概念を取り扱っているのに、説明が堅苦しくなく、普段の会話くらいカジュアルな口調の説明文なので、楽に読めます。
フランス語においては未来や過去などの時制が複雑で、そこが大きな関門になりますが、この参考書を使えばストレスなく突破できるでしょう。
ただ一点だけ注意なのが、説明と例文によって構成されているので、練習問題を積めないことです。
非常にわかりやすくておすすめのテキストで、まずこれを買えば間違いないと思うのですが、練習問題をガッツリこなしながら勉強したいという人は、次で紹介するテキストを使いましょう。
文法から学べるフランス語
『文法から学べるフランス語』もおすすめです。
全61課に分かれており、それぞれの課が
文法の説明
練習問題
ミニ会話集
で構成されています。
動詞の変化を中心とした、文法の練習問題を数多く解くことができるのがこのテキストの特徴です。
文法の解説が豊富であり、それに加えて会話テキストが付いているので、訳に立つ表現も学べる、それでいて全く重くなく、サクッと1周できます。
初級レベルで覚えなければいけないことを1冊で済ましたい人にはおすすめの参考書です。
ニューエクスプレス フランス語
上で挙げた2冊の文法テキストは、どちらかというとフランス語をしっかりと最終的には学んでいきたい人向けで、わりと軽めに、たとえば最終目標が旅行会話だというなどにはちょっとオーバーワークかもしれません。
旅行会話などが最終目標だという人は『ニューエクスプレス フランス語』を使いましょう。
内容としては、"中学校の英語の教科書"をイメージしていただければかなり近いです。
各レッスンごとに、会話テキストとそこで使われた単語リスト、次のページには文法事項の説明が載っています。
付属CDの音声もゆっくりスピードで初心者向きです。
勉強方法としては、音読を中心にするのがいちばんおすすめです。単語リストと文法事項を確認したら、テキストを何回も音読しましょう。
単語を覚える
これなら覚えられる! フランス語単語帳
いちばんおすすめの単語帳です。
約1500語のフランス語基礎単語が収録されています。
そのうち約800語には例文がついています。これは絶対に活用しましょう。
文法テキストをこなしながら、この単語帳の例文を音読することで、語彙の習得と同時に文法知識を定着されることができます。
ほぼポケットサイズで、しかも字が大きくレイアウトもシンプルで見やすいので、勉強していてストレスがないです。
この単語帳に載っている基礎単語を学習の早い段階で制覇してしまうと、後々すごく楽なので、すべて覚えきってしまう気持ちで取り組みましょう。
キクタン フランス語
キクタンフランス語 入門編―仏検5級レベル 聞いて覚えるフランス語単語帳
- 作者: 福島祥行,今中舞衣子
- 出版社/メーカー: アルク
- 発売日: 2011/01
- メディア: 単行本
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『キクタン』もおすすめです。
『入門編』では、フランス語の単語を全く知らない人がまず知っておくべき約500語の単語が収録されています。
『キクタン』は実は英語やドイツ語など、色々な言語で出ていますが、フランス語版は例文が面白いです。
ナポレオンやゴダールなどの引用だったり、たとえば
minuit 真夜中、午前0時
という単語の例文では、
Cendrillon doit rentrer avant minuit.
シンデレラは午前0時までに帰らねばならない。
というロマンチックなものだったりと、単調になりがちな単語学習に楽しさを与えてくれます。
ちなみにシリーズとして3冊出版されています。覚えたら次の巻に進みましょう。
番外編
気持ちが伝わる! フランス語 リアルフレーズBOOK
気持ちが伝わる! フランス語リアルフレーズBOOK (リアルフレーズBOOKシリーズ)
- 作者: パトリス・ルロワ,國枝孝弘
- 出版社/メーカー: 研究社
- 発売日: 2014/07/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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文法テキストを使った勉強では、どうしても日常会話で使われるようなカジュアルなフレーズのストックが不足しがちです。
なので、文法学習と並行して、会話フレーズも覚えていくのがベストです。
テキストとしておすすめなのがこの『フランス語 リアルフレーズブック』。
452の会話フレーズと、それを使ったAさん、Bさん2人の一往復の会話が収録されています。
各会話表現の下には、そこで使われている文法事項の説明も載っているので、初心者でも安心して取り組むことができます。
そのとおり!
また明日!
のようなあいさつフレーズからはじまり、
無理しなくていいよ
何か軽く食べに行こう
など、覚えておくと日常会話で便利なまさに"リアル"なフレーズが詰まっています。
ケータイ「万能」 フランス語文法
フランス語の文法をコンパクトサイズの本に見やすくまとめたのが『ケータイ「万能」 フランス語文法』。
初心者を対象とした、"読むための文法書"です。
フランス語の授業の黒板をそのまま写したものだと考えてもらえればかなり近いと思います。
本当に見やすくまとまっているので、メインの文法テキストでの学習がある程度進むごとに何ページかずつ読んでいけば、知識が頭の中でもう一度整理され、より強固な文法ネットワークが形成されることでしょう。
まとめ
といわけで今回は、フランス語初心者におすすめの参考書を紹介してみました。
これらの中から参考書を選ぶ際は、
- 「文法を学ぶ」で紹介した3冊の中からメインのテキストを1冊決める
- 「単語を覚える」で紹介した中から、単語帳を1冊選ぶ。選ぶ基準は収録されている単語数で決める
- 学習がある程度進んできたら(だいたい勉強を始めてから1ヶ月程度)、会話テキストを買って日常会話フレーズのストックを増やす
- 必要に応じて『ケータイ「万能」 フランス語文法』を参照して文法知識を整理する
というのをポイントにしてください。
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植田一三の本おすすめリスト!英検1級レベルの英語力を目指す人のためのハイレベルな参考書!
"英語の超人" 植田一三を知っているか
植田一三という人を知っていますか?
英語のプロ・達人養成教育学校、Aquaries School of Communication学長。英語の百科事典を10回以上読破し、辞書数十冊を暗記し、洋画100本以上の全せりふをディクテーションするという「超人的」努力を果たす。ノースウェスタン大学コミュニケーション学部修士課程修了後、テキサス大学スピーチコミュニケーション学部博士課程に留学し、同大学学部生に異文化間コミュニケーションを1年間、パブリックスピーキング、ラップミュージックコミュニケーション、ビジュアルコミュニケーションをそれぞれ半年間指導。
Aquaries公式HPより引用
もともとは予備校の英語講師をされていた人で、今は自分の塾で英語を指導しています。
プロフィールにいろいろ書いてありますが、
とにかくすごい人
という認識で間違いないと思いますw
英語教師としての活動だけでなく、多くの著作があり、特に上級者向けの英語参考書を多く出版されています。
ぼく自身、英検1級、TOEIC980点を取得できましたが、ここに至るまでに、植田先生の本にはかなりお世話になりました。
正直ただのファンで、本物を一回見てみたいという理由でセミナーに行ったこともあります笑。
今回は、そんな植田一三(イッチー植田)ファンのぼくが、イッチー植田のおすすめ英語参考書を紹介したいと思います。
語彙を強化する本
発信力を鍛える本
英検1級対策本
TOEIC対策本
その他
の5つにジャンル分けし、それぞれ2冊、計10冊紹介していこうと思います。
語彙を強化する
発信型英語 10000語レベル スーパーボキャブラリービルディング
発信型英語10000語レベル スーパーボキャブラリービルディング(CD3枚付) (CD BOOK)
- 作者: 植田一三
- 出版社/メーカー: ベレ出版
- 発売日: 2008/11/19
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植田一三といえば、やっぱり語彙ですね。
この『スーパーボキャブラリービルディング』は、一般語彙からはじまり、分野別の比較的専門的な語彙まで幅広く扱っている単語集です。
ジャンルとしては幅広いんですが、英検1級やTOEFL、工業英検など、ターゲットとなる資格を明確に絞った上で単語が厳選されています。
かなりの数の単語が収録されていますが、前半の一般語彙では、コロケーションで覚えることができ、また、やる気の上がるコラムもところどころに散りばめられているので、学習に飽きがきません。
1冊まるごと覚えたという人はぼくは聞いたことがありませんが笑、机に置いておいて、気が向いたら1ページだけ覚えるという方法でも、十分語彙力が強化されると思います。
発信型英語 類語使い分けマップ
say,speak,tell,talkの使い方の違いがわかりますか?
『類語使い分けマップ』では、このような基本単語の使い分けについて学べるようになっています。
英語学習が進んでくると、だんだんレベルの高い語彙の習得に偏った学習になりがちで、このような基本語の的確な使い分けは、上級者でも結構間違えてしまうものです。
この本を通して読むことで、いままで曖昧に覚えていた基本語の使い分けができるようになります。
ひとつ前に紹介した『スーパーボキャブラリービルディング』と比べると、単語集というよりは読み物という感じです。1冊通読するという学習方法が最適でしょう。
英語の発信力を鍛える
英語で意見を論理的に述べる技術とトレーニング
植田一三氏の参考書を読んでいるとしばしば目につくのが、
「発信力」
という言葉です。
これは、ただ単に英語が話せるというレベルの話ではなく、しっかりとした中身のある内容をアウトプットできる力を意味します。
そんな発信力の大切さに気づかせてくれたのがこの本です。
この本では、スピーキング力を上げる方法、表現集からはじまり、どうやったらディベートやスピーチで説得力のあることを発言できるのか、というところまで踏み込んでいます。
専門書でもない普通の英語の参考書なのに、ここまで深いところまで解説している本はなかなかないです。
英語で経済・政治・社会を討論する技術と表現
英語で経済・政治・社会を討論する技術と表現(CD BOOK)
- 作者: 植田一三,上田敏子
- 出版社/メーカー: ベレ出版
- 発売日: 2013/02/21
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英検1級の二次試験対策のメイン本としてぼくはこの本を使いました。
現代社会においてよく議論される話題について、それぞれ賛成意見と反対意見が載っています。
この本を徹底的に読み込んで英検1級のスピーキングテストに臨んだところ、「これら5つのテーマからひとつ選んでスピーチしてください」の5つのテーマのうち、4つはこの本で練習したものでした。楽勝でしたね。
英検1級の二次試験対策だけではなく、TOEFLやIELTS、TOEICのSWなど、あらゆるスピーキングテスト対策にも使えるのでおすすめです。
英検対策本
英検1級 100時間大特訓
英検対策の本も、イッチーの本は基本的に1級と準1級を扱っているものだけです。
『英検1級 100時間大特訓』は、英検1級の総合対策ができる1冊。
英検1級の過去問の中でも学習効果の高い問題をチョイスし、その演習を通して、問題のパターンや語彙面での知識のストックを増やしていくことができます。
問題の分析は類書の中でも群を抜いていて、問題作成者の意図や、選択肢の構造まで明らかにしてしまっている本です。
英検1級指導歴30年以上のイッチーだからこそ書ける本ですね。
ちなみに、本書第1章の「英検1級に合格するための極意」は必読です。英検1級にとどまらず、英語学習全体に活用できそうなTipsが満載です。
ぼくは、モチベーションが下がりかけたときにはいつもこの章を読むようにしています。
英検1級 英単語大特訓
資格試験の中でも最も語彙力が必要とされる英検1級の語彙対策ができる参考書。
意味ごとに単語がまとめられているのが特徴です。
各意味で1000語レベル~10000語以上レベルの単語が並べられています。
たとえば、「言う・話す」なら、
1000語水準・・・say,tell
3000語水準・・・state, whisper
10000語水準・・・harangue
といった具合です。
コロケーションも載っているので、文脈の中で単語を覚えていくこともできます
これが、300ページ以上にわたって延々と続きます。
この本を9割以上マスターすれば、英検1級の語彙問題ではほぼ満点が取れるでしょう。
ただ、分量としては多いものの、レイアウトや例文、コロケーションが良いので、意外とサクサク進められると思います。
これだけのレベルのことを扱っていることを考えると、かなり取り組みやすいテキストだと言えるでしょう。
ちなみに、英検1級にすでに合格している人でも、語彙力強化のためにかなり使えると思います。上級者でも多くの人が苦手とする句動詞に関しても、見やすくまとまっています。洋書が読みたい人など、語彙力を高いレベルまで伸ばしたい人は使ってみるのもいいかもしれません。
TOEIC対策本
TOEIC TEST 990点満点 英文法・語彙
TOEIC(R)TEST 990点満点英文法・語彙 (アスカカルチャー)
- 作者: 植田一三,石井隆之
- 出版社/メーカー: 明日香出版社
- 発売日: 2010/11/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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TOEICの対策本に関しても、植田先生の本はとにかくレベルが高いです。
この『990点満点 英文法』もその1冊で、この本には、730点レベル以上の文法・語彙問題だけが集められています。
TOEICの参考書は、大体500~600点くらいの人に最も効果が出るように作られているものがほとんどなので、貴重な存在です。
しかも、文法・語彙問題に絞られているのも良いですね。
というのも、TOEICで大体950点を超えて満点を目指すレベルになってくると、文法問題がネックになってくるからです。
文脈判断の問題に比べて、文法・語彙問題は、知ってるか・知らないかだけですべてが決まってしまうんですよ。
特に紛らわしい類語の言い換えや、多義語の問題を大量に練習できるようになっています。TOEICで950~満点を目指したい人は知識の拡充のためにぜひ使ってみてください。
TOEIC LISTENING AND READING TEST 990点突破ガイド
TOEIC® LISTENING AND READING TEST 990点突破ガイド
- 作者: 上田敏子田岡千明,植田一三
- 出版社/メーカー: 明日香出版社
- 発売日: 2016/10/26
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『990点突破ガイド』は、TOEICの全パートの対策ができる参考書です。
ETS制作のTOEICの公式問題集をはじめとする市販の問題集は、大体スコア600点ぐらいの人を対象にしているので、860点や900点以上の高得点を狙う人には、問題レベルも攻略法も物足りないものとなっています。そこで、高得点ゲットのための、いわゆる「TOEIC検定1級」対策をする必要があります。
(2ページ)
このようなコンセプトのもと、中級レベル以上の人が、800点レベル以上の問題を中心に効率よく学習ができるようになっています。
TOEICにおいて大事な部分を占める、類義語や多義語のパターンが豊富であるだけでなく、テクニック面・精神面についても学ぶことが多いテキストです。
それにしても、『990点突破』ってすごいタイトルですよね。990点"取得"とか"到達"ではなくて、"突破"ですからね。990点レベルをさらにぶちやぶっていく高い意識が感じられます。
ちなみにこの本は最近出たテキストで、新形式にばっちり対応しています。
その他テキスト
英語で説明する日本の文化 必須表現グループ100
日本のことを英語で説明する時に便利な表現100グループについて、それぞれ例文と解説が載っているテキストです。
通訳案内士試験の二次試験対策の1冊目に最適。
歴史的な出来事や建造物ごとではなく、表現ごとにまとめているのがこの本の画期的なところです。
これによって、応用が効くようになります。アドリブ力が要求される通訳案内士のスピーキングテストにおいては応用力が必要とされるので、この本はかなりおすすめだといえます。
英語で説明する科学技術
工業英検1級を受験したいと思っている人は、この本を使って間違いありません。
『英語で説明する科学技術』では、科学技術の各分野について、たとえば
ヒートアイランド現象とは?
など、各テーマの文章が英語と日本語でそれぞれ載っています。
この本に載っている文を使って、日本語から英語に訳すトレーニングを積めば、工業英検2級ら楽勝、1級合格にもかなり近づくでしょう。
工業英検1級は英検1級よりも数段難しい資格試験で、そもそも受験する人自体がかなり少ない試験なんですが、そんな資格試験にもスポットライトを当てて、クオリティの高いテキストを作ってしまうのはさすがといったところですね。
さいごに
というわけで今回は英語の超人・植田一三の本の中からおすすめ10冊を選んで紹介してみました。
イッチーの本の好きなところは、やっぱり上級者向けなところですね。
これは別にぼくがそういう本を求めているからというわけではなく、初心者向けの参考書がいちばん売れる英語市場において、上級者向けのテキストを出し続けるということに、自分の信念を貫いている姿勢が見えるからです。
高いレベルの英語力を目指す人にとって、植田一三氏の本は本当に貴重な存在です。
ぜひ、ここで紹介した本を活用してみてください。
というわけでみなさん、明日に向かって英悟の道を
Let's enjoy the process!
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