4ヵ国語を勉強するブログ

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(結果アップしました!)第213回(9月25日)TOEICの難易度と感想を冷静に書いてみる

(10/17追記:結果をアップしました!)

 

何かが違ったんですよね。

 

何かが。

 

そんな気配を感じながらスタートしてしまったんですよね。

 

それは試験管がいきなりTOEICを「トーエック」と言ったからかもしれないですし、おそらくリスニングの音声で頭を英語モードに切り替えようとしていた人のスマホのイヤホンが外れて、

 

"Why did the man go to Miami?"

 

と会場全体に流れてしまったからかもしれないです。

 

これに関しては、

 

"How could I know?"

 

と思わず叫びたくなってしまいました。

ただ、そんなことを考えている内に、果たしてなぜその男はマイアミに行ったんだろう?と本気で気になってしまったんですよね。

おそらく表面上は会議ということにしたバカンスだったんでしょうね。マイアミですからね。

そもそもいきなり"the man"と言われてもどこのマンなのかという話です。

 

どうでもいいことを書きまくってしまったのでさっさと感想いきます。

※難易度などについては新形式TOEICの公式問題集を基準にして判断しているつもりです。

 

Part1,2

Part1は簡単でした。そこまでひねった問題もなし。

ただ、Part2に関しては難しかったです。

普段だいたい間違えても1問くらいなんですが、3問ほど自信のない問題がありました。

"Where(どこ)"に対して場所で答えるような素直な問題は解き易く、しっかりと聞き取れていなくても正解できてしまうことがあります。

 

しかし、難しいのは素直に答えてくれない問題で、これはたとえば"Where"に対して

 

「知らん。」

 

と答えるよな問題です。

これは、全文をしっかりと聞き取れていないと正解することが難しく、聞き取りが不十分だと「正解なくね?」となってしまうんです。

 

Part3,4

リスニング音声を聞いて、3つの質問に一気に答えなければいけない難関Part3,4ですが、難易度は普通だと感じました。

質問文の量も少なかったし、図や表を見て答える問題も、ひねった問題はなく、どれも素直に答えられるものでした。

ただ、ひとつ思ったのが、

 

こんなにリスニングのスピードって速かったっけ?

 

ということです。

細かい情報を正確に拾わなければいけないので、ワードひとつ聞き逃せないのがPart3,4なんですが、あのスピードだったら本当に忙しいし、かなりのリスニング力と、ベースとなるそもそもの頭の回転の速さが必要になりますね。

 

Part5,6

Part5は文法問題です。これは後半ほど難しくなっていきますが、今回は後半の難易度がそれを考慮しても高かったと感じました。

知識を問う問題もそうですし、文脈を読み取って正しい前置詞や接続詞を選ぶ問題も難しかったです。

Part6も難しかったですね。

特に前半。自信のない回答が続き、かなり焦りました。

ひとつ覚えているのが、

"propose a report"が正しいのか、"produce a report"が正しいのかという問題です。

かなり迷ってしまい、結局produceにしましたが、正解しているのかどうかは今調べてもわかりませんでしたw

 

やはり、上級者になればなるほど語法の知識を問う問題がネックになってきます。

文脈で判断する問題は問題文を見れば答えがあるわけですから、また読めばOKという話なんですが、知識問題だけは知ってるか知らないかだけですからね。。

 

Part7

長文読解問題が続くPart7ですが、やや易といったところでした。

2問ほどわからない問題があり、最後余った時間(といっても2分くらい)で急いで答えを決めたんですが、見直したらあっさり答えがわかってしまいました。

やはりPart7は後半になればなるほど疲れが影響して、序盤ではありえないミスをしてしまいがちです。

 

そういえば、弁護士事務所の面接を受けた青年が残念ながら不採用だったけどパートで働くことになりそう的な問題を解いたときは、日本でも専門職がパートで気軽に働ける環境になればいいなと思いました。いやTOEICは仮想世界の話なんですけどね。

 

まとめ

今回のTOEICの感想はこんな感じです。

全体としては、「やや難」というのがぼくの結論です。

新形式の問題集を解いていると、新しくなった問題でさらにひねった問題がよく載っているんですが、そのような問題は今回はなかったです。

ただし、今後どんどんひねった問題が出てくることは過去の傾向を見ても明らかなので、動揺しないため、という意味でも新形式を意識した問題集を使って対策するのが大事ですね。

 

結果

今回の結果は、

リスニング:495/495

リーディング:485/495

トータル:980/990

でした。

これを踏まえて今までの受験履歴をまとめると、下のようになります。

  • 初受験 第190回(2014/05/25) 845点(L455 R390)
  • 2回目 第192回(2014/07/27) 875点(L445 R430)
  • 3回目 第194回(2014/10/26) 875点(L440 R435)
  • 4回目 第196回(2014/12/14) 910点(L475 R435)
  • 5回目 第200回(2015/05/24) 955点(L490 R465)
  • 6回目 第205回(2015/11/15) 930点(L465 R465)
  • 7回目 第208回(2016/03/13) 965点(L495 R470)
  • 8回目 第213回(2016/09/25) 980点(L495 R485)

ベストスコアを更新できました。

まだネットでの結果なので、わかるのは点数だけです。さらに詳しい結果は約1週間後、郵送で送られてくる紙(通称アビメ)でわかります。

今回、満点まであと10点だったということで、一体どこであれだったのか気になるところ。

せっかくなので、1週間後に詳しい結果が送られてきたら、それもここに晒してみようと思います。

(10/22追記:アビメ届いたので貼ります)

 

今回TOEICを受験された方、本当にお疲れ様でした!

 

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イタリア語をゼロからはじめる初心者におすすめの参考書・本をまとめてみた

外国語を独学でやるときって、悩むのがやはり「どの参考書を使うのか」ということだと思います。

特に初級での教材選びは重要です。

テキスト選びの時点で、その後学習がうまくいくのかに影響が出てしまうのです。

今回は、イタリア語を全くのゼロから勉強する初心者におすすめの参考書・本を紹介していきたいと思います。

 

文法を学ぶ

しっかり学ぶイタリア語 文法と練習問題

しっかり学ぶイタリア語―文法と練習問題 (CD book―Basic language learning series)

しっかり学ぶイタリア語―文法と練習問題 (CD book―Basic language learning series)

 

この本はかなりおすすめです。

タイトルの通り、しっかり学べる本。

イタリア語は簡単だという声をよく聞きますが、文法規則は結構複雑です。過去でも近過去と半過去があったりします。文法事項ごとにその形と、動詞の活用を正確に覚えていく必要があるんです。

この本は、課ごとに例文⇒文法の説明⇒練習問題、という流れが徹底されています。

使い方としては、文法の説明を逐次参照しながら、例文を音読することです。付属のCDの音声も絶対に聞きましょう。

事実上必要な文法の基礎をほとんど網羅しているので、これが終わったら実践的な学習でどんどん語彙を増やしつつ、細かい知識を入れていくのが良いでしょう。

 

ニューエクスプレス イタリア語

ニューエクスプレス イタリア語

ニューエクスプレス イタリア語

 

第二外国語学習の入門書として有名なニューエクスプレスシリーズからイタリア語のテキストも出ています。

この本の内容は、中学校の英語の教科書を思い浮かべていただければ想像しやすいと思います。

課ごとに分かれていて、最初に会話文のテキスト、ページの右にはその和訳と新出単語リストが載っており、次のページには文法の説明が続きます。

比較的薄い本なので、丁寧に音読していっても2週間~1ヶ月ほどで1周することができるでしょう。

最初に紹介した『しっかり学ぶイタリア語』よりはかなりシンプルで量も少ないテキストになります。そこまで深く勉強するつもりではない人は、これを音読して、あとは『旅の指さし会話帳』などの定評のある旅行会話集で会話フレーズをひたすら練習するという勉強法でも良いと思います。

旅の指さし会話帳 miniイタリア [イタリア語] (旅の指さし会話帳mini)

旅の指さし会話帳 miniイタリア [イタリア語] (旅の指さし会話帳mini)

 

一応書いておきますが、シンプルだといっても到達点が低いというわけではないので、ガチでやる予定の人でも最初の一冊として全然アリだと思います。

 

はじめてのイタリア語

スペシャルCD付き 日常会話から文法まで学べるはじ めてのイタリア語

スペシャルCD付き 日常会話から文法まで学べるはじ めてのイタリア語

 

ひとつ前の『ニューエクスプレス』のように、会話テキストがあり、文法の説明と練習問題が続くという構成です。『ニューエクスプレス』よりは文法の説明がしっかりしているので、文法の説明が丁寧な方が良いという人はこれを選びましょう。

会話文の量、文法の説明、文化理解、練習問題、どれをとっても満遍なく収録されている優秀なテキストでおすすめです。

学習の初期段階では、あれもこれもと色々なテキストに手を出してしまうとどれも中途半端になってしまい、挫折してしまいやすいです。このようにオールラウンドなテキストを使って、1冊に集中するというのは、学習を継続させるという意味でも効果的だといえます。

 

これならわかるイタリア語文法

NHK出版 これならわかる イタリア語文法―入門から上級まで

NHK出版 これならわかる イタリア語文法―入門から上級まで

 

かなり分厚い文法書という感じ。

メインのテキストとして使ってはいけませんが、上に挙げた3冊のテキストのどれかで勉強するときに、わからない文法用語があったときに参照したり、苦手な分野をより強化するのに使えます。

シンプルなのに説明がめちゃくちゃわかりやすく、長年語学講座をやってきたNHKから出版された本だなと思いますね。

とりあえず最初のうちは必要ないかと思いますが、だんだんわからない箇所が増えてきたら購入を検討するのもアリでしょう。

ちなみに現在Amazonの在庫が切れていてプレミア状態なんですが、本屋では普通に売ってるのでこの本はリアル書店でチェックしてみてください。

 

単語を覚える

これなら覚えられる! イタリア語単語帳

これなら覚えられる!イタリア語単語帳 (CDブック)

これなら覚えられる!イタリア語単語帳 (CDブック)

 

初級のイタリア語単語が約1500語収録されています。

字が大きく、レイアウトが見やすいのでおすすめです。

例文もついているので文脈のなかで単語を覚えていくことができます。

 

話すイタリア語の単語力

話すイタリア語の単語力 (〈分野別〉ベーシック2000語)

話すイタリア語の単語力 (〈分野別〉ベーシック2000語)

 

イタリア語の基礎単語が約2100語載っています。

2000単語というと多いと思う人もいるかもしれませんが、イタリア語は日常会話の80パーセントが2000の基礎単語でカバーされてしまうという特徴があり、そういう意味で基礎の2000語をいかに使いこなすかが重要になってきます。

派生語が約800語載っているので、やり込み要素満載です。

この単語集は程度が高いと思う人も多いかもしれませんが、しっかりとやりこむことでかなりの効果が期待できるでしょう。

 

キクタン イタリア語

キクタン イタリア語 【入門編】基本500語レベル

キクタン イタリア語 【入門編】基本500語レベル

 
キクタン イタリア語【初級編】基本1000語レベル

キクタン イタリア語【初級編】基本1000語レベル

 

上で挙げた2冊は収録単語数が1500、2000と結構多いです。

そういう人はこの『キクタン』がベストでしょう。

入門編と初級編の2冊が出ていますが、それぞれがイタリア語検定(伊検)の5級と4級レベルに相当しています。

収録単語数としてはそれぞれ500語です。

この単語集を使う場合は絶対にCDを使いましょう。リズムに合わせて単語を練習できるようになっています。

 

日常会話集

日常イタリア語ネイティブ表現

日常イタリア語会話ネイティブ表現 ([CD+テキスト])

日常イタリア語会話ネイティブ表現 ([CD+テキスト])

 

文法テキストの一番最初に挙げた『しっかり学ぶイタリア語』は、かなりおすすめなんですがテキストが会話形式になっていないので、学習に飽きが来てしまう可能性があります。

他の文法テキストも、会話形式ではありますが、文法を意識した会話文なので実際使われるセリフというよりはどちらかというと教科書的です。

なので、学習がある程度、20時間くらいでしょうか、進んだら会話集を使って、覚えたら実践でそのまま使えるような会話フレーズをどんどん覚えていってしまいましょう。

いちばんおすすめな日常会話フレーズ集はこの『日常イタリア語ネイティブ表現』です。

AさんとBさんの一往復の会話が250弱載っています。

ここに書いてある表現を覚えていけば、言いたいことが自然に言えるようになってくるでしょう。

 

勉強方法のまとめ

ということでイタリア語をゼロからはじめる初心者むけのおすすめテキストを紹介しましたが、ここで勉強方法を整理しておこうと思います。

  • 「文法を学ぶ」で最初に挙げた3冊の中から1さつメインのテキストを決める
  • 単語集から1冊を選び、語彙を増やしていく
  • 学習がある程度進んできたら会話フレーズ集を使って実践的なフレーズのストックを増やす

一点だけ注意ですが、単語集は必ずしも学習を始めた段階で購入する必要はありません。

単語の暗記というのは一番挫折しやすいんです。単語学習が嫌になってイタリア語の勉強自体をやめてしまうというのが最悪のパターンなので、まずは文法テキストに収録されている単語をマスターしようという気持ちで取り組み、語彙をもっと覚えたいというモチベーションが湧いてきたら単語集を使った単語暗記に取り組んでいきましょう。

 

また、初めてイタリア語を勉強する人は発音が気になるかと思いますが、イタリア語の発音は日本人にとってとても簡単です。

発音用の特別な参考書は買う必要はありません。

上に挙げた文法テキスト3冊にはどれも最初の方に発音が練習できるセクションがあるので、そこを読んで練習すればそれでOKです。

 

たいていの外国語では最初の段階で発音と文字の習得に苦労するんです。イタリア語の親戚であるフランス語はめちゃくちゃ発音が難しいです。ロシア語や韓国語は文字を覚えないと勉強がそもそも始まらないんです。

それに比べイタリア語は発音が簡単ですし、文字も英語で使われるアルファベットと同じラテン文字。

発音と文字で大きな時間を割く必要がなく、勉強を始めたその日からどんどん文法知識やフレーズの習得に取り掛かることができるのがイタリア語です。

挫折する要素が少なく楽しく勉強できる言語だと思います。ぜひこの記事で紹介した参考書を使い、イタリア語の勉強をスタートしてみてください。

ではまた!

 

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イタリア語の発音が簡単って本当なの?発音記号を書き出して検証してみた結果がこちら。

「イタリア語の発音は日本人にとって簡単」

とよく聞きます。

 

外国語学習においてはこのような「○○語の~は簡単」「~語は難しい」という文句をよく耳にするのですが、たいてい間違いというか、

 

「まぁそう言えるかもしれないけど実際はもっと複雑だよね」

 

という感じなんです。

 

今回は、外国語学習においてよく言われる

「イタリア語の発音は簡単である」

について、発音記号を書き出して検証してみようと思います。

 

 

母音

まずは母音から見ていきましょう。

イタリア語で使われるについて、発音記号をすべて挙げてみます。

 

[ a ]  [ e ]  [ ɛ ]  [ i ]  [ o ]  [ ɔ ]  [ u ]

 

この7個がイタリア語で使われる母音です。

 

ただし、この7つのうち、  [ e ] と[ ɛ ] , [ o ] と [ ɔ ] については、ほとんどのイタリア語話者が厳密には区別を行っていない音なんです。

たとえば [ e ] と[ ɛ ] は、日本人にとってはどちらも「え」と聞こえますが、これらは、開口音、閉口音と呼ばれ、口の開き具合によってちゃんと区別された別の音なんです。

ただ、これらの区別をしないと単語の音が丸かぶりしてしまうセットを発音するときを除き、大部分のイタリア語話者は区別しないので、日本人学習者である私たちもこれを厳密に区別しながら学習する必要はありません。

 

これをふまえると、イタリア語の母音は、5個あるということになります。

 

母音が5個、なんかどこかで聞いたことありませんか?

 

そう、これは日本語と一緒なんです。

 

しかも、個数が同じというだけではないんです。

イタリア語の文字「a」「e」「i」「o」「u」にこれらの母音が対応していますが、そのまま日本語の発音で「あ」「え」「い」「お」「う」と発音すれば大丈夫です。

 

これは他の言語と比べてもかなり楽だと言えるでしょう。

この前同じ検証をフランス語でもやりました。

kazuuiword.hatenablog.com

 

この記事の中でも書いたんですが、フランス語の母音は16個もあるんです。

ちなみに発音のデパート中国語は母音だけで30個以上あります。

普段5種類という少ない数の母音しか使わない日本語を話している私たちにとって、母音という観点ではイタリア語はかなり楽ですね。

 

ただし一応注意点として、日本語の母音「あいうえお」とイタリア語の母音が完全に同じではないことを補足しておきます。

たとえば、イタリア語の「u」は日本語の「う」よりも唇をもっと前に突き出して発音します。他の母音についても完全に同じではありません。

なので、とりあえずは日本語の「あいうえお」と同じように発音し、慣れてきたら教材のCDなどを真似してイタリア語っぽい発音に近づけていくのが良いでしょう。

まぁそうはいってもやはり日本語の「あいうえお」で許容範囲に収まってしまうのは、かなり学習しやすいといえますね。他の言語、たとえば英語では日本語の母音と同じように発音するとたいてい伝わらないので。。

 

子音

続いて子音です。

 

[ m ]  [ n ]  [ ɲ ]  [ p ]  [ b ]  [ t ]  [ d ]  [ k ]  [ g ]  [ ts ]  [ dz ]  [ tʃ ]  [ tʒ ]  [ f ]  [ v ]  [ s ]  [ z ]  [ ʃ ]  [ j ]  [ w ]  [ l ]  [ r ]  [ ʎ ]

 

さらに音を細かく調べていくともっと数が増えたりすることもあるようですが、学習者として実用レベルのイタリア語習得を目指すという観点では、上に挙げた23個がイタリア語の子音です。

 

日本語で使われる子音は16個なので、数的にはイタリア語の方が豊富な子音を使っていることがわかりますね。

 

では、この中で、"特別なトレーニングなしに日本語とほとんど同じような発音でOKな音"を赤字で示してみようと思います。

 

[ m ]  [ n ]  [ ɲ ]  [ p ]  [ b ]  [ t ]  [ d ]  [ k ]  [ g ]  [ ts ]  [ dz ]  [ tʃ ]  [ tʒ ]  [ f ]  [ v ]  [ s ]  [ z ]  [ ʃ ]  [ j ]  [ w ]  [ l ]  [ r ]  [ ʎ ]

 

さらに、この中で、"練習は必要だがすぐに習得できる発音"を青字にしてみます。

 

[ m ]  [ n ]  [ ɲ ]  [ p ]  [ b ]  [ t ]  [ d ]  [ k ]  [ g ]  [ ts ]  [ dz ]  [ tʃ ]  [ tʒ ]  [ f ]  [ v ]  [ s ]  [ z ]  [ ʃ ]  [ j ]  [ w ]  [ l ]  [ r ]  [ ʎ ]

 

というわけで、子音が23種類もあるイタリア語ですが、その中の19個はそこまで苦労せずに出せる音だということがわかりました。

 

残る音のうち、まず [ f ]  [ v ] ですが、これはそのままイタリア語の文字の「 f 」と「 v 」に対応しています。

これらは、上前歯を下唇につけて発音するんですが、日本語では使わない音です。

日本語でも「ヴァイオリン」のように「 v 」を意識した表記もありますが、「ヴ」の部分の発音は「バブル」の「バ」と全く同じように発音すると思います。

 

[ l ]  [ r ] の区別は最難関かもしれません。[ l ] は日本語の「らりるれろ」というよりは、もっと舌を上あごにべったりつけるイメージで発音しなくてはいけません。

「 r 」についてはいわゆる"巻き舌"ですが、イタリア語では、ロシア語などと比べると、アクセントがあるとき以外はそこまで大げさに発音しません。

やりすぎるとかえって変なので、r の音は巻き舌なんですがそこまでやりすぎないようにしましょう。

それよりも大事なのが「 l 」と「 r 」をしっかりと区別することです。

 

l と r の違いは難しいところですが、子音を見てもイタリア語は日本人にとってかなり楽だといえるでしょう。

 

その他の要素

イタリア語は「子音+母音」の並びが多く、この点で日本語とよく似ています。つまり、区切り方が似ているので、かなり発音がしやすいです。

他のヨーロッパ言語では子音が連続することが頻繁に起きます。

たとえば英語では、子音が2つ3つ続くことは当たり前で、これがまさに英語の発音を難しくしているんです。

 

ただし、アクセントには注意です。

初級テキストを見ると、"基本は2番目の母音にアクセントがある"などと書かれているんですが、これに当てはまらない単語も多く、結局は単語ひとつひとつのアクセントを確認しながら学習を進めていくことになります。

 

結論

母音、子音、音の区切り方を考えると、

 

イタリア語の発音は日本人にとっては簡単!

 

という結論に達しましたw

 

フランス語のときに引き続き、またしても世間の評判が正しかったことになります。

疑ってすみませんでした!

 

だたし、簡単だといったもののアクセントだけは注意です。

個別の単語の発音、またそれらがつながることによって生み出されるイタリア語っぽいリズム、それらは一朝一夕で身につくものではないようです。

アクセントを間違えてしまうと、相手に"ストレス"を与えてしまうだけではなく、それだけならいいんですが最悪伝わらないので、イタリア語を学習する人は学習の初期段階から、個々の単語の発音を確認しながら勉強をすすめるべきですね。

 

イタリア語の発音をしっかり徹底的にやりたいという人には、一応『イタリア語発音トレーニング』のような発音に特化した参考書も出ています。

イタリア語発音トレーニング《CD付》

イタリア語発音トレーニング《CD付》

  • 作者: キアラザンボルリン,水野留規,フランチェスカミッショ
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2012/12/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

ただ、全くのゼロからはじめるひとは、初級テキストの冒頭でたいてい発音練習ができるようになっているので、そこをさらっとやり、学習を進めていく中でそれっぽいのに近づけていくのが良いのではないかと思います。

 

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『会話と作文に役立つ ドイツ語定型表現365』はドイツ語中級者におすすめの熟語集!

ドイツ語の実力が初級から中級になると、ひとつの大きな問題に直面します。

それは、

 

中級者向けの語彙集がない!

 

ということ。

 

以前、

ドイツ語をゼロからはじめる初心者におすすめの参考書・本を紹介します!

で紹介した通り、総単語数0~2000の初心者向けの単語集ならクオリティーの高いものが3種類もあるんですが、覚えた単語数が2000を超えて中級レベルになると、使えそうな語彙集が全くないんです。

 

そんな状況の中で、今年やっとかなり良さげな中級者向け語彙集が出ました!

 

それが『会話と作文に役立つドイツ語定型表現365』です。

MP3付 会話と作文に役立つドイツ語定型表現365

MP3付 会話と作文に役立つドイツ語定型表現365

 

 

内容

この本は、熟語集です。

von A bis Z

はじめから終わりまで、例外なくすべて

のようなドイツ語の熟語が、本のタイトルの通り365個収録されています。

 

そしてその365個それぞれに、4つの例文が付いているんです。

 

4回例文に触れることで、熟語がびっくりするくらい頭に定着します。

 

4つというと「多すぎない?」と思う人がいるかもしれません。しかし、使ってみるとわかるんですが、この4つという数がちょうどいいんです。

語彙というのは、ゴリゴリと機械的に暗記していくのも時には大事ですが、やはり最も効果があるのは具体的な文脈の中で実際にその語彙に触れていくということなんです。

この本は語彙集であるにもかかわらず、複数の種類の文脈の中でその語彙をトレーニングするということが可能なんです。

 

レベル

中級向けと書きましたが、具体的には独検3級レベルをマスターし、独検2級~準1級程度の人に最適なレベルになっています。

これは、総語彙数2000~5000程度のレベルです。

これだけをマスターしただけでは独検の準1級に高得点で合格することはできないかもしれませんが、合格のための土台作りにはベストだと思います。

さきほどリンクを貼った記事で紹介した3種類の単語集では、だいたい1600~2000の単語が載っています。

これをすべてマスターし、初級文法を身に付けると独検の3級に合格できます。

この本は、その段階に達した人にとって最も効果を発揮するレベルといえるでしょう。

 

関連語彙が豊富!

「え、熟語集なの?単語集が欲しいんだけど・・・」

という人がいるかもしれません。

 

しかし、そういう人もぜひこの本を使うことをおすすめします!

 

というのも、この本では例文を通して独検3級以上レベルの単語も身につけられるようになっているんです。

 

例文を音読しながら特訓していてわかったんですが、この本の例文には、著者が意識的に中級レベルの単語を散りばめているんです。

しかもそれらの語彙にはしっかりと訳注がついているので、わからない単語に出会う度に辞書を引く必要もありません!

 

なので、体裁は熟語集ですが、単なる熟語集を使うのよりも何倍もの効果が得られるのです。

 

ちなみに、注には文法事項の解説もあるので、まだ文法が不安だという人でもサクサクと進められることができます。

 

何回も音読しよう!

この本には、各熟語と例文すべての音声を収録したCDがついています。

これを活用しない手はないです。

CDを聞いて発音のチェックとリスニング力アップをはかりながら、例文を何回も音読しましょう!

さきほども書きましたが、この本に収録されている例文は、単語、文法面でもドイツ語中級者にとってとんでもない効果をもたらします。

 

ドイツ語初級を終えた人は、この本を使うのが最も効率が良く、学習効果も高い選択肢だと思います。

おすすめなのでぜひ使ってみてください。

MP3付 会話と作文に役立つドイツ語定型表現365

MP3付 会話と作文に役立つドイツ語定型表現365

 

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通訳スクールに半年通ってみてわかった4つのメリット!

民間の通訳スクールで半年間の講座に参加していたのですが、それがやっと終わりました。

 

通訳訓練を受けるのは今回が初めてでしたが、半年間通訳学校に通ってみて、これ以上ないくらい普通の感想だとは思いますが、

 

行って本当によかったな

 

と感じています。

 

今回は実際に通訳学校に通った経験を元に、ぼくが感じた通訳学校に通うことのメリットを4つ紹介していきたいと思います。

 

 

①通訳力・英語力が上がる

まずひとつ目のメリットですが、通訳スクールに通うことで、通訳をする能力(以下通訳力)が上がります。

 

ぼくはスクールに通い出す前は、小松達也氏の『通訳の技術』などを読みながら、ほぼ自己流で訓練をしていました。

通訳の技術

通訳の技術

 

 

このような質の良い本を使って学習すれば、通訳力は上がることは上がると思うのですが、学習効率などを考えると、やはりスクールで訓練を受けながら勉強を進めていく方が圧倒的に効果が高いです。

 

通訳学校の先生は、現役で普段通訳として稼働している人がほとんど。

そのような人に通訳について教えてもらい、しかも自分のパフォーマンスを見てもらえる。そしてそこから得られたフィードバックを元に改善を繰り返す。

このようなサイクルで勉強を進められるのは、通訳力を上げることにおいて理想だなと思いました。

 

また、通訳力が上がると同時に、土台となる英語力も当然向上します。

よく、

「英語力と通訳力は別。スクールは通訳の力を鍛える場所であるべきで、その前提となる英語力はスクールに通う前に完成させておくべきだ。」

という意見を聞きますが、これは現実的ではないと思います。

 

よほどの実力者でもない限り、このレベルには達してはおらず、通訳学校に通っている人でもほとんどの人は英語力自体の向上も大きな課題となっています。

 

スクールに通って勉強していくことで、この"英語力を上げる"ということに関しても効率よく進めていくことができます。

これはやはり授業の密度が理由で、スクールの授業では、先生も周りの生徒も自分の通訳を聞いているという状況なので、自宅でひとりで勉強しているときとは段違いの集中レベルで学習できるんです。

 

②意識の高い仲間

ぼくが勉強していたのは、そのスクールの中でもそこまで高いクラスではなかったのですが、それでもクラスにいた他の人は猛者ばかりでした。

ほとんど全員が普段英語をガッツリ使って仕事をしている人で、現役の通訳者として稼働しているという人も数人いましたね。

 

すでに英語力がある程度高く、英語を使った責任のある仕事を普段こなしているにも関わらず、さらなる実力アップのために休日を返上してスクールに通う。

 

そんなとてつもなく意識の高い人達と机を並べて勉強できるのが通訳スクールです。

 

その意識の高さ、勉強することに対するモチベーション、クラスでのパフォーマンスなど、ぼく自身見ていてとても見ていてためになりましたし、大きな刺激を受けました。

 

③自分の実力がわかる

これは簡単に言うと、

 

身の程がわかる

 

ということですね。

通訳スクールに数ヶ月も通えば、実際の現場で求められるだいたいの実力とか、プロの意識の高さがわかります。

それによって、通訳市場と照らし合わせて考えた自分の実力もわかってくるんです。

 

そうすると、

 

「このままやっていけばちょっといけそうじゃん?」

「まだまだ伸びしろはありそうだな!」」

「自分には無理だ。やめた。」

「無理そうだけど頑張ってみる価値はあるんじゃないのか。」

 

などなど、それまで漠然と通訳という職業にあこがれていただけの状態から一歩進んで現実が見えてきます。

もっと頑張ろうと思ったり、無理そうだからやーめた!と思ったり、人によってそれはさまざまだと思いますが、いずれにせよ、前に進めるのは確かです。

そういう意味で、英語力が不安だという人でも、通訳にちょっとでも興味があったらとりあえずスクールに行ってみるというのもアリだと思います。

 

④仕事がある(かも)

スクールばれするので詳しくは書けませんが、仕事の紹介は結構あるみたいでした。

専門の通訳者もそうですし、外資系企業勤務などもあるようでした。

以前、通訳スクールの体験レッスンに行ってこてんぱんにされたとき、ブログ記事にも書きましたが、通訳業界って通訳学校が仕事を独占しているといってもいいくらい大きな影響を持っているんです。

(参考記事)

通訳学校の体験レッスンを受けたら完膚無きまでに打ちのめされて英語もうやりたくない

 

実際に通ってみて、仕事の紹介先がやはり多いなと感じました。

実力さえあれば、もう一度言いますが実力さえあれば、これらの紹介ですぐにでも実際に働くことができるでしょう。

 

まとめ

というわけで今回は通訳スクールに実際に通ってみてわかった4つのメリットについて書いてみました。

ぼく自身の話でいうと、そこそこの成績を取ることができ、上のクラスに行ってくれとのことでした。後期は通いませんが、また来年あたり気が向けば行くと思います。

この記事を読んでいる人は、通訳学校に通うかどうか迷っているという人が多いかと思いますが、

 

とりあえず入っちゃえばいいのでは?

 

というのがぼくの意見です。そうすれば色々見えていなかったものが見えてくると思います。

 

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『TOEICテスト 新形式問題やり込みドリル』は受験者必携!"ストーリー理解"の力が鍛えられる一冊!

新形式TOEICの問題集で良さげなのが出ていたので紹介します!

『TOEICテスト 新形式問題やり込みドリル』という問題集です。

CD付 TOEIC(R)テスト 新形式問題やり込みドリル

CD付 TOEIC(R)テスト 新形式問題やり込みドリル

 

著者はヒロ前田氏。有名な『究極の模試』の人ですね。

今回のこの『やり込みドリル』は、新形式の問題のみを集めた問題集になっています。

具体的な内容としては、

 

Part3

意図問題 12題

3人の会話 8題

図の問題 10題

Part7

文の位置選択 5題

チャット 9題

トリプルパッセージ 9題

Part4・・・10題

Part6・・・10題

 

となっており、総設問数で言うと249問です。

 

本番と同じ難易度

解いてみた感想ですが、まず、難易度は本番と同じです。

リスニングのスピードや文の長さも同じくらい。

あえて難易度を高くしている問題集も最近は多く、そういうのをぼくも普段解いているので、この『やり込みドリル』はサクサク解き進められました。

 

ただ、結構ポロポロとミスが出るんです。

 

ある程度できていたつもりだったのに抜けが発覚して落とす感じ。

 

これって、まさにTOEICの本番ですよね。

 

この問題集はそれだけ問題の質が高いということなのでしょう。他の問題集よりも、1問あたりの学習効果が高いと思いますね。

 

以前、『非公式問題集』のレビューでも書きましたが、ヒロ前田氏の問題集は毎回本当にクオリティが高いです。

kazuuiword.hatenablog.com

 

新形式は"ストーリーの理解"がカギ!

ある雑誌のライターから受けた質問です。2016年2月のことでした。新形式による実際のテストが始まる前でしたが、ボクはこう答えました。「単語からストーリーへ」と。2016年4月以前の出題形式に比べると、5月以降は「ストーリーの理解」が成功の鍵を握るという意味です。

(3ページより)

新形式の問題では発言の意図と問う問題や、文の挿入位置を問う問題など、個別の知識というよりは文脈の理解が大事だということですね。

 

ETSによる公式問題集の発売から3日後に書いた、

 

新形式TOEICの公式問題集を解いたので傾向と対策を含めいろいろまとめてみるよ

 

では、ぼくは"ディテールからまとまりへ"と表現しましたが(悪くないでしょ笑)、とにかく新形式では、単語暗記などの学習のみではどうにもならないようなテストへと変わったわけです。

 

そんな中で、やはり新形式の問題に対して苦手意識を持っている人は多いようです。

 

しかし、このような新形式の問題のみを集めた問題集をこなすことで、単純に正答率が上がるのはもちろんのこと、新形式問題に対する不安感も減るので、より落ち着いて試験に臨むことができるようになるでしょう。

 

また、新形式の問題を集中的にやることは、新形式で新しく出題されるようになった種類の問題"以外"にも良い影響を与えると思うんです。

それは、たとえ解答の決め手が単語の知識になるような問題であっても、そこに至るまでのプロセスにおいて、文脈理解の力は絶対に役に立つからです。

なので、このような問題集は、形の上では新しい問題にフォーカスしていますが、実際の効果としては全体の正解率アップが期待できるでしょう。

 

3文トレーニング

本番と同じ形式以外に、この本には、"3文トレーニング"というのがついています。

これは、実際よりは短い文を使ったクイズで、新形式問題にさらにフォーカスした特訓が可能になっています。

具体的には、解答の根拠となる部分のみ(Part3だったらセリフ2つ)を集めた問題になっています。

これによって、たとえばPart3の意図を問う問題だったらまさにそれだけをピンポイントで、しかも効率良く学習できるわけです。

基本的には文を読んでやるとのことですが、アルクのダウンロードセンターというところから音声のダウンロードができるようです(要会員登録)。

https://www.alc.co.jp/dl/

 

解説も詳しい!

本番同様の難易度なので、全レベルの受験者が使える問題集だと思います。

解説が詳しいので、初心者も安心して使えますよ。この読者を置いてきぼりにしないところがヒロ前田氏の本の良いところ。

それぞれのセクションのはじめには新形式問題の攻略法が信じられないほど具体的に書かれています。これがまたおすすめです。ぼくも新形式の問題集を結構解いてきましたが、「へぇ~」と思った情報がいくつも載っていました。

詳しくは本書をチェック!

ではまた!

CD付 TOEIC(R)テスト 新形式問題やり込みドリル

CD付 TOEIC(R)テスト 新形式問題やり込みドリル

 

(TOEIC関連記事)

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日本人にとってフランス語の発音は難しいのか?発音記号をすべて書き出して検証してみた!

フランス語を勉強しようと思った時に、いちばん最初にやらなければいけないのは発音の練習です。

完璧にする必要はないのですが、少なくとも発音のポイントをいくつか押さえていなければ、音読などができないので、学習を進めていくことができません。

しかし、フランス語の発音は難しいことで有名ですね。

ぼくはフランス語の知識がゼロの状態で聴いたときは、

 

「なんだこの音?」

 

と思いました。

 

しかし、本当にフランス語の発音は難しいのでしょうか?

実は、ただ難しく聴こえるだけで、世間の評判も全くフランス語を知らない人が想像で言ってるだけだとしたら・・・?

今回は、そんな期待を持ってフランス語の発音を発音記号まで分解して検証し、最後には発音の勉強法も書いてみました。

※以下、発音記号を挙げていきますが、発音の分類については諸説あります。この記事では、学習に役立てるという観点から発音について考えたものです。

 

子音

フランス語の子音を発音記号で挙げてみます。

 

[ f ]  [ v ]  [ ɲ ]  [ ʁ ]  [ p ]  [ b ]  [ t ]  [ d ] [ k ]  [ g ]  [ m ]  [ n ]  [ s ]  [ z ]  [ ʃ ]  [ ʒ ]  [ l ]

 

この17個がフランス語で使われる子音です。 

こんなの急にバッと挙げられてもわからん、と思うかもしれませんがとりあえず大丈夫です。

 

さて、日本語の子音はいくつかというと、16個

数だけを考えると、ほとんど変わらないということがわかりますね。

 

では、この17個のフランス語の子音のうち、いくつが日本語と同じノリでイケるのかを考えてみようと思います。

「同じノリでイケる」というのは、たとえばフランス語の [ m ] は、日本語の「まみむめも」で使われるエムと考えてもとりあえずは大丈夫というような意味です。

 

このように「特別な訓練が必要なくてもとりあえずは大丈夫そうなもの」を赤字で示してみます。

 

[ f ]  [ v ]  [ ɲ ]  [ ʁ ]  [ p ]  [ b ]  [ t ]  [ d ] [ k ]  [ g ]  [ m ]  [ n ]  [ s ]  [ z ]  [ ʃ ]  [ ʒ ]  [ l ]

 

17個中、10個は日本語と同じようなノリでOKなんです。

 

さらに、「練習が必要だけれどもそこまで苦労はしないですぐにできるようになるもの」を青字で表してみます。

 

[ f ]  [ v ]  [ ɲ ]  [ ʁ ]  [ p ]  [ b ]  [ t ]  [ d ] [ k ]  [ g ]  [ m ]  [ n ]  [ s ]  [ z ]  [ ʃ ]  [ ʒ ]  [ l ]

 

このような感じになりました。

残った発音のうち、[ ʁ ] の発音、つまりフランス語のアール(r)の発音は学習者の中でも難しいと言われている音です。

ただ、このアールの音さえ徹底的に練習すれば、残る発音はそこまで難しくないです。

とりあえず子音のみを考えてみましたが、日本語の音でとりあえずは代用してOKなものが17個中10個あり、残る7個の中でも難しいのは1つ、と、かなり楽なのではないかと思ってきました。

 

母音

続いて母音です。子音の時と同じように、フランス語の母音を発音記号で挙げてみます。

 

[ i ]  [ y ]  [ u ]  [ e ]  [ ɛ ]  [ o ]  [ ɔ ]  [ ø ]  [ ə ]  [ œ ]  [ a ]  [ ɑ ]  [ ɛ̃ ]  [ œ̃ ]  [ ɑ̃ ]  [ ɔ̃ ]

 

この16個がフランス語で使われる母音です。

 

では、日本語の母音はいくつかというと、みなさんご存知の通り、「あいうえお」の5個です。

 

ん?5個・・・・・?

 

5個!?

 

もう一度数えてみましょう。あ、い、う、え、お・・・・。確かに5個ですね。

 

なんだかアヤシクなってきました。

 

では、さきほどと同じように、「日本語と同じノリで発音して大丈夫なフランス語の母音」を赤字で示してみます。

 

[ i ]  [ y ]  [ u ]  [ e ]  [ ɛ ]  [ o ]  [ ɔ ]  [ ø ]  [ ə ]  [ œ ]  [ a ]  [ ɑ ]  [ ɛ̃ ]  [ œ̃ ]  [ ɑ̃ ]  [ ɔ̃ ]

 

え!?赤字がひとつもない!

 

そうなんです。フランス語は、17個も母音がある上に、そのすべてが、日本語の「あいうえお」とは違うんです!

なので、ひとつひとつ発音できるように練習していくしかないというわけです。

さらにさらに、子音の時とは違い、フランス語の母音は、音が出せるようになるまでに結構な練習を要します。

上ににょろっとしたのがついた [ ɛ̃ ] のような音は鼻母音と呼ばれる音で、鼻から抜ける母音ですが、これが特に難しいです。

子音のときはちょっと期待が持てましたが、母音を考えるとかなり難しそうです。

 

リエゾン・アンシェヌマン・エリズィヨン

フランス語には、リエゾンやアンシェヌマン、エリズィヨンと呼ばれる発音上のルールがあります。

これらは、簡単に言えば単語同士の連結部分をどう発音するのか、ということに関するきまりです。

たとえばリエゾンは、発音されない語尾の子音を、次の音と一緒に発音するものです。

 

なんのことかわからないと思うのでちょっと日本語で考えてみようと思います。

「反応」という言葉。これは「はんのう」と読みますが、漢字一文字ずつで見ると、「はん・おう」ですね。

これは、「はん・おう」が、発音しやすいように「はんのう」と変化したと見ることができます。

このような"音の連結のルール"がフランス語にもあり、これらがリエゾンであり、アンシェヌマンであり、エリズィヨンなのです。

 

と説明しましたが、要するにこれらが難しいんですよ。

フランス語の発音は、正しい子音と母音の音を習得するだけではないということです。

その他にもごちゃごちゃとしたルールがあるんですね。

 

結局どうなの?

というわけでフランス語の発音について検証してきましたが、結局この記事のタイトルの質問「フランス語の発音は難しいのか?」については、

 

めちゃくちゃ難しい

 

という答えが得られましたw

 

世間の評判は正しかったようです。疑ってすみませんでした。

 

フランス語の発音勉強法

そんな難しい発音ですが、難しくてもやはり発音は大事なのでしっかりと練習しないといけません。

これについては、ひとつひとつの発音の出し方を練習できる本を使うしかないです。

いちばんおすすめなのは『やさしいフランス語の発音』です。

やさしいフランス語の発音

やさしいフランス語の発音

 

ぼくも購入し、今回の記事作成の参考にしました。

この本では子音、母音すべてがひとつひとつトレーニングでき、さらにリエゾンやアンシェヌマン、エリズィヨンの練習、アクセント、イントネーション、リズム、具体的なフレーズの発音練習までができるようになっています。

これだけの内容ですが分厚い本というわけではなく、サクッとできる本なので、フランス語初心者の人は学習の初期段階にこの本に取り組むことをおすすめします。

 

さいごに

というわけで今回はフランス語の発音は難しいのか?ということを検証するべく、発音記号を書き出して考察してみました。

結果、大方の予想通り、日本人にとってフランス語の発音はめちゃくちゃ難しいことがわかりました。

フランス語の入門書には、最初の方のページに発音のルールがちょろっと載っていますが、これだけではちょっと習得は厳しいなと思います。

変な癖をつけないという意味でも、やはり発音は専用の参考書を使って、学習の初期段階である程度時間をとって練習することをおすすめします。

 

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『外国語を学ぶための 言語学の考え方』(黒田龍之助著)は外国語を学ぶすべての人に読んでもらいたい一冊!

 

言語を学んだり調べたりすることは喜びに満ち溢れている。ところが喜びについてはどの言語学でも認められていない。どうして喜びを隠さなければならないのか。

(176ページ)

 

多言語学習をしていると言うと、

 

「じゃあ言語学とかも詳しいの?」

「大学では言語学やってたの?」

 

などと言われることがよくあるんですが、言語学のことは本当に基本的な用語の意味をいくつか知っているくらいで、全く知らないといってもいいくらいです。

多言語学習をしていれば言語学に興味を持ってもいいんじゃないかと思うかもしれません。

確かに興味があることはあるんですが、"言語学"というと、実際の外国語学習とはかけ離れた、難解な理論をこねくり回しているようなイメージがあって、ずっと深入りしないようにしていたんです。

なので、言語関係の本でも読むのはもっぱら外国語学習大好き人間が書いた奮闘記とかTipsみたいなのが多くて、"言語学"とか"音韻論"とか、専門用語がタイトルに入っている本は避けてきたんです。

 

ところが先日、好きでよく読んでいる黒田龍之助氏の新刊ではじめて"言語学"とタイトルに入っている本を読んだんです。

それがこちら

外国語を学ぶための 言語学の考え方 (中公新書)

外国語を学ぶための 言語学の考え方 (中公新書)

 

本題は『言語学の考え方』ですが、副題を見てみると、『外国語を学ぶための』とあります。

 

言語学は外国語学習の"スパイス"

言語学を目指す学生は、どうやらわたしの目論見に反して、言語学そのものにしか興味を持たないようなのだ。外国語を学んだら、そこから文学や歴史に興味が広がるのが当然だと考えていたわたしにとって、これはショックだった。文化的背景を無視して、言語の構造だけを追いかけて、それがいったい何になるのか。わたしは外国語学習のスパイスとしての言語学を紹介してきたつもりであり、乳鉢の中で薬品を捏ねるような言語研究は求めていない。そういう言語研究には常々疑問を感じているのに、わたし自身がそんな人間を増殖させているとすれな、悲劇としかいいようがない。

そこで「外国語学習のための言語学」を考え直してみることにした。

(3~4ページ)

この本は、言語学を解説している入門書ではなく、あくまで外国語学習について、言語学の考え方をヒントに考えている本というわけです。

 

言語学が不案内なぼくのような人間にとってはは、これが当たり前の姿勢なのではないかと思ってしまうんですが、実はそうではないようです。

最先端の言語学にとって、外国語学習なんて全く眼中になく、とにかく言語そのものについて論文を発表し合っては議論し合っているという状況なのです。

そんな状況で、この本のように言語学を実際の外国語学習と結び付けて考えている本は、実は珍しい存在なんですね。

 

間違って使われる言語学用語

本の最初の部分では、用語について書かれています。

言語学は学問なので、当然厳密に用語が定められています。

ところが、実際に巷で使われている使われ方は、しっかりと言語学の定義通りではないんです。

たとえば、アルファベット。言語学ではこれを、原則として一つの文字が一つの音に対応する体系としている。

(略)

すると、多くの人が、a、b、cをアルファベットなのだと勘違いする。

そうではない。a、b、cは文字の種類の名称としてはラテン文字あるいはローマ字という。確かにラテン文字はアルファベットだが、アルファベットはラテン文字だけではない。

 

わかるーーーーーーーーw

 

これ、勘違いしてる人めちゃくちゃ多いんですよ。

 

ロシア語を勉強しているというと、

 

「ロシア語って、アルファベットじゃないんでしょ?」

 

って言ってくる人がいるわけですよ。

この人が聞きたいのは、

「ロシア語って、使われる文字がラテン文字じゃないんでしょ?」

ってことだというのはわかるので、「違うよ」と答えて終わりなんですが、本当は

 

「ロシア語もアルファベットだよ」

 

みたいに意地悪したい気持ちもあるんですよねw

ロシア語で使われているのはキリル文字と呼ばれている文字で、「ロシア語のアルファベットはキリル文字」が正しい使い方というわけです。

 

この本の第一章では、このような用語について書かれています。いろいろな間違い(というか筆者が気になる用語の使い方)が紹介されていて単純に読みものとして面白いです。

ちなみにこのブログのタイトルは『4ヶ国語を勉強するブログ』ですが、実は『4言語を勉強するブログ』の方が好ましいんです。理由はわかりますね。わからない方は本をチェックw

 

言語学の基礎用語がわかる

全体としてこの本は硬くない文章で書かれていますが、タイトルに"言語学"と付いているだけあって、言語学用語も要所要所で出てきます。

線状性、二重文節性・・・など、言語学を学んでいる人にとっては基本用語なんだと思いますが、聞いたこともない用語ばかりです。

ただこの本では、これらについて、これでもかというくらいわかりやすく解説されているのです。

そしてこれら言語学で使われる用語を引き合いに出すことで、外国語学習のヒントを得ようと試みるわけです。

たとえば、「恣意性」という言葉を言語学で使う時、それは単語と音の結びつきには必然性がないことを表すそうです。日本語では犬はinuと発音しますが、英語ではdog。音と単語の間には共通する法則のようなものはないというわけです。

黒田先生は、これを留学に結び付けて解釈します。

つまり、留学しても単語を覚える労力は変わらないはずである。

世間は留学さえすれば外国語が自然に身につくと信じて疑わない。そういう甘いことばを鵜呑みにして、高いお金を払って外国語が話される環境に身を置いたところで、音と意味の関係が恣意的なかぎり、自然に覚えられるはずがない。言語の恣意性を知っていれば、怪しい謳い文句に騙されずに済む。

この本では、このように言語学用語を実際の外国語学習に結び付けて考えるので、単純にためになるし、新しい視点からヒントを得ることができるんです。

 

「気付き」から得られる興奮

本の後半以降では、品詞や時制や格、とにかくさまざまな視点から外国語学習のヒントとなるようなことが書かれています。

この後半以降がとんでもない密度なんです。

学者として執筆活動をしながらも、語学教師として教壇に長く立ってきた筆者だからこそ語れる話が盛りだくさん。

言語間の違いに注目したり、難しいポイントに着目したり、話題は本当に多岐にわたります。

また、この章の最後から4ページのところに書かれていた言葉に果てしなく共感してしまいました。

 これを「発見」したときには一人で興奮していた。こういう指摘は言語学入門書ではお目にかかったことがない。

(略)

具体的な外国語の学習を通して気づくことは深く滲み渡る気がする。知っている人にとっては当然かもしれないが、学習者には発見との出会いが大切なのである。

これは、筆者が韓国語の集中講座を受けた際に、文法についてのある洞察を得られたというエピソードに続く部分なんですが、これには共感しかしなかったですね。

 

外国語学習をしていて、楽しいポイントというか、興奮する瞬間っていくつかあるんですけど、大きいのが「発見したとき」なんです。

言語というのは体系で、ひとつひとつの要素が集まってひとつの巨大なシステムを形成しているわけです。

 

なので、言語学習をしていると、ある時突然細かい知識の蓄積がバババっとつながって、本質的なことが霧が晴れたようにスパァーとわかることがあるんです。

 

この瞬間の快感ですよ。

 

ぼくは、

 

「うわ!そうだったのかー!」

 

とか叫びながら外国語学習してますw

 

外国語学習者全員におすすめできる本

外国語学習では、単語を覚えて、文法規則を覚えて、文を作る練習をします。

それの繰り返しでしかありません。

しかし、たまにはいったん知識の吸収は休憩して、このような外国語学習読み物を読んでみるのも良いのではないでしょうか。

いろいろな気づきがあると思いますし、今後の学習のためのヒントを与えてくれるかもしれません。

外国語を学ぶための 言語学の考え方 (中公新書)

外国語を学ぶための 言語学の考え方 (中公新書)

 

(その他の外国語学習おすすめ書籍レビュー)

『なぜ、その英語では通じないのか?』(マーク・ピーターセン)の感想&レビュー

茂木健一郎著『最強英語脳を作る』が英語学習者必読の良書だったのでレビューしてみる

独検4級のレベルとおすすめの勉強法をまとめてみた

ドイツ語の初歩が理解できているのかを判定するのが独検4級です。

独学で勉強している人はもちろん、大学の第二外国語の授業を1年受けた人なども受験することが多いのではないでしょうか。

今回はそんな独検4級について、気になる

  • 試験のレベル(難易度)
  • 内容
  • 勉強法

をまとめていこうと思います。

なお、細かい情報や出願方法などについては公式HPを参照してください。

www.dokken.or.jp

 

独検4級のレベルは?

公式HPから引用してみます。

基礎的なドイツ語を理解し,初歩的な文法規則を使って日常生活に必要な表現や文が運用できる。

家族,学校,職業,買い物など身近な話題に関する会話ができる。

簡単な手紙や短い文章の内容が理解できる。

比較的簡単な文章の内容を聞き,質問に答え,重要な語句や数字を書き取ることができる。

対象は,ドイツ語の授業を約60時間(90分授業で40回)以上受講しているか,これと同じ程度の学習経験のある人。

語彙1000語

語彙レベルは1000語です。

一日に10単語覚えたとして、3ヶ月ちょっとということになります。

ただ、文法事項として慣れるまでにかなり時間がかかる助動詞、また種類の多い冠詞を正しく使えるのかが問われるので、文法のことを考えると勉強期間は全くの初心者なら半年くらいみた方がいいのかなと思います。

ちなみにこれは一日に1~2時間の勉強時間を確保できるという前提があるので、一日30分しかドイツ語の勉強時間をとれないという人はもっと時間がかかります。

また、ドイツ語の授業を60時間とありますが、これは大体大学の授業で半年~一年くらいですね。大学にもよると思いますが、あまり気合を入れてやらなくても、1年授業を受けていれば十分合格できるでしょう。

 

内容は?

独検4級は筆記試験が60分、聞き取り試験が約25分で構成されています。

合格点は、毎回微妙に変わりますが、だいたい60点です。

 

具体的な内容ですが、まず筆記試験のはじめに単語の発音とアクセントが問われます。

単語を覚える際に正しい発音とアクセントで覚えるのを心がけていればこわくはない問題です。リスニング問題の演習も活用して、普段から正しい発音を意識するようにしましょう。

その後は短文の穴埋め問題が出題されます。

ここで出題される内容は、動詞と助動詞の人称変化や、冠詞と代名詞、語順と、ドイツ語のもっとも大事な基礎を問う内容になっています。

ここの文法知識がしっかりと頭の中で整理されているのかが、独検4級に合格できるかを分けています。これらの内容は、独検4級合格後も学習がスムーズに進むのかを大きく左右するので、良い機会だと思って、全問正解を狙う気持ちで勉強していきましょう。

最後に長文の問題が出ますが、短文穴埋め問題をしっかりと対策していれば合格点の6割を切ることはまずないでしょう。文章の量も少ないですし、ひっかけ問題のようなものもないです。

 

聞き取り試験(リスニング問題)についてです。

まず、リスニングの音声はかなり遅い上に、2回放送されるので、かなり余裕を持って答えられます。

なので、リスニングが苦手だという人もこわがる必要はないです。

内容についても、この後紹介する『クラウンドイツ語単語1600』の例文に出てくるようなものばかりで、難しくはありません。

 

ただし、2点ほど注意しておきたいことがあります。

 

まず、数字の聞き取りが毎回必ず出題されるので、特に集中して対策しておきましょう。

特に2ケタの数字は、英語と違ってドイツ語では一の位→十の位に順番に発音するので、慣れるのに時間がかかります。これを聞いてすぐに数字が頭に思い浮かぶようにしておきましょう。

また、第二部では単語を書かせる問題がでます。なので、つづりも意識して普段から勉強しておいた方が良いです。

 

勉強法

とにかく独検4級に必要な単語1000単語を習得しなければいけません。

これには『独検対応 クラウンドイツ語単語1600』を使ってください。

独検対応 クラウンドイツ語単語1600

独検対応 クラウンドイツ語単語1600

 

この単語集では、単語が5,4,3級の3つのレベルに分けられています。

5級レベルと4級レベルで合計1045語載っているので、これをすべて覚えます。

ドイツ語を見て、日本語が出てくるようにしてください。

また、例文も音読すると効果倍増です。これらの例文は、独検4級のリスニング問題にまさに出てくるようなものばかりですし、例文を音読するとドイツ語のリズムが身につくので、わからなくなったときの勘も鍛えられ、合格に近づくでしょう。

 

メインのテキストも1冊こなしましょう。これには『独検合格4週間 4級』がベストです。

独検合格4週間neu(ノイ)《4級》

独検合格4週間neu(ノイ)《4級》

 

独検4級の合格に必要な知識がまとまっています。

「これは覚えておけ!」ということが強調されていてしかも見やすくまとまっていますし、それが身に付いたのかどうかをはかる練習問題も多く収録されています。

「4週間」とタイトルにはあるのですが、特に期間は気にせず、自分のペースでやっていきましょう。個人的には4週間以上かかる人がほとんどなのではないかと思っています。

基本的にはこの本をおすすめしますが、『独検4級合格テクニック』も良い本です。

CD付・独検4級合格テクニック

CD付・独検4級合格テクニック

 

説明の文章量が多いので、説明が詳しくされていた方が良いという人はこっちを選ぶのもありです。

 

過去問で最終チェック!

以上の対策ができたら、本番直前に過去問を2回分解いて最終調整をしましょう。

独検過去問題集2016年版<5級・4級・3級>

独検過去問題集2016年版<5級・4級・3級>

  • 作者: 公益財団法人ドイツ語学文学振興会
  • 出版社/メーカー: 郁文堂
  • 発売日: 2016/04/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

ここまでやれば合格確実です。

上で紹介した単語帳を使っての単語暗記、そして対策本を1冊しっかりとやれば、合格点の6割はまず超えると思います。

この過去問では3級の過去問も収録されているので、合格後に3級に挑戦するという人はお得ですね。

 

最後に

というわけで今回は独検4級についてまとめてみました。

ドイツ語を学んでいく上で基礎の基礎となる文法事項が満載の良い試験だと思います。しっかりと対策すれば得られるものは大きいでしょう。

ちなみに、4級は少しレベルが高いなと思った人は、ひとつ下の5級を受験するのもアリだと思います。勉強法については下の記事にまとめましたのでぜひ!

kazuuiword.hatenablog.com

(関連記事)

ドイツ語をゼロからはじめる初心者におすすめの参考書・本を紹介します!

ドイツ語学習者必携!『耳が喜ぶドイツ語 リスニング体得トレーニング』が最高すぎる件

オランダ語の勉強におすすめの本をまとめてみた

オランダ語を勉強していると言っても、ほとんどの人はピンとこないようです。

日本で外国語学習といったら英語。第二外国語も、フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、韓国語、ロシア語などで、オランダ語はさらにマイナーな部類に入ります。

そうなると、勉強しようと思っても教材が全然ないんですよね。

本屋によってはそもそもオランダ語の教材が1冊もなかったりします。

そんなもともと教材の選択肢が少ないオランダ語ですが、今回は、その中からさらに勉強に役立ちそうなおすすめの本だけをピックアップして紹介していきたいと思います。

 

ニューエクスプレス オランダ語

ニューエクスプレスオランダ語

ニューエクスプレスオランダ語

 

数々のマイナー言語の初級テキストを出しているニューエクスプレスですが、オランダ語も出ています。

レベルとしては初級。

この本はいちばんおすすめで、オランダ語を勉強したいなと思った初心者の人は、絶対にこの本に取り組んだほうがいいです。

本の最初に発音が学べるようになっているので、初心者はまずこの章でオランダ語の音の出し方、また、つづりと発音のルールを習得しましょう。

似ていると言われるドイツ語と比べると、オランダ語は発音が日本人にとって難しく、また、英語のように、つづりに入っているけれども発音はしない文字があったりと、発音面ではオランダ語は多少厄介です。なので、この本の発音セクションは活用しない手はないでしょう。

 

その後はまさに教科書という感じで、課ごとにテキストと、それに関連した文法事項、また練習問題が載っています。

ごちゃごちゃとした説明が一切なく、基本をとりあえず全体的につかんでしまおうというコンセプトなので、サクサク進めることができるでしょう。

ちなみに、英語とドイツ語が多少わかるという人は、文法事項が書いてあるところだけをまずざっと読んで文法の全体像をつかんでしまいましょう。オランダ語は英語とドイツ語の間くらいだと言いますが、まさにその通りで、どちらにも本当に似ています。

なので、英語とドイツ語がわかる人はまず全体をつかんでしまってからディテールに入るというのも有効な学習法です。

 

オランダ語の基礎 文法と練習

オランダ語の基礎―文法と練習

オランダ語の基礎―文法と練習

  • 作者: クレインス桂子,河崎靖,フレデリッククレインス,Frederik Cryns
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2004/04
  • メディア: 単行本
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この本もかなりおすすめです。

レベルとしてはひとつ前で紹介した『ニューエクスプレス』と同じ初級にあたりますが、もっと詳しいところまでつっこんで説明しています。

また、『ニューエクスプレス』と違うもうひとつの点として、CDの音声が速いです。ネイティブが話す自然なスピードにかなり近いくらいです。

テキストの分量や練習問題の量も多いので、深い学習ができるのですが、その分挫折しやすいので、気合を入れて真剣にやりたい人向き。

ちょっとオランダ語でもやってみようかな、という人に関してはひとつ前で紹介した『ニューエクスプレス』をおすすめします。

 

中級オランダ語 表現と練習

中級オランダ語 表現と練習《CD付》

中級オランダ語 表現と練習《CD付》

 

さて、ここまで2冊の初級テキストを紹介しましたが、続いて中級者向けテキストです。

初級を終えた中級者には、この『中級オランダ語 表現と練習』がおすすめです。

というか、これしかないです。

この本がおすすめだからこれしかない、と言っているのではなくて、出版されているのがこれしかないんです。オランダ語を勉強しようと思ってしまった以上、こうなるのは仕方ないですね。。

 

ただ、この本はすごく良い本でおすすめです。

基本的な文法は習得したという前提で、もうひとつレベルとしては上の表現を学ぶことができます。

また、テキストで扱っている内容が、オランダの芸術や文化に関わっていることなので、この本ではオランダ語を学びつつ、オランダのことも学べます。

ゴッホやフェルメールに憧れて興味を持った人などは楽しく勉強できそうです。

 

2011年に出版された本ですが、それまで中級者向けのオランダ語テキストは存在しなかったわけですね。この本の著者の方は、おそらくそんな状況を改善したいと思ってこれを作ったのでしょう。ぶっちゃけこれ、多分儲かってないですよ。

本当にこれを作った人には感謝と尊敬の念しかないです。

ありがとうございます!

 

辞書について

辞書ですが、現時点で出ているのは『講談社オランダ語辞典』だけです。

講談社オランダ語辞典 (KS専門書)

講談社オランダ語辞典 (KS専門書)

  • 作者: キャノン・ヨーロッパ,P・G・J・フアン・ステルケンブルグ,W.J・ボ-ト,日蘭学会,講談社サイエンティフィク,日本アイアール
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1994/10/21
  • メディア: ペーパーバック
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蘭和辞典です。

これしか選択肢がないので、買うのもありだとは思うのですが、とりあえず初心者レベル(最初に紹介した『ニューエクスプレス』をマスターしたレベル)までは、辞書は買わなくてOKです。

まずは、テキストの巻末の単語リストを使って勉強していきましょう。

どうしても調べたい単語があった場合は、初級レベルではGoogle翻訳で十分です。

英語が得意な人は、「English Dutch dictionary」などでググると質の良い辞書がいくつも出てくるので、そちらも活用していきましょう。

そうやって学習していく中で、どうしても限界が見えたときにはじめて『講談社オランダ語辞典』を買うのがいいのかなと思っています。8500円もするので、初級レベルで買って使いこなせないで結局中級レベルになれなかった、などとなると悲惨です。

個人的には、『講談社オランダ語辞典』のスマホアプリが出ることを願っています。

 

単語集

オランダ語単語集ですが、選択肢としては一応2つかなと思います。

ニューエクスプレス オランダ語単語集 (ニューエクスプレス単語集)

ニューエクスプレス オランダ語単語集 (ニューエクスプレス単語集)

 
聴いて,話すための-オランダ語基本単語2000

聴いて,話すための-オランダ語基本単語2000

 

『オランダ語基本単語2000』の方は、別売りでCDが出ているので、音声を使った学習もできます。

ただ、いま紹介したどちらも、例文はなく、辞書をそのまま移したような単語集なので、かなり根気がある人向けです。

 

初心者はこれらには手を出さず、いちばん最初にこの記事で紹介した『ニューエクスプレス』の巻末の単語リストを覚えることにとりあえず集中しましょう。

単語、品詞、日本語訳が載っているので単語集として優秀です(本当は優秀でもないんだけどこれしか選択肢がない!)。

 

少ない教材でがんばるしかない

というわけでオランダ語のおすすめ教材についてまとめてみました。

本当に教材の数が少ないですね。ぼくはドイツ語もやっていて、そっちもあまり教材が多いとはいえませんが、オランダ語と比べると天国みたいなもんです。

ただ、初級テキストである『ニューエクスプレス』と中級教材の『中級オランダ語』はとても良い本なので、まずはこの2冊をマスターすることを考え、それが終わったら実際のニュースや新聞を使って実践を積んでいくというのが最もよい戦略だと思います。

ちなみにオランダ語が最初に学ぶ外国語で、本当に全くの初心者だという人は『オランダ語のしくみ』という本を1回ざっと読んでおくとスムーズに初級テキストに入っていけると思います。

オランダ語のしくみ《新版》 (言葉のしくみ)

オランダ語のしくみ《新版》 (言葉のしくみ)

 

もちろん、わからない部分が何箇所も出てくると思いますが、とにかく用語に慣れて、全体像をつかむという意識を持ってとりあえず通読してみてください。

その後のオランダ語学習がかなり楽になるはずです。

それではまた!

 

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