中検3級のレベル・難易度はどのくらい?学習期間は?【中国語検定3級】
中国語検定3級をこれから受験される方がまず疑問に思うのが、
3級って実際どのくらいのレベルなの?
・・・なのではないでしょうか?
中国語検定の公式HPを見ると、試験の難易度について、
自力で応用力を養いうる能力の保証(一般的事項のマスター)
基本的な文章を読み,書くことができること。
簡単な日常会話ができること。
(学習時間200~300時間。一般大学の第二外国語における第二年度履修程度。)
発音(ピンイン表記)及び単語の意味,常用語1,000~2,000による複文の日本語訳・中国語訳。(公式HPより引用)
と書いてあります。
が、正直に言って「これを読んでピンと来る受験者はあまりいないのでは・・・?」と思ってしまいます。あいまいな部分が多いんですよね。
そこで今回は、3級より一段階難しい2級を保持している自分が、3級の問題を分析し、そのレベル・難易度について詳しく書いていこうと思います。
これから3級の対策を始める方はぜひ参考にしてみてください。
単語はいくつ必要?
まず、中検3級に合格するには一体いくつの単語を覚えていればいいのか、について考えていきたいと思います。
全体として出題される範囲については、先ほど引用した公式HPに
常用語1,000~2,000
と載っている通り、2000単語がひとつの目安となります。
実際には、筆記試験の長文問題や、リスニングの最後の方の問題ではこのレベルを超える単語も出題されるので、
2300単語程度覚えていればわからない単語にはほぼ遭遇しない
という認識で大丈夫でしょう。
・・・いかがでしょうか?
おそらく、2300単語と聞いて、
「多すぎるわ!!!」
という印象を受けた人が多いのではないでしょうか。
現時点で500単語覚えているとして、1日に20単語、理想的なペースで進めたとしても残りを覚え切るには3ヶ月もの期間を要します。
しかし!
ここからが重要なポイントなのですが、2000とか2300というのはあくまで"全体としての単語数"のことで、試験問題を実際に見てみると、
ほとんどの文が基本1000~1500単語程度で構成されている
のがわかります。
難しい単語はコスパが悪い!?
ここで実際に出題された問題を一部見てみましょう。
第90回の筆記試験の空欄穴埋め問題から2題引用します。
(1)昨天朋友开车( )我送到了机场。
①为 ②对 ③把 ④被
(9)飞机太贵了,咱们( )坐火车去吧。
①还是 ②既是 ③就是 ④都是
・・・いかがでしょうか?答えは順番に③、①です。
(1)の問題は"把構文"という基本的な文型を知っていれば2秒でわかりますし、(9)の还是も「やっぱり」という意味で、常用1000語、もしくは500語に入るとも言える基本語彙です。
意味についても
(1)昨日友達が車で私を空港まで送ってくれた。
(9)飛行機は高すぎるから、やっぱり電車で行きましょう。
・・・と、日常会話レベルを超えません。
(これから勉強される方は全くわからなくて当然なので問題ないですよ。)
今挙げたのは2題だけですが、リスニング含め他の問題についてもほとんどがこのレベルです。
つまり、中検3級に必要な単語数は一般的には2000前後と言われていますが、実際には基本1000~1500単語の定着を測定される試験だと言えます。
高得点での合格を目指している人は別ですが、
「とりあえず合格したい」
という基準で対策をされる方は、基本1000語をとにかくしっかりと定着させることをまず第一に考え、その後に試験までの残りの日数と相談しながら、じわりじわりと語彙をさらに増やしていき、試験当日を迎える・・・というのがもっとも良い戦略だと言えるでしょう。
中国語単語集を選ぶ際も、たとえば『キクタン』(最も売れている中国語単語集)なら『キクタン中国語 3級レベル』に手が出てしまいそうですが、
そのひとつ下の4級レベルに不安がある人はまずこっちを徹底的にやった方が合格は近くなります。
リスニングは前半と後半で難易度に大きな差
ここからはリスニングと筆記試験に分けて見ていきます。
リスニング試験は選択問題が全部で20問。
そのうち13問以上を正解すれば合格です。
前半の10問は短い文章、もしくは会話を聞いた後に続く返答を選ぶ形式です。
第88回試験からリスニング問題の原稿をちょっと引用してみます。
(2)你觉得昨天那个电影怎么样?
①我昨天看电影了。
②他觉得不太好。
③我觉得很有意思。
④你明天也看吗?
正解は③(わからなくても大丈夫ですよ)。
わかりやすいように日本語訳を見てみましょう。
昨日の映画、どう思う?
①昨日映画見た
②彼はあまりよくないと思った
③すごく面白いと思う
④明日も見ますか?
まずわかることとして、日常会話レベルの文が出題されるということです。
いま紹介したのは1問だけですが、前半の10問については、どれもこのくらいのレベルで作られています。
基本的な会話フレーズ集、たとえば個人的におすすめなのは『日常中国語会話 ネイティブ表現』あたりを使い、日常会話のストックをためていけば楽に正解できます。
また、ハズレの選択肢に紛らわしいものが一切含まれていないのも大きな特徴です。
もう一度日本語訳を確認してみてくだい。正解の③以外は答えとして全く繋がりませんよね。
これが2級以上になると紛らわしい選択肢を放り込んで受験者を罠にはめてくるんですが、3級では素直な選択肢しか基本的にはありません。
これは「なんとなくわかれば正解にはたどり着ける」ということも意味します。
間違いの選択肢は「これ絶対違うだろ」というくらい違うので消去法が使えますし、正解の選択肢も「なんとなくこれっぽい」レベルで選ぶことができます。
後半は難しい
前半は楽なのですが、後半の10問は2分前後の文章を聞いたあとに一気に5つの質問に答える形式が2題続きます。
あとで一度過去問を解いて体感していただきたいのですが、2分間の中国語、めちゃくちゃ長く感じます。
使われている中国語の表現のレベルは相変わらず日常会話レベルなのですが、2分間中国語を聞きながら適宜メモを取り、質問に備えるというのは、3級を目指すレベルの方にとってかなりの負担です。
全体としては難しくはない
後半は手ごわい、これは事実なのですが、全体を考えると難易度はそこまで高くはないと言えます。
というのも、合格点は65点(20問中13問正解)だからです。
前半で10問中8問取ってしまえば、後半は半分間違えても合格できます。
なので、これから対策に取り組む方は、
前半でいかに取りこぼしをなくすのか
を最優先に考えて勉強をすすめていけば合格にグッと近づきますよ。
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筆記も後半が難しい
続いて筆記です。
筆記についてもリスニングと同じく、合格点は100点中65点になっています。
最初に出題されるのは単語の発音です。
第88回の過去問より出題されている単語を一部引用して羅列してみます。
农村
规定
文章
积极
广播
校园
介绍
准备
・・・こんな感じです。どうでしょうか?
多少勉強されている方がこれを見たら、
「え、結構いけそう・・・」
という感じなのではないでしょうか?
(再三になりますがわからなくてもこれからやれば全然オッケーです)
実際、これらは基本1000語、難しくても1500語には入るような基本単語ばかりで、単語単体の問題だからといって難しいものが出題されるわけではありません。
これらの基本単語に加え、先ほどちょっと紹介した"把構文"のような基本的な構文や文の並べ方を理解すれば、長文問題と中国語作文を除いた60点分については8割以上の得点が見込めるでしょう。
長文と作文は難易度高め
ただし、こちらもリスニングと同じく、後半の問題は難易度が高めになっています。
最後から2番目の大問で出題される長文問題は、日常会話レベルを超える表現が散りばめられていますし、3級を受ける受験者は長文を読むことにそもそも慣れていない人が多いでしょうから、文章をどんどん読み下して意味を取っていく、その流れに上手く乗れずになし崩し的に失点してしまうパターンも考えられます。
また、最後は日本語を中国語に訳す問題が5問出題されます。
(1)兄は3年前東京に半年ほど住んでいた。
(4)お金があれば、わたしも1個買いたい。
第88回の過去問より2題引用
日本語は単純なものですが、いざ中国語に直せと言われると、結構キツイと思います。
また、漢字を手で書くという習慣がない人にとっては難易度はさらに上がるでしょう。
中検を受ける方は書けなさそうな漢字に出会ったらすぐさま3回書いてみる習慣を付けるのがおすすめです。
時間はタップリ
中検3級は全体の試験時間が100分、リスニングに30分程度かかりますから筆記試験はだいたい60~70分程度かと思われます。
これは、解き終わるのには十分すぎる時間だと言えます。
時間に追い立てられることがないので、いわゆる「本番に弱いタイプの人」でも落ち着いて実力が発揮できるでしょう。そういう意味では難易度は高くないです。
慣れてくると大幅に時間を余らせて終了させるのも可能です。残った時間は見直しに充てるもよし、早く帰るのもOKです。
(※中国語検定ではある程度の時間を超えたら帰宅が認められています。ただし、当日に必ず試験監督の説明をちゃんと聞いて確認をしておきましょう。)
学習期間はどのくらいかかる?
さいごに必要な勉強時間についてです。
全くのゼロから中国語を始める、という場合、必要な期間は1年間~1年半をみてください。
ほんとうに3級に合格するためだけにそれに特化した勉強を毎日何時間もやれば半年~10ヶ月程度での合格も全然可能だと思いますが、これはおすすめしません。
3級は、合格した時点では本当に日常会話がやっとできるくらいで、胸を張って「中国語ができる」と言えるレベルにはちょっと及びません。
それを考えると、しっかりと時間をかけて基礎を作り、その完成を確かめる意味合いで3級を通過点として突破し、次の勉強へ進んでいくのがおすすめだと言えます。
ちなみに、ゼロ~基礎レベルの勉強法については下記の記事で詳しくまとめているのでこちらをぜひ参考にしてみてください。
中国語の勉強をすでに始めている方は、1年半からすでに勉強している期間を引いた期間が必要な勉強時間の目安になります。
続いて、大学などで第二外国語として中国語を学んでいる学生は、2年間が必要な学習期間の目安です。
(中国語を専攻している人なら2年生の途中でぜひ取りたいところ)
大学の第二外国語の授業と言うと、週に2~4回程度だと思いますが、しっかりと授業を受け、予習復習もちゃんとこなせば、中国語が専攻外の人でも2年生の終わりごろに(ギリギリだとは思いますが)合格は可能です。
「専門外だけど中国語面白い!」
となってハマってしまった大学生は、ぜひ2年生の終わりか3年生の途中での合格を目指してみてはいかがでしょうか。
まとめ:まずは過去問を解いてみよう
というわけで中国語検定3級のレベルと勉強期間について詳しく解説してみました。
3級の語彙はよく使われる単語1000~1500語が中心、内容も日常会話レベルと、基礎の完成をはかるにはぴったりの資格試験になっています。
- 初心者段階を抜けたかどうか、自分の力を試したい
- 基礎段階がちゃんとできてるか確認したい
という方はぜひ受験を検討してみてください。
ちなみに、これから対策を始めるという人は、まずはとりあえず過去問を1回分解いてみるのを強くおすすめします。
どのくらいのものなのか、できなくても体験してみることで学習の見通しはおのずと見えてきますよ。
過去問は何種類か出ていますが、最もおすすめなのはレイアウトが見やすく、解説も丁寧な白帝社のものです。
ちゃんと時間も測って1回分解いてみましょう。
では、合格を祈っています!
中検3級の勉強方法&おすすめテキストをまとめました!
下記の記事にて中検3級の勉強法をくわしくまとめました。
こちらもぜひ合わせてお読みください!
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良い英語の先生ってどんな人?生徒目線から考えた3つの条件。
「良い英語講師」ってどんな人だと思いますか?
- 説明がわかりやすい
- 英語力が高い
- 熱心でやる気がある
- 生徒のレベルを考えてレッスンができる
・・・などなど、色々と思い浮かぶ項目があると思います。
これらはいまぼくが適当に挙げたものですが、おそらくどれも正解です。
しかし!
もっと本質的な条件は何なのか?
ぼく自身は、自分でやったことがあるのは塾のアルバイト講師くらいで、英語の先生ではないのですが、自分が生徒として授業を受けた中学校、高校の英語の授業、また大人になってから受けた英語関係のセミナー、さらに周りの英語講師を観察して、
「これこそが良い英語の先生の条件なのでは?」
と思うものを3つピックアップして今回は書いていきたいと思います。
これから英語のレッスンやセミナーを受けようかな?と思っている方は講師選びの参考に、また、とてつもなく恐縮ですが現役の英語の先生にも読んでいただけたら嬉しいです。
①先生自身はチャレンジしているのか?
その先生が良さげな先生なのかどうかを判断する際、
- どんなすごい資格を持っているのか
- 学歴は?指導経歴は?
など、その人が「すでに持っているもの」にフォーカスしてしまいがちですが、これらは言ってしまえばすべて「過去のもの」です。
そんなものよりも、ぼくだったら、その先生が今現在頑張って食らい付いて英語やってる人なのか、もっと言うと
攻めたチャレンジをし続けているのか?
に注目します。
具体例で考えてみるとわかりやすいのですが、
- 有名大学出身です!
- イギリスに3年留学してました!
- 英検1級、TOEIC満点です!
- でも今は全く努力してません!
となったら4番で「ガクッ」っとなってしまいますよね?
・・・とまぁこれは極端な例ですが、その先生自身が現役で頑張っている学習者なのかどうかはとにかく超重要です。
「今も英語勉強してます」程度だったら先生なら誰もがそうだと思いますが、ここで言っているのは「攻めたチャレンジ」です。
要するにさらなる高みを目指してやっている人なのか・・・ということ。
先生自身が熱心な学習者じゃないと、指導される生徒側にそれが伝わってしまって、いまいち信頼度が上がらないんです。
あえて本音に近いリアルな言葉を使って言います。
その先生自身が頑張っている人でないと、
「でもお前、過去の経歴だけで偉そうにしてるだけじゃん」
と思ってしまいますし、そうハッキリ思っていなくても"そういう感じ"はしっかり伝わっちゃいます・・・ということです。
ちなみに、これは英語だけではなく、他のセミナーなんかでも言えることです。
たとえば「株で儲ける方法!」みたいな話を聞く場合、昔株の取引きで成功、今は第一線からは退いている・・・という人の話は全く聞く価値なしだと思います。
それよりも、状況が刻々と移り変わる厳しい現状の中で、現在進行形でもがいてもがいてやっているトレーダーの話を聞く方が100倍ためになるでしょう。
こんな感じで、良い英語の先生についても、「現在進行形でチャレンジを続けているのかどうか」が第一条件になるでしょう。
②モチベーションを上げてくれる先生
どれだけ深く英語を理解し、どれだけ上手くそれが説明できたとしても、生徒のモチベーションを上げることのできない先生は良い先生だとは言えないです。
生徒をどんどんどんどんやる気にさせ、
- もっとできるようになりたい!
- もっと勉強がしたい!
そう思わせられる先生こそが良い先生なんです。
"モチベーションを上げるのが上手い先生"でパッと思い出すのは植田一三氏ですね。
植田一三(Aquaries School of Communication学長) 英語のスピーキング力UPの極意 日本の事が英語で何でも発信できるようになる
アクエアリーズという英語塾の主宰者であり、自身も授業、セミナーで各地を周り指導されています。
年齢は60歳を超えている人なんですが、めちゃくちゃパワフルな人です。一度セミナーで授業を受けたのですがオーラもハンパじゃなかったです。
多くの著作があることで有名な人ですが、各本の最初はどれも植田一三氏のありがたい言葉が収録されています。
詳しくは書けないので実際の本を手に取っていただくとして(植田一三氏の本おすすめリストはこちらにまとめました)、読むととにかくモチベーションが上がるんです。
中でもいちばん好きなのが『英語で経済・政治・社会を討論する技術と表現』という本の第1章「英検1級に合格するための極意」という部分で、
英語で経済・政治・社会を討論する技術と表現(CD BOOK)
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この部分だけぼくはコピーして机の上にいつでも見られるように置いてあります笑。
「英語の達人になるにはこれだけの努力が必要である。モタモタしてる暇はないぞ!一気に駆け上がる気持ちでやれ!」
的なことが延々と書かれているんですが、なんか謎のパワーがあって読むたびにやる気が出てきます。
全国にファンがいるのも頷けますね。
っていうか先生の役割って何・・・?
正直に言ってしまうと、英語の文法の説明とか、単語の説明なんかは、先生によってそこまで差があるわけじゃないんです。
先生によって大きく差が出てくるのはこの「モチベを上げてくれるのかどうか」です。
モチベーションは学習のいわば燃料のようなもの。これがないと前へは進めないわけです。
それに、さらにぶっちゃけた話、たいていの先生の説明よりもそこら辺に普通に売ってる英語テキストの方がよっぽど説明がわかりやすいです(ぶっちゃけすぎたかも)。
でも本当にそうで、たとえば中学校の英語を復習したかったら『中学3年間の英語を10時間で復習する本』とかを読めば先生なしでもたいていの人が簡単に独学できます。
「もうこれ読んでわからなかったら他になんの方法があるんだろうか?」というレベルでわかりやすい内容になってます。
もちろん、それでもわからない人がいるのは十分に理解しています。
それで丁寧に教えてくれる先生に指導してもらうのも全然アリだと思います。。
しかし、それでも、それでもです。
それでも学習がさらに進めば理解度も増し、「先生の丁寧な説明」はだんだんと必要がなくなってくるでしょう。
では、そこで残る「先生の役割」とは何か?
残るのはやはりモチベーションを上げること。生徒をインスパイアすること。
それだけなのではないでしょうか?
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③生徒と対等な関係を保つ先生
さてラスト3つ目です。
これはあらゆる分野の指導者に当てはまると思うのですが、
「お前は俺の言うことを黙って聞いてそれに従ってやってればいいんだよ!」
タイプの人は完全にアウトで話になりません。こういう講師がいたら完全にオワってるので全力で避けるのをおすすめします。
逆に、これから英語講師の元で指導を受けようと思っている方で、
「英語講師は英語ができるようになる方法を知っていて、それを教えてくれる。それに従ってやりさえすればできるようになる。」
という意識を持っている人がいたら今すぐに意識を変えるべきです。
というのも、英語学習には絶対の方法というものは存在せず、個人個人の試行錯誤なしに上達はあり得ないからです。
これも違う・・・あれも違う・・・この方法ならどうだろう?じゃあこの方法は・・・。
こういった個人の試行錯誤がないと上達しません。
大事なことなのでもう一度言いますが、英語学習に絶対唯一の方法はないんです。
その証拠に、英語学習が成功した人の体験談を読んでみると、どの2つを取っても全く同じということはありません。
もし仮に「自分の言っている勉強法が最強の勉強法で、これ以外はあり得ない。これにバッチリしたがってやれば絶対に大丈夫だ」
と謳っている先生がいたら嘘をついているので気を付けてください。
良い先生はどのような先生なのかというと、
その先生なりにベストな方法というのは確立されていて、それを教えることは教えるのだけれども、
「教えることは教えました。でも、ここからはご自身で反復トレーニングをして、さらに試行錯誤を重ねた上で自分で自分の答えを探さないといけません。」
と、悪い言い方をすれば生徒に投げる人です。
これが良い先生。
試行錯誤を重ねる中でまた大きな壁にぶつかることもあるんですが、それはまた先生に聞けばいいんです。
で、「それならこれはどう?」という先生側の提案があり、また生徒が自分で頑張る。
このように、先生が上で生徒が下、という関係性ではなく、完全に対等で、水平方向のやり取りが行われる、そういうレッスンが展開できるのかどうかが良い先生の条件の一つだと言えます。
まとめ:尊敬し合える関係がベスト
というわけで良い英語の先生の条件について今回は考えてみました。
まとめてみてぼく自身改めて感じましたが、やはり、
- 先生=上=偉い人
- 生徒=下=ただの言いなり
という関係性になってしまうと上手くいく可能性は低くなってしまうんですよね。
同じ学習者、"同志"くらいがちょうどいいとすらぼくは思います。
そして、学習者同士リスペクトし"合う"、モチベーションを上げ"合う"、こういう関係性が形成されればうなぎ上りに実力は上がっていくのではないでしょうか。
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2ヶ月で1876個の四字熟語を覚えたぼくが語彙暗記の極意を伝授する!
『中国語検定準1級・1級トレーニングブック』という本があります。
合格奪取! 中国語検定準1級・1級トレーニングブック 一次筆記問題編
- 作者: 戴暁旬
- 出版社/メーカー: アスク
- 発売日: 2014/02/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本には1876個の中国語の四字熟語が載っているのですが、
2ヶ月で全部覚えました。
はい。
1876÷60で単純に考えると1日あたり約31個の四字熟語。
なかなか大変でしたね。
だんだん本がくたくたになり、最後の方は本自体が分解を始め、テープで止めながらの学習でした。
ぼくがこれを達成できたのは、
「1876個の四字熟語を全て覚えるにはどうすればいいのか?」
これを徹底的に考え、なるべく効率の良いやり方で戦略的に学習を進められたからです。
今回はそれを全て洗いざらい解説していきます。
ちなみに、今回ぼくが覚えたのは「中国語」の「四字熟語」ですが、「英語」の「単語」でも「日本語」の「ことわざ」でも、他の暗記にも大部分が応用可能なので、中国語学習者以外の方の参考にもなると思います。
ぜひ読んでみてください。
目的、ゴール、期限の明確化
「どんなすごい覚え方があるんだろう?」
・・・と期待された方、すみません。
この記事では覚え方のコツ的なものも紹介しますが、「あっという間に記憶できる魔法の方法」のようなものは教えることができません。理由はそんなものないからです。
それよりもまず第一に大事なのが「勉強を始める前」の段階です。
ここが多くの学習者にとって盲点となっています。
ある程度まとまった数の語彙の暗記を成功させるためには、始める前の段階で
- どうして覚えるのか?
- ゴールは何なのか?
- いつまでに達成するのか?
この3つを明確にする必要があります。
ぼくの場合は、
- 中国語検定準1級を突破したい!そのためには四字熟語をまとまった数覚えるのが不可欠だ
- 書けるのは後回しで、四字熟語を見てすぐにわかる状態を目指そう
- 6月の上旬までには終わらせる
と、①目的②ゴール③期限を明確化してから勉強に取り掛かりました。
・・・なんだかすごく面倒な気がしてきましたか?
でも、これをちゃんとやらないと挫折する確率が跳ね上がります。
人間の意思なんてのは弱いものです。
- 自分を駆り立てる動機
- 「これが達成したい!」と心から思えるゴール
がしっかりしていないと続かないですし、「この日までに達成する!」という期限がないとダラダラと勉強してしまうんです。
具体的に暗記のプロセスに入る前に、実は成功するのかの大部分が決まってしまうんです。
「明確に」決めるのがとにかくコツです。ぜひじっくり考えてみてください。
コツ①:覚えられそうなものから記憶していく
市販の単語帳なんかを使って暗記を進めていく場合は、すべての見出し語に番号が振ってあって、1番、2番・・・のように単語が並んでいると思いますが、
バカ正直に順番にやっていったら99%挫折するので注意しましょう。
本をパラパラめくって適当に読んでいるうちに「これは覚えられそうだ」と思ったものから順番に覚えていってください。
単語に振られている番号、ページ数はただの飾りです。無視して自分の順番で覚えていくのがコツです。
「そうしたら難しいのばかりどんどん残っていってしまうのでは?」
・・・その通りです。
その通りなんですが、ほとんど覚えた終盤なら、最後のひと踏ん張りで難しい単語にも立ち向かっていくことができます。
序盤にこれらの語彙の暗記に挑むと、挫折してしまう確率が上がるのでやっちゃダメなんです。
それに、自分にとって覚えやすい語彙も覚えにくい語彙も、どちらも等価値で1単語です。
楽をしたからといって学習効果が下がるわけではないんです。とにかく覚えやすそうなものから覚え、覚えにくそうなものはどんどん後回しにしていきましょう。
覚えたものについてはペンなどでマークをつけるのを忘れないでください。
この方法ではバラバラの順番で覚えるので、これをやらないと「どれを学習したのか」が復習する際にわからなくなってしまいます。
今回ぼくが使ったテキストは問題集形式だったので、解答解説の部分に蛍光ペンでマークしました。
単語集形式のテキストの場合も、ペンで囲むなどしてマークしていきましょう。
(学習した単語を丸で囲んでいます)
コツ②:イメージ化&発音をしっかり
語彙を頭の中にしっかりと記憶させるためには、丸暗記は絶対にダメです。
単語ならその単語の持つイメージを頭の中に思い浮かべるようにしてください。
これだけで頭への残りがかなり違います。
ぼくは四字熟語を覚える際に、その出典となる話の筋を把握することが、その四字熟語のイメージを頭に植え付けるための大きな助けとなりました。
とにかく、字面だけを丸暗記しただけではすぐに記憶からなくなってしまうので、何かしら、記憶として"引っかけるためのイメージ"を思い浮かべるのを癖にしてください。
また、語彙暗記をする際は覚える語を必ず1度は口に出して発音しましょう。
外国語なら、正しい発音で覚えることが重要です。これを意識するだけで記憶への残りが大きく変わります。
ちなみに、この2点については
という記事で詳しく書いているのでぜひ合わせてお読みください。
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コツ③:自分の記憶力を信じるな
「よし、この単語バッチリ覚えたぞ!」
そう思って3日後、もう1回見たら完全に忘れてるーーーー!
このような経験は誰にでもあると思います。
「自分の記憶力を信じるな!」
これが3つ目のコツです。
単語帳1冊に載っている単語をコンプリートしたい、このように大量の語彙を頭に詰め込む時は特に、
- 1回学習した程度では覚えられないのが当たり前
- 覚えていないのが前提
くらいで考えると非常に気持ち的に楽になります。
「ひとつひとつの単語をその日のうちに完璧に覚えるぞ!」
というのはそもそも不可能なので、大量の単語を短期間で覚えるときは、
大量の語彙に触れて、次の日いくつか覚えていたらラッキー☆
くらいのスタンスで取り組んでください。
復習こそが学習の中心である
学習した単語にマークをつけ、それを続け、すべての単語にマークがついたらおしまい・・・
というだけだとマークを付け終わった時点で前半に覚えた単語を中心にきれいさっぱり頭から消え去っているでしょう。
大事なのは復習です。
復習のやり方を説明します。
すでにマークがついている単語のみをひたすら眺める時間を語彙学習の中で作ってください。
そして、その中で
「もうこの単語は覚えた。完全に覚えた。」
というものが出て来たらその単語の横にわかるようにマークをしてください。
(こんな感じでさらにマークを付ける)
このマークを付けたら、しばらくは復習しません。
次の復習時にはこの最終チェックマークが付いて"いない"ものだけをながめるようにしてください。
ややこしくなってきたので一度整理します。
- 適当な順番で覚えられそうなものから覚える。学習したらマーク
- 復習時はすでにマークが付いているものだけをひたすら眺め、「これは覚えた」と思ったら最終マークを付ける
- 最終マークを付けたものはしばらく復習しなくて大丈夫
このプロセスをひたすら続け、すべての語に最終チェックマークが付いたらひとまず学習は終了です。
あとは期間を空けてまとめて復習しましょう。
最初は100語ずつで1周、次は200語ずつで1周・・・という具合に増やしていきます。
最終チェックを付けた単語をしばらく復習しないのはちょっと不安になるかもしれませんが、日をまたいで2回以上学習し、「もう大丈夫だ」と思ってマークを付けた単語ですから、なかなか忘れることはありません。
「あれ?なんだっけこれ」
と思う単語もちらほら出てきますが、意味を見ればすぐにまた記憶が復活します。
「自分の記憶を信じるな」といいましたが、最終チェックを付けた単語だけは自分の記憶を信じて放置してください。やってみればわかりますが、本当に大丈夫ですから。
多くの人がハマる罠はこれ
ぼくは2ヵ月で1876個の四字熟語を覚えました。
これは1日あたり30個くらい覚えれば達成可能な数字です。
語彙暗記を進める際に、そのテキストの総語数を期限までの日数で割って、1日の単語数を出して学習する、もしくは
「1日10単語覚えるぞ!」
などの目標を掲げて勉強した経験のある方は多いのではないでしょうか?
これ自体は非常に良いことだと思います。しっかりと計画を立てた方が上手くいきやすいでしょう。
ただ、ここで注意しなければいけないことがあります。
それは、
1日10単語の"10単語"ってなんの数字?
ということです。
多くの場合、これはその日に新しく学習した語彙を指すのではないでしょうか?
つまり、この記事で紹介した方法で言うと「マークがひとつだけ付いた単語の数」ですね。
ただ、先ほども書いた通り、復習して最終マークが付いた段階までもっていかないと、すぐに頭から消え去ってしまいます。「自分の記憶力を信じるな」ですね。
なので、こういった1日あたりの目標語彙数を考えて学習する場合は、それが「最終マークを付けた単語数」であるべきなのです。
ここは非常に大事な部分なのでもう一度言います。
「1日○○単語覚えた!」という時の○○は、復習して完全に記憶した段階に入った単語数です。
つまり「1日10単語覚える」の場合、新たに覚える単語数は10よりも多い数字になるんです。
さきほど「大量の語彙に触れて次の日いくつか覚えていたらラッキー☆」というスタンスでやりましょうと書きました。
ここで言う「いくつか」が10になる、これが正しい「1日10単語覚える」です。
まとめ:月並みな言葉だけど・・・
というわけで長くなってしまいましたが効率の良い語彙暗記の方法について今回は紹介してみました。
最後に、まったく月並みで、色んなところでよく聞く陳腐な一言を書いて終わろうと思います。
あきらめないでください。
単語帳1冊を覚える、テキストに載っている表現をすべて覚える・・・これは1000とか2000の語彙を暗記することになります。
そうなると、嫌になる瞬間が必ずあるでしょう。やめたくなることがあるでしょう。
でも、あきらめないで毎日やっていればいつか必ずゴールにたどり着きます。
⇒単語はぜっっったいに毎日やろう!1日も語彙暗記をサボってはいけないその理由とは?
でも詳しく書きましたが、「毎日やる」というのも大事なポイントです。
ぜひあきらめずに毎日やってみてください!
単語はぜっっったいに毎日やろう!1日も語彙暗記をサボってはいけないその理由とは?
かずーい(@kazuui81)です。
英語の勉強、「毎日欠かさず」続けることができていますか?
語学上達のカギは"継続"、これはよく言われることですが、
- 仕事で疲れ切っていても
- どこかに遊びに出かけた日も
本当に文字通り"毎日"できているのか・・・と聞かれたら、
「毎日はできでいないな・・・」
という人がほとんどなのではないでしょうか?
・・・大丈夫です(!?)
勉強しない日があっても別に大丈夫です。
ただし!
リスニング、英会話、シャドーイング・・・などなど数多くのトレーニングがある中で、
単語の暗記(語彙学習)だけは絶対に毎日やるべきです。
「単語だけは何があっても必ず毎日やる」
語学学習者は、これを自分の中のルールにするのを強くおすすめします。
理由①:単語は単純な足し算
どうして単語暗記だけは毎日やらなければいけないのか?
まず、単語学習は、リスニングや英会話といった他のトレーニングとは違い「単純な足し算」だからです。
たとえば英会話は、10日連続でやったからといって、右肩上がりに実力が10段階プラスされていくわけではありません。
それに対して単語学習は、10日続けると10日間、毎日毎日ちょっとずつ実力がプラスされていきます。
「人間の記憶のメカニズムを知らないのかお前は!そんな単純に記憶されていくものではないぞ!」
と思った方もいるかもしれません。
なんちゃらの忘却曲線とかの話ですかね。
たしかにそうかもしれませんが、たとえ単語を忘れたとしても、記憶の定着に時間を要するとしても、1日やった分が少しでもプラスになる、確実なプラスになる、それは単語学習特有の性質だと思うんです。
正直な話、リスニングや英会話は多少不規則に勉強したとしても、ちゃんと勉強すれば伸びていきます。
が、単語は今言ったように本当に単純な足し算です。
毎日やらない理由はないんです。
理由②:寝るのは1日1回
人間の記憶というのは、寝ている間に固定されます。
起きている間に見たもの、聞いたもの、感じたもの、それらの記憶は寝ている間に脳に記憶として整理され、保管されていくわけです。
勉強した単語ももちろん同じで、寝ている間に長く残る記憶として頭に固定されていきます。
で、多少回数の前後はあるかもしれませんが、普通寝る回数は1日1回ですよね?
そう考えると、その日に勉強した単語が全く頭にない状態で寝るのは、ものすごくもったいないことだと思いませんか?
せっかく脳が勝手に記憶の整理をしてくれるわけですから、どうせなら毎回単語を頭の中に"浮かせた"状態で寝た方がなんだかお得感ありますよね?
これが実は単語だけは毎日やるべきである最大の理由です。
ちなみに:やりすぎても意味がない
「寝ている間に記憶は固定される」と言いました。
これは「暗記学習において睡眠は欠かせないプロセス」だということであり、見方を変えると、
睡眠を挟まなければ単語学習は進まない
ということでもあります。
こう考えると、単語学習には限界というものがあり、1日に何時間もやったって仕方ないということがわかります。
記憶が得意な人とそうではない人で個人差があるとは思いますが、大体普通の人だと1日に覚えられる単語の数は10~40単語程度に収まるのではないでしょうか?
ぼくはかなり頑張っても1日に30~35単語が限界ですね・・・。
とにかく、睡眠なしでは単語学習は進まず、1日の限界の数もあるので、集中して数十単語覚えたら、あとは
「睡眠任せた!また明日!」
で全然オッケーというわけです。
この考え方をすると単語帳1冊の単語数にビビることもなくなります。
高校卒業レベル程度までの単語集でベストセラーとなっている『DUO』や、
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ぼくが使ったものだと『システム英単語』なんかは、どちらも収録されている単語が2000~3000くらいありますが、
このような大量の単語を前にしても、その日1日分の単語を覚えるだけ、この原則に何も変わりはないんです。
大量の単語暗記にも臆さず挑むことができるのでこの考え方を取り入れるのはおすすめです。
理由③:自分との信頼関係
単語を毎日学習することで、だんだん不思議と自信がついてきます。
「自分はできるようになるはずだ」
「自分の学習は順調!」
「目標が達成できるに決まってる」
そういう気持ちが大きくなってくるんです。
毎日単語を勉強することで、「今日もやった」「今日もできた」という小さな積み重ねが発生し、それが自信になります。
逆に、ちょっとしたことでサボってしまい、学習が途切れ途切れになってしまうと、
- 今日もやらなかった
- 今日もできなかった
という負の積み重ねが発生してしまいます。
継続は、自分との信頼関係を作っていくことにつながります。
単語を毎日覚える・・・これはただ単に単語の知識が増えるということだけではなく、毎日の積み重ねにより自信を生み出すこともできるというわけです。
1日の単語学習は1日分以上の収穫があり、1日のサボりは1日のサボり分以上の損失(=自分との信頼関係が破られること)がある
そう考えて自分は継続できるようにしていますね。
まとめ:毎日やれば何とかなります
というわけで単語は毎日覚えるべきである理由を3つに分けて紹介してみました!
単語の暗記には
- どの単語帳を使うか?
- どうやって記憶するのか?
など、効率を上げるためのコツはありますが、「毎日やる」というのは成功させるためには絶対の前提です。
単語帳を覚える際に
「1日30単語覚えて2ヵ月で覚えきるぞ!」
というような目標を掲げて失敗した経験は誰にでもあると思いますが、失敗した原因は1日のサボりがすべての発端だったのではないでしょうか?
このような目標を掲げる際に、「1日サボったらどうなるか?」を考える人はいません。
が、よく考えてみると、1日サボったらその帳尻を合わせるためには次の日に60単語覚えなければなりません。
ここまでならまだ挽回可能かもしれませんが、次の日に「観たいテレビがあるから今日もいいや」となってしまったら次の日に90単語です。
常人にこれは不可能。最短3日でこの計画は破綻するわけです。
ただ、毎日やればとりあえず何とかなります。
30単語覚えられない日があっても、自分との信頼関係が後押しして、何とかゴールまでたどり着けます。
「単語は毎日やる!」
これはぜひルール化してみてください。
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人に英語を教えたくない3つの理由。英語はできるけど英語講師はできる気しません。
仕事がなくなることが決定してしまい、次のあてを探しているんですが、そんな中で一瞬頭をよぎったのが
英語講師
でした。
英語自体は結構できるし、塾で先生をやっていた経験もある、このブログで培ってきたノウハウもある・・・
と最初はポジティブな考えばかりが浮かんできたのですが、よくよく考えてみると
いやいや人に英語教えるなんてナシだわ!
という結論に至ったんです。
検索していないのでわかりませんが、おそらくインターネット上には
- 英語講師になるメリット
- 英語講師になりたい!
- 英語講師になるには?
などのポジティブな記事を多く見つけることができると思います。
なので今回は、英語を人に教えたく"ない"ぼくが、あえて逆に「なぜ英語講師をやりたくない(やらない)のか?」を書いていこうと思います。
①責任を負いたくない
以前、受験英語の弊害についてブログ記事を書いた際、
「英語教えて」と言われたら快く引き受けます
的なことを書いたんですが、これはあくまでその場1回、またはごく短期的に"無料で"教える、という形に限っての話。
お金をちゃんともらって毎週やるというのは、(実はたま~に頼まれることがあるんですが)引き受けたことがありません。
大きな理由は、ちゃんとやるとなるとちゃんとやらないといけないからです。
無料でその場限りでちょろっと教えるなら話は別ですが、人からお金をもらって教える以上は、何らかの結果・成果が出るところまで責任を持たないといけないわけで、それがすごく嫌なんですよね。
もちろん、そんなことまでちゃんと考えていない講師も一定数いるとは思いますが、自分は責任感が強めな人間なので、そういう考えはできません。。
「どんな仕事もそうだ!責任が生まれるのは当然じゃないか。それが仕事というものだ。けしからん!!」
と思った方もいるかと思いますが、ぼくは英語学習というのは、そういった堅苦しい考えの元で、思い詰めてやるものではないと思っていて、どちらかというと
たかが英語。できるようになったらちょっといいことあるかもしれないけど、別にできなくてもいい。好きで、続けられそうならやればいい。挫折してもいい。楽しいのかが最重要。
と考えているので「金をもらった以上は結果出しますよ!」というスタイルは全く向いていないんです。。
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②ライバルが強すぎる
日本における英語学習市場というのはめちゃくちゃ競争の激しい世界です。
どんどん新しいものが生まれては淘汰され、また生まれては淘汰され・・・を繰り返し、
- 英語教材
- 学習方法
- 学習コミュニティ
など、あらゆるツールが最高レベルに到達していると感じます。
英語講師についてももちろんそうで、超人気講師と呼ばれる人がたくさんいるというのが現状です。
たとえば『世界一わかりやすい~』シリーズで有名な関正生先生とか。学生から大人の学習者まで、もうめちゃくちゃ人気です。
こういった凄腕講師がたくさんいるのが理由で、英語の授業・レッスン、その基準自体がなかり高いものとなっており、その中で満足のいくティーチングを提供するのはかなりの難易度だと言えます。
「そんな超人気講師と自分を比べなくてもいいんじゃないの・・・?」
と思った方もいるかもしれませんが、今はオンラインでどこにいても英語のレッスンがライブ、もしくはオンデマンドで受けられる時代です。
これは、超人気講師が無限の人数存在するのと同じ。
極端な話、ひとりの講師がほとんどの生徒を奪っていく・・・というのも技術上は可能なわけです。
そんな中で英語講師として十分なクオリティの授業を提供していくのは難しく、ましてや英語講師として頭角を現すのは正直「無理ゲー」でしょう。
あと完全に余談ですが、今書いたような「英語市場の競争の激しさ」を理解せずに高額な教材を出したり、塾をやろうとする人が結構いて、
「絶対失敗するでしょこれ」
と思うことがよくあります笑。
英語業界で食べていくのはそれ自体本当に難易度が高いんですよね。。
③高卒だから
これはものすごく単純な話なんですが、
誰も高卒から英語教わろうと思わないよねーーー!
というあれです笑。
自分は高卒で、他に目立った経歴もないんですよね。
英語講師として、教えていることに説得力を出す、また人気になるには、東大卒とか海外大学出身とか、
教える技術とは一見何も関係ないと思われる
とりあえずの目立った経歴がないと厳しい現状があります。
逆に考えると「この人すごそう」と人に思わせるような経歴を持っている方は、英語講師として、始める前からすでに大きなアドバンテージを持っていると言えるでしょう。
ブログのちょうど良さたるや。
この3つが理由で、ぼくはお金を取って人に英語を教える、ということはしたくありません。
でも、ブログやツイッターを通して勉強方法を人に提供する、というのは自分自身とても楽しく、これからも続けていきたいと考えています。
ブログやツイッターを通して勉強法などを提供するのは、有料で直接人に教えるのとは違い、上で挙げたようなデメリットが(ほぼ)ないんです。
確かに多くのライバルは存在しますが、それでも一定数の人は見てくれます。
何より理由①で挙げた責任感の問題がありません。
全く身も蓋もない言い方になってしまいますが、ブログで勉強方法を提供したぼくには、それを読んだ人の勉強成果は関係ないんです(暴)。
ちょっと待ってください。ちゃんと説明します。
これはぼくの持論なんですが、英語講師も自分の持っているノウハウを生徒に提供した後は、
「もう教えることは教えたから。あとは自分で何とかして!」
と丸投げしてあとは知らん!というスタイルが最も理想的なのではないか・・・と思うんです。
というのも、英語学習というのは"これ"という正解があるものではなく、できるようになるためには、色んな方法を試しながら試行錯誤を繰り返し、自分自身の答えを自分自身で見つけるしか道はないからです。
その証拠に、英語学習が成功した人の学習体験記を読むと、どの2人をとっても全く同じということがありません。
しかし、お金を取って教える以上はビジネスですから、
「絶対英語できるようにさせます!」
と言わなければいけないわけです。
正直言ってこれは傲慢以外の何物でもないですし、そもそもの話「嘘」です。
こういう「嘘」の構造に身を置きたくない、しかも好きでやってる英語で・・・というのが、自分が英語を教えたくない最も大きな理由なのかもしれません。
勘違いをしてもらいたくはないのですが、ブログには自分が考え抜いたことをさらにブラッシュアップして紹介しているつもりです。
ただ、結局最後はぶん投げて、あとはあなた次第!
・・・そういうスタイルが可能なブログ、この距離感がベストだなと思うわけです。
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自分の話す英語を録音して聞いてみよう!スピーキング&発音強化におすすめです。
自分の英語を録音して聞いたことがありますか?
「そんなのやったことない」
という人は多いと思います。
もし、自分の話す英語を録音したことがないという場合、ぜひやってみるのをおすすめします!
スピーキング力は自己判断が難しい
なぜ、自分の英語を録音して聞いてみるのがおすすめなのかというと、
自分の英語の録音は、スピーキング&発音強化にとって非常に効果的
だからです。
英語の技能には、大きく分けて
- リーディング(読む)
- リスニング(聞く)
- ライティング(書く)
- スピーキング(話す)
の4つのスキルがあります。
この内、1~3までの3つのスキルは、どのくらいできているのか・できていないのか、その習熟度が比較的簡単に自分でわかります。
どういうことかというと、例えば英語が読めない(リーディング力の不足)は、英語を読めば「あれ、読めないな」となるのですぐに自己判断できるんです。
リスニングについても、英語を聞いてみれば自然と自分のレベルがわかりますし、ライティングについても書いたのを自分で読んでみればどのくらいできるのかすぐにわかります。
でも、スピーキングだけは別です。
つまり、自分がどのくらい英語が話せているのか、その判断は話しただけでは自己判断が難しいんです。
これは、スピーキング力というのは、
- 「相手にとって」聞き取りやすいのか
- 「相手にとって」表現がわかりやすいのか
- 「相手にとって」話すスピードが適切か
と、話す"相手の評価"によるものであり、また、
自分の話す声は客観的に聞くことができない
というのが理由です。
自分の声を何かで聞いて、「なんだこの変な声」と感じた経験は誰にでもあるのではないでしょうか?
このように、自分の声がどう相手に聞こえているのか、それは何かで録音して聞いてみない限り客観的に知ることは不可能なんです。
通訳スクールで採用されている訓練
2年ほど前に、民間の通訳者養成スクールに半年ほど通っていたことがあるんですが、
(関連記事)
通訳学校の体験レッスンを受けたら完膚無きまでに打ちのめされて英語もうやりたくない
自分の英語を録音することの学習効果を実感したのはこの時でした。
通訳者養成スクールに通うと、その日の授業で通訳をした際の音声が、英語・日本語共に録音され、それを家で聞いて反省する・・・ということをやらされます。
その時はすでに英検1級を習得するくらいの英語力は持っていたのですが、その時初めて
- 自分の話す英語を録音
- 聞いて改善ポイントを探す
というプロセスが、スピーキング力アップにかなり効果的で、必要不可欠と言ってもいいほどの力を持っていることに気付いたんです。
改善ポイントが見つかる!
通訳スクールでほとんど初めて自分の英語を客観的に聞いたときの正直な感想は、
「なんてひどい英語なんだ!こんなの聞けたもんじゃない!」
でした笑。
もう、ほんとにひどかったんです。かなりのショックでした。もう一生聞きたくないとすら思いましたね。
でも、実はそれこそが録音の最大の効果なんです。
先ほども書きましたが、話している時に自分で聞こえている声は、相手に聞こえている声とはかなり違います。
そして、十中八九、自分で聞こえている英語は実際よりもかなり「マシ」に聞こえているんです。
なので、録音した自分の英語を聞くと、ダメなポイントがわんさか出てきます。
しかし、これは見方を変えれば、わんさかと改善ポイントが出てくる・・・と考えることができますよね?
自分のダメダメな英語を毎週毎週聞くのは本当にキツかったんですが、改善点を見つけてそれを意識してまた挑戦・・・を続けていくうちに、最終的には聞いていて十分満足できるレベルにまでなったんです。
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具体的なやり方
スマホアプリを使おう
録音する機器はなんでもいいんですが、スマホのアプリを使うのが最も楽でしょう。
ぼくはiPhoneに最初から入っている「ボイスメモ」を使っています。
色々と高性能の録音アプリも出ていますが、スマホに標準装備のもので全然OKです。録音できて聞ければなんでも大丈夫です。
(iPhoneならボイスメモでおk)
まずは音読から
さて、具体的に何を録音するのか、ですが、いきなりアドリブで英語を話して録音するのは多くの人にとってかなりハードルが高いと思うので、まずはテキストの音読から始めてみましょう。
今まさに取り組んでいる英語参考書の英文でいいですが、一応おすすめを紹介しておくと、会話文ならNHKの『ラジオ英会話』、
ニュースの原稿なら『CNN ENGLISH EXPRESS』を使うのが英文の質を考えると最も良いでしょう。
CNN ENGLISH EXPRESS (イングリッシュ・エクスプレス) 2018年 11月号【インタビュー】ケイト・ウィンスレット【特集】副詞で覚える「句動詞」
- 作者: CNN English Express編
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2018/10/06
- メディア: 雑誌
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吹き込む際のコツですが、
- 英会話なら実際に目の前に相手がいると思って
- ニュースなら自分がニュースキャスターだと思って
やってください。
具体的な場面を想定して、緊張感を持ってやることで効果は高まります。
慣れて来たらシャドーイングなども
音読に慣れてきたらシャドーイングなど、音読以外のこともやってみましょう。
シャドーイングとは、英語の音声を聞きながら数語遅れてそっくりそのまま発声するトレーニング方法です。
(関連記事)
シャドーイングの効果を何倍にも上げるやり方!大事なのは"注意の切り替え"だ!
また、日本語テキストを見ながら簡単な通訳をしてみるのもおすすめです。
「通訳なんてできない!」
と思うかもしれませんが、どうしようどうしようとあたふたしながら話す英語の方が録音後の反省ポイントが多く出てくるので、結果学習効果は高くなります。
自分の音声をチェック&反省
ここが最も大事な部分です。
自分の英語を何回も聞いて、改善ポイントを見つけていきましょう。
自分の声を聞くのは多くの人にとってキツいと思うんですが、勉強のためです。こらえましょう。
コツは「自分がこの英語を聞く立場だったらどう感じるだろう?」と考えることです。そうすると自然と改善点がポンポン出てきます。
「速くて聞き取りにくい」と感じれば次回はゆっくり話すことを心がければいいですし、発音が聞き取りにくい単語が見つかれば、その単語を辞書で引いた上で正しい発音をトレーニングしてみてください。
ちなみにもっとストイックにやりたい方は『英語は朗読でうまくなる!』という本を参考にしながらやると効果倍増です。
以前、この本をレビューした記事でも書きましたが、この本では英語を上手く読むための効果的なトレーニングができます。ぜひ活用してみてください。
まとめ:録音から逃げるな
というわけで今回は自分の英語を録音して聞いてみるのが効果的でおすすめですという話でした。
自分の声を録音して聞くのは、なんか気持ち悪くて嫌だと思います。
自分のスピーキングのダメなところがはっきりとわかるので、気が進まないという人も多いでしょう。
ぼくもそうだったので(実は今でも結構そう)、すごくよくわかります。
でも、録音したその英語が、他人が聞いている英語なのは事実です。
録音⇒反省を繰り返すことで、自分の話す英語と向き合えば、必ずそれなりの英語が話せるようになってきます。どんどん変わっていきます。
ぜひ学習に取り入れてみてください!
(こちらの記事もおすすめ)
【中国語】成語・慣用句を勉強するメリットとおすすめテキストまとめ。勉強法も紹介します!
中国語学習において、初級段階を終えたら少しずつ勉強を始めていきたいのが
成語・慣用句
です。
わかりやすいように日本語と共通したものを挙げると、
弱肉强食
一举两得
こういうやつですね。
「中国や台湾に旅行に行ったときにちょっと話せればいいかな」
くらいのレベルを目指している人の場合は、正直これらの表現は勉強する必要はありませんが、中級以上を目指したい人にとって、成語は避けては通れない道です。
というわけで今回は中国語の成語について、
- 学ぶメリット
- おすすめテキスト
- 勉強法
を紹介していこうと思います。
※この記事では、成語や慣用句など、熟語を全て合わせて「成語」と表記しています。
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成語は意外と使われている
ことわざ、慣用句、四字熟語・・・
これらの言葉を聞いただけで拒否反応を示してしまう人は実際結構いるのではないでしょうか?
普通の単語に比べて、成語は覚えるのに時間がかかります。感覚的に、3倍くらいかかりますね。
なので、多くの中国語学習者は
「めんどくさいから後でいいや」
となってしまいがちなんです。
と言いましたが実はぼくもそうで、中級レベルくらいまでは、全くといっていいほど成語は勉強しませんでした。
しかし、中国語を実際に使うようになってから、
成語ってめちゃくちゃ大事だな
と思うようになったんです。
まず、ニュースや、討論番組などの程度の高い会話では、成語がよく使われます。
成語を要所要所で織り交ぜることで、びしっと引き締まった"かっこいい"文章になるんです。これらの内容を深いレベルで理解するためには、成語の学習は必須だと言えます。
また、職場や友達同士など、普通の会話でも、頻度は少ないですが成語は使われます。
日本語でも、
- 単刀直入に言ってくれない?
- あいつは八方美人だからなぁ・・・
など、普通に言いますよね。
中国語では、もっと多い頻度で日常会話でも成語が使われている・・・というイメージです。
これらを知っていると、表現のバリエーションが増えますし、成語をうまく使うことができれば、ネイティブから
「この日本人すごいな」
と思ってもらえる・・・というボーナスもあるでしょう。
漢字に対する理解が深まる
詳しくは勉強方法のところでも書きますが、成語を勉強すると、漢字そのものに対する理解がぐっと深まります。
たとえば、中国語の成語には「狼」や「虎」を含んだ成語がいくつもあります。
(1)狼吞虎咽
(2)前怕狼,后怕虎
(1)はがつがつ食べること、(2)は心配事がありすぎてためらって進まないことを表します。
これらの成語を勉強すると、中国語において「狼」や「虎」が、単に動物を示すだけではなく、時には野蛮であり、おそろしいものの対象として使われる、という知識も身に付くわけです。
これはひとつの例にすぎません。
このように、成語を勉強すると、漢字1字1字に対する理解がどんどん深くなっていきます。
成語を勉強することは、ただ単にことわざを丸暗記しておしまい、という話ではないということです。中国語学習全体に必ず良い影響があります。
おすすめのテキストはこれだ!
成語・慣用句の勉強ができるテキストを4冊紹介していきます。
①会話で覚える中国語慣用句300
3字の慣用句を中心に、300+αの表現が収録されています。
400ページほどある厚めの本ですが、中は字が大きめで非常に読みやすいです。
特筆すべきは例文で、300の見出し語すべてに会話形式の例文が2つ付いています。
例文も難しいものは一切ないので、初級段階を終えたばかりの人でも難なくこなせるでしょう。
ただ、音声CDが付いていないので、そこは注意してください。
ピンインを見て正確に発音できる・・・というのは前提条件です。
発音が不安だという人は『紹文周の中国語発音完全マスター』などの、短期間で発音が習得できる本をまずはやり込むのをおすすめします。
(関連記事)
中国語の発音が練習できる本おすすめ3冊!この中から1冊選んでやれば大丈夫!
②中国語口語表現 ネイティヴに学ぶ慣用語
ぼく自身かなりやり込んだ1冊で、本当におすすめです。
この本は教科書形式で、全20課の会話文の中に500近い成語・慣用表現がちりばめられています。
実際の会話でもまさに使いそうな表現が詰まった1冊で(ネイティブに見せて確認済)、表現のチョイスが非常に実用的だと感じます。
難易度は初心者には厳しいですが、中国語検定2級にあと少しで合格しそうな人や準1級を目指す人にはおすすめです。
この本については詳しい使い方などを別の記事にまとめたので興味のある方はこちらも合わせてお読みください。
⇒『中国語口語表現―ネイティヴに学ぶ慣用語』は成語・慣用表現が学べておすすめ!難易度や使い方。
③中国語検定準1級・1級トレーニングブック 筆記問題編
合格奪取! 中国語検定準1級・1級トレーニングブック 一次筆記問題編
- 作者: 戴暁旬
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中国語検定2級以上の実力がある方におすすめなのがこのテキストです。
初心者は絶対に手を出してはいけない難易度ですが、「一気に成語を詰め込んで上級者に近づきたい!」という中級者にとっては逆に
この本しかありえない
というレベルでおすすめです。
四字熟語を中心に1000以上の成語が収録されているボリューミーな参考書です。
中検準1級・1級の対策本ということで、試験に沿った問題形式になっていますが、中検を受ける人でも受ける予定がない人でも、非常にためになります。
④キクタン中国語 慣用句編
3字の慣用句が約400学習できるのがこの『キクタン』。
中身はオーソドックスな単語帳、という感じで、
- 見出し語
- 意味
- 例文
がシンプルに並んでいます。
今まで紹介したものの中では最も難易度が低く、取り組みやすいので、入門編としてこの本から始めてみるのもおすすめです。
また、②③で紹介した2冊を終えた人が、3字熟語の補充としてこの『キクタン』を使うのも良いでしょう。
おすすめの勉強法
上記で紹介したテキストを使って成語を覚える際のコツを2つ紹介していきます。
①初めから順番にやらなくていい
「よし、1冊完璧に全部覚えるぞ~」
と意気込み、1ページ目からなめるように覚えていくと、途中で必ず挫折します。
継続して学習していくためのコツは、
覚えられそうなものから覚えていく
これです。
ページをパラパラとめくりながら、覚えられそうなものを見つけたらそれから覚えていきます。
覚えられたものに関してはペンでマークしておくと良いでしょう。
(ぼくの『キクタン』。覚えたものは青ペンで丸。)
上の写真でもわかると思いますが、「打○○」という慣用句がずら~~~っと並んでいるのがわかると思います。
こんなのを順番に覚えていたら爆発します。ランダムに覚えていきましょう。
②積極的に辞書を引こう
成語の中に知らない字があった時はすぐさま辞書を引きましょう。
記事の前半で、
「成語を勉強すると漢字に対する理解が深まる」
と書きましたが、ただ丸暗記しただけではこの効果を得ることはできません。
知らない字に出会う度に辞書を引いてこそ、このメリットを得ることができるんです。
たとえば、
凤毛麟角
きわめて珍しい人や物
という成語を覚えるとしたら、この4文字すべての意味を知っている必要があります。
ぼくはこの成語を覚える際、「凤」の意味がわかりませんでした。
辞書で引いたところ、この字は「鳳凰」を意味することがわかり、
「鳳凰の毛と麒麟の角・・・そりゃ珍しいわ」
と納得しました。
この流れをしっかりと踏むことで、丸暗記とは段違いに記憶に残りますし、漢字の知識もどんどん蓄積されていきます。
辞書を引くのはとにかく癖にしましょう。
辞書を引いた回数だけできるようになります。
まとめ
というわけで今回は中国語の成語・慣用句についてメリット、おすすめテキスト、勉強のコツをまとめてみました。
繰り返しにはなりますが、成語の習得は中国語の中級者以上を目指す上で必要不可欠です。
この記事で紹介したようなテキストを使ってぜひ学習してみてください!
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『今日のタメ口英語』(作者:kazuma)が超使える!実際に現地で使われている表現が学べます。
「教科書に載ってる表現以外にも、ネイティブが実際に使っているフレーズが学びたい!」
そんな方におすすめの本を見つけました。
『今すぐ使えて、会話がはずむ 今日のタメ口英語』という本です。
著者のkazumaさんは、『今日のタメ口英語』という、英語の日常表現を紹介するツイッターアカウントを運営されています。
【ウザい 色々】
— 今日のタメ口英語 (@e_kazuma) 2018年4月25日
You are annoying
うざったいんだけど
You are in the way
邪魔だ
He is a pest
ウゼーなあいつ
Don't bug me
五月蝿いな
Stop interrupting
しゃしゃり出てくんじゃねーよ
Do you mind?
やめてくんない?
Too bothering
メンドすぎ
このアカウント、フォロワー数なんと25万人以上。かなり人気ですね。
この本は、そのツイート内容を元に、内容を厳選・加筆して完成されたものとなっています。
リアルな表現!
この本に載っている表現は、どれも現地(アメリカ)でネイティブが日常的に使っている非常にリアルなものです。
筆者は何回も渡米し、実際に現地の人と交流することでコツコツとこれら表現のストックをためていったそうです。
こういうフレーズって、普通の教科書的なテキストだとなかなか触れることができないんですよね。
「カンタン日常英会話」とかいう本がよくありますけど、正直、思うんですよね。
「こんなんいつ使うんじゃっ」って。そんな超個人的な感想から「いやいやこっちでしょ」っていうフレーズたちを集めました。
(98ページより一部引用)
と筆者も言っていますが、これほんとーによくわかります。
ぼくも、本屋の英語参考書コーナーに並んでいる本を読むと、
「(これ、実際は使われてないよな・・・文法的には正しいんだけど。)」
とよく思います。
受験参考書なんかに至っては、ほとんど使わない表現だらけ・・・という印象です。
この本で得られる効果
本のタイトルに「タメ口」とあるのからもわかるように、徹底的にカジュアルな表現が詰まっています。
先ほど紹介した筆者のツイートにもいくつか載っていましたが、他にもピックアップすると、
ムカつく。
I'm pisses off.
ふわふわ。
Fluffy.
量産型。
Basic.
(すべて本書よりピックアップして引用)
などなど。
これらのリアルな表現を学習していくことで、日常の何気ない一言が英語で言えるようになってきます。
また、本の中には「この表現は使わなそうだな」というものがいくつかあるかもしれませんが、知っておくだけでもリスニングの際にかなり役立ちます。
会話の際もそうですし、映画や海外ドラマもタメ口英語のオンパレードですから、それらを楽しむためにも有効なトレーニングになるでしょう。
「別に英語で映画見られるようになりたいわけじゃないし・・・」
という方もいるかもしれませんが、映画の中の何気ないセリフがちょっとでもわかると、仮に字幕で見ていたとしても、洋画を見るときの楽しさがグッと高くなりますよ!
初心者でも問題なく使える
本書には、
おこなの?
Are you salty?
(169,170ページより2文引用)
という表現が載っています。
"salty"に「怒っている、イラついている」という意味があるのを知っている人は少ないのではないでしょうか?
このような表現は、ぼくは教科書レベルを超えてから、具体的にはTOEICで800点を超えたくらいから海外ドラマやアメリカのテレビ番組を見て少しずつ覚えていきました。
でも、英語初心者~中級者にとって、海外ドラマやテレビ番組を視聴するというのは、すごく敷居が高いですよね?
それを考えると、実際に使われているリアルな表現"のみ"を集めているこのテキストは、初心者でも早い段階で実際のフレーズに触れることのできる貴重で有益な存在だと言えるでしょう。
使いやすい
ほとんどの英語テキストと比べると、サイズ的に小さく、軽いのが特徴です。
(普通の新書よりちょっと大きいくらいのサイズ感。持ちやすい。)
本は小さいですが、だからといって中の文字も小さくて読みにくいということはなく、むしろ文字サイズが大きく非常に読みやすいです。
本のレイアウトとしては、右側ページに日本語、ページめくって左側ページにその英語訳が載っているという形式です。
ぼくは普段、本の左側に日本語、右側に英語が載っているテキストがベストだとよく言っているのですが、この本の場合、本のサイズが小さいので、ページを繰るのがまったくストレスにならず、むしろ使いやすさを感じました。
このサイズ感とレイアウトなら、電車やバスの中で立ったままでも楽勝で勉強できそうです。
通勤通学時間がながく、その時間を英語の勉強に充てたいと思っている方にもおすすめですね。
おすすめの使い方
この本は、頭から1ページずつ真面目にやっていく必要はないです。
目次を見たり、本をパラパラめくったりしながら、
「この表現使いたいな」
「このフレーズ面白い!」
と思った個所を"つまみ食い"するというスタイルでやるのがおすすめです。
少しずつ少しずつ、ちょっとでも表現の幅が広がったらいいな・・・くらいの気持ちでやった方が継続します。
気に入ったフレーズは、復習の際にまたわかるようにペンで囲んでおくと良いでしょう。
(バイオレットと白の2色刷りなので青ペンでマークするのがおすすめ。)
また、学習する際は、
- とにかく口に出してつぶやいてみる
- とにかく音声を聞きまくる
のを原則にトレーニングしてください。
タメ口英語は書き言葉ではなく、話し言葉です。
会話を意識してスピーキング・リスニングの特訓をしていきましょう。
ちなみに、音声はHPでダウンロードできます。詳しくは本書5ページ参照。
汚いスラングは・・・・
この本には、日本語で言うところの
「おめぇうぜーんだよカス野郎」
的な笑、汚いスラングも収録されています。
これらは、本書に
僕らが使う必要は無いです。
(中略)
ただ映画やネットなんかでも頻出で、知ってると理解が深まったり、より楽しめたりするんで参考程度に見てみてください。
(152ページより)
とあるように、自分で使うというよりは、
「へぇーこんな表現あるんだ」
程度に、知識として知っておく、というスタイルで接するのがおすすめです。
ただ、「こういうスラングこそむしろ勉強してぇんだよカス!」という人もいるかもしれません。
そういう方はこの本にプラスして『正しいF○○Kの使い方』(タイトル自主規制)という本がクソ最高なのでぜひ合わせて読んでみてください。
正しいFUCKの使い方-学校では教えてくれない、取扱注意のFuck、Shit、Damn、Hellを使った99フレーズ (TWJ books)
- 作者: 英語表現研究会,MADSAKI,NAIJEL GRAPH
- 出版社/メーカー: トランスワールドジャパン
- 発売日: 2014/04/25
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
(参考までにこの↑本を読んだカナダ人2人の反応)
シャーラと正しい●●の使い方?!"How To Use F*CK" With Sharla!
まとめ
というわけで今回は『今すぐ使えて、会話がはずむ 今日のタメ口英語』のレビューでした。
記事内でも言いましたが、こういうテキストはかなり貴重ですね。
初心者もそうですし、現地に留学したことがない・行ったことがない上級者の方が読んでも、結構知らない表現が出てくると思います。
非常にためになる内容で定価は1000円と、かなりリーズナブル。
おすすめです!
その他、おすすめの英語参考書レビューはこちらから一覧を見ることができます。
英語は日本語訛りMAXで話せばOK!でも発音は大事!・・・いやこれってどういうこと?
英語を話す機会があった時に、
- 自分の下手な発音で大丈夫だろうか・・・
- ああ、発音が下手な自分が恥ずかしい。。
などと思ったことはありませんか?
結構多くの人に当てはまるのではないでしょうか?
でもこれ、実は英語学習にとってちょっと良くないモードに入っちゃってます。
英語で会話をする時によくこのような気持ちになってしまう人は、
「英語なんて日本語訛りMAXで話せばいいんだ!」
という風に考え方を大きく変えると、スピーキング力が良くなる方向へ向かっていくと思うんです。
話せなくなるのが一番良くない
自分の英語の発音を過度に気にしていると、その事が心配で、「積極的に英語を話していこう!」という気持ちが出てこなくなってしまうんです。
スピーキング上達のために重要なのは、とにかくどんどん話してみることです。
どんどんどんどん話してみて、それで間違えて、いろいろとやらかして、反省して改善して・・・そういったトライ&エラーを積み重ねていくことでスピーキング力はみるみる上がっていきます。
自分の発音を気にしてしまうと、それが足かせ(口かせ?笑)となってしまうわけです。
誰もあなたの発音を気にしていない
英語を話す時、日本語訛りMAXで話したとしても、それで相手がどうこう思うということはありません。
「自分の発音大丈夫かな・・・」と思うこと自体がそもそもの話、ただの取り越し苦労ってことです。
発音に訛りがあったとしても、せいぜい「この人はネイティブじゃないんだな」と思うくらいです。
そう思うだけです。それだけ。たいていの人はこのことすら思わないでしょう。
だって、英語ってそういうものですから。
英語は、国際語です。
色々な国・地域から来た人が集まった時に共通の言語として使うという側面があるわけです。
非ネイティブの話者数が圧倒的に多いのが英語なので、訛りがあっても全然普通、というか、訛りってむしろ何?正しい発音・正しくない発音ってなんだろう?と定義すらあやうくなるレベルで多様な言語なんです。
だから、訛りがあって普通!堂々と日本語訛りで英語を話せばいいわけです。
不快に思われることもない
誰もあなたの発音なんか気にしていないと書きました。
誰も気にしていないので、ましてや、自分の発音が下手だからといって、相手が不快な気持ちになることもまずありません。
ぼく自身、結構な数の英語ネイティブと話をしてきました(少なくとも自分ではそう思っている)。ぼくの英語の発音は決して上手くはありません。
しかし、それで相手が不快な気持ちになったことは、(思っていても言ってくれなかった場合は別として)1回たりともないんです。
まぁでも、これはあくまでぼくの話。
世の中には発音が"下手"で、聞き手が不快に思ってしまった・・・ということもあるのかもしれません。
でも、もしそういうことがあったら、その人とは距離を取るのをぜひおすすめします。
だって、発音で不快に思ってるってことは、あなたに1ミリも興味ないってことじゃないですか。
よく考えてみてください、例がちょっと極端ですが、たとえば憧れのハリウッドスターが来日した際、舞台挨拶をカタコトの日本語で行ったとします。
"下手"な発音に不快な思いをするでしょうか?
気になるのは自分が好きなハリウッドスターが何を言っているのか?その内容ですよね。
仮に発音が下手でも、相手に興味があれば人は何とかして理解しようとします。
発音に不快感を感じる時点で、もう興味持たれてないんです。
伝わらなくても・・・
「でも、最低限相手に伝わるレベルで発音は身に付けた方がいいよね?」
そう思った方がいると思います。
これは、確かにその通りです。
全く聞き取れないレベルからは脱する必要があると思います。
ただ、ただです。それでも、途中途中で伝わらない発音になってしまうくらいのレベルなら、
「ごめん、いまなんて言ったの?」
と普通相手が聞き返してくれますよね?
なので、確かに最低レベルには達する必要があると思いますが、やはり「話す時に自分の発音を気にしない」・・・この原則は変わらないと思うのです。
で・も!発音は大事!
さて、実はここからが本題です(えっ)。
ここまで日本語訛りMAXで話そう!という内容をさんざん主張してきましたが、
発音って、めちゃくちゃ大事です。
はい。
「いやお前・・・さっきと言ってることが・・・」
という方、ちょっと待ってください。
ぼくは、このブログでも発音の重要性については何度も言及してきました。
たとえば、下記の記事では、
「英語学習は発音から始まる」的なことも書いています。
要するにこういうこと
この2つは矛盾しているように感じる方も多いかもしれません。
が、上記の記事にも書いた通り、
発音がなぜ重要なのか、それは、発音をしっかりとトレーニングすることで学習効率が飛躍的に上がるから、なんです。
要するに、
- 英語学習では発音が大事!
これはその通り。
ですが、だからといって
- 英語学習では発音が大事⇒話す時は良い発音で話さなければいけない
は違いますよ、ということです。
先ほどの『英語耳』の記事でも書きましたが、発音をトレーニングすると、単語学習がスピーディーになり、リスニング力も向上します。
こういった諸々の効果があるから発音をみっちりトレーニングするのをおすすめしているわけです。完璧な発音で話すためではありません。
まとめ
というわけでまとめると、
英語は日本語訛りで話せばOK!でも、だからといって発音学習をおろそかにしてはいけないゾ!
ということでした。
- 下手な発音で、訛りMAXで話すのはよくない!発音をちゃんと勉強しないと
- 発音なんてどうでもいいから!
このどちらかのパターンに入ってしまうと、学習がうまくいかない可能性が高いでしょう。
重要なのは、「英語なんて訛りMAXで話せばいいのさ~」と気楽に構えながらも、発音トレーニングはおろそかにしない、という一見矛盾したようなスタイルなのです。
それでは!
(こちらの記事もおすすめ)
『英語は朗読でうまくなる!』(青谷優子著)のレビュー。"音読"と"朗読"では何が違うのか?
英語学習者なら絶~~~~~対に買った方がいい!
というレベルでおすすめの本を見つけてしまったので紹介していきたいと思います。
『英語は朗読でうまくなる!』という本です。
著者は青谷優子さん。
元NHK WORLDのニュースアンカーで、現在はフリーのアナウンサー、また朗読家として活動されています。
"朗読"とは何か?
タイトルをパッと見て多くの人が想像するのは、
「これは英語の音読の本だな」
なのではないでしょうか?
しかし、筆者の青谷さんは、"朗読"を音読とは全く違ったものとして明確に差別化しています。
音読と朗読の最大の違いは何でしょう? それは、朗読は「聞き手」を意識して行うものだということ。音読は、私の考えでは「インプット」です。
(略)
それに対して、朗読は、文字通りの意味での「アウトプット」です。聞き手がどんな人なのか、その人に向けて、どんな表現で、どんな方法で伝えるのかをよく考えた上で声に出すのが、私の考える英語朗読です。
(12ページより一部引用)
音読は文字を言葉に出して読む、その域を出ず、いわば作業的なもの。
それに対して朗読は、テキストの意味を自分の中で理解し、伝える人(本書で言うところの「聞き手」)のことも考え、伝わるように発声する行為・・・というわけです。
で、この朗読が、英語学習にとって非常に有効だと筆者は主張します。
これ、ほんとーによくわかります。
聞き手を全く意識していない、作業的な"音読"って、英語学習として効果が薄いし、それに、そういう風にしゃべる英語って、すごく聞き取りにくいんです。
全く同じテキストを声に出すにしても、
- ただ文字を音に変換するだけのように読む
- 自分の頭の中で意味を考えながら、聞いている人に伝えることも考慮して読む
この2つでは英語学習としての効果、また聞き取りやすさが全然違います。
仮に途中で噛んでしまったり、つっかえたりしてしまったとしても、聞き手を意識した"朗読"の方が聞きやすい・・・と言ってもいいくらいの差なんです。
「読み」を視覚化する!?
本の内容としては、8割は英語のテキストになっていて、これを使って朗読のトレーニングができるようになっています。
ジャンルとしては、
ニュース
スピーチ
詩
物語
の4つです。
普通の英語テキストと大きく違うのは、テキストに読む際のコツがマーキングされていること。
・・・と言ってもわかりにくいと思うので、(内容がわからない範囲で)実際のテキストをほんの一部載せてみます。
■マークがあったり、二重線が文字の下に引かれているのがわかると思います。
本書ではこのような記号9種類を使って全テキストにマークがされており、これを見ることで
- 間をあけて読んだ方がいい
- 強調して読むのがベスト
- カタマリとしてとらえて!
などの朗読の際のコツがわかるわけです。
NHKでアナウンサーとして活動していた頃に実践していた「読み」を視覚化する技術を紹介しています。これは、英文に読み方や読む際に気を付けるポイントを書き込んだもので、「朗読譜」と呼んでいます。
(4ページより一部引用)
ぼくがこれを見た時に、一番最初に思い出したのがNHKのラジオテキスト『攻略! 英語リスニング』でした。
このテキストにも、毎月読む際のコツがマークされたテキストが載っていました。
「載っていました」と過去形である理由ですが、この講座、約1年前に多くの英語学習者に惜しまれて終わってしまったんです・・・。
こういう試みをしているテキストって、ありそうで実は結構ないので、今回のこの『英語は朗読でうまくなる!』はそういう意味で貴重な存在ですね。
それに、ぼくが見る限り「攻略!」よりもマーキングがわかりやすいです。
朗読のための10のポイント
この本の最初では、朗読トレーニングを行う際に気を付けるべき10のポイントが書かれています。
わずか5ページほどにまとめられているんですが、
めちゃくちゃためになる、本質的なことがぎゅっと詰まっています。
この5ページのためにこの本を買ってもいいというレベルです。
もちろん、詳しくはここには書けないんですが、こういったポイントというのは、
通訳者などの読みのプロを養成するスクールやセミナーでしか基本的に知ることができない内容
(個人の感想)
だと思いますね。
ほとんどの参考書って、いわゆる"先生"と呼ばれる人が書いたものなんですが、今回のこの本のように、語学教師ではなく、英語を実際に使っているプロが書いた本というのは、また違った良さがあり、その現場の実地体験の積み重ねでしか得られないような情報が詰まっているんですよね。
この本を使って朗読トレーニングをする際は、何回もこの10のポイントに戻って再確認、再々確認をするのをおすすめします。
音声がとにかく良い
テキストの音声はすべて著者の青谷優子さんが吹き込んでいます。
これがめちゃくちゃ良い。
良い!
いや何回も言いたい、音声が良い!
もう、このCD音声が最高すぎるんですよ。
CD音声を聞いた時はもう鳥肌モノでした。
たとえば、本書にはオバマ前大統領の演説を元にしたテキストが収録されていますが、音声を聞くと、聞いている人に訴える感じ、一語一語が歴史に刻まれていく感覚・・・そういったものを感じるんです。
また、物語の朗読では、音声一発目、一文目を聞くだけでその物語の情景が頭の中にパァァァァァーーーっと浮かんできます。
いや、プロの朗読家、ここまでかと。
正直、涙腺が崩壊しかけました(泣いてないんかい)。
ふざけかけましたがマジです。
「朗読」って、ここまで深いものなのか、このレベルまで昇華されているものなのかと感じました。
良い声とかそういうレベルで収まるものではありません。
この本を買ったら、まずは音声をじっくり聞いてみてください。
トレーニングする際も、お手本として何回も繰り返し聞いてみましょう。
取り組みやすい
内容が濃いのにもかかわらず、全部で約130ページほどの比較的薄い本になっています。
サイズ感はこんな感じ。
(左がiPhone5s。わかりにくかったらすみません。)
本のところどころにはコラムも載せられていて、学習者を飽きさせない作りになっています。
「英語の本を買うんだけどよく途中で挫折してしまう」
という人でも安心して取り組めるでしょう。
あらゆる英語学習者におすすめ
というわけで今回は『英語は朗読でうまくなる!』(青谷優子著)のレビューでした。
英語を声に出して読むのが好き!という人はもちろんですし、
「英語を声に出して読むのが苦手で、ずっと避けて勉強してきた・・・」
という人も、この本に取り組めば、苦手を克服するどころか朗読の楽しさに気付くかもしれません。
英語を声に出して読む、その方法・コツみたいなのって、英語学習においてすごく大事な部分であるにもかかわらず、勉強するとなると学習しにくい分野だと思うんです。
聞いてマネするだけでできてしまう人もいますが、それはほんの一握りの才能のある人だけです。
こういう文字や記号を使ってわかりやすくコツを説明している本というのは、本当に貴重な存在だと思います。
おすすめです。
ぜひ使ってみてください!